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発明の名称 地層処分用容器及びその耐食性改善方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−66996
公開日 平成6年(1994)3月11日
出願番号 特願平4−216200
出願日 平成4年(1992)8月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外2名)
発明者 辻川 茂男 / 若松 久夫 / 朝野 英一
要約 目的
地層処分用容器及びその耐食性改善方法に係るもので、処分容器が腐食流体に接触した場合の腐食現象の発生そのものを抑制して、地層処分時における長期健全性を確保する。

構成
地層処分するための容器の金属壁の外表面に、チタン酸化物等の半導体層を付与した状態とし、半導体層の自然腐食電位の低下に基づいて、腐食現象の発生そのものを抑制する。
特許請求の範囲
【請求項1】 放射性廃棄物を密封して地層処分するための容器であって、該容器における金属壁の外表面に、チタン酸化物等の半導体層を具備することを特徴とする地層処分用容器。
【請求項2】 地層処分容器の耐食性を改善する方法であって、容器を構成する金属壁の外表面にチタン酸化物等の半導体層を形成する工程と、該チタン酸化物層に可視光線を照射して活性化し自然腐食電位を低下させる工程とを有することを特徴とする地層処分容器の耐食性改善方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地層処分用容器及びその耐食性改善方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラント関連施設において発生する高レベル放射性廃棄物( 廃液等)は、例えばガラス固化処理することによって、取り扱い性を向上させることができる。そして、ガラス固化物を容器に収納した状態の固化パッケージ( キャニスタ )は、放射線汚染を防止するために、人工的に構築した放射性廃棄物貯蔵施設に、放射線の放出が著しく減少するまで長期間保管貯蔵する計画の他、深地層内に収納処分して生活圏から隔離する計画がなされている。
【0003】この深地層処分に関連する技術として、例えば、特開昭63−174000号公報(放射性廃棄物の処分方法)や特開平3−150500号公報(放射性廃棄部の地層処分法)が提案されている。これらの技術では、例えばガラス固化処理してなるキャニスタ、あるいはこれを覆った状態のオーバーパック容器等の処分容器を処分孔(保管用空洞)に埋め込む場合に、ベントナイトからなる緩衝層を介在させ、かつ、処分容器の外表面を微小粒の酸化マグネシウムによる穴埋め流動層で覆うようにしている。
【0004】そして、地下水等が緩衝層に侵入した場合には、緩衝層が水を吸収して膨潤し、緩衝層の内圧を高めることによって水の侵入を抑制する。さらに、処理容器の壁に腐食によるピンホールが形成された場合には、酸化マグネシウム粒で穴埋めすることにより、放射性核種の漏出を防止して健全性を維持するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、処分孔内への地下水の侵入状態、緩衝層の特性、酸化マグネシウム粒による穴埋め現象等は、地上における実験によってある程度把握できる可能性があるものの、処分容器そのものが腐食を生じないように配慮することも重要である。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、処分容器が腐食流体に接触した場合の腐食現象の発生そのものを抑制して、地層処分時における長期健全性を確保することを目的としているものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】放射性廃棄物を密封して地層処分するための容器として、容器における金属壁の外表面に、チタン酸化物等の半導体層を具備する構成を採用している。また、地層処分容器の耐食性を改善する方法として、容器を構成する金属壁の外表面にチタン酸化物等の半導体層を形成する工程と、該チタン酸化物層に可視光線を照射して活性化し自然腐食電位を低下させる工程とを有する構成を採用している。
【0008】
【作用】本発明者等は、チタン等の金属表面にできた酸化物に、光(可視光線)を当てた場合に、腐食電位が下がって隙間腐食の防止に効果があることを知見した。これは、金属表面の酸化物にある波長の電磁波(可視光線領域)を当てると、酸化物中の電子のエネルギ準位に変化が起き、その結果金属表面が活性化されて自然腐食電位が下がり、例えばチタンであれば、低下した自然腐食電位が隙間腐食生起臨電位を下回るために、結果として隙間腐食の発生が抑えられるというものである。こうした電磁波による作用は、TiO2 を始めとする半導体に見られる性質である。
【0009】〔半導体におけるエネルギバンドと電磁波の吸収について〕上述したように、光によって表面が活性になるのは主として半導体である。それは半導体の持つ電子軌道の幅と高さ(エネルギバンドと呼ばれている)に関係している。物質を電気的な性質から見ると、絶縁体、半導体、金属(導体)に大別される。これら三つの異なる性質は、それぞれの物質が持つ電子軌道の幅と高さ、そしてその占有状態から説明される。図1(a)(b)(c)に示すように、半導体には伝導バンドと価電子バンドのエネルギギャップ(バンドギャップという)が適当にあるために、金属ほど電子の流れは自由ではないが、絶縁体のようにバンドギャップが大きいために全く電気を流さないというようなこともない。こうした電子配置を持つ半導体に適当なエネルギ(波長)を持つ電磁波(光)が当たると、光は価電子バンドの電子によって吸収され、伝導バンドに励起される。このバンド間での電子の移動によって、光が当たった表面は、物理的、化学的に活性になる。こうした効果が期待できるのは入射光がバンドギャップ以上のエネルギを持っている場合であり、主として半導体特有(絶縁体でも見られる場合がある)の性質である。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る地層処分用容器及の一実施例について、図2に基づいて説明する。図2にあって、符号1は処分容器、2は金属壁、3は半導体層、Xは放射性廃棄物である。
【0011】処分容器1は、前述したように、キャニスタ、あるいはこれを覆った状態のオーバーパック容器等であり、最外層となる金属壁2にあっては、例えばSUS304系ステンレス鋼が適用される。
【0012】半導体層3は、金属壁2の外表面に、チタン酸化物等の半導体層3を付着状態に配したものである。
【0013】かかる半導体層3の形成方法としては、例えば、TiO2 粉末及びバインダを適宜有機溶剤でペースト状とした塗料を作成し、この塗料を塗布して乾燥状態にし、そして、この塗膜(コーティング層)に可視光線を照射して活性化させて、自然腐食電位を低下させた状態とする処理により形成される。
【0014】このような地層処分用容器であると、TiO2 が半導体の性質を持つことになる。つまり、TiO2 の場合、前述したバンドギャップに相当するのは、3eV以上のエネルギ(あるいは420nm以下の波長)を持つ光であるため、この光の照射を行なうと、電気化学的に自然腐食電位の低下として現れる。その結果、チタンの自然腐食電位が隙間腐食生起臨電位を下回ることになり、隙間腐食の生起が抑制される。この場合の腐食抑制作用は、図2に示すように、母材である金属表面に付着しているTiO2 が、光による活性化によってそこに接触する水(H2 O)が酸素O2 と水素イオン(H+ )に分解し、TiO2 そのものは犠牲陽極のような働きをしていつまでも安定な酸化物の形でそこに存在する。この作用によって、チタンの自然腐食電位が、隙間腐食生起臨電位を下回ると、母材であるステンレス鋼の使用領域が広がることが明らかである。そして、半導体層がTiO2 である場合には、通常の防食技術に見られるような犠牲陽極(例えば鉄に対する亜鉛の役割)のように、自身が劣化することがない。
【0015】〔可視光線によるチタンの防食実験例〕ステンレス鋼(SUS304)の表面に、膜厚が1000Åの酸化チタン(TiO2 )をコーティングした試料に、キセノンランプで照射を行ない、その自然腐食電位の低下を、コーティングしていない比較品のそれと比較した。得られた電位の変化の様子を図3に示す。図3に示すように、コーティングしていない比較品の自然腐食電位(●と■の交点)に比べて、コーティングした試料のそれ(○と□の交点)は−340mVまで低下しており、防食効果が高められていることが明らかである。なお、キセノンランプ(キセノンショートアークランプ)は、その波長のスペクトルが自然昼光(可視光線)に近似しているため、これを光源として採用した。
【0016】〔膜厚の影響〕図2に示した試料について、膜厚を10Åないし1000Åの範囲で変化させ、その影響を検討した。その結果を図4に示す。被覆厚さが概略20Å以上であると、試料の自然腐食電位のレベルが負(−)となり、防食上有効であることが明らかである。
【0017】〔他の実施態様〕本発明にあっては、一実施例に代えて、次の技術を採用することができる。
■母材となる金属が炭素鋼系合金やチタン合金であること。
■半導体層の自然腐食電位が負レベルでありその絶対値が大きい場合に、コーティング層が多孔質状等であること。
■半導体層が酸化チタン以外の材料で構成されること。
■地層処分用容器にあっては、放射性廃棄物からガンマ線が放出されるので、これを利用して可視光線を発生させること。
【0018】
【発明の効果】本発明に係る地層処分用容器及びその耐食性改善方法にあっては、地層処分するための容器の金属壁の外表面に、チタン酸化物等の半導体層を付与するものであるから、半導体層の自然腐食電位の低下に基づいて、処分容器が腐食流体に接触した場合にあっても、腐食現象の発生そのものを抑制して、地層処分時における長期健全性を確保することができる等の効果を奏する。




 

 


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