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発明の名称 背面投写型スクリーン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−202229
公開日 平成6年(1994)7月22日
出願番号 特願平4−359464
出願日 平成4年(1992)12月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】田治米 登 (外1名)
発明者 石井 正樹 / 松崎 一朗
要約 目的
背面投写型スクリーンにおいて、中央部に対する周辺部の輝度の低下を防止し、またゴーストの発生を抑制する。

構成
フレネルレンズを有する背面投写型スクリーンにおいて、フレネルレンズの入射面または出射面の少なくとも一方に、屈折率がフレネルレンズの構成基材よりも低い材料からなる薄膜を形成し、かつその薄膜の厚さd1 を、背面投写型スクリーンの周辺部において透過率Tt が最大となる厚さdy に設定する。
特許請求の範囲
【請求項1】 フレネルレンズを有する背面投写型スクリーンにおいて、フレネルレンズの入射面または出射面の少なくとも一方に、屈折率がフレネルレンズの構成基材よりも低い材料からなる薄膜が形成され、かつその薄膜が、背面投写型スクリーンの周辺部において透過率が最大となる厚さを有していることを特徴とする背面投写型スクリーン。
【請求項2】 該薄膜の厚さが、背面投写型スクリーンの対角線上の中心部から80〜100%の位置において透過率が最大となる厚さである請求項1記載の背面投写型スクリーン。
【請求項3】 該薄膜の厚さが、背面投写型スクリーンのゴースト発生域において透過率が最大となる厚さである請求項1記載の背面投写型スクリーン。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スクリーンの中央部の輝度に対する周辺部の輝度の低下を防止し、またゴーストの発生を抑制した背面投写型スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】大画面の映像の表示方法として、CRTや液晶パネル等からの光学像を投写レンズにより背面投写型スクリーンに拡大投写する方法が知られている。図5はこのような方法で映像を形成する表示装置の一般的な概略構成図である。同図の表示装置においては、投写機1からの光学像が、フレネルレンズ2とレンチキュラーレンズシート3からなる2枚式スクリーン4の面上に結像され、観察者はこの投写像をスクリーン4のレンチキュラーレンズシート3側から観察することとなる。ここで、フレネルレンズ2は入射した光を観察者の位置する方向にほぼ向けさせるという作用を担い、レンチキュラーレンズシート3はフレネルレンズ2から出た光を水平および垂直の所定の角度に適当な分配割合で分散させ、視野角を所定の範囲に広げるという作用を担っている。
【0003】しかしながら、このような背面投写型スクリーンにおいては、投写機1からの投写光Lがフレネルレンズ2とレンチキュラーレンズシート3の各界面で反射されるため、スクリーン全体としての透過率が低下し、スクリーンとして明るい画面を得られないという問題や、図4に示したように、フレネルレンズ2へ入射した光Lが光線Laとして出射する他に、出射側界面で反射され、次いで入射側界面で再反射されてゴースト光Lbとして出射するという問題があった。
【0004】また、外光もフレネルレンズ2とレンチキュラーレンズシート3の各界面で反射されるため、映像の暗い部分が明るくなり、コントラストが低下するという問題があった。
【0005】このような問題に対しては、フレネルレンズ面とレンチキュラーレンズ面の少なくとも一方にフッ素樹脂化合物からなる薄膜を形成し、それにより各界面での反射率を低減させ、スクリーン全体の透過光量を多くすることが提案されている(特開平3−220542号公報)。これにより、スクリーン中央部の輝度が増加して画面が明るくなり、また、外光の反射が減りコントラストが向上するという効果が認められた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の特開平3−220542号公報にしたがってスクリーンを構成するレンズの界面に薄膜を形成しても、スクリーンの周辺部の輝度が中央部の輝度に対して低いという問題があり、また、ゴーストの発生を十分に抑制することはできなかった。
【0007】この発明は以上のような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、背面投写型スクリーンにおいて、中央部に対する周辺部の輝度の低下を防止し、またゴーストの発生を抑制することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、スクリーンを構成するレンズの界面にフッ素樹脂等の薄膜を形成してスクリーンの透過光量を多くする場合に、従来はスクリーンの中央部の輝度を向上させることによりスクリーン全体の輝度を向上させようとしていたため、薄膜の厚さをスクリーンの中央部の反射率を最も低下させる厚さに設定していたが、そのような厚さの薄膜では周辺部の反射率を効率よく低下させることはできないこと、即ち、中央部と周辺部とでは反射率を最も低下させる薄膜の厚さが異なり、スクリーンの周辺輝度と中心輝度との差を小さくするためには周辺部の反射率を最も低下させる厚さに薄膜を形成することが有効であることを見出し、この発明を完成させるに至った。
【0009】即ち、この発明は、フレネルレンズを有する背面投写型スクリーンにおいて、フレネルレンズの入射面または出射面の少なくとも一方に、屈折率がフレネルレンズの構成基材よりも低い材料からなる薄膜が形成され、かつその薄膜が、背面投写型スクリーンの周辺部において透過率が最大となる厚さを有していることを特徴とする背面投写型スクリーンを提供する。
【0010】一般に、背面投写型スクリーンにおいては、周辺輝度はスクリーンの中心から離れるにしたがって単調に低下するので、スクリーンの中心から最も離れている四隅部分において輝度の低下が大きくなり、その部分の画面の明るさのむらが目立ちやすくなる。そこで、上述のこの発明の背面投写型スクリーンにおいて、特にスクリーンの中央部に対する周辺部の輝度の低下を抑制する場合には、スクリーンの四隅部分、即ち、背面投写型スクリーンの対角線上の中心部から80〜100%の位置において、薄膜の厚さを、透過率が最大となる厚さに設定することが好ましい。
【0011】また、一般に、背面投写型スクリーンにおいてゴースト光は前述の図4に示したように発生するが、フレネルレンズの中心に近い領域では、ゴースト光Lbは主光線Laと出射位置が近く、またフレネルレンズの出射面への入射角θ3 が小さく反射率も小さいため、その光量は少なくなり目立たなくなる。また、背面投写型スクリーンは通常レンチキュラーレンズと共に用いられるため、ゴースト光Lbのうち水平方向の出射角が主光線Laと異なるものは、レンチキュラーレンズの出射側に通常設けられている光吸収部で遮られて見えなくなる。従って、ゴーストは、当該スクリーンに用いられる投射光学系、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズの特性等により異なるが、一般には画面の上下でそれぞれフレネルレンズの中心から中心角約120°の扇形の範囲内で、且つ中心から約250mmより外側で観察される。そこで、この発明の背面投写型スクリーンにおいて、特にゴーストの発生を抑制する場合には、このような背面投写型スクリーンのゴースト発生域において透過率が最大となる厚さに薄膜の厚さを設定することが好ましい。
【0012】以下、この発明の背面投写型スクリーンを図面に基づいて更に詳細に説明する。なお、各図中同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0013】上述のように、この発明においては、フレネルレンズに薄膜を形成するにあたり、その膜厚を、スクリーンの対角線上の中心部から80〜100%の位置あるいはゴースト発生域といったスクリーンの周辺部において、透過率が最大となるような厚さに設定するが、このような膜厚は次のようにして定める。即ち、一般に、屈折率n1 の媒体から屈折率n2 の媒体へ光が入射するとき、次のスネルの式(1)
【0014】
【数1】
1 sinφ1 =n2 sinφ2 式(1)
(式中、φ1 は入射角、φ2 は出射角を表す)が成立するから、S偏光の振幅反射率rS 及びP偏光の振幅反射率rP はそれぞれ次式(2)及び(3)
【0015】
【数2】
S =(n1 cosφ1 −n2 cosφ2 )/(n1 cosφ1 +n2 cosφ2
式(2)
【0016】
【数3】
P =(n2 cosφ1 −n1 cosφ2 )/(n2 cosφ1 +n1 cosφ2
式(3)
と表されることとなる。
【0017】一方、図6に示したように、一般に屈折率n0 の媒体から、屈折率n1 で厚さd1 の薄膜5へ光が入射し、さらに屈折率n2 の媒体へ出射するとき、その光の薄膜の反射率rは、次式(4)
【0018】
【数4】
r=(r0 +r1 −2iδ)/(1+r0 1 −2iδ
式(4)
(式中、r0 は屈折率n0 の媒体と屈折率n1 の薄膜との界面の反射率、r1 は屈折率n1 の薄膜と屈折率n2 の媒体との界面の反射率を表す。また、δは位相の遅れ量を表し、2δ=(4π/λ)n1 1 cosφ1 で表される)と表される。また、このときのエネルギー反射率Rは次式(5)
【0019】
【数5】
R=|r| 式(5)
と表される。このようにして表される薄膜のエネルギー反射率を、S偏光及びP偏光のそれぞれについて求めることにより、全体のエネルギー反射率Rを次式(6)
【0020】
【数6】
R=(RS +RP )/2 式(6)
より求めることができ、この薄膜の透過率Tを次式(7)
【0021】
【数7】
T=1−R 式(7)
より求めることができる。以上のように、薄膜の透過率Tは薄膜の膜厚d1 の関数となり、更に、入射角φ1 の関数ともなる。
【0022】このような関係を図5のフレネルレンズ2に薄膜を形成した場合に適用することにより、投写機1からフレネルレンズ2の半径lの位置へ入射角θ1 で入射した光のフレネルレンズ2の透過率を求めることができる。即ち、図4に示したように、フレネルレンズ2の入射面と出射面の両面に厚さd1 の薄膜を形成した場合について、その入射角θ1 を前述の式(4)の入射角φ1 に適用することにより、入射面に形成した薄膜の透過率Ti が求まり、また同様に、入射角φ1 にフレネルレンズ2の出射面における入射角θ3 を適用することにより、出射面に形成した薄膜の透過率To が求まり、これから全体の透過率Tt を次式(8)
【0023】
【数8】
t =Ti ×To 式(8)
から求めることが可能となる。
【0024】図1は、図3に示したように、フレネルレンズ2の入射面と出射面の双方に厚さd1 の薄膜5を形成した場合につき、その中心部に入射した光と周辺部に入射した光のそれぞれについて以上のようにしてフレネルレンズの透過率Tt を求めたときの薄膜の厚さd1 と透過率Tt との一般的な関係図である。図中、実線はフレネルレンズの中心部、即ち投写機からの入射角θ1 が0°の位置に入射した光についての関係を表し、破線はフレネルレンズの周辺部、即ち投写機からの入射角θ1 が比較的大きい位置に入射した光についての関係を表している。
【0025】このように、中心部に入射する光の透過率を最大にする薄膜の膜厚dx と周辺部に入射する光の透過率を最大にする薄膜の膜厚dy とは異なる。この発明においては、フレネルレンズに形成する薄膜を、周辺部に入射する光の透過率が最大になる厚さdy にするので、従来のように中心部に入射する光の透過率を最大にする厚さdx に形成した場合に比べて、スクリーンの中心輝度と周辺輝度との差を小さくすることが可能となる。また、そのように透過率を最大にした領域では、ゴーストの原因となる界面反射が最も効率よく抑制されることとなるので、この発明によればゴーストの発生も抑制することが可能となる。
【0026】この発明のスクリーンにおいて、薄膜の厚さを定めるにあたり、スクリーンの周辺部のいずれの部位の透過率が最大になるようにするかは、スクリーンの大きさ、接地場所、スクリーンに対する観察者の位置などに応じて適宜定める。例えば、スクリーンの周辺輝度を特に改善したい場合には、スクリーンの対角線上の中心部から80〜100%の位置の透過率が最大となるようにすることが好ましく、一般的には図2(a)に示したようにスクリーン4の対角線上で中心Oから90%の位置Pの透過率が最大となるようにすればよい。また図2(b)に示したようにスクリーン4の斜線部分にゴーストが発生する場合に、そのようなゴーストの発生を特に抑制したい場合には、そのようなゴースト発生域での透過率が最大となるようにすればよく、一般には、スクリーン4の対角線上の中心Oからスクリーン上下方向に80%の位置Qの透過率が最大となるようにすればよい。
【0027】このような厚さに形成する薄膜の材料としては、その屈折率がフレネルレンズの構成基材よりも低いものであればよい。一般には成膜の容易性からフッ素系樹脂を使用することが好ましい。
【0028】また、このような薄膜の形成方法には特に制限はなく、ディップ法、スプレー法、蒸着法等を使用することができる。例えばディップ法でフッ素系樹脂の薄膜を所定の厚さに形成する場合、ディップするフッ素系樹脂組成物の粘度を制御したり、引上げ速度を制御することにより、フレネルレンズの入射面と出射面の両面に所期の厚さの薄膜を容易に形成することができる。
【0029】なお、この発明において形成する薄膜は、必ずしもフレネルレンズの入射面と出射面の両面に形成する必要はなく、いずれか一方の面に形成してもよい。また、この発明は、図5に示したようなフレネルレンズ2とレンチキュラーレンズシート3とからなる2枚式レンズに限らず、フレネルレンズの背面にレンチキュラーレンズ面が形成された1枚式レンズにも適用することができる。
【0030】
【作用】この発明によれば、フレネルレンズに薄膜を形成してスクリーンの透過率を向上させるに際し、その薄膜を、スクリーン周辺部の所定の位置での透過率が最大となる厚さに形成する。したがって、スクリーンの中心輝度に対する周辺輝度の低下を抑制することが可能となる。また、そのように透過率を最大にするスクリーン上の位置をスクリーンのゴースト発生域とすることにより、ゴーストの原因となる反射光を低減させることができるので、スクリーンのゴーストを抑制することが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、この発明を実施例により具体的に説明する。
【0032】実施例1屈折率1.494のアクリル樹脂からなるフレネルレンズ(焦点距離530mm)の入射面と出射面の両面に、屈折率1.34のフッ素樹脂(CYTOP、旭硝子(株)製)を、表1に示すように厚さd(nm)を変えて形成し、そのフレネルレンズの中心から680mmの距離から波長600nmの光を照射した場合についてフレネルレンズの中心での透過率T0 と中心から480mmの位置での透過率T480 とを求め、さらにそれぞれの位置でフッ素樹脂薄膜を形成しなかった場合の透過率に対する透過率の増加率を算出した。また、このフレネルレンズとレンチキュラーレンズシート(ピッチ0.9mm、ゲイン5.2)とを組み合わせ、投射距離が680mmのTVセットに取り付け、中心部と中心から480mmの位置の輝度を測定した。この場合、測定は、スクリーンの正面でスクリーンの中心から3mの距離に設けた色彩色差計(CS−100、ミノルタ(株)製)を用いて行った。これらの結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

表1から、フッ素樹脂の膜厚を110nmとすると160nmにした場合に比べて中心部での透過率は大きいが、このとき中心部と周辺部(中心から480mmの位置)での透過率の差は16.9%と大きい。これに対して、フッ素樹脂の膜厚を160nmにすると中心部での透過率は低下するが周辺部での透過率の増加率が大きいので、中心部と周辺部の透過率の差は12.9%と小さくなっている。また、スクリーン輝度も、フッ素樹脂の膜厚を110nmとした場合に比べて160nmにした場合の方が周辺部で大きい。したがって、このフレネルレンズの投写系においては、フレネルレンズに形成するフッ素樹脂の膜厚を160nmとすることにより周辺輝度を大きく向上させられることがわかる。
【0034】実施例2実施例1のフレネルレンズにおいて薄膜を形成しなかった場合には、中心から280mmの位置にゴーストが観察された。そこで、フレネルレンズの入射面と出射面の両面に、実施例1と同様のフッ素樹脂を表2に示すように厚さd(nm)を変えて形成し、それぞれの厚さで形成した場合についてフレネルレンズの中心から280mmの位置での反射率R280 を求めた。また、これらのフレネルレンズとレンチキュラーレンズシート(ピッチ0.9mm、ゲイン5.2)とを組み合わせ、TVセットに取り付けて画像を観察した。これらの結果を表2に示す。
【0035】表2からこのフレネルレンズの投写系においては、フレネルレンズに形成するフッ素樹脂の膜厚を140nmとすることにより膜厚を110nmにした場合に比べて20%もゴーストの原因となる反射率が低下することがわかる。実際、TVセットに取り付けた状態で画像を観察した場合、ゴーストの発生が良好に抑制されていることが認められた。
【0036】
【発明の効果】この発明の背面投写型スクリーンによれば、中央部に対する周辺部の輝度の低下を防止し、またゴーストの発生を抑制することが可能となる。




 

 


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