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発明の名称 薄膜磁気ディスクの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−4861
公開日 平成6年(1994)1月14日
出願番号 特願平4−164481
出願日 平成4年(1992)6月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】薄田 利幸
発明者 大竹 光義 / 中村 孝雄 / 文岡 順 / 武尾 典幸 / 渡辺 正博
要約 目的
プレ−ン基板にテクスチャ加工を行わないで、円周方向に表面処理することで磁気異方性を付ける。

構成
成膜工程(g)の前の表面処理工程(e)でNi−P基板8の表面をエッチング作用のある親水性の表面処理液7で濡らし、コンタクトローラー10で処理テープ9を押し付け基板8を回転させて表面処理をする。
特許請求の範囲
【請求項1】磁性媒体を支えるNi−Pメッキ基板上に、下地膜、磁性膜、保護膜、潤滑膜を順次成膜する工程を有する薄膜磁気ディスクの製造方法において、前記成膜工程の前工程としてNi−P基板表面を表面処理液と表面処理テ−プとを用いて表面処理する工程を付加して成る薄膜磁気ディスクの製造方法。
【請求項2】上記成膜工程の前工程となるNi−P基板表面を表面処理液と表面処理テ−プとを用いて表面処理する工程を、基板面内の円周方向に表面処理する工程となし、円周方向に磁気異方性を付与して成る請求項1記載の薄膜磁気ディスクの製造方法。
【請求項3】上記成膜工程の前工程となるNi−P基板表面を表面処理液と表面処理テ−プとを用いて表面処理する工程を、処理液を付けて表面処理テ−プで基板面内の円周方向に擦る表面処理工程として成る請求項1記載の薄膜磁気ディスクの製造方法。
【請求項4】上記表面処理液を親水性の液で構成して成る請求項1記載の薄膜磁気ディスクの製造方法。
【請求項5】上記表面処理液にエッチング作用機能を付与して成る請求項1記載の薄膜磁気ディスクの製造方法。
【請求項6】上記表面処理液の主成分をアルコール類及び界面活性剤の少なくとも1種で構成して成る請求項4もしくは5記載の薄膜磁気ディスクの製造方法。
【請求項7】上記アルコール類を多価アルコ−ル系及び高級アルコ−ルの少なくとも1種で構成して成る請求項6記載の薄膜磁気ディスクの製造方法。
【請求項8】上記界面活性剤をポリオキシエチレン系の非イオン界面活性剤で構成して成る請求項6記載の薄膜磁気ディスクの製造方法。
【請求項9】上記表面処理テープを合成繊維で構成して成る請求項1記載の薄膜磁気ディスクの製造方法。
【請求項10】上記合成繊維をポリアミド、ポリエステル及びセルロ−スの少なくとも1種の繊維で構成して成る請求項9記載の薄膜磁気ディスクの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子計算機やワ−クステ−ション等の外部記憶装置として用いられる薄膜磁気ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク等の磁気記録媒体を利用した記憶装置は、計算機やワ−クステ−ション等の外部記憶装置として広く用いられており、近年の情報量の増大に伴って益々大容量のものが要求されている。一方、装置自身の形状は、より小型、軽量のものが望まれており、これらを両立させるには記録媒体の飛躍的な記録密度向上が不可欠となっている。
【0003】例えば、磁気ディスクの製造においては、磁気特性を向上させるため磁性膜形成前に、磁気ディスクの基板面、あるいは基板表面に予め下地膜として設けられた例えばNi−Pメッキ上を、図2の一部破断斜視図に示すように、磁気ディスク媒体の円周方向に、ほぼ同心円状に加工痕を残す表面加工処理(以下、テクスチャ加工と略す)が行われている。
【0004】テクスチャ加工は、その利点として(1)磁気ディスクの停止時に磁気ヘッドと磁気ディスク媒体との間の吸着現象を軽減する効果、(2)加工表面上に成膜される磁性膜に形状異方性を持たせることにより、円周方向に磁気特性を均一化させる効果などを有する。しかし、他方ではダイヤモンドやアルミナ等の砥粒を使って加工するため、基板表面にバリや突起等が発生し易く、これがもとで磁気ヘッドの浮上特性や磁性媒体の結晶成長が不均一となり、保磁力等の磁気特性に向上が期待できないと云う難点があった。
【0005】なお、この種のテクスチャ加工に関連するものとしては、例えば特開昭62−262227号、特開昭63−42019号、特開昭63−42027号、特開昭63−249933号等の公報が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は上記のような現状に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは従来のテクスチャ加工技術の問題を解消することにあり、ヘッドの浮上特性を損なわず、且つ、磁気特性を向上させることのできる改良された基板の表面加工技術を有する薄膜磁気ディスクの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明では、磁性膜等の成膜前に下地Ni−Pメッキされた基板表面を砥粒の無い表面処理液と表面処理テ−プで同心円状に擦ること(表面処理をすること)を特徴とする。すなわち、さらに具体的に説明すれば上記目的は、磁性媒体を支えるNi−Pメッキ基板上に、下地膜、磁性膜、保護膜、潤滑膜を順次成膜する工程を有する薄膜磁気ディスクの製造方法において、前記成膜工程の前工程としてNi−P基板表面を表面処理液と表面処理テ−プとを用いて表面処理する工程を付加して成る薄膜磁気ディスクの製造方法により、達成される。
【0008】表面処理液としては、アルコール類、もしくは界面活性剤等の親水性の処理液を主成分とするものが良く、これらはそれぞれ単独でも両者を混合して併用しても良い。
【0009】アルコール類としては、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコ−ル系、もしくは適度な粘性を持つ高級アルコ−ルが挙げられる。
【0010】界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン系の非イオン界面活性剤等を主成分とするものが良く、エッチング作用を有するものを使用すると表面処理の効果が更に良くなり好ましい。同様にエチレングリコ−ル等のアルコール類の処理液についても、エッチング作用を有する成分を添加することは有効である。
【0011】また、表面処理テープについては、例えばナイロンの如き脂肪族ポリアミド、ポリエステル、セルロ−ス等の合成繊維を使用することが好ましい。
【0012】
【作用】磁気ディスクの基板となるプレ−ン基板は、マクロ的には平らな基板でもミクロ的には表面はランダムに小さな傷が入っている。このため、この基板上に磁性媒体を成膜しても磁気異方性は得られない。しかし、プレ−ン基板に表面処理液を付けてテ−プで円周方向に擦ることで、このランダムな傷は無くなり、擦った方向に微細な筋が残る。この表面処理液にエッチング処理能力を保有させれば、さらに好ましい結果を得ることができる。
【0013】この様に、円周方向に表面処理をすることで、この上に成膜される磁性媒体には円周方向に磁気異方性が表れ、また、テクスチャ加工のような砥粒による切削等で発生するバリや突起は全く発生しないためヘッドの浮上特性が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
〈実施例1〉図1は、本発明の薄膜磁気ディスクの製造プロセスの一例を示す工程図、図2は、薄膜磁気ディスクの構造を示す一部破断斜視図、図3は、表面処理方法を実現する装置を模式的に示す斜視図、図4は、本発明の製造プロセスで作製した基板の磁気特性を示す特性図である。
【0015】薄膜磁気ディスクの構成は、図2に示すように磁性媒体を支えるアルミ合金基板1、基板に適度な固さを持たせるためのNi−Pメッキ下地膜2、磁性媒体の磁気異方性を付けるための下地膜3、磁性膜4、磁性膜の摩耗を保護するための保護膜5、摩耗係数を小さくするための潤滑膜6で構成する。ただし、本実施例では図2のNi−Pメッキ下地膜2にはテクスチャ加工を施さない。
【0016】以下、本実施例の薄膜磁気ディスクの製造方法を図1の工程図にしたがって説明する。工程(a)でディスク基板としてアルミ合金基板1を準備する。工程(b)で基板1に無電解メッキ法によりNi−Pメッキ2を10〜30μm付ける。工程(c)でNi−Pメッキ2の表面を砥粒、研磨粉等を含む加工液を用いて鏡面研磨する。工程(d)で基板表面を洗浄する。
【0017】工程(e)で表面処理液と処理テ−プで円周方向に表面処理する。この表面処理方法が本発明の特徴点であり、図3はそれを実現する装置の一例を示している。表面処理方法としては、同図(a)に示すように処理液7を、基板8とそれに直交して回転移動する処理テ−プ9との間に滴下しながら、しかもコンタクトロ−ラ−10で押し付けながら基板8を回転させる方法、同図(b)に示すように基板8に処理液7をスプレ−で吹き付けながら、しかも同様にコンタクトロ−ラ−10で押し付けながら基板8を回転させる方法等があり、また、基板8をこの処理液に浸漬した状態で行うこともできる。
【0018】コンタクトロ−ラ10の幅は、基板8の半径より小さい幅、半径と同じ幅、基板8の直径と同じ幅の何れでも良い。ただし、この場合、処理テ−プ9の幅は、ロ−ラ10の幅と同じか、又はこれ以上のものを使用する必要がある。コンタクトロ−ラ10と処理テ−プ9を揺動することで基板表面を均一に処理することができる。
【0019】テ−プ9の押し付け圧は、ロ−ラ10の幅や材質、固さ等で変わるが、通常、1〜5kgfが望ましく、本実施例では例えば45mm幅のポリウレタン系のロ−ラを使用した場合、2.5kgfで行った。この場合の押し付け圧は、最低1kgfは必要である。また、ディスクの回転数は100〜1000rpmの範囲で良いが、本実施例では600rpmとした。また、処理時間は数秒〜数分であり、処理液の組成、処理テープの種類により選択する。
【0020】処理テ−プ9としては、例えばナイロンの如きポリアミド、ポリエステル、セルロ−ス等の合成繊維でテープ状に織ったものが望ましい。処理液は、基板8と処理テ−プ9の滑り状態と基板表面への処理効果を付けるため、親水性の処理液が良い。例えば、処理液の主成分としてエチレングリコ−ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコ−ル系、また、適度な粘性を持つ高級アルコ−ル、更に界面活性剤等が好ましい。界面活性剤の主成分はポリオキシエチレン系の非イオン界面活性剤等が良い。界面活性剤の場合、エッチング作用のあるものを使用することにより、表面処理の効果は更に良くなる。同様にエチレングリコ−ル等の他の処理液についても、エッチング作用のある液を添加するだけでも良い。表面処理後の洗浄〔工程(f)〕を考慮すると、洗浄用の界面活性剤を使用することにより、洗剤の濯ぎだけで済むのでプロセスは簡単に済む利点がある。こうして得られた基板8は、表面状態が均一となり、この後の工程で磁気特性の良い薄膜磁気ディスクが得られる。
【0021】工程(f)で表面処理後の洗浄を行なう。工程(g)で基板8上にスパッタ方法により所定の厚みのCr下地膜3、Co磁性膜4、C保護膜5を順次成膜する。工程(h)で成膜時のゴミや基板上の突起等を取るために、図3の表面加工装置を用いてテープ9だけで表面加工処理を行なう。この場合、処理液は使用しない。工程(i)で潤滑剤6を塗布する。工程(j)で最後の検査を行う。以上の工程で図2の磁気ディスクを製造した。
【0022】図4は、工程(e)で表面処理した基板8に、工程(g)でCr下地膜、Co磁性膜、C保護膜をスパッタ方法で成膜した磁気ディスクについて、磁気異方性を測定した結果を示したものである。縦軸には円周方向の保磁力Hc(θ)と半径方向の保磁力Hc(R)の比を示した。Hc(θ/R)が1の場合、磁気異方性は無く、この値が大きい方が磁気異方性が付いており磁気特性が良いことを示す。その結果、本実施例の表面処理をすることにより、比較のために作成した未処理(プレ−ン基板)基板と比べ、磁気異方性が格段に付いていることが判る。なお、本実施例による表面処理Aは処理液の主成分にプロピレングリコ−ルを使用した場合、同じく表面処理Bの処理液はポリオキシエチレン系の界面活性剤が主成分の洗剤を使用した場合をそれぞれ示している。
【0023】〈実施例2〉従来のテクスチャ加工はダイヤモンドやアルミナ等の砥粒を使って加工するため、基板表面にバリや突起等が発生し易く、これがもとで磁気ヘッドの浮上特性や磁性媒体の結晶成長が不均一となり、保磁力等の磁気特性に向上が期待できなかったが、このような場合でもテクスチャ加工後に本発明の表面処理工程を採用すれば表面状態が改質され磁気特性の向上が見られる。すなわち、この実施例は、実施例1の工程(e)に2段階の処理を行なうものであり、初めに周知の手法でNi−Pメッキ2の表面をテクスチャ加工し、次いで実施例1の工程(e)と同様の表面処理を行なう。
【0024】以上、本発明の具体的な代表例として二つの実施例を説明したが、実施例1と実施例2とを対比してみると、本発明の特徴はテクスチャ加工を必ずしも必要としないので、実用的には実施例2よりも実施例1で行なうのが望ましい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、テクスチャ加工のように砥粒を使った加工をしないので、基板表面に対しては処理液と処理テ−プで擦るだけの表面処理のため、何れも従来の問題点を解消することができ、所期の目的を達成することができた。すなわち、(1)バリや突起が発生しない、(2)砥粒を使わないので処理後の洗浄性が良い、(3)砥粒や研磨粉を含む加工液を使わないで表面処理だけで済むため、処理後の洗浄が簡素になり、(4)磁気異方性が付くと共にヘッドの浮上特性が向上する効果がある。




 

 


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