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乾式銀塩感光体及び画像形成方法 - キヤノン株式会社
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発明の名称 乾式銀塩感光体及び画像形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−59381
公開日 平成6年(1994)3月4日
出願番号 特願平4−210447
出願日 平成4年(1992)8月6日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】若林 忠
発明者 福井 哲朗 / 大井 毅彦 / 小林 本和 / 鈴木 雅雄 / 西野 勝也 / 加々美 憲二
要約 目的
本発明は、赤外光域に発信波長を有する半導体レーザーに感光し、高感度で、かつ生保存性の優れた乾式銀塩感光体とその画像形成方法を提供する。

構成
乾式銀塩感光体に含める熱現像性感光要素に特定構造を有するメロシアニン増感色素を含有させることを特徴とする乾式銀塩感光体、また、その感光体を少なくとも赤色域の波長をもつ光で像露光し、加熱することによることを特徴とする画像形成方法である。
特許請求の範囲
【請求項1】 支持体上に少なくとも(a)有機銀塩(b)還元剤(c)感光性ハロゲン化銀及び、又は感光性ハロゲン化銀形成成分(d)バインダーからなる熱現像性感光要素を一層若しくは多層に形成した乾式銀塩感光体であって前記熱現像性感光要素に下記一般式(I)で示される増感色素の少なくとも1つを含有することを特徴とする乾式銀塩感光体。
一般式(I)
【化1】

式中、R1 及びR2 は置換又は未置換のアルキル基を表わす。R3 ,R4 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、トリフロロメチル基、アミノ基、アシルアミド基、アシル基、アシロキシル基、アルコキシカルボニルアミノ基、カルボアルコキシ基を表わす。又R3 とR4 は結合して縮合環を形成しても良い。Xは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子又は>N−R5 (ただし、R5 はアルキル基を表わす)を表わす。Yはイオウ原子又は>N−R6 (ただし、R6 はアルキル基)を表わす。W,Zは5員環又は6員環を形成するのに必要な置換又は非置換の脂肪族残基を表わし、同時に環を形成することはない。W又はZで環を形成していない場合、r1 ,r2 は水素原子、アルキル基を表わす。
【請求項2】 請求項1の乾式銀塩感光体に、更に重合性化合物、光重合開始剤を含むことを特徴とする乾式銀塩感光体。
【請求項3】 請求項2の乾式銀塩感光体に更に熱拡散性色素を含むことを特徴とする乾式銀塩感光体。
【請求項4】 請求項1の乾式銀塩感光体に(1)赤色域の波長をもつ光で像露光する工程、(2)加熱する工程を少なくとも実施することを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】 請求項2の乾式銀塩感光体に(1)赤色域の波長をもつ光で像露光する工程、(2)加熱する工程、(3)全面露光する工程を少なくとも実施し、前記乾式銀塩感光体に重合画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】 請求項3の乾式銀塩感光体に(1)赤色域の波長をもつ光で像露光する工程、(2)加熱する工程、(3)全面露光する工程、(4)受像紙と積層し、加熱する工程を少なくとも実施し、前記受像紙上に画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、610nm〜710nmの赤色光域に高い感度を持ち生保存性の良い乾式銀塩感光体及びその画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より用いられているハロゲン化銀写真法は、感光性、階調性等において他の写真法に比して優れたものであるが、定着、漂白等の処理工程が湿式であるが為に、その取扱いが煩雑であり、また、処理工程を機械化する為にも不都合な面が多い。かかるハロゲン化銀写真法の代りに乾式処理による画像形成が数多く試みられている。
【0003】従来の画像形成法に比較して特に優れているものとして、現像工程を熱処理で行なう熱現像性感光材料を用いた画像形成法が提案されている。
【0004】例えば、特公昭43−4924号公報には、有機銀塩および有機銀イオンに対して触媒的に接触しているハロゲン化銀から成る熱現像性感光材料が記載されている。また、これに類するものとして特公昭44−26582号公報および特開昭46−6074号公報に記載がある。また、上記の他に像露光前に加熱処理を施して活性化させて感光性となしてから、像露光後、現像画像を形成する為に全体的に加熱する熱現像性感光材料およびそれらの調製方法が提案されている。この熱現像性感光材料は、ハロゲン化銀を含有していないか、あるいはハロゲン化銀を含有しても感光性を全く有していない熱現像性感光要素からなり、具体的には特公昭51−29829号公報、同53−41067号公報、同54−5687号公報などに記載されている。
【0005】熱現像性感光材料は、画像形成を湿式の工程によらず、乾式処理で行なうという利点により、画像通信、あるいは医療分野、コンピュータアウトプットなどの各種工業用感光材料として用いられている。
【0006】この熱現像性感光材料は、ハロゲン化銀を感光要素とすることから感光性が高く、可視域への増感も容易である為に、He−Neレーザー、Arイオンレーザー等の可視部に発信波長を有するガスレーザーを光源として用いた記録システムにも用いられてきた。
【0007】近年、コンパクトディスク等の光ディスク、あるいはレーザープリンタ等の用途で、ガスレーザーに比べて、より安価で、小型、軽量であり、しかも高い効率の出力を持つ半導体レーザーが開発され実用化されてきた。
【0008】現在は、780nmの近赤外域に発信波長を有する半導体レーザーが主流となっているが、そのためには感光材料の感光域を増感色素で赤外域まで拡張しなければならず、又、増感色素は長波長に吸収を持つものほど、安定性に問題がある。しかし最近は、赤色光域に発信波長を有する半導体レーザーが開発され、実用化の段階となってきた。このような安価で小型軽量のレーザー光源を用い、かつ熱現像性感光材料を用いることにより、より安価でコンパクトな高性能化乾式画像記録のシステム化が期待できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、この熱現像性感光材料においては、メロシアニン増感色素を使用し、かつ、光源として前述の780nmの発信波長を有するAlCaAs系レーザーが実用化されてきた。しかし、メロシアニン増感色素は近赤外域への分光増感が難しい。なぜなら、特公昭49−18808号公報等に記載されたメロシアニン色素は長波長吸収させる為にエチレン鎖を伸ばすと著しく不安定となる為である。
【0010】しかし、近年赤色光域の発信波長を有する半導体レーザーが開発実用化されつつあるが、この熱現像性感光材料において使用されるメロシアニン増感色素は赤色増感においても感度、安定性等のすべてを満足するものはいまだ見出されていない。
【0011】本発明は、コンパクトで経済的な画像記録システムを構成するため、赤外光域に発信波長を有する半導体レーザーに感光し、高感度でかつ生保存性の優れた乾式銀塩感光体とその画像形成方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の欠点を改良し、目的を達成すべく検討した結果、乾式銀塩感光体に好ましい、メロシアニン増感色素の構造を見出し、本発明をなすに至った。
【0013】本発明の乾式銀塩感光体は、支持体上に少なくとも(a)有機銀塩(b)還元剤(c)感光性ハロゲン化銀及び、又は感光性ハロゲン化銀形成成分(d)バインダーからなる熱現像性感光要素を一層若しくは多層に形成した乾式銀塩感光体であって、前記熱現像性感光要素に下記一般式(I)で示される増感色素の少なくとも1つを含有することにより高感度でかつ生保存性が改良され、本発明の目的が達成されるのである。
【0014】
【化2】

式中、R1 及びR2 は置換又は未置換のアルキル基を表わす。
【0015】R3 ,R4 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、トリフロロメチル基、アミノ基、アシルアミド基、アシル基、アシロキシル基、アルコキシカルボニルアミノ基、カルボアルコキシ基を表わす。又R3 とR4 は結合して縮合環を形成しても良い。
【0016】Xは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子又は>N−R5 (ただし、R5 はアルキル基を表わす)を表わす。
【0017】Yはイオウ原子又は>N−R6 (ただし、R6 はアルキル基)を表わす。
【0018】W,Zは5員環又は6員環を形成するのに必要な置換又は非置換の脂肪族残基を表わし、同時に環を形成することはない。
【0019】W又はZで環を形成していない場合、r1 ,r2 は水素原子、アルキル基を表わす。
【0020】本発明の感光体は上述の化合物を含むものであり、更には上述した化合物に加えて重合性化合物、光重合開始剤を含むものであり、又、更には、これに加えて熱拡散性色素を含むものである。
【0021】本発明の画像形成方法は、本発明の乾式銀塩感光体に、赤色域の波長をもつ光で像露光する工程と加熱する工程とを少なくとも実施する方法であり、重合性化合物を含有する本発明の乾式銀塩感光体に、前記像露光工程と加熱工程に加えて全面露光する工程を実施し、熱拡散性色素を含有する本発明の乾式銀塩感光体に、前記像露光工程、加熱工程および全面露光工程に加えて受像紙と積層し加熱する工程を実施する画像形成方法である。
【0022】次に本発明を更に詳細に説明する。
【0023】本発明の乾式銀塩感光体に含有する一般式(I)として示される化合物は、例えば次の化学式(3)〜(18)に示すがこれらに限定されるものではない。
【0024】
【化3】

【0025】
【化4】

【0026】
【化5】

【0027】
【化6】

【0028】
【化7】

【0029】
【化8】

【0030】
【化9】

【0031】
【化10】

【0032】
【化11】

【0033】
【化12】

【0034】
【化13】

【0035】
【化14】

【0036】
【化15】

【0037】
【化16】

【0038】
【化17】

【0039】
【化18】

本発明の化合物の添加方法及び添加時期は特に限定されるものではなく、例えば、適当に溶媒に溶解した状態で熱現像性感光要素塗布液中に直接添加する方法、又は熱現像性感光要素塗布液を支持体上に塗布乾燥した後に、該表面を本発明の化合物含有する溶液で浸漬処理する方法あるいは感光要素の合成時に添加する方法等を採用することができる。
【0040】本発明の化合物の好適な添加量は、有機銀塩1モル当り、1×10-5〜1×10-2モルの範囲であり、特に好ましくは1×10-4〜1×10-3モルの範囲である。本発明の化合物の添加量が少な過ぎると感度が高くならず、又、添加量が多過ぎると、地色の着色、感度の低下を招き好ましくない。
【0041】又、従来公知のシアニン色素、メロシアニン色素を併用しても良い。
【0042】本発明の感光体は、上述の化合物を含むものであり、更には上述した化合物に加えて重合性化合物を含むものであり、また、更にはこれに加えて、光重合開始剤又は熱重合開始剤、熱拡散性色素を含むものである。
【0043】本発明に用いる熱現像性感光要素は、(a)有機銀塩、(b)還元剤、(c)感光性ハロゲン化銀又は(及び)感光性ハロゲン化銀形成成分、及び(d)バインダーを少なくとも含有しており、このものを単一層に含有させることができるが、長鎖脂肪酸銀塩及び還元剤を別個の層にして多層とするか、もしくは上記の単一層の上又は下に更に長鎖脂肪酸銀塩又は還元剤を含有する層を設けた多層とすることもできる。
【0044】また、重合性化合物、光重合開始剤を単一層に含有させることができるが、上記組成物と重合性化合物、光重合開始剤とを別個の層にして多層としてもよい。この層は積層された状態でも分離された状態でもよい。また、熱拡散性色素をも含んだ単一層にしても良いし、重合性化合物、光重合開始剤と同一層にした多層でもよい。また、更に重合性化合物、光重合開始剤と分離した多層としてもよい。
【0045】(a)有機銀塩は室内光下で着色化等の不都合な変化を受け難いことにより、炭素数12〜24個のものが好ましい。具体的には、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、パルミチン酸銀、ミリスチン酸銀、ラウリン酸銀、オレイン酸銀、またはヒドロキシステアリン酸銀などを挙げることができる。そのうち特にベヘン酸銀が最も有効である。
【0046】また、(b)還元剤は種々のものを挙げることができる。一般的には、通常のハロゲン化銀感光材料に用いられる現像薬、具体的にはハイドロキノン、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、メチルヒドロキシナフタレン、N,N’−ジエチル−p−フェニレンジアミン、アミノフェノール、アスコルビン酸、1−フェニル−3−ピラゾリドン等を挙げることができ、また、こられの他に、2,2’−メチレンビス(6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−3−メチルフェノール)等、更には特開昭46−6074号公報に記載のビスナフトール系還元性化合物、あるいはベルギー特許第802519号明細書に記載の4−ベンゼンスルホンアミドフェノール系化合物、あるいは特開平2−210352号、特開平3−135564号に記載の化合物などを挙げることができる。
【0047】(c)ハロゲン化銀は、例えば塩化銀、臭化銀、沃化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀を挙げることができる。このハロゲン化銀は、特に微細な粒子状のものが有効であり、これを調整する方法として被還元性有機銀塩の一部をハロゲン化銀形成成分、例えば臭化アンモニウム、臭化リチウム、塩化ナトリウム、N−ブロムコハク酸イミド等によりハロゲン化し、微細なハロゲン化銀を調整する方法などが挙げられる。また、いわゆる系外ハロゲン化銀を含有させる方法も用いることができる。
【0048】この系外ハロゲン化銀を含有する熱現像性感光要素は例えば、ベルギー特許第774436号公報に記載されている。即ち熱現像性感光要素とは別のところで、換言すると、有機銀塩、還元剤の存在しない所で感光性ハロゲン化銀を調製し、次いで調製後、そのハロゲン化銀を上記画像形成成分に添加して混合することによって調製される。ハロゲン化銀(又は、ハロゲン化銀形成成分)の好ましい含有量は、被還元性有機銀塩1モル当り0.001モル〜0.50モル、特に好ましくは0.01モル〜030モルの範囲である。又、上記ハロゲン化銀は、結晶表面層にイリジウムイオンを含有させることもできる。結晶表面層とはハロゲン化銀の結晶表面から所定の深さのところまでの層をいう。
【0049】ハロゲン化銀の結晶形状は、(1,0,0)面の正方晶形が好ましい。ハロゲン化銀粒子の一辺は0.001μmから1.0μmが好ましく、さらには0.01μmから0.2μmが好ましく、特に0.03μmから0.1μmが好ましい。イリジウムイオンを含有する結晶表面層の厚さは、結晶の一辺の長さの10%以下、さらには5%以下が好ましい。また、イリジウムイオンを含有する結晶表面層は結晶の一辺の長さの少なくとも0.5%以上であることが望ましい。
【0050】イリジウムイオンを含有するハロゲン化銀を調製するには、被還元性有機銀塩とハロゲン化銀形成成分からハロゲン化銀を生成する際に、イリジウムイオン供給体を投入すればよい。イリジウムイオン供給体としては、例えば四塩化イリジウム、六塩化イリジウム(IV)カリウム、六塩化イリジウム(IV)ナトリウム等が好ましい。
【0051】ハロゲン化銀の結晶表面層にイリジウムイオンを含有させるには、ハロゲン化銀の生成を開始してから暫く経過してからイリジウムイオン供給体を投入すればよい。例えば、ハロゲン化銀が所定量の90重量%生成したところでイリジウムイオン供給体を投入し始めればよい。
【0052】イリジウムイオンの含有量は、感光性層に含有する全ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-5モル〜1×10-2モル、さらには5×10-5〜5×10-3モルの割合が好ましい。
【0053】本発明による熱現像性感光要素は、(d)バインダーを単独もしくは組み合わせて層中に含有することができる。バインダーの適当な材料は疎水性あるいは親水性であることができ、又、透明もしくは半透明であることができる。具体的には、ポリビニルブチラール、セルロースアセテートブチレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カナダ特許第774054号公報に記載のスルホベタイン繰返し単位を有するもの等を挙げることができる。バインダーの使用量は被還元性有機銀塩に対し、重量比で10:1乃至1:10が好ましい、更に好ましくは4:1乃至1:2の範囲である。
【0054】本発明による熱現像性感光要素は、画像の色調性、画像形成後の安定性を改善するために有機酸を用いることが好ましく、特に長鎖脂肪酸銀塩と同一か又は近傍の脂肪酸を単独あるいは組み合わせて含有させるのが好ましい。それらの脂肪酸の使用量は、被還元性有機銀塩に対して25モル%〜200モル%であり、特に好ましくは30モル%〜120モル%である。
【0055】本発明による熱現像性感光要素は、色調剤を含有することができる。色調剤としては米国特許第3080254号公報に記載のフタラジノン又はその誘導体、特開昭46−6074号公報に記載の環式イミド類、特開昭50−32927号公報に記載のラタラジンジオン化合物等を含有する。
【0056】本発明による熱現像性感光要素は、適当なカブリ防止剤を含有することができる。カブリ防止剤としては、特公昭47−11113号公報に記載の水銀化合物、特公昭55−42375号公報に記載の1,2,4−トリアゾール化合物、特開昭57−30828号公報に記載のテトラゾール化合物、特開昭57−138630号公報に記載の安息香酸類及び特開昭57−147627号公報に記載のスルホニルチオ基を有する化合物、特開昭58−107534号公報に記載の二塩基酸類を挙げることができる。特に、本発明に用いられるカブリ防止剤としては、特開昭58−107534号公報に記載されている二塩基酸類が好ましく、この二塩基酸は下記一般式IIで表わされる。
【0057】
【化19】
HOOC−R7 −COOH (18)一般式II式中、R7 は炭素数4個以上の直鎖又は分枝のアルキレン基又はアルケニレン基を表わす。
【0058】本発明の熱現像性感光要素は、画像形成後の光などによる非画像部の着色を防止するための化合物を含有することができる。この着色防止剤としては、特開昭61−129642号公報に記載された化合物が好ましく、この化合物は下記の一般式III で表わされる。
【0059】
【化20】

式中、R8 は置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基、アコルコキシ基又はアリールオキシ基を、R9 は水素原子、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基を表わす。X2 は塩素原子、臭素原子又は沃素原子を表わす。
【0060】本発明の感光体は、下記一般式(IV)又は(V)で表わされる化合物を含有することができる。
【0061】
【化21】

【0062】
【化22】

式中、R11〜R20は水素原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、カルボキシル基、置換または未置換のアリール基、スルホン酸塩、置換または未置換のアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミド基、アルケニル基またはアルキニル基を表わし、R11とR12、R12とR13、R13とR14は、それぞれ縮合環を形成してもよい。Xは−O−、−N(R21)−、または−S−を表わし、R21は水素、アルキル基またはアリール基を表わす。
【0063】具体的化合物としては例えば、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプト−6−メチルベンゾオキサゾール、2−メルカプト−5−スルホキシベンゾオキサゾール、2−メルカプト−4−メチルベンゾオキサゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾオキサゾール、2−メルカプト−5−クロロベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾイミダゾール等があり、好ましくはXが−O−となるオキサゾール系化合物である。
【0064】好適な添加量は一般式(I)の化合物1モルに対して、1.0×10-1〜2.0×102 モル、好ましくは5.0×10-1〜1.0×102 モル、特に好ましくは1.0〜8.0×10モルの範囲である。前記範囲内の添加量である場合、特に要望される光感度が得られる。一方、この範囲以上の量を添加するとカブリ等が生じ易くなる。
【0065】本発明の熱現像性感光要素は、更に現像促進剤を含有することができる。好ましい現像促進剤としては、特公昭64−8809号公報に記載の脂肪酸のアルカリ金属塩化合物を挙げることができる。
【0066】本発明の熱現像性感光要素は、帯電防止剤として含フッ素系界面活性剤、又は特開昭64−24245号公報に記載された含フッ素系界面活性剤とノニオン界面活性剤とを併用して含有することができる。
【0067】本発明の熱現像性感光要素は、更に、紫外線吸収剤、イラジェーション防止染料蛍光増白剤、フィルター染料(層)等を含有することができる。
【0068】本発明による熱現像性感光要素は、適当な支持体上に被覆を形成して熱現像性感光材料を得ることができる。支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、酢酸セルロース等の合成樹脂フィルム、合成紙、ポリエチレン等の合成樹脂フィルムで被覆された紙、アート紙、写真用バライタ紙等の紙類、又はアルミニウム等の金属板(箔)、通常の方法により金属蒸着膜を有する合成樹脂フィルム又はガラス板等を挙げることができる。
【0069】また、これらに加え重合性化合物、光重合開始剤を含んでいてもよい。重合性化合物としては、一分子中に反応性ビニル基を少なくとも1個もつ化合物が利用でき、例えば、反応性ビニル基含有単量体、反応性ビニル基含有オリゴマー及び反応性ビニル基含有ポリマーからなる群より選択した1種以上を用いることができる。
【0070】これら化合物の反応性ビニル基としては、スチレン系ビニル基、アクリル酸系ビニル基、メタクリル酸ビニル基、アリル系ビニル基、ビニルエーテル等の他に酢酸ビニル等のエステル系ビニル基等重合反応性を有する置換もしくは非置換ビニル基が挙げられる。
【0071】かかる条件を満たす重合性ポリマー前駆体の具体例としてはスチレン、メトキシスチレン、ジメチルアミノスチレン、ヒドロキシスチレン、アミノスチレン、カルボキシスチレン、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリルアミド、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エーテル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、N−メチル−2−ビニルイミダゾール、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、β−クロロエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルビニルエーテル、p−クロロフェニルビニルエーテル等の一価の単量体;例えばジビニルベンゼン、シュウ酸ジスチリル、マロン酸ジスチリル、コハク酸ジスチリル、グルタル酸ジスチリル、アジピン酸ジスチリル、マレイン酸ジスチリル、フマル酸ジスチリル、β,β−ジメチルグルタル酸ジスチリル、2−ブロモグルタル酸ジスチリル、α,α’−ジクロログルタル酸ジスチリル、テレフタル酸ジスチリル、シュウ酸ジ(エチルアクリレート)、シュウ酸ジ(メチルエチルアクリレート)、マロン酸ジ(エチルアクリレート)、マロン酸ジ(メチルアクリレート)、コハク酸ジ(エチルアクリレート)、グルタル酸ジ(エチルアクリレート)、アジピン酸ジ(エチルアクリレート)、マレイン酸ジ(ジエチルアクリレート)、フマル酸ジ(エチルアクリレート)、エチレンジアクリルアミド、プロピレンジアクリルアミド、1,4−フェニレンジアクリルアミド、1,4−フェニレンビス(オキシエチルアクリレート)、1,4−フェニレンビス(オキシメチルエチルアクリレート)、1,4−ビス(アクリロイルオキシメチルエトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(アクリロイルオキシエトキシカルバモイル)ベンゼン、1,4−ビス(アクリロイルオキシメチルエトキシカルバモイル)ベンゼン、1,4−ビス(アクリロイルオキシエトキシカルバモイル)シクロヘキサン、ビス(アクリロイルオキシエトキシカルバモイルシクロヘキシル)メタン、シュウ酸ジ(エチルメタクリレート)、シュウ酸ジ(メチルエチルメタクリレート)、マロン酸ジ(エチルメタクリレート)、マロン酸ジ(メチルエチルメタクリレート)、コハク酸ジ(エチルメタクリレート)、アジピン酸ジ(エチルメタクリレート)、マレイン酸ジ(エチルメタクリレート)、フマル酸ジ(エチルメタクリレート)、β,β’−ジメチルグルタル酸ジ(エチルメタクリレート)、1,4−フェニレンビス(オキシエチルメタクリレート)、1,4−ビス(メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキサンアクリロイルオキシエトキシエチルビニルエーテル等の二価の単量体;例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(ヒドロキシスチレン)、シアヌル酸トリアクリレート、シアヌル酸トリメタクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、シアヌル酸トリ(エチルアクリレート)、1,1,1−トリメチロールプロパントリ(エチルアクリレート)、シアヌル酸トリ(エチルビニルエーテル)、1,1,1−トリメチロールプロパンと3倍モルのトルエンジイソシアネートとの反応物とヒドロキシエチルアクリレートとの縮合物、1,1,1−トリメチロールプロパンと3倍モルのヘキサンジイソシアネートとの反応物とp−ヒドロキシスチレンとの縮合物等の三価単量体;例えばエチレンテトラアクリルアミド、プロピレンテトラアクリルアミド等の四価の単量体等、さらには、オリゴマー又はポリマーの末端に反応性ビニル基を残した重合性ポリマー前駆体あるいはオリゴマー又はポリマーの側鎖の反応性ビニル基をつけた重合性ポリマー前駆体等を挙げることができる。なお、前述のようにこれらの重合性ポリマー前駆体を2種以上用いてもよい。
【0072】本発明の熱現像性要素に含有される光重合開始剤としては、例えばカルボニル化合物、イオウ化合物、ハロゲン化合物、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。
【0073】具体的には、カルボニル化合物としては、例えばベンジル、4,4’−ジメトキシベンジル、ジアセチル、カンファーキノン等のジケトン類;例えば4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;例えはアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類;例えばベンゾイルアルキルエーテル類;例えは2−シクロロチオキサントン、2,5−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−3−カルボン酸−β−メトキシエチルエステル等のチオキサントン類;ジアルキルアミノ基を有するカルコン類及びスチリルケトン類;3,3’−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)等のクマリン類等が挙げられる。
【0074】イオウ化合物としてはジベンゾチアゾリルスルフィド、デシルフェニルスリフィド等のジスルフィド類等が挙げられる。
【0075】ハロゲン化合物としては、例えば四臭化水素、キノリンスルホニルクロライド、トリハロメチル基を含有するS−トリアジン類等が挙げられる。
【0076】レドックス系の光重合開始剤としては、三価の鉄イオン化合物(例えばクエン酸第二鉄アンモニウム)と過酸化物等を組合せて用いるものや、リボフラピン、メチレンブルー等の光還元性色素とトリエタノールアミン、アスコルビン酸等の還元剤を組合せて用いるもの等が挙げられる。
【0077】また以上に述べた光重合開始剤において、2種以上を組合せてより効率のよい光重合反応を得ることができる。
【0078】このような光重合開始剤の組合せとしては、ジアルキルアミノ基を有するカルコン及びスチリルスチリルケトン類、クマリン類とトリハロメチル基を有するS−トリアジン類、カンファーキノンとの組合せ等が挙げられる。
【0079】これらの重合開始剤もその2種以上を併用したり、上述の化合物と組合せて用いてもよい。
【0080】この場合、重合性化合物、光重合開始剤を単一の要素層に含有させることができるが上記要素層と重合性化合物及び光重合開始剤とを別個の層にして多層としてもよい。この層は積層された状態でも、さらには要素層と分離させた状態であってもよい。
【0081】次に本発明の画像形成方法についてのべる。
【0082】本発明の乾式銀塩感光体を用いることにより、第1工程である赤色域の波長をもつ光により像露光する工程で1×10-6sec/dotから1×10-8sec/dotの露光速度で露光しても、解像性のよい重合画像を形成することができる。光源としては、LED、ガスレーザー、半導体レーザー等が好ましい。像露光は波長500nm〜900nmの光を含む光で行うのがよい。感光体面上での露光エネルギーは1μJ/cm2 から200μJ/cm2 であり、好ましくは3μJ/cm2 から100μJ/cm2 である。
【0083】第2工程の加熱する工程は、像露光と同時に、あるいは像露光の後に実施してもよい。加熱については感光体を80℃から160℃までの温度範囲で、1秒から3分間、好ましくは90℃から140℃までの温度範囲で、3秒以上90秒以下で加熱する。加熱手段としては、ホットプレート、ヒートロール、サーマルヘッド等を使用することができる。さらに支持体上に発熱素子をつけ、通電により加熱してもよい。
【0084】重合性化合物を有する本発明の乾式銀塩感光体における第3工程である全面露光の重合露光では300nmから600nmの波長光を用い、光源としてハロゲンランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、水銀灯、蛍光灯、レーザー等がある。
【0085】このようにして形成された重合画像を重合部と未重合部に分離する方法として感光体をエッチング処理する方法、あるいは剥離により重合部と未重合部を分離する方法、あるいはマイクロカプセルを使用した場合等によく適用される加圧による受像体への転写方法、あるいは予め熱拡散性色素を含有させておき、未重合部の色素を受像体へ転写する方法、あるいは未重合部分と重合部分の粘着性の差を利用してトーニングする方法等がある。
【0086】また、熱拡散性色素を含む本発明の乾式銀塩感光体における第4工程である、受像紙を積層し、加熱する工程については通常の方法であるので説明するまでもない。
【0087】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0088】なお、以下の記述においては部は重量部を表す。
【0089】実施例1下記の組成よりなる分散液をホモミキサーを用いて安全光下で調製した。
【0090】
ポリビニルブチラール 3.0部 ベヘン酸銀 2.5部 ベヘン酸 1.5部 ホモフタル酸 0.6部 臭化銀 0.6部 フタラジノン 0.5部 2.2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
2.4部 キシレン 30 部 n−ブタノール 30 部上記組成物のうち、臭化銀結晶の面指数{100}の立方晶であって、その結晶の1辺の長さが0.07μmの結晶を用いた。
【0091】上記分散液に、本発明の一般式(I)の化合物(2)を0.03部、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)5.0部に溶解したものを添加した。
【0092】この分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥膜厚10μmになるように塗布し、感光層を設け、その上に保護層として、乾燥膜厚2μmのポリビニルアルコール層を塗り、感光体Aを得た。
【0093】比較例1実施例1における化合物(2)のかわりに下記構造の化合物(22)を用いた以外は実施例1と同様にして感光体Bを得た。
【0094】
【化23】

実施例1および比較例1によるこれら感光体を670nmの半導体レーザーを用い、1.67×10-7sec/dotのスピードで露光し、120℃に設定した熱現像機内で10秒間熱現像を行った。得られた画像の特性曲線を図1に示す。測定はナルミ商会製、透過反射兼用色濃度計NLM−STD−Trを用いて、透過濃度(O.D.)を測定した。
【0095】カブリ濃度(エネルギー0.1μJ/cm2 でのO.D.)に1.0を加えたO.D.を与えるエネルギー値を感度とすると、表1のようになった。
【0096】
【表1】

上記結果より本発明の感光体は感度特性に優れていることが判る。更に感光体Aに2−メルカプトベンゾオキサゾールを1.2部添加した感光体Cでは、感度が10.9μJ/cm2 と向上しており、生保存耐久における特性も良好であった。
【0097】実施例2実施例1で調製した分散液のうち、還元剤である2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)2.4部の代わりに、4,4’−メチレンビス−(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)2.4部を添加した。その他は実施例1の感光体Aと同様にして、感光体Dを得た。
【0098】上記感光体Dを670nmの半導体レーザーを用いて、1.67×10-7sec/dotのスピードで、像面エネルギー30μJ/cm2 で露光し、130℃に設定した熱現像機内で10秒間熱現像を行ったところ、410nmにピークを有する良好な画像が得られた。
【0099】この画像をマスクとしてピールアパートフィルム(日東電工製、ネオトロック)の銅版に貼りあわせたものに重ね超高圧水銀灯を用いて5秒間一様に照射した。その後、剥離用フィルムをはがすと銅版上に半導体レーザーの像未露光部に対応する部分が重合像として銅版上に残った。重合像の画像は鮮明であり、解像性に優れたものであった。
【0100】実施例3〜5下記の組成よりなる分散液をホモミキサーを用いて安全光下で調製した。
【0101】
ポリビニルブチラール 3.0部 ポリメチルメタクリレート 1.0部 ベヘン酸銀 2.5部 ベヘン酸 2.0部 アゼライン酸 0.2部 臭化銀(臭化銀1モルに対して、イリジウムを10-6モル含んでいる。その結晶の面指数は{1、0、0}の立方晶であって、その一辺の長さが平均0.
06μm) 0.6部 フタラジノン 0.5部 2.2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
2.4部 キシレン 40 部 n−ブタノール 15 部上記分散液に、表2に記載した増感色素をそれぞれ0.04部、DMF5.0部に溶解して添加した。
【0102】この分散液を実施例1と同様にして、実施例3として感光体E、実施例4として感光体F、実施例5として感光体Gを得た。
【0103】
【表2】

【0104】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明により、増感効率が良く、レーザーなどを用いた高照度短時間露光に対しても相反則不軌などの問題もなく、高画質な画像が得られる乾式銀塩感光体を得ることができる。




 

 


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