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発明の名称 光磁気記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−162582
公開日 平成6年(1994)6月10日
出願番号 特願平4−308984
出願日 平成4年(1992)11月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎
発明者 安島 孝浩 / 岸本 幹雄
要約 目的
記録効率の高い光磁気記録媒体を提供することにある。

構成
非磁性体からなる基体11と、その基体11の上に形成された光反射層12と、その光反射層12の上に形成された六方晶フエライト粒子とバインダを含む磁性層13とを有し、前記光反射層12として透磁率μが1000以上の高透磁率材料を使用し、かつ中心波長が700〜830nmの光を前記磁性層13表面から照射したときの光反射率が30%以上であることを特徴とするものである。
特許請求の範囲
【請求項1】 非磁性体からなる基体と、その基体の上に形成された光反射層と、その光反射層の上に形成された六方晶フエライト粒子とバインダを含む磁性層とを有し、前記光反射層として透磁率μが1000以上の高透磁率材料を使用し、かつ中心波長が700〜830nmの光を前記磁性層表面から照射したときの光反射率が30%以上であることを特徴とする光磁気記録媒体。
【請求項2】 請求項1記載において、前記光反射層が鉄−ニッケル系合金または鉄−ケイ素系合金などの高透磁率磁性材料であることを特徴とする光磁気記録媒体。
【請求項3】 請求項1記載において、前記六方晶フエライトがバリウムフエライトであることを特徴とする光磁気記録媒体。
【請求項4】 請求項1または請求項3記載において、前記磁性層の厚さが0.5〜2.5μmの範囲に規制されていることを特徴とする光磁気記録媒体。
【請求項5】 請求項1記載において、前記磁性層の上に光学的に透明でかつその磁性層からの漏れ磁界が表面まで届かない厚さを有する保護層が設けられていることを特徴とする光磁気記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体に係り、特に非磁性体からなる基体と、その基体の上に形成された光反射層と、その光反射層の上に形成された六方晶フエライト粒子とバインダを含む磁性層とを有する光磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気あるいは光を用いた可逆記録再生方法としては、大きく分けて以下の3つの方法が知られている。
【0003】(1)磁気ヘッドを用いて媒体に信号を記録し、磁気ヘッドを用いて信号を再生する。
【0004】(2)レーザ光等を媒体に照射し局部的に加熱して結晶構造を変化させ、この構造変化をレーザ光の反射強度の差異として読み取り信号を再生する。
【0005】(3)媒体にレーザ光を照射して磁性層のキュリー温度あるいはネール温度以上に加熱した状態で磁気ヘッドにより磁界を印加して特定方向に磁化し、この磁化方向をレーザ光を照射したときの反射光の偏光角度の変化から読み取って信号を再生する。
【0006】これらの方法は、それぞれ一長一短がある。すなわち、前記(1)の磁気記録方法では、媒体表面の漏れ磁界を利用して信号を再生するため、記録密度が高くなると漏れ磁界が急激に減少するため、再生信号も急激に小さくなる。(2)の光記録方法では、結晶構造の変化を伴うため、繰り返して使用すると記録層が劣化し、そのために再生信号が小さくなる。(3)の光磁気記録方法では、媒体に高価な希土類金属などを使用するため媒体のコストが著しく高く、また記録時には磁気ヘッドにより50〜500エルステッド程度の磁界を印加しながらレーザ光により磁性層を加熱する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の光あるいは光磁気記録媒体では、記録時にレーザ光を照射して加熱する必要があり、反射層は単に光を反射するだけのもので、記録時に記録効率を高める作用はしない。
【0008】本発明の目的は、このような問題点を解消し、記録時にレーザ光を照射して加熱する必要がなく、しかも反射層に工夫を加えることにより記録効率の高い光磁気記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、非磁性体からなる基体と、その基体の上に形成された光反射層と、その光反射層の上に形成された例えばバリウムフエライトあるいはストロンチウムフエライトなどの六方晶フエライト粒子とバインダを含む磁性層とを有し、前記光反射層として透磁率μが1000以上の例えば鉄−ニッケル系合金または鉄−ケイ素系合金などの高透磁率材料を使用し、かつ中心波長が700〜830nmの光を前記磁性層表面から照射したときの光反射率が30%以上であることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明に係る光磁気記録媒体では、垂直方向に1000エルステッド以上の磁界を印加することにより、磁化の向きを反転させて情報を記録する。情報の再生は、ファラデー効果を利用して、レーザ光を磁性層に照射し、反射層からの反射光の偏光面の回転を検出することにより情報の再生が行われる。
【0011】一般にこのような方法では、磁化の方向と入射光の方向が一致する極配置の場合にファラデー効果が大きくなる。入射光が媒体表面に垂直に入射するならば、磁化は垂直方向に向く場合が再生出力が大きくなる。すなわち、垂直磁気記録が有利である。磁性層の表層から深層まで一様に磁化されていれば、さらに再生出力が大きくなることは明らかである。これには、磁気ヘッドの垂直磁界強度が深層まで保たれればよい(イ)。しかしながら、磁気ヘッドの磁界分布が極狭い範囲でのみ磁化反転できるほど大きく、その範囲外では急激に減少するような分布でなければ、記録密度の向上は望めない(ロ)。前述の(イ)と(ロ)は相反するものであるが、本発明ではこれらの点を改善したものである。
【0012】単磁極の磁気ヘッドを使用して、下地層が高透磁率材料の場合と非磁性体の場合の磁性層内の磁化分布の略図を図22ならびに図23に示す。
【0013】図中の1、2は光磁気記録媒体、3は磁束、4は主磁極、11は基体、12は高透磁率材料からなる反射層、13は磁性層、5は非磁性体からなる反射層である。この両者の図を比較すると明らかなように、反射層として高透磁率材料を使用した図22の記録媒体では、磁性層13の深層まで磁界分布が急峻であり、光磁気の記録再生方式に適していることが分かる。
【0014】光磁気記録媒体では、磁性層の下方には反射層があるが、この反射層を光反射率が高くかつ高透磁率の材料にすれば、前述のようなことから記録特性が大幅に改善される。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を図とともに説明する。図1は第1実施例に係る光磁気記録媒体の拡大断面図である。
【0016】図中の1は光磁気記録媒体、11は基体、12は光反射層、13は磁性層である。
【0017】前記基体11としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ガラスなどが使用できる。
【0018】前記光反射層12としては、透磁率μが1000以上で、かつ中心波長が700〜830nmの光を磁性層表面から照射したときの反射率が30%以上のものが使用され、例えばFe−Ni合金(透磁率μ:>3000)あるいはFe−Si合金(透磁率μ:>1000)などが好適である。光反射層12の厚さは特に限定されないが、通常は0.02〜1μm程度が好ましい。この反射層12は、真空蒸着法やスパッタリング法などの薄膜形成技術によつて形成されるが、前記Fe−Ni合金やFe−Si合金など合金微粒子を基体1上に塗布してもよい。前記磁性層13は、少なくとも六方晶フエライトの磁性粉とバインダとを含有している。この六方晶フエライトの磁性粉とバインダとを含む磁性塗料を前記光反射層12上に、乾燥後の厚さが0.5〜2.5μmの範囲になるように塗布し、乾燥して磁性層13を形成する。この磁性層13の厚さが薄すぎると後述のようにファラデー回転角が十分な大きさとならず、再生出力が低下し、一方、厚くなりすぎると光の反射率が小さくなるため、やはり再生出力の低下をきたす。
【0019】前記六方晶フエライト磁性粉としては、下記の一般式で表せるものが好適である。
【0020】AO・n〔(Fe1-X X 2 3
式中のA:Ba、Sr、Pb、Caのグループから選択された少なくとも1種の元素、M:Ni、Zn、Co、Ti、Zr、Sn、In、Ge、Cu、Mnのグループから選択された少なくとも1種の元素、n:4〜10の数値、x: 0.01〜0.15の数値。
【0021】前記nおよびxは、前記A、Mの種類、組合せに応じて前述の範囲から適宜選択される。なお、前記Mで表せる元素は保磁力の調整のために添加されるが、無添加であつてもよく、この場合、一般式がAO・6Fe2 3で表せる六方晶フエライト磁性粉が特に好ましい。
【0022】このような六方晶フエライト磁性粉は、500〜5000エルステッドの保磁力を有し、Co変成酸化鉄やメタル磁性粉などに比較してファデイー回転角が非常に大きく、再生出力の向上に寄与するという特長を有している。
【0023】この六方晶フエライト磁性粉の粒径は、0.01〜0.1μmの範囲が好適であり、使用する光の波長の1/10程度以下にするのが好ましい。粒径が大きすぎるとノイズ(N)が大きくなるため、出力(S)が大きくてもS/Nが低下する。一方、粒径が小さすぎるとバインダ中における六方晶フエライト磁性粉の分散性が悪くなったり、磁性層の表面平坦性が低下し、六方晶フエライト磁性粉の特長が発揮できなくなる。
【0024】本発明において六方晶フエライト磁性粉を単独で使用することもできるが、例えばCo変成酸化鉄などの他の磁性材料を添加することもできる。但し、この他の磁性材料の添加率が余り高くなりすぎると、ファデイー回転角の向上が望めないので、この他の磁性材料の添加率は50重量%以下に制限した方がよい。
【0025】磁性層中のバインダは、六方晶フエライト磁性粉を主体とした磁性粉を分散、結着させるためのもので、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、繊維素系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、各種の紫外線,電子線硬化樹脂などが使用される。またこれらのバインダに、例えばポリイソシアネート化合物などの架橋剤、硬化剤など各種の添加剤が必要に応じて添加される。
【0026】信号の記録は図2に示すように、通常のリング型磁気ヘツド15を用いて行う。図3は、このリング型磁気ヘツド15を用いて磁性層13に信号を記録したときの磁性層13内の磁化ベクトルを模式的に示す図である。
【0027】信号の再生は、原理的には図4に示すように光磁気ディスクの再生方式と同様の方法、すなわち、半導体レーザからなる光源15から直線偏向された光を磁性層13に照射し、この磁性層13内を通過し、光反射層12で反射して戻ってきた光のうち偏向を受けて戻ってきた光の量を検出器16で検出するようになっている。図中のL1〜3はレンズ、P1、P2はプリズムである。
【0028】この実施例に係る光磁気ディスクの諸特性の一例を図5ないし図7に示す。なお、ファラデー回転角は日本分光社製の光磁気ディスク検査装置を使用し、中心波長830nmにおいて、10キロエルステッドの磁界を印加したときのヒステリシス曲線を測定し、残留状態でのファラデー回転角を求めた。図5に前記ヒステリシス曲線の一例を示す。
【0029】また光反射率は、日立製作所社製の分光器を使用し、中心波長830nmにおける光反射率をアルミニウムのレフアレンス板に対する値で示した。図6は磁性層の厚さとファラデー回転角との関係を、図7は磁性層の厚さと光反射率との関係を、それぞれ示している。
【0030】これらの図から明らかなように、0.3度以上のカー回転角を得るためには磁性層の厚さが0.5μm以上必要であり、一方、30%以上の光反射率を得るためには磁性層の厚さを2.5μm以下にする必要がある。なお、光反射率が30%未満であると、磁性層からの反射光量が不十分となり、再生出力が低下するため、光反射率は30%以上にする必要がある。
【0031】前述のような傾向は、中心波長が700〜830nmの範囲において同様であることが確認されている。
【0032】図8は、光反射層12の透磁率と再生出力との関係を示す特性図である。この図から明らかなように、光反射層12の透磁率μが1000以上であると再生出力が高く、しかも安定していることが分かる。
【0033】図9は、本発明の第2実施例を説明するための図である。この実施例の場合、補助磁極励磁型の垂直磁気ヘッドが使用されている。すなわち同図に示すように、磁性層13側に主磁極17が、基体11側に補助磁極18がそれぞれ配置され、その補助磁極18側に励磁コイル19が巻装されている。この励磁コイル19に電流を流し、補助磁極18から発生する磁界で前記主磁極17を磁化し、主磁極17の先端に磁束が集中する。そのため磁性層13の表面に対して強い垂直磁界が生じ、これにより磁性層13内の磁化の向きを変化させる。
【0034】通常、磁気光学効果が大きく現れるのは、磁化の向きが再生光に対して平行な場合であり、そのときの磁化は磁性層表面に対して垂直に向くのが望ましい。よって、磁気ヘッドは、この実施例のように補助磁極励磁型の垂直磁気ヘッドに限らず、垂直方向に強い磁界成分を生じるような磁気ヘッドであればよい。
【0035】光源15、検出器16、レンズL1〜3、プリズムP1、P2、コンバータ20などからなる光ピックアップ21は、前述した第1実施例と同様に光ピックアップ21からの照射光が磁性層13を透過し、光反射層12で反射され、また光ピックアップ21に戻る構成になっている。この光ピックアップ21は再生専用のため、光源15は低出力でよく、記録媒体の反射率が30%であれば、光源15の光放出パワーは2mW以下でよい。
【0036】記録媒体の移動方向Xは、磁気ヘッド記録点から光ピックアップ21の照射点の方向が望ましい。その方向に移動すれば、記録後直ちに再生できるので、記録情報の照合をすぐ行うことができる。
【0037】図10は本発明の第3実施例を示す図で、この実施例の場合、記録媒体の走行方向Xの上流側にリング型磁気ヘッド15が、その後流側に光ピックアップ21が、それぞれ配置されている。
【0038】この実施例において、前記リング型磁気ヘッド15のギャップ長を3μm、トラック幅を200μm、光ピックアップ21の光源出力を2mW、スポット径を10μm、記録媒体の飽和磁化を1800ガウス、垂直方向の保磁力を900エルステッド、垂直方向の角型比を0.8とした場合の光再生出力の記録電流依存性を図11に、記録密度依存性を図12に、それぞれ示す。
【0039】図13は本発明の第4実施例を示す図で、この実施例の場合、光ピックアップ21の上流側に、主磁極17に励磁コイル19を巻装した主磁極励磁型の磁気ヘッドが配置されている。
【0040】図14は本発明の第5実施例を示す図で、この実施例の場合、光磁気記録媒体1と対向する先端部が鋭角になった主磁極17と、光磁気記録媒体1を介して主磁極17と対向する補助磁極18とがマンガン−亜鉛フェライトやニッケル−亜鉛フェライトなどからなる連結磁性体23とによって連結されている。この実施例では補助磁極18に励磁コイル19が巻装されて、補助磁極励磁型磁気ヘッドの構成になっている。
【0041】このように主磁極17と補助磁極18とを連結磁性体23によって連結すれば、情報を記録する際、補助磁極18→空隙(光磁気記録媒体1)→主磁極17→連結磁性体23→補助磁極18という磁束経路をとり、連結磁性体23の材料ならびに(あるいは)形状を最適に設計すれば磁束経路のリラクタンスが極めて小さくなり、そのため漏れ磁束が減少する。これにより、小さい起磁力で強い磁界が発生し、主磁極から離れた点でも強い磁界が得られる。また、漏れ磁束が少ないので、比較的鋭い磁界分布が得られるため、主磁極から記録媒体が離れても強くかつ鋭い磁界分布が生じ、良好な記録ができる。
【0042】図15は、この連結磁性体が有る場合(図中の曲線イ)と無い場合(図中の曲線ロ)との磁束分布の変化を示した特性図である。図中の横軸はトラック方向の位置を、縦軸は垂直方向の磁束密度を示している。この特性図から明らかなように、主磁極と補助磁極とを連結磁性体で磁気的に連結すれば強い磁界が得られ、その端部の勾配も大きく磁界分布が鋭くなることが分かる。
【0043】図16は本発明の第6実施例を示す図で、この実施例の場合、主磁極17が例えばガラスやセラミックなどからなる非磁性基体24と、例えば結晶質合金あるいは非晶質合金などからなる高透磁率磁性膜25とから構成され、その高透磁率磁性膜25は前記非磁性基体24でサンドイッチ状に挟まれて補強れている。
【0044】前記高透磁率磁性膜25として用いられる結晶質合金としては、例えば鉄−アルミニウム−ケイ素系合金、鉄−ケイ素系合金ならびに鉄−ニッケル系合金などがある。また非晶質合金としては、例えば鉄,ニッケル,コバルトのグループから選択された1種以上の元素と、リン,炭素,ホウ素,ケイ素のグループから選択された1種以上の元素とからなる合金、またはこれらを主成分としてアルミニウム,ゲルマニウム,ベリリウム,スズ,モリブデン,インジュウム,タングステン,チタン,マンガン,クロム,ジルコニウム,ハフニウム,ニオブなどの元素を添加した合金、あるいはコバルト,ジルコニウムを主成分として、前述の添加元素を含んだ合金などがある。
【0045】また、主磁極17と補助磁極18の磁極部は、例えばガラス,セラミック,硬質合成樹脂などの非磁性体からなる補強体25、25に埋設、補強されている。
【0046】図17は本発明の第7実施例を示す図で、この実施例の場合、主磁極17とともに補助磁極18の方も例えばガラスやセラミックなどからなる非磁性基体24と、例えば結晶質合金あるいは非晶質合金などからなる高透磁率磁性膜25とから構成され、その高透磁率磁性膜25は前記非磁性基体24によって補強されている。
【0047】これら第6、7実施例のように、高透磁率磁性膜25を磁極部に使用すれば、さらに強くかつ分布の鋭い磁界が発生できる。なお、これら実施例では高透磁率磁性膜25を使用したが、膜状でなくても例えば細い帯状のものあるいは針状のものでもよい。
【0048】図18は、本発明の第8実施例を示す図で、この実施例の場合、磁性層13上に保護層26が設けられている。この保護層26は光学的に透明でかつ複屈折の少ない材料、例えばポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどが好適である。
【0049】この保護層26の厚さは、磁性層13からの漏れ磁界が保護層26の表面まで届かない程度の厚さが必要で、好ましくは10μm以上とすれば磁気ヘッドによる記録情報の読み取りが防止できる。この保護層26は磁性層13上に塗布法によって形成してもよく、また適当な厚さの膜(シート)を磁性層13上に貼り合わせてもよい。
【0050】この具体例を示せば、下記の通りである。
【0051】ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる非磁性の基体11上に、Fe−Ni合金を厚さが約0.1μmになるように蒸着して光反射層12を形成した。
【0052】次に平均粒子径が0.06μmのバリウムフェライト磁性粉を用いて磁性塗料を作成した。バインダとして、水酸基含有塩化ビニル樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂と三官能性ポリイソシアネート化合物とを重量比で5:3:2の割合で混合し、このバインダと前記バリウムフェライト磁性粉との重量比が2:8の割合になる磁性塗料を以下の要領で調整した。
【0053】すなわち、水酸基含有塩化ビニル樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂とバリウムフェライト磁性粉との混合物100重量部に対し、溶剤としてシクロヘキサノンとトルエンとをそれぞれ75重量部加え、サンドミルにより混合分散させたのち、三官能性ポリイソシアネート化合物を加えて撹拌、混合することにより磁性塗料とした。
【0054】この磁性塗料を、前記光反射層12上に、磁界強度が4000エルステツドの対向磁場中で厚さ2.0μmに塗布したのち、乾燥して磁性層13を得た。この磁性層13の垂直方向における保磁力Hcは1180エルステッド、角型比Br/Bmは0.82であった。
【0055】このようにして基体11上に光反射層12と磁性層13とを順次形成したシートをカード基材に貼り、さらに磁性層13の表面に厚さ120μmのポリメチルメタクリレートのシートを貼り付けて、磁性層13上に保護層26を形成した。
【0056】情報の記録は図19に示すように略C字形の垂直磁気ヘッドを用い、垂直方向に磁界を印加して情報の記録を行う。この実施例の場合、記録密度20μmの矩形波を記録した。
【0057】記録情報の再生は、図20に示すように半導体レーザからなる光源15を用い、その光源15から出力されたレーザ光27は保護層26を透過して磁性層13に照射される。そして磁性層13からの反射光は、検出器16で検出される。磁性層13に記録された信号の磁化方向により偏光面はプラスまたはマイナス方向に回転するため、この偏光面の回転を前記検出器16で光量の変化として検出することにより、記録情報が読み取れる。
【0058】図21は、信号を記録したトラック上をレーザ光27を照射したときの光磁気信号の出力の変化を説明するための図である。同図に示すように、磁性層13内で上向きに磁化されているか、下向きに磁化されているかによって、光磁気信号出力は大きく変化し、光磁気効果を利用して信号を再生することができることを示している。
【0059】なお、保護層26の表面にリング型磁気ヘッドを走査させても全く信号が検出されず、また、保護層26の表面に磁性コロイドを滴下したが全くパターンは認められず、磁性層13からの漏れ磁界が保護層26の表面まで届いてないことを示している。
【0060】このように保護層26を形成した光磁気記録媒体は、磁性層13に例えば暗証用バーコード情報などの暗証情報を記録するのに好適である。
【0061】前記図18に示した第8実施例において反射層12に高透磁率磁性材料を使用しない場合、つまり反射層/磁性層/厚い保護層の構成も可能である。
【0062】
【発明の効果】本発明は前述のように、光反射層に高透磁率材料を使用することにより、記録時にレーザ光を照射して加熱する必要がなく、しかも図22に示すように磁性層の深層まで磁界分布が急峻となり、光磁気記録媒体の記録特性を向上することができる。




 

 


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