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発明の名称 放射性汚染物の除染方法及びその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−59094
公開日 平成6年(1994)3月4日
出願番号 特願平4−137242
出願日 平成4年(1992)5月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外2名)
発明者 東ケ崎 将 / 玉野 昌幸 / 河原 幹男 / 三輪 敬一
要約 目的
放射性汚染物の除染方法及びその装置に係るもので、除染効率を向上させるとともに、除染作業による二次廃棄物の発生量を抑制する。

構成
放射性汚染物を除染処理槽に収容した状態で、有機溶剤を注入して放射性汚染物と接触させ、放射性汚染物に付着している放射性物質や塗膜等の軟化及び剥離を促進し、表面を露出させた状態の放射性汚染物に、脱錆剤を接触させ金属酸化物を除去する。
特許請求の範囲
【請求項1】 放射性汚染物にメチレンクロライドを主剤とする有機溶剤を接触させ放射性汚染物の表面を軟化及び剥離させる有機溶剤処理工程と、有機溶剤処理後に有機溶剤を回収する工程と、有機溶剤処理後の放射性汚染物にNTA系キレート剤を主剤とする脱錆剤を接触させ金属酸化物を除去する脱錆剤処理工程と、脱錆剤処理後の脱錆剤を回収する脱錆剤回収工程とを有する放射性汚染物の除染方法。
【請求項2】 放射性汚染物を収容する除染処理槽が配されるとともに、該除染処理槽に、有機溶剤を注入して放射性汚染物と反応させる溶剤注入手段と、有機溶剤を回収する溶剤回収手段と、有機溶剤と反応後の放射性汚染物に脱錆剤を反応させる脱錆剤注入手段と、脱錆剤を回収する脱錆剤回収手段とが接続状態に配されることを特徴とする放射性汚染物の除染装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射性汚染物の除染方法及びその装置に係り、特に、原子力発電関連プラントで発生する低レベル等の放射性汚染物の除染処理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電関連プラントで発生した低レベル放射性廃棄物は、廃棄物の表面に付着した汚染物質を物理的または化学的に除染する方法、除染作業を実施することなくドラム缶に詰めた状態で長期間保管する方法等によって処理される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの処理方法であると、いずれも種々の課題が残される。物理的な除染方法、例えばグラインダ研磨やブラスト研磨によって表面に付着している汚染物質を除去する方法であると、除染作業時の労力が多大なものとなり、研磨によって剥離した汚染物質が作業機器等を汚染してしまう等の難点がある。化学的除染方法であると、作業員の被曝低減を図ることができるものの、化学的処理廃液等の二次廃棄物を多量に発生してしまうことや、油脂類や塗装塗膜が付着している場合にはその部分の除染が困難になる。低レベル放射性廃棄物を除染することなくドラム缶に密封して保管する方法であると、簡単に実施できるものの、例えば原子力発電所内等の蓄積量が増加して保管量に限界があり、かつ、保管場所における作業員の被曝低減を図る上で好ましくない。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、金属表面や塗膜等の薄い部分の除染効率を向上させ、放射性物質の拡散防止や二次廃棄物の増大防止を図ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、本発明にあっては、放射性汚染物の除染方法及びその装置を提案している。放射性汚染物の除染方法は、放射性汚染物にメチレンクロライドを主剤とする有機溶剤を接触させ放射性汚染物の表面を軟化及び剥離させる有機溶剤処理工程と、有機溶剤処理後に有機溶剤を回収する工程と、有機溶剤処理後の放射性汚染物にNTA系キレート剤を主剤とする脱錆剤を接触させ金属酸化物を除去する脱錆剤処理工程と、脱錆剤処理後の脱錆剤を回収する脱錆剤回収工程とを有するものである。放射性汚染物の除染装置にあっては、放射性汚染物を収容する除染処理槽が配されるとともに、該除染処理槽に、有機溶剤を注入して放射性汚染物と反応させる溶剤注入手段と、有機溶剤を回収する溶剤回収手段と、有機溶剤と反応後の放射性汚染物に脱錆剤を反応させる脱錆剤注入手段と、脱錆剤を回収する脱錆剤回収手段とが接続状態に配される構成を採用している。
【0006】
【作用】放射性汚染物を除染処理槽に収容した状態で、有機溶剤を注入して放射性汚染物と接触させると、有機溶剤が放射性汚染物の表面に付着している放射性物質や塗膜等と反応して、汚染物が金属組織から剥離した状態となる。そして、汚染部分の剥離後に、有機溶剤及び剥離物質を回収し、有機溶剤にあっては、再利用が図られる。有機溶剤と反応後の放射性汚染物は、除染処理槽に脱錆剤を注入して汚染物の表面との反応を促進させ、しかる後、脱錆剤及び金属酸化物を回収し、脱錆剤にあっては再利用が図られ、金属酸化物にあっては、回収して隔離保管される。
【0007】
【実施例】以下、本発明に係る放射性汚染物の除染方法及びその装置の一実施例を除染工程に沿って説明する。
【0008】図1は、除染装置の一実施例を示すもので、符号Aは溶剤除染系、Bは脱錆除染系、1は除染処理槽、2は溶剤注入手段、3は溶剤回収手段、4は脱錆剤注入手段、5は溶剤回収手段である。
【0009】前記除染処理槽1には、蓋11を開閉するための蓋開閉手段12と、蓋11に取り付けられる処理物旋回手段13とが配される。蓋開閉手段12は、除染処理槽1の外側部に取り付けられるアクチュエータ12aと、該アクチュエータ12aによって駆動させられるラックピニオン機構12bと、該ラックピニオン機構12bによって上下回動させられかつ蓋11に一体に取り付けられる開閉アーム12cとを具備するものである。処理物旋回手段13は、蓋11の上に取り付けられる回転駆動源13a及び減速機13bと、蓋11の下方に減速機13bに接続状態にかつ水平旋回可能に取り付けられて被処理物(放射性汚染物)を収容したバスケット状容器を吊持するための旋回アーム13cとを具備するものである。なお、図1にあっては、溶剤除染系Aと脱錆剤除染系Bとに、それぞれ同型の除染処理槽1が配されているが、1個で兼用してもよい。
【0010】「被処理物の装填」蓋開閉手段12の作動によって蓋11を開け、前述したように被処理物を収容したバスケット状容器を旋回アーム13cに取り付け、蓋11を閉じて被処理物を密閉する。
【0011】「有機溶剤処理工程」被処理物を除染処理槽1に収納した状態で、溶剤除染系Aの作動によって、有機溶剤処理工程における「有機溶剤浸漬」及び「有機溶剤スプレー洗浄」の各処理が実施される。
【0012】「有機溶剤浸漬」溶剤注入手段2における移送ポンプ2aの作動によって、図2に太線及び実線の矢印で示すように、溶剤槽14に貯留されているメチレンクロライドを主剤とする有機溶剤を、配管2b、配管2c、配管2dを経由して除染処理槽1に送り込んで充満状態とし、収納されている被処理物に接触させる。有機溶剤に被処理物を浸漬させた状態とするとともに、処理物旋回手段13の作動によって、有機溶剤と被処理物との接触を促進させると、被処理物の表面の塗膜等が軟化及び剥離した状態となる。そして、溶剤回収手段3における移送ポンプ3aの作動によって、図2に太線及び破線の矢印で示すように、除染処理槽1の有機溶剤を、配管3b、配管3cを介して溶剤槽14に回収し、その途中でスラッジコレクター3dによるスラッジ成分の捕捉と、フィルター3eによる異物の除去とを行なう。
【0013】「有機溶剤スプレー洗浄」被処理物の浸漬処理後、除染処理槽1の有機溶剤を回収することにより被処理物を露出させた状態で、溶剤注入手段2における高圧ポンプ2eの作動によって、図3に太線及び実線の矢印で示すように、溶剤槽14に貯留されている有機溶剤を、配管2f、配管2gを経由して、除染処理槽1に送り込み、その側部に配される噴射ノズル2h・2i・2jからスプレー状等に被処理物に噴出する。有機溶剤を被処理物に噴射することによって、被処理物の表面に軟化状態で残されている塗膜等を剥離させる。剥離した異物等は、溶剤回収手段3における移送ポンプ3aの作動によって、除染処理槽1の下部に溜まった有機溶剤とともに、図3に太線及び破線の矢印で示すように、配管2d・3f・3cを介して溶剤槽14に回収し、その途中でスラッジコレクター3dによる剥離物やスラッジ等の捕捉と、フィルター3eによる細粒の異物の除去とが行なわれる。
【0014】「脱錆剤処理工程」有機溶剤処理後、除染処理槽1が複数設置されている場合には、図1の鎖線の矢印で示すように、被処理物を溶剤除染系Aから脱錆除染系Bに移し替えて、あるいは除染処理槽1が1個である場合には、被処理物を収納したまま、脱錆除染系Bの作動による「脱錆剤洗浄」及び「脱錆剤精製」が実施される。
【0015】「脱錆剤洗浄」脱錆剤注入手段4における移送ポンプ4aの作動によって、図4に太線及び実線の矢印で示すように、脱錆剤槽16に貯留されているNTA系キレート剤(ニトリロ三酢酸・ナトリウム塩水溶液)を主剤とする脱錆剤を、配管4bを経由して除染処理槽1へ送り込んで充満状態とし、望ましくは超音波洗浄を付加することにより、被処理物の表面に発生している錆等の鉄イオン、金属酸化物を脱錆、除去する。この場合にあっても、処理物旋回手段13の作動によって、除錆剤を被処理物との接触による反応を促進させる。
【0016】また、脱錆剤回収手段5における移送ポンプ5a・5bの作動によって、図4に太線及び破線の矢印で示すように、除染処理槽1の上部からオーバーフローすることによって配管5cから流下する脱錆剤あるいは除染処理槽1の下部から排出される脱錆剤を、配管5d・5e・5fを経由して脱錆剤槽16に回収し、その途中で濾過槽5gによる異物の捕捉と、マイクロフィルター5hやその他のフィルター5iによる錆、微粒子等の除去とを行なって有機溶剤を再生する。
【0017】「リンス処理」有機溶剤処理時に、放射性物質が挿通した配管等にあっては、精製有機溶剤(前述のメチレンクロライド)による洗浄が行なわれる。つまり、高圧ポンプ2eの作動によって、図5に太線及び実線の矢印で示すように、精製溶剤槽15に貯留されている精製有機溶剤を、配管2k・2f・2gを経由して除染処理槽1に送り込み、各噴射ノズル2h・2i・2jからスプレー状に噴出させて、除染処理槽1の内壁を洗浄する。また、溶剤回収手段3における移送ポンプ3aの作動によって、図5に太線及び破線の矢印で示すように、洗浄後の溶剤を配管2d、配管3f、スラッジコレクター3d、配管3c、フィルター3eを経由して溶剤槽14に回収する。
【0018】「気化有機溶剤の回収」リンス処理後において、有機溶剤が挿通した配管等にあっては、内部に残留している気化状態の有機溶剤及び液体状の有機溶剤の回収が実施される。溶剤回収手段3における移送ポンプ3gの作動によって、図6に太線及び矢印で示すように、配管3h・3i・3j・3kを経由してスラッジコレクター3d、溶剤槽14、精製溶剤槽15の空間やこれらに接続状態の配管等の内部を減圧雰囲気として、有機溶剤の気化ガスの吸引を行ない、管路の窪部等に残留溶剤がある場合には、これを気化してその吸引を行なって、これらガス状の溶剤を配管3mの途中の予冷器3nに送り込んで温度を低下させ、これを気液分離槽3pに送り込んで気液分離を促進させて、液分を配管3qによって溶剤槽14に回収し、ガス分は深冷器3rに送り込んで液化を促進させて、配管3sにより配管3qに合流させる。液化できないガス分が混入している場合には、これを配管3tを経由して活性炭槽3uに送り込んで活性炭による吸着を促進させ、さらに、活性炭槽3uの下流に配管3v及び減圧ポンプ3wを接続してガス分の吸引を行ない、このガス分を配管3xによって配管3h等の減圧ポンプ3gの下流側に合流させる循環を行なうようにして、各管路内の有機溶剤を溶剤槽14に回収するものである。なお、図1及び図6において、符号3yは冷凍機であり、予冷器3n及び深冷器3rに冷媒を送り込んで低温雰囲気を形成するために設置される。
【0019】一方、溶剤槽14に貯留される有機溶媒は、図7に示す溶剤精製手段6によって精製処理される。移送ポンプ2aの作動によって、図7に太線及び矢印で示すように、有機溶剤が配管2b、配管6aを経由して溶剤精製槽6bに送り込まれ、ヒーター6cの作動により加熱されて気化ガスとなり、該気化ガスが配管6dを経由して液化器6eに送られて液状の有機溶媒に戻され、そして、配管6fを経由して精製溶剤槽15に送られて貯留されるとともに、この液状の有機溶媒中に水等の不純物が混入している場合には、水分離器6gで捕捉分離される結果、精製された有機溶媒のみが精製溶剤槽15に貯留される。なお、精製溶剤槽15から溶剤槽14に有機溶媒を移送する場合には、水頭差を利用した自然流下により行なわれる。
【0020】「検証試験例」図1に示す除染装置による除染処理の妥当性について検証試験を行なった。除染対象物(被処理物)は、原子炉圧力容器用スタッドテンショナ(容器上蓋部締付ボルト着脱用治具)で、約1000kgを確保し、約20kg以下の大きさに切断したものを試験片として使用した。処理除染剤として、有機溶剤(メチレンクロライドを主剤とする有機溶剤):126リットル、脱錆剤(NTA系キレート剤を主剤とする脱錆剤):80リットル、リンス液(上述の容器溶剤と同じもの):3400リットルを使用し、正味7日間の一連の処理を行なったところ、図8に示すように、処理前の汚染密度103 cpm以上であったレベルが、処理後において5×10cpm以下の搬出限界値以下まで低下した。一方、除染処理にともなって、脱錆剤240kg、フィルター等の雑固体83kgの二次廃棄物が発生した。これらの二次廃棄物は、セメント固化や雑固体として後日処理することが必要であるが、全体として除染・除却率が84%程度となった。かつ、放射性廃棄物をドラム缶に充填して保管処理し、その場合のドラム缶の空間占有率を考慮した場合、廃棄物がドラム缶4本からドラム缶1本に削減できると判断される。なお、使用した有機溶剤は、前述したように精製、回収して再使用されるが、その状態のものの核種分析の結果、放射線管理区域外への搬出が可能な放射線レベルであることが明らかとなった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る放射性汚染物の除染方法及びその装置は、放射性汚染物を除染処理槽に収容した状態で、有機溶剤を注入して放射性汚染物と接触させ、放射性汚染物に付着している放射性物質や塗膜等の軟化及び剥離を促進し、表面を露出させた状態の放射性汚染物に、脱錆剤を接触させ金属酸化物を除去するものであるから、以下のような効果を奏する。
(1) 被処理物の金属表面や塗膜等を拡散させることなく、高い効率で除染することができる。
(2) 有機溶剤処理及び脱錆剤処理に使用した有機溶剤及び脱錆剤は、繰り返し再利用されるため、処理系から外部への放射性物質の移動量を低減することができ、かつ、有機溶剤にあっては、精製状態とすることによって、放射線管理区域外へ搬出可能な程度まで低下させることができる。
(3) 除染処理によって発生するや二次廃棄物の量を、当初の被処理物量よりも著しく低減し、放射性物質の管理を容易にする。




 

 


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