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発明の名称 粒子加速器における放射光遮断装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−130192
公開日 平成6年(1994)5月13日
出願番号 特願平4−279016
出願日 平成4年(1992)10月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外2名)
発明者 丸下 元治
要約 目的
粒子加速器における放射光遮断装置に係り、放射光を遮断する遮蔽板の局所的な過熱の抑制を図る。

構成
ビームラインの対向する壁面に設けられた2枚の遮蔽板をビームラインに進入退出させることにより、少なくともいずれかの遮蔽板によって、放射光を遮断する放射光遮断装置であって、2枚の遮蔽板を、ビームラインの長手方向にずれた位置に配置し、かつ、それぞれの遮蔽板をビームラインに交差する軸心回りに揺動させる揺動手段を設けており、遮蔽板を交互にビームラインに進入退出させることにより、遮蔽板の表面における受光点を順次移動させる。
特許請求の範囲
【請求項1】 シンクロトロン等の粒子加速器におけるビームラインの途中位置に設けられ、該ビームラインの対向する壁面から該ビームラインに対して進入退出させられる2枚の遮蔽板を有し、該遮蔽板の少なくともいずれかによって、蓄積リングからビームラインに出射されてくる放射光を遮断する放射光遮断装置であって、前記2枚の遮蔽板が、ビームラインの長手方向にずれた位置に配置されるとともに、それぞれの遮蔽板に、該遮蔽板をビームラインの壁面近傍に配されかつビームラインに交差する軸心回りに揺動させる揺動手段が設けられていることを特徴とする粒子加速器における放射光遮断装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シンクロトロン等の粒子加速器のビームラインに備えられる放射光の遮断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、直径が10m以下の比較的小型の粒子加速器としてシンクロトロンが開発されつつあり、そのようなシンクロトロンから放射される放射光であるシンクロトロン放射光(SOR光)を利用して、例えば、超LSI回路の製造、医療分野における診断、分子解析、構造解析等の様々な分野への適用が期待されている。
【0003】図2は、シンクロトロンの概要を示すものであって、電子銃等の電子発生装置1で発生させた電子ビームを直線加速器(ライナック)2で光速近くに加速し、偏向電磁石3で偏向させてインフレクタ4を介して真空ダクトからなる蓄積リング5に入射させる。蓄積リング5に入射した電子ビームは高周波加速空洞6によりエネルギを与えられながら収束電磁石7で収束され、偏向電磁石8で偏向されて蓄積リング5内を周回し続ける。そして、偏向電磁石8で偏向される際にSOR光Sが放射され、それが光取り出しラインであるビームライン9を介して例えば露光装置10に出射されて利用されるのである。
【0004】上記のビームライン9は、蓄積リング5からのSOR光Sの取り出しと遮断とを行なうのみならず、蓄積リング5内の超高真空(10-10Torr程度)を保護する機能が要求されるものであり、そのため、ビームライン9には、図3に概略的に示すように、上流側から順次、手動バルブ11、光アブソーバ12、遮断バルブ13、速断バルブ14、マスクスリット15、衝撃波遅延管16、ビームシャッタ17、大バルブ18等が備えられていることが一般的である。
【0005】手動バルブ11は、保守の際等に蓄積リング5の真空を遮断するためのもの、光アブソーバ12は、SOR光Sの出射を遮断するためのもの、マスクスリット15は、SOR光Sの出射サイズを限定するためのものである。また、速断バルブ14は、ビームライン9での急激な真空悪化が蓄積リング5に到達することを防止するべく、例えば、数十〜数百ミリ秒程度の高速で閉じて真空を遮断するためのもの、遮断バルブ13は、さらに真空を確実に遮断するためのもの、衝撃波遅延管16は、急速な真空悪化の際の衝撃波の伝播速度を遅らせてその間に上記の速断バルブ14を閉じさせるためのものである。さらに、ビームシャッタ17は硬X線やγ線の漏洩を防止するためのもの、大バルブ18は、さらに下流側の部分との間に真空を遮断するためのものである。
【0006】上記の光アブソーバ12やマスクスリット15、ビームシャッタ17は、いずれも必要に応じてSOR光Sの全部若しくは一部を遮断するための遮断装置であって、これらはSOR光Sを遮断し得る遮蔽板をビームライン9中に進入させることでSOR光Sを遮断し、ビームライン9から退出させることでその通過を許容する構成となっている。図4は、遮断装置の代表的なものである上記の光アブソーバ12を模式的に示したものであって、これは、平板状の遮蔽板20をビームライン9に直交する状態で、つまり、ビームライン9の横断面に対して平行な状態に配置することにより、蓄積リング5からビームライン9に放射されてきたSOR光Sを遮断するように構成されている。
【0007】なお、これら遮断装置における遮蔽板20は、SOR光Sを遮断し得るものであることは勿論のこと、SOR光Sを遮断した際には、SOR光Sにより加熱されて高温となるので耐熱性をも要求されるものであり、したがって、遮蔽板20としては、水冷構造の銅板もしくはブロックが採用されることが一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のように、遮蔽板20として、水冷構造あるいは銅製のものを採用した場合であっても、遮蔽板20の表面におけるSOR光Sの受光点近傍を瞬時に冷却することは困難である。このため、該受光点近傍において、局所的な過熱が発生し、例えば、SOR光Sの出力が数kWにもなる大型の粒子加速器においては、その過熱状態は過酷なものであって、遮蔽板20の劣化等の不具合が発生することが考えられる。
【0009】本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、放射光を遮断する遮蔽板の局所的な過熱を抑制し得る有効な放射光遮断装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、シンクロトロン等の粒子加速器におけるビームラインの途中位置に設けられ、該ビームラインの対向する壁面から該ビームラインに対して進入退出させられる2枚の遮蔽板を有し、該遮蔽板の少なくともいずれかによって、蓄積リングからビームラインに出射されてくる放射光を遮断する放射光遮断装置であって、前記2枚の遮蔽板が、ビームラインの長手方向にずれた位置に配置されるとともに、それぞれの遮蔽板に、該遮蔽板をビームラインの壁面近傍に配されかつビームラインに交差する軸心回りに揺動させる揺動手段が設けられている粒子加速器における放射光遮断装置を提案している。
【0011】
【作用】本発明の放射光遮断装置によれば、蓄積リングからビームラインに出射されてくる放射光が、2枚の遮蔽板の少なくともいずれかによって遮蔽される。遮蔽板は、ビームラインの長手方向にずれた位置に配置され、揺動手段によってビームラインに交差する軸心回りに揺動させられるので、両遮蔽板の間に隙間を形成することなく、その傾斜角度を変化させられることになる。これにより、遮蔽板の表面における放射光の受光点が揺動に伴って移動させられることになり、該遮蔽板の局所的な過熱を防止することが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る放射光遮断装置の一実施例について、図1を参照して説明する。図1は、本実施例の遮断装置である光アブソーバ30(放射光遮断装置)を模式的に示す側面図である。
【0013】この光アブソーバ30は、従来のものと同様の水冷構造の銅製の遮蔽板31がビームライン9に対して進入退出自在に設けられ、その遮蔽板31がビームライン9に配置されることによって、蓄積リング5からビームライン9に出射されてくるSOR光(放射光)Sを遮断するものである点で図4に示す従来例の光アブソーバ12と共通している。しかし、本実施例の光アブソーバ30は、ビームライン9の対向する壁面9aから進入退出させられる2枚の遮蔽板31を有している点で従来例と相違している。
【0014】該遮蔽板31は、それぞれ、揺動機構32(揺動手段)によって、ビームライン9の壁面9a近傍にビームライン9に対して垂直に配置される軸心回りに揺動させられるようになっている。該揺動機構32は、例えば、ビームライン9の壁面9a近傍に配され回動自在に支持されるとともに、遮蔽板31を取り付けて該遮蔽板31の揺動軸心となるシャフト32aと、該シャフト32aに連結され該シャフト32aを回動させる駆動モータ32bとを具備して構成されている。
【0015】この遮蔽板31は、また、ビームライン9の長手方向にずれた位置に配置され、それぞれの揺動動作によっても、相互に遮蔽板に干渉しないようになっている。さらに、該遮蔽板31は、SOR光Sが挿通するビームライン9の中央位置近傍において、遮蔽板31の先端部を相互にオーバラップさせることにより、SOR光Sの遮蔽洩れを発生することなく、確実に遮断することができるようになっている。
【0016】このように構成された光アブソーバ30によってSOR光Sを遮断するには、まず、遮蔽板31がビームライン9の壁面9a近傍に退避状態とされ、SOR光Sを挿通可能な状態から、2つの駆動モータ32bを同時に作動させることにより、2枚の遮蔽板31をそれぞれ揺動させてビームライン9内に進入させる。そして、2枚の遮蔽板31がビームライン9の中央位置付近でオーバラップさせられた状態で停止され、この位置でSOR光Sが遮断されることになる。
【0017】次いで、SOR光Sを遮断した2枚の遮蔽板31は、相互に同期してビームライン9に交互に進入退出させられる。つまり、上側の遮蔽板31がビームライン9に進入する方向(下方)に揺動させられると、これとは逆に下側の遮蔽板31がビームライン9から退出する方向(下方)に揺動させられる(図1に実線で示す状態)。また、上側の遮蔽板31がビームライン9から退出する方向(上方)に揺動させられると、下側の遮蔽板31がビームライン9に進入する方向(上方)に揺動させられる(図1に鎖線で示す状態)。そして、これらの動作を連続的に繰返すことにより、常に、いずれかの遮蔽板31若しくは両方の遮蔽板31によってSOR光Sが遮られることになる。
【0018】これにより、遮蔽板31の表面におけるSOR光Sの受光点Aは、その位置を順次移動させられ、かつ、2枚の遮蔽板31の間で受け渡される。その結果、該SOR光Sが同一の遮蔽板31の同一箇所に長時間に亘って照射されることが防止され、遮蔽板31の局所的な過熱が回避されることになる。
【0019】しかも、遮蔽板31がSOR光Sに対して傾斜状態に配置されるので、遮蔽板31をビームライン9の横断面に対して平行に配置する従来の場合と比較してSOR光Sの受光面積が拡大することになり、単位面積当たりの受光量が低減して、遮蔽板31全体の温度上昇も抑制され、冷却装置の負荷を低減できるという利点もあり、特に大型大出力の粒子加速器への適用に好適である。
【0020】なお、上記実施例の光アブソーバ30にあっては、揺動機構32を、シャフト32aと該シャフト32aを回動させる駆動モータ32bとからなるものとしたが、これに代えて、他の揺動機構、例えば、モータによって回転させられるカムを利用すること、あるいは、シリンダ等他のアクチュエータを使用すること等の技術を採用することも可能である。また、本発明は光アブソーバ30のみならず、ビームシャッタ等の他の放射光遮断装置に対しても全く同様に適用することができるものである。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の放射光遮断装置は、ビームラインの対向する壁面に設けられた2枚の遮蔽板をビームラインに進入退出させることにより、少なくともいずれかの遮蔽板によって、放射光を遮断する放射光遮断装置であって、2枚の遮蔽板が、ビームラインの長手方向にずれた位置に配置され、かつ、それぞれの遮蔽板をビームラインに交差する軸心回りに揺動させる揺動手段が設けられているので、遮蔽板がビームライン内に交互に進入退出するように揺動させることにより、遮蔽板の表面における受光点を2枚の遮蔽板の間で受け渡し、あるいは、同一の遮蔽板において受光点の位置を移動させて、遮蔽板の局所的な過熱を防止し、遮断装置を健全な状態に維持することができるという効果を奏する。




 

 


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