米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 核技術 -> 石川島播磨重工業株式会社

発明の名称 低速陽電子のパルス化装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−66999
公開日 平成6年(1994)3月11日
出願番号 特願平4−245646
出願日 平成4年(1992)8月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 徹
発明者 東 修
要約 目的
陽電子ビームをパスル化する低速陽電子のパルス化装置のコンパクト化を図ることにある。

構成
短パルスにするチョッパー21の後に4つのグリッド22a〜22dで構成されたバンチャー22を設け、減速用グリッド22cと第1グリッド22aの間に減速用直流電源22fを接続して陽電子パルスビームを一旦、速度がほぼ0となるまで減速する。ほぼ0となった陽電子パルスビームを、第1,第2グリッド間に接続された高速パルス電源22eからの高速パルス電圧で第1グリッド22aを陽電子パスルビームの後端が通過した瞬間から加速しながら速度変調してバンチングする。これにより、短距離での低速陽電子のバンチングを可能とし、装置のコンパクト化を図るようにしている。
特許請求の範囲
【請求項1】 陽電子ビームを短パルス化するチョッパーと、このチョッパーの下流に複数のグリッドで構成したバンチャーとを設け、このバンチャーに送られる減速された陽電子パルスビームの後端が第1グリッドを通過した瞬間に再加速しながら変調する高速パルス電圧を印加する高速パスル電源を前記バンチャーの第1,第2グリッド間に接続したことを特徴とする低速陽電子のパルス化装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、薄膜や物質の表面近傍の表面状態を非破壊で詳しく調べることができる測定法などへの利用が期待されている陽電子ビームをパスル化する低速陽電子のパルス化装置に関し、装置のコンパクト化を図ることができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】陽電子は電子の反粒子であり、電子と同じ質量とスピンを持つが、電子と逆の正の電荷を持っている。この正の電荷を持つ陽電子は、原子核からクーロン反発力を受け、物質中に原子空孔が存在すると、これに捕獲される。
【0003】この陽電子の持つ特徴を利用し、材料に陽電子を照射し、その対消滅までの寿命を計測すること等は、材料表面から数ミクロンまでの範囲についての材料の格子欠陥分布や多層膜構造、界面の電子構造などについて重要な情報を得ることができ、高感度かつ非破壊で行える測定法として注目されつつある。
【0004】この陽電子の材料への照射による対消滅までの寿命は100psecのオーダーであり、この寿命を測定するためには、100psec以下の時間幅の陽電子ビームを供給する必要がある。
【0005】このため陽電子ビームを極短パルス化する装置の開発研究がなされており、たとえば陽電子発生源としてリニアックを用い、準DC的な陽電子ビームをパルス化する装置がある。
【0006】この陽電子極短パルス化装置は、図3に示すように、チョッパー1、サブハーモニックプリバンチャー(SHPB)2及びバンチャー3で構成されている。
【0007】リニアックで発生された高強度低速陽電子の準DCビームは3つのグリッド1a,1b,1cで構成されたチョッパー1に送られ、第1,第3のグリッド1a,1cに静電位をかけ、第2のグリッド1bに高速のパルスをかけることでチョップされて、5〜8nsec程度の短パルスにされる。
【0008】チョッパー1を通過した陽電子パルスビームは二重筒2a,2bで構成されたサブハーモニックプリバンチャー(SHPB)2に送られ、外側の筒2aに静電位、内側の筒2bにバンチャー3の周波数の1/4の正弦波を入力することで内外筒2a,2bの間のギャップで陽電子をモジュレートしてバンチャー3のバンチング可能な位相幅に全て入るようにパルス幅を圧縮する。
【0009】パルス幅が圧縮された陽電子パルスはバンチャー3に送られ、そのパルスが時間的に試料でフォーカスするようにビームをモジュレートする。これにより、陽電子ビームが100psec程度の極短パルスにバンチされる。
【0010】こうして極短パルスとされた陽電子は加速電極4で加速され、試料5に入射する陽電子のエネルギを変えることで、試料5の表面近傍の任意の深さの陽電子寿命を測定できるようにしてあり、試料5の背部には、シンチレータ6及び光電子倍増管(PMT)7が配置してある。
【0011】また、低速陽電子の発生法として上記の電子線型加速器(LINAC)を用いて電子ビームをターゲットに当て、制動放射によるγ線の対生成を利用するもののほか、放射性同位元素を用いる方法があり、58Coや22Naなどを陽電子線源とし、これから放出された高エネルギの陽電子をタングステンリボン(Wリボン)によって構成したコンバータに入射させる。入射された陽電子はタングステン中で充分に熱化された後に低速陽電子として真空中に放出される。放出された低速陽電子は静電場により引き出されて使用される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この極短パルス化装置によるバンチングはサブハーモニックプリバンチャー2及びバンチャー3に入射したビームにわずかな速度変調を与えて行っており、長いドリフトスペースが必要で装置の大型化を招くという問題がある。
【0013】この発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、短距離で低速陽電子のバンチングができ、装置のコンパクト化を図ることができる低速陽電子のパルス化装置を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記従来技術が有する課題を解決するため、この発明の低速陽電子のパルス化装置は、陽電子ビームを短パルス化するチョッパーと、このチョッパーの下流に複数のグリッドで構成したバンチャーとを設け、このバンチャーに送られる減速された陽電子パルスビームの後端が第1グリッドを通過した瞬間に再加速しながら変調する高速パルス電圧を印加する高速パスル電源を前記バンチャーの第1,第2グリッド間に接続したことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】この低速陽電子のパルス化装置によれば、短パルスにするチョッパーの後に複数のグリッドで構成されたバンチャーを設け、このバンチャーに送られる速度がほぼ0となった陽電子パルスビームを、第1,第2グリッド間に接続された高速パルス電源からの高速パルス電圧で第1グリッドを陽電子パスルビームの後端が通過した瞬間から加速しながら変調してバンチングするようにしており、短距離での低速陽電子のバンチングを可能とし、装置のコンパクト化を図るようにしている。
【0016】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1はこの発明の低速陽電子のパルス化装置の一実施例にかかる概略構成図であり、図2はこの発明の低速陽電子のパルス化装置の一実施例による短パルス化の原理説明図である。この低速陽電子のパルス化装置20は、チョッパー21とバンチャー22とで構成されており、極短パルス化された陽電子ビームを利用して材料の表面状態を非破壊で調べるため、バンチャー22の前方(下流)に加速電極23と試料24が配置され、さらにシンチレータ25と光電子倍増管(PMT)26が配置されている。
【0017】このチョッパー21には、リニアックにより発生させた高強度低速陽電子の準DCビームが送られたり、58Coや22Naなどの放射性同位元素から放出された高エネルギの陽電子をタングステンリボン(Wリボン)によって構成したコンバータに入射させ、タングステン中で充分に熱化された後に低速陽電子として真空中に放出されたDC陽電子ビームが送られる。
【0018】このチョッパー21は3つのグリッド21a,21b,21cで構成されており、第1,第3のグリッド21a,21cに静電位をかけ、第2のグリッド21bに高速のパルスをかけることで、たとえば準DCビームをチョップして10nsec程度に短パルス化する。
【0019】チョッパー21を通過した陽電子パルスはバンチャー22に送られる。このバンチャー22は少なくとも第1グリッド22aと第2グリッド22bの2つのグリッドを備えれば足りるが、この実施例のバンチャー22では、第1グリッド22aの上流側に減速用グリッド22cが設けられるとともに、第2グリッド22bの下流側にシールド用グリッド22dが設けられて4つのグリッドで構成されている。
【0020】そして、バンチャー22の第1グリッド22aと第2グリッド22bとの間には、再加速用の高速パルス電源22eが接続されており、減速された陽電子パルスビームの先端が第1グリッド22aを通過した後、この陽電子パルスビームの後端が通過した瞬間から高速パルス電圧を印加して再加速すると同時に速度変調を加えて、100psec程度にバンチングするようになっている。
【0021】さらに、このバンチャー22の第1グリッド22aに減速された陽電子パルスビームを送るため、減速用グリッド22cと第1グリッド22aとの間に減速用直流電源22fが接続してあり、チョッパー21で短パルス化した陽電子パルスビームが減速用グリッド22cと第1グリッド22aとの間を通過する間に速度をほぼ0近くまで減速するようになっている。したがって、減速された陽電子パルスビームを直接第1グリッド22aに送ることができれば、この減速用グリッド22cを設けなくとも良いことになる。
【0022】また、このようなバンチャー22での陽電子パルスビームの減速および再加速の影響がビームラインの他の部分に及ばないようにするため、第2グリッド22bの下流に設けたシールド用グリッド22dが接地されるとともに、減速用グリッド22cの上流側も接地してある。
【0023】このバンチャー22での短パルス化の原理は、図2に示すように、たとえば100eVの陽電子パルスビームe+が送られるとすると、減速用直流電源22fによって減速用グリッド22cと第1グリッド22aとの間に、たとえば99Vの電圧を印加しておく。
【0024】すると、100eVの陽電子パルスビームe+が減速されて第1グリッド22aを通過したときに1eV程度の速度がほぼ0近くに減速された状態になる(図2(b),(c)参照)。
【0025】こうして速度が0近くまで減速された陽電子パルスビームe+が第1グリッド22aに送られるが、パルス幅Bの陽電子パルスビームe+の先端B1 が第1グリッド22aを通過する場合には、第1グリッド22aと第2グリッド22bとの間に再加速用のパルス電圧が印加されずに、図2(b)に示すように、加減速は行われない。
【0026】この後、パルス幅Bの陽電子パルスビームe+の後端B2 が第1グリッド22aを通過する瞬間から、第1グリッド22aと第2グリッド22bとの間に再加速用の高速パルス電源22eにより再加速用のパルス電圧が印加され、図2(c)に示すように、陽電子パルスビームe+が再加速されると同時に速度変調が加えられる。
【0027】この再加速中、再加速用の高速パルス電源22eからは、たとえば99eVの高速パルス電圧を印加する。
【0028】すると、1eV程度に減速された陽電子パルスビームe+が再加速されるが、陽電子パルスビームe+の持つパルス幅Bのうち、加速に利用される電圧がパルスビームの先端B1 と後端B2 で異なり、パルスビームの先端B1 に対しては加速電圧がV1 であり、パルスビームの後端B2 に対しては加速電圧がV2 となる。
【0029】このように陽電子パルスビームの加速に対する加速電圧が異なる結果、陽電子パルスビームe+の先端B1 よりも後端B2 の方が大きく加速されて圧縮されることになり、陽電子パルスビームe+があるドリフトスペース後には、 100psec程度の極短パルスになる。
【0030】このようなバンチャー22によれば、陽電子パルスビームの速度を一旦、ほぼ0近くまで減速させ、再加速中に速度変調を加えてバンチングするようにしているので、高速状態の陽電子パルスビームのままわずかな速度変調を与えてバンチイングするのに比べて長いドリフトスペースを必要とせず、短い距離で低速陽電子のバンチングができる。
【0031】こうしてバンチャー22で再加速と速度変調を加えられた陽電子は途中、加速電極23での加速電圧を調整することにより、試料24に入射する陽電子のエネルギを変え、試料24の表面近傍の任意の深さに陽電子を照射できるようにする。
【0032】これにより、試料の表面近傍の任意の深さの陽電子寿命を試料24の背部のシンチレータ25及び光電子倍増管(PMT)26からの信号を用いて測定する。
【0033】なお、上記実施例では、原理を分かり易く説明するため、チョッパーを3つのグリッドで構成し、バンチャーを4つのグリッドで構成するようにしたが、いずれの場合もグリッド数を少なくするようにしても良い。
【0034】また、この発明は上記各実施例に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲で各構成要素に変更を加えても良いことは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上、一実施例とともに具体的に説明したようにこの発明の低速陽電子のパルス化装置によれば、短パルスにするチョッパーの後に複数のグリッドで構成されたバンチャーを設け、このバンチャーに送られる速度がほぼ0となった陽電子パルスビームを、第1,第2グリッド間に接続された高速パルス電源からの高速パルス電圧で第1グリッドを陽電子パスルビームの後端が通過した瞬間から加速しながら速度変調してバンチングするようにしたので、短距離での低速陽電子のバンチングが可能となり、装置のコンパクト化を図ることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013