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発明の名称 軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−130175
公開日 平成6年(1994)5月13日
出願番号 特願平4−283312
出願日 平成4年(1992)10月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外2名)
発明者 迫 淳 / 小田 順朗
要約 目的
軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置に係り、冷却水供給系を遮断している部分を、自然力のみによって受動的に開放して給水を行なうことにより、原子炉の安全性を確保する。

構成
原子炉格納容器のプール水中に原子炉圧力容器が水浸状態に配され、原子炉圧力容器の内部と原子炉格納容器の内部とを接続する給水用配管及び均圧用配管と、給水用配管及び均圧用配管に配される水圧作動弁とを具備し、水圧作動弁の内部に、原子炉圧力容器の内部圧力の押圧力によって弁座の閉塞状態を保持し内部圧力の減少時に弾発力によって弁座を開放させる弁体とが配される。
特許請求の範囲
【請求項1】 原子炉格納容器のプール水中に、原子炉圧力容器が水浸状態に配される非常用炉心冷却水注入装置であって、原子炉圧力容器の内部とプール水及び原子炉格納容器の気相部分との間に配されこれらを接続する給水用配管及び均圧用配管と、給水用配管及び均圧用配管に介在状態に配され管路の開閉をする水圧作動弁とを具備し、該水圧作動弁における弁室の内部に、弁座と原子炉圧力容器の内部圧力の押圧力によって弁座の閉塞状態を保持し内部圧力の減少時に弾発力によって弁座を開放させる弁体とが配されることを特徴とする軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置。
【請求項2】 水圧作動弁に、弁体を弁座の閉塞方向に移動させる弁閉塞手段が配されることを特徴とする請求項1記載の軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置。
【請求項3】 弁閉塞手段が、水圧作動弁の弁箱を貫通した弁棒を囲んだ状態に配されるハウジングと、該ハウジングの圧力室に配されその内壁と弁棒との間を区画するダイヤフラムと、弁棒とダイヤフラムとの間に弁棒と一体に介在させられる移動板と、圧力室に接続され圧力流体を供給するポンプとを具備することを特徴とする請求項2記載の軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置に係り、特に、一次冷却水の水位が低下した際に、受動的に作動して冷却水を原子炉内に注入して安全性を確保する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非常用炉心冷却系設備は、一次冷却水喪失事故が発生した時に、一次冷却水を原子炉圧力容器内に注入して炉心の冠水状態を保持するものであり、■蓄圧注入系、■高圧注入系、■低圧注入系、■自動減圧系等がある。
【0003】これらの設備では、原子炉圧力容器内の水位の異常低下を水位計測装置により検出して検出電気信号を出力させ、電磁弁等の弁を電気または空気圧等の動力によって開放作動させて、非常用冷却水タンクから冷却水(またはほう酸水)を原子炉圧力容器内に注入するようにしている。したがって、非常時には、信号伝送のための装置や動力によって作動する装置と、非常用炉心冷却系を確実に作動させるために信頼性の高い動力源とを確保することが必要である。
【0004】近年、原子炉システムの簡素化をねらいとして、受動的安全システムを大幅に取り入れた新しい思想に基づく原子炉の開発が要望されている。これらの原子炉に用いられる受動的安全システムは、外部からのエネルギあるいは信号、操作なしに、それ自体の有するメカニズムによって安全機能の達成を確保しようとしている。
【0005】受動的安全システムに関連する技術として、特開昭62−108192号公報「軽水冷却型原子炉」が提案されている。その技術の概略を説明すると、原子炉圧力容器の上方位置に、非常用給水系の給水タンクを連設しておくとともに、非常用給水系の途中にポンプの吐出圧力低下時に管路を開放する制御弁を配設して、炉心を冠水状態にしている一次冷却水またはほう酸水の一部をポンプで吸引し続けるようになし、ポンプの吐出圧力を直接制御弁に伝送して非常用給水系の管路を閉じておき、原子炉圧力容器の水位低下により気体の吸引現象が生じてポンプの吐出圧力が低下した場合に、制御弁が受動的に管路を開放することによって、冷却水やほう酸水の供給を自動的に開始して炉心の冠水状態を維持するようにしたものである。
【0006】そして、この技術によれば、原子炉水位の低下事故あるいはポンプ停止時に、受動的に給水系が作動して給水がなされることによって、炉心の冠水状態を保持することができるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポンプを作動させるためには、原子炉運転中における電動モータ等の駆動源の停電事故の発生を防止する必要があり、また、連続的に回転し続ける部分にあっては、安全性を確保するためにそのメンテナンスを考慮しなければならない等の解決すべき課題が残されている。
【0008】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、冷却水供給系を遮断している部分を、自然力のみによって受動的に開放して給水を行なうことにより、原子炉の安全性を確保することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための複数の手段を提案している。第1の手段は、原子炉格納容器のプール水中に、原子炉圧力容器が水浸状態に配される非常用炉心冷却水注入装置であって、原子炉圧力容器の内部とプール水及び原子炉格納容器の気相部分との間に配されこれらを接続する給水用配管及び均圧用配管と、給水用配管及び均圧用配管に介在状態に配され管路の開閉をする水圧作動弁とを具備し、該水圧作動弁における弁室の内部に、弁座と原子炉圧力容器の内部圧力の押圧力によって弁座の閉塞状態を保持し内部圧力の減少時に弾発力によって弁座を開放させる弁体とが配される構成を採用している。第2の手段は、第1の手段における水圧作動弁に、弁体を弁座の閉塞方向に移動させる弁閉塞手段が配される構成を付加した軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置としている。第3の手段は、第2の手段に、弁閉塞手段が、水圧作動弁の弁箱を貫通した弁棒を囲んだ状態に配されるハウジングと、該ハウジングの圧力室に配されその内壁と弁棒との間を区画するダイヤフラムと、弁棒とダイヤフラムとの間に弁棒と一体に介在させられる移動板と、圧力室に接続され圧力流体を供給するポンプとを具備する構成を付加した軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置としている。
【0010】
【作用】第1の手段にあって、原子炉が運転状態でかつ原子炉圧力容器内の水位が通常の状態であると、原子炉圧力容器の内部圧力によって、弁体が弁座を押圧した状態を保持し、水圧作動弁による給水用配管及び均圧用配管の管路の閉塞が継続的に行なわれる。原子炉圧力容器と原子炉格納容器との間で、原子炉冷却水またはその蒸気の漏洩が生じた場合には、その漏洩量に対応して原子炉圧力容器の内部圧力が低下するとともに、プール水の圧力が高くなり、これらの圧力差が減少する。圧力差の減少によって、内部圧力に基づく弁体の押圧力よりも弾発力が大きくなると、水圧作動弁が給水用配管及び均圧用配管の管路を開放し、原子炉圧力容器の内部とプール水及び気相部分とが連通状態となり、水頭差によってプール水が原子炉圧力容器内に流下して、炉心の冠水状態の保持が行なわれる。第2の手段にあっては、第1の手段による作用に付加して、原子炉の運転開始時等において、弁閉塞手段によって、弁体を弁座の閉塞方向に強制的に移動させて弁座を閉塞し、原子炉圧力容器の内部圧力の上昇による弁座の閉塞状態への誘導が行なわれる。第3の手段にあっては、第2の手段による作用に付加して、ポンプの作動によって発生させた圧力流体をハウジングの圧力室に供給し、弁棒を介して弁体を弁座の閉塞方向に移動させる。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置の一実施例について、図1ないし図3に基づいて説明する。各図において、符号1は原子炉圧力容器、2は炉心、3は一次系配管、4A,4Bは隔離弁、5は原子炉格納容器、6は断熱材、7は水密カバー、11は給水用配管、12は均圧用配管、13A,13Bは水圧作動弁、14は弁閉塞手段、Cは気相部分、Pはプール水である。
【0012】該一実施例における非常用炉心冷却水注入装置にあっては、原子炉格納容器5のプール水Pの中に、原子炉圧力容器1が水浸状態に配されるものに適用され、原子炉格納容器5が給水タンクを兼用している。
【0013】そして、非常用炉心冷却水注入装置は、図1に示すように、原子炉圧力容器1の内部とプール水P及び原子炉格納容器5の気相部分Cとの間に配されこれらを接続する給水用配管11及び均圧用配管12と、給水用配管11及び均圧用配管12に介在状態に配され管路の開閉をする水圧作動弁13A,13Bとを具備しており、水圧作動弁13A,13Bにおける弁室13aの内部には、弁座13bと、原子炉圧力容器1の内部圧力の押圧力によって弁座13bの閉塞状態を保持し内部圧力の減少時に弾発力によって弁座13bを開放させる弁体13cとが配される構成である。
【0014】前記水圧作動弁13A,13Bは、例えば同型のものとされる。そして、水圧作動弁13A,13Bには、図2及び図3に示すように、弁箱13dの弁室13aに配される弁座13b及び弁体13cと、弁体13cに一体に取り付けられ弁箱13dから外部に突出した状態に配される弁棒13eと、該弁棒13eの先端に一体に取り付けられる移動板13fと、該移動板13fと弁箱13dとの間に介在して弁体13を弁座13bから引き離す方向に弾発力を作用させる弾発部材13gと、弁箱13dに対して弁棒13eや移動板13f等を覆った状態に取り付けられるハウジング13hと、該ハウジング13hと弁箱13dとの間に介在してシール性を付与するためのシール用スペーサ13iと、移動板13fの周縁部とシール用スペーサ13iの内縁部との間に配されてハウジング13hの内部を区画するダイヤフラム13jと、給水用配管11が取り付けられて原子炉圧力容器1の内部と接続される管接続ノズル13kと、給水用配管11が取り付けられてプール水Pまたは原子炉格納容器5の気相部分Cと接続されるフランジ13mと、ダイヤフラム13jによって区画形成される圧力室13nと、該圧力室13nを弁閉塞手段14に接続するための接続口13pとが設けられる。なお、符号15は各部品を一体化するためのボルト,ナット等の締結具である。
【0015】そして、水圧作動弁13A,13Bにおける弾発部材13gの弾発力は、図2に示すように、原子炉が運転されていない自由状態にあっては、弁体13を弁座13bから引き離す方向に弾発力を作用させるとともに、原子炉圧力容器1の内部圧力と原子炉格納容器5の内部圧力との差が少なく、例えば5〜10kg/cm2 程度となった場合に、弾発力によって弁座13bを開放するように設定される。さらに詳しくは、原子炉圧力容器1の内部圧力をPr、原子炉格納容器5の内部圧力をPp、弁座13bが閉塞されているときの弾発力をFs、弁座13bの内径をd、弁座13bの断面積をAとすると、A=(1/4)・π・d2であり、水圧作動弁13A,13Bの開閉条件は、A・(PrーPp)>Fsのときは「開」
A・(PrーPp)<Fsのときは「閉」
となる。
【0016】前記弁閉塞手段14は、水圧作動弁13A,13Bの一部をなす弁棒13e、移動板13f、弾発部材13g、ハウジング13h、ダイヤフラム13j、圧力室13n等を利用するとともに、図1に示すように、プール水Pの中に配されるポンプ14a及びその駆動源14bと、吸水を行なうための吸水管14cと、接続口13pとポンプ14aの吐出口との間に接続状態に配される加圧水供給管14dとを具備している。
【0017】このような非常用炉心冷却水注入装置にあっては、水圧作動弁13A,13Bが、原子炉の運転開始前等の自由状態となっていると、弾発部材13gの弾発力によって弁体13が弁座13bから引き離されて、給水用配管11及び均圧用配管12の管路が開放される。したがって、原子炉の運転前に、弁閉塞手段14を作動させて管路の閉塞が実施される。
【0018】弁閉塞手段14におけるポンプ14aを運転して、吸水管14cによってプール水Pを吸引し、発生させた圧力流体を加圧水供給管14d、接続口13pを介してハウジング13hの内部の圧力室13nに供給すると、弾発部材13gによる弾発力に抗して、移動板13f、弁棒13eを介して弁体13cが弁座13bの閉塞方向に強制的に移動させられて、水圧作動弁13A,13Bの閉塞状態への誘導が行なわれる。
【0019】水圧作動弁13A,13Bを閉塞状態として、原子炉の運転を開始すると、原子炉圧力容器1の内部圧力が上昇することにより、弁体13cが弁座13bを押圧して閉塞状態の保持がなされ、以後、水圧作動弁13A,13Bによる給水用配管11及び均圧用配管12の管路の閉塞が継続的に行なわれる。
【0020】原子炉の運転時に、原子炉圧力容器1と原子炉格納容器5との間に位置している一次系配管3の一部から、原子炉冷却水またはその蒸気が漏洩する事故が発生した場合について検討する。
【0021】漏洩箇所Xからの漏洩事故の発生とともに、直ちに隔離弁4A,4Bを遮断して、原子炉格納容器5を隔離した場合には、漏洩量に対応して、図1に示すように、原子炉圧力容器1の内部では、液相部分Aの当初水位La1が例えば水位La2まで低下するとともに圧力が減少し、一方、原子炉格納容器5の内部では、プール水Pの当初水位Lp1が例えば水位LP2まで上昇するとともに、圧力が上昇する。この結果、原子炉圧力容器1の内部と原子炉格納容器5の内部との圧力差が減少する。
【0022】原子炉圧力容器1の内部圧力に基づく弁体13cの押圧力よりも、弾発部材13gに基づく弁体13cの弾発力が大きくなるまで圧力差の減少が進行すると、水圧作動弁13A,13Bが給水用配管11及び均圧用配管12の管路を開放するため、原子炉圧力容器1の内部と、プール水P及び気相部分Cとが連通状態となる。
【0023】原子炉圧力容器1の気相部分Bと原子炉格納容器5の気相部分Cとが連通状態となると、図1に矢印で示すように、蒸気等が気相部分Bから気相部分Cに放出されること等によって、これらの間の均圧化が図られ、プール水Pと気相部分Bとの圧力差(水頭差)によって、プール水Pが原子炉圧力容器1の内部へ流下して、液相部分Aの水量が増加し、炉心2の冠水状態の保持が行なわれる。
【0024】これらの非常時の給水にあっては、電気や空気圧等の駆動源が使用されず、原子炉圧力容器1と原子炉格納容器5との内部圧力差の減少による押圧力の低下、弾発力による弁体13cの下降等、自然力によって受動的に行なわれ、停電等の影響を受けることがない。
【0025】〔他の実施態様〕本発明にあっては、実施例に代えて次の技術を採用することができる。
a)給水用配管11の水圧作動弁13Aと、均圧用配管12の水圧作動弁13Bとの弾発力や作動圧力に差を付して、均圧用配管12の水圧作動弁13Bを先に作動させて、最初に均圧化を図ること。
b)水圧作動弁13A,13Bに対して、個々に弁閉塞手段14を配すること。
c)一つの給水系の給水用配管11及び均圧用配管12に、複数の水圧作動弁13A,13Bを並列的に配すること。
d)弁閉塞手段を圧力流体以外の駆動源で作動するものとすること。
【0026】
【発明の効果】請求項1に係る軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置にあっては、以下の効果を奏する。
(1) 原子炉格納容器のプール水中に原子炉圧力容器が水浸状態に配されることにより、給水用配管、均圧用配管及びその管路を開閉をする水圧作動弁の設置が単純化され、かつ、非常用冷却水の確保が容易となる。
(2) 原子炉圧力容器の内部圧力によって水圧作動弁を閉塞しておいて、内部圧力の減少時に、弾発力によって給水用配管及び均圧用配管の管路を開放して給水を行なうものであるから、一次冷却水の水位が低下した際に、受動的作動により冷却水を原子炉圧力容器内部に注入して、炉心を冠水状態にして原子炉の安全性を確保することができる。
(3) 非常時の給水にあっては、電気や空気圧等の駆動源が使用されず、弾発力や水頭差に基づく自然力によって受動的に行なわれ、停電等の影響を受けることがない。
請求項2に係る軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置にあっては、水圧作動弁に、弁体を弁座の閉塞方向に移動させる弁閉塞手段が配される構成の採用により、請求項1の注入装置に以下の効果が付加される。原子炉の運転開始時等において、弁体を強制的に移動させて弁座を閉塞し、原子炉圧力容器の内部圧力の上昇による弁座の閉塞状態への誘導を速やかに行なうことができる。請求項3に係る軽水炉の非常用炉心冷却水注入装置にあっては、弁閉塞手段が、水圧作動弁の機能の一部と、圧力室に接続されて圧力流体を供給するポンプとを具備する構成により、請求項2の注入装置に以下の効果が付加される。ポンプによって発生させた圧力流体を供給して、弁体を弁座の閉塞方向に移動させ、管路の閉塞を行なって原子炉の運転開始可能状態にするとともに、原子炉運転開始後にあっては、ポンプを停止させることにより弁体を移動可能な状態とし、簡単な切り替え操作で非常時に備えることができる。




 

 


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