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発明の名称 シャフトレスマグネットロール及び当該シャフトレスマグネットロールを組み込んだ現像装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−230678
公開日 平成6年(1994)8月19日
出願番号 特願平5−255525
出願日 平成5年(1993)10月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
発明者 三木 章伍 / 毛利 文仁 / 坂田 嘉男
要約 目的
高い生産性や機械的強度を維持しながら、位置決めも容易に行うことができ且つ強い表面磁力も得られるマグネットロールを提供せんとするものであり、併せて当該構造のマグネットロールを現像装置に組み込む際の適した構造を開示することによって、高生産性を維持しながらコストダウンがはかれる新規な構造の現像装置を提供せんとするものである。

構成
硬質合成樹脂に磁性粉を分散させた樹脂磁石材料より成る略円柱状磁石体であって、位置決め手段としての溝又は切欠面が単独であるいは組み合わせた状態で磁石体の外周面に直接形成されているとともに、当該磁石体の両端部が周辺装置又は現像装置壁体への直接的な取り付け部とされたことを特徴としている。
特許請求の範囲
【請求項1】 硬質合成樹脂に磁性粉を分散させた樹脂磁石材料より成る略円柱状磁石体であって、位置決め手段としての一つ以上の溝又は一つ以上の切欠面が単独であるいは組み合わせた状態で磁石体の外周面に直接形成されているとともに、当該磁石体の両端部が周辺装置又は現像装置壁体への直接的な取り付け部とされたシャフトレスマグネットロール。
【請求項2】 位置決め手段としての溝又は切欠面を磁石体の長手方向全長にわたって設けてなる請求項1記載のシャフトレスマグネットロール。
【請求項3】 位置決め手段としての溝又は切欠面を磁石体の長手方向片端外周部又は両端外周部のみに設けてなる請求項1記載のシャフトレスマグネットロール。
【請求項4】 磁石体の長手方向全長にわたって溝又は切欠面を設けるとともに、磁石体の長手方向片端外周部又は両端外周部に前記溝又は切欠面とは別の溝又は切欠面を設けてなる請求項1記載のシャフトレスマグネットロール。
【請求項5】 位置決め手段としての溝又は切欠面を磁石体外周面に周方向において複数個設け、且つ各位置決め手段の形状又は寸法を相違させてなる請求項1〜3のうちいずれか1項記載のシャフトレスマグネットロール。
【請求項6】 位置決め手段としての溝又は切欠面を磁石体外周面に周方向において少なくとも3つ以上設け、且つ各位置決め手段相互の離間距離を相違させてなる請求項1〜3のうちいずれか1項記載のシャフトレスマグネットロール。
【請求項7】 磁石体の外周面に設けられた溝又は切欠面のうち、磁石体の長手方向端部に位置する部分を周辺装置又は現像装置壁体への取付固定手段としても利用してなる請求項1〜6のうちいずれか1項記載のシャフトレスマグネットロール。
【請求項8】 外周面に着磁される複数磁極のうち、磁力抑制の必要のある磁極の形成位置を、位置決め手段としての溝又は切欠面が設けられる位置に設定した請求項1〜7のうちいずれか1項記載のシャフトレスマグネットロール。
【請求項9】 硬質合成樹脂に磁性粉を分散させた樹脂磁石材料より成る略円柱状磁石体であって、磁石体の長手方向の片端面又は両端面に位置決め手段としての溝又は孔の一方あるいは両方が直接形成されているとともに当該磁石体の両端部が周辺装置又は現像装置壁体への直接的な取り付け部とされたシャフトレスマグネットロール。
【請求項10】 磁石体の長手方向全長にわたって溝又は切欠面を設けてなる請求項9記載のシャフトレスマグネットロール。
【請求項11】 磁石体の長手方向の片端面又は両端面に設けられた溝又は孔を周辺装置又は現像装置壁体への取付固定手段としても利用してなる請求項9又は10記載のシャフトレスマグネットロール。
【請求項12】 磁石体の長手方向両端部を外方へ向かってテーパー状に縮径させてなる請求項1〜11のうちいずれか1項記載のシャフトレスマグネットロール。
【請求項13】 請求項1〜12記載のいずれか1項に記載のシャフトレスマグネットロールに、当該マグネットロールに対して自在に回転する円筒状スリーブを外装して現像シリンダーを構成するとともに、シャフトレスマグネットロールの両端部を現像装置本体の側壁に直接固定することによって、現像シリンダーを現像装置本体に組み込んでなる現像装置。
【請求項14】 シャフトレスマグネットロールの端面又は端部外周に形成した位置決め手段としての溝、孔又は切欠面に係合する形状を有する凸部、凹所、穴を現像装置本体の側壁に形成し、当該凸部、凹所又は穴にシャフトレスマグネットロールの端部を係合固定してなる請求項13記載の現像装置。
【請求項15】 シャフトレスマグネットロールの端部外周に形成した位置決め手段としての溝、孔又は切欠面に対応する係合部が内面に形成され、且つ上方が開放しているとともにマグネットロール外周面の湾曲形状と一致した内面形状を有する受け部材を、現像装置本体の側壁と一体形成するか、あるいは別体構成して現像装置本体の側壁に固定し、当該受け部材上に載置したマグネットロールの端部外周における受け部材から露出した残部外周面に、当該残部外周面の湾曲形状に一致した湾曲内面を有する蓋部材を被蓋してシャフトレスマグネットロールの端部を係合固定してなる請求項14記載の現像装置。
【請求項16】 シャフトレスマグネットロールに対して回転可能な状態で外装されるスリーブを現像装置本体の側壁に形成した孔部に貫通させて、当該側壁によってスリーブを直接支承してなる請求項13、14又は15記載の現像装置。
【請求項17】 シャフトレスマグネットロールに対して回転可能な状態で外装されるスリーブを現像装置本体の側壁に形成した凹部によって直接支承してなる請求項13、14又は15記載の現像装置。
【請求項18】 スリーブと側壁孔部間に摺動部材を介在させてなる請求項16又は17記載の現像装置。
【請求項19】 摺動部材としては転がり軸受、滑り軸受又は耐摩耗性を有する合成樹脂又は金属の塗布層を採用してなる請求項18記載の現像装置。
【請求項20】 滑り軸受としては、合成樹脂又は焼結金属に固体潤滑剤を分散させたものや液体潤滑剤を含浸させたものを使用してなる請求項19記載の現像装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は普通紙用複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式の現像装置やクリーニング装置に用いるシャフトレスマグネットロール及び当該シャフトレスマグネットロールを組み込んだ現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やファクシミリ等の電子写真方式の現像装置には、マグネットロールが用いられている。マグネットロールは現像剤ボックスから現像剤を拾い上げるとともに当該現像剤を感光体に引き渡す機能を有し、その具体的態様は図40(イ),(ロ)に示すように、マグネットロールmに金属製スリーブsを回転可能に外装して構成した現像シリンダーrを感光ドラムDに対面させて配置した構成である。そしてマグネットロールmによる前記現像剤の受渡し動作は、マグネットロール表面に着磁された複数磁極のそれぞれによって担われており、各磁極の磁力の強さ並びに磁気パターンは各磁極が果たす役割に応じて設定されている。
【0003】そして、従来のマグネットロールmとしては、図41(イ)に示す如く樹脂磁石材料を押出し成形した筒状磁石体aに全長にわたって金属シャフトbを挿通したもの(以下、シャフト挿通マグネットロールと称す)、(ロ)で示す如く金属シャフトを用いることなく両端軸部c,cを含めた全体を樹脂磁石材料を用いて射出成形により一体成形したもの(以下、金属シャフトレス中実マグネットロールと称す)、(ハ)に示す如く短軸ロッドd,dを中実の円柱状磁石体eの両端部にインサート成形したもの(以下、ロッド突設中実マグネットロールと称す)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなマグネットロールにおいては様々な問題があった。先ず、全長にわたって金属シャフトを挿通したシャフト挿通マグネットロールは、高価な金属シャフトを必要とし、且つその作製も筒状磁石体aを押出し成形や射出成形により成形したのち当該筒状磁石体aの中空部に、表面に接着剤を塗布した金属シャフトbを挿通する必要があることから製造工程が複雑で生産性が低い問題がある。また径方向中心部に金属シャフトが存在することから磁石体積が少なく、表面磁力の強化がはかりにくいという問題もある。
【0005】軸部を含む全体を樹脂磁石で作製した金属シャフトレス中実マグネットロールは、中実であることから磁石体積の増加がはかれ、強い表面磁力の実現が期待できるものの、金属シャフトを有しないことから機械的強度に乏しく、自重により撓むおそれがある。また、成形は射出成形によるしか方法がなく、押出し成形に比べて生産性が低い問題がある。
【0006】両端に短軸ロッドを突設したロッド突設中実マグネットロールは、中実であることから磁石体積の増加がはかれるものの、製造工程は前記シャフト挿通マグネットロールよりも一層複雑であり、量産に適さない問題がある。従来使用されているこれら三種類のマグネットロールにはそれぞれ上述したような問題点があるが、これらマグネットロールは上記問題とは別に、現像装置に組み付ける際の位置決め手段に関する問題もある。
【0007】即ち、マグネットロールの外周面に形成された磁極は、それぞれ現像剤の授受に関して固有の機能を担い、各磁極は現像剤ボックス、ドクターブレード、感光ドラム等に対して所定の位置並びに角度関係で配置される必要があり、このためマグネットロールを現像装置に組み付ける際の位置決めが極めて重要である。従来のマグネットロールでは、図42及び図43に示すようにシャフトfの先端側にDカット部gを設けることによって位置決めがなされているが、軸部が金属シャフトの場合は加工費が嵩む問題があり、また軸部が樹脂磁石製である場合は強度が不足する問題があった。
【0008】本発明はかかる現況に鑑みてなされたものであり、高い生産性や機械的強度を維持しながら、位置決めも容易に行うことができ且つ強い表面磁力も得られるマグネットロールを提供せんとするものであり、併せて当該構造のマグネットロールを現像装置に組み込む際の適した構造を開示することによって、高生産性を維持しながらコストダウンがはかれる新規な構造の現像装置も提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、マグネットロールに関する上記要求を満たすためにマグネットロールの構成を再検討した結果、硬質合成樹脂をバインダーとした樹脂磁石材料を用いてマグネットロールを成形するとともに、マグネットロール本体両端に突設している軸部をなくし、且つ従来、軸部に設けられていた位置決め手段をマグネットロール本体表面に直接形成することにすれば上記課題は達成できるのではないかとの着想を得て本発明を完成させた。このような着想に基づいて成された本発明のシャフトレスマグネットロールは、硬質合成樹脂に磁性粉を分散させた樹脂磁石材料より成る略円柱状磁石体であって、位置決め手段としての一つ以上の溝又は一つ以上の切欠面が単独であるいは組み合わせた状態で磁石体の外周面に直接形成されているとともに、当該磁石体の両端部が周辺装置又は現像装置壁体への直接的な取り付け部とされていることを特徴としている。
【0010】位置決め手段としての溝又は切欠面は磁石体の長手方向全長にわたって設けることも、また長手方向片端外周部あるいは両端外周部のみに設けてもよい。更に磁石体の長手方向全長にわたって溝又は切欠面を設けるとともに、磁石体の長手方向片端外周部又は両端外周部に前記溝又は切欠面とは別の溝又は切欠面を設けてもよい。
【0011】位置決め手段としての溝又は切欠面は磁石体外周面に周方向において複数個設けることも可能であり、この場合、各位置決め手段の形状又は寸法は相違させることが好ましい。また同形状の位置決め手段を用いる場合は各位置決め手段は少なくとも3つ以上設け、且つ各位置決め手段相互の離間距離を相違させる必要がある。
【0012】位置決め手段はマグネットロールを現像装置に組み込む際の目印としてのみ用いることもできるが、磁石体の長手方向端部に位置する位置決め手段の一部又は全部に、当該マグネットロールを周辺装置又は現像装置壁体への取付固定手段としての機能を兼ねさせることも考慮される。
【0013】また溝や切欠面等の位置決め手段を磁石体の全長にわたって設けるときには、当該部分の磁石体積減少による磁力低下が懸念される。したがって位置決め手段の形成位置は外周面に着磁される複数磁極のうち、磁力抑制の必要のある磁極の形成位置に設定することが好ましい。
【0014】上述したものは、位置決め手段を磁石体の外周面に形成した場合であったが、位置決め手段は磁石体の長手方向の片端面又は両端面に設けることもできる。
【0015】また磁石体の外周面又は長手方向端面に位置決め手段を設けることに加えて、マグネットロールの現像装置への組み付けを容易化するために磁石体の長手方向両端部を外方へ向かってテーパー状に縮径させてもよい。
【0016】以上はマグネットロールに関する発明であったが、本マグネットロールはその構造上、現像装置への組み付け方法も従来のマグネットロールとは異なる。本発明者は前記シャフトレスマグネットロールに適した組み付け方法を新たに提案し、このようにして組み立てられる新規な現像装置も提案するものである。この現像装置は、上述したシャフトレスマグネットロールに、当該マグネットロールに対して回転する円筒状スリーブを外装して現像シリンダーを構成するとともに、シャフトレスマグネットロールの両端部を現像装置本体の側壁に直接固定することによって、現像シリンダーを現像装置本体に組み込んだことを特徴としている。
【0017】マグネットロール両端部を現像装置本体の側壁に直接固定する具体的構造としては、例えば、シャフトレスマグネットロールの端面又は端部外周に形成した位置決め手段としての溝、孔又は切欠面に係合する形状を有する凸部、凹所又は穴を現像装置本体の側壁に形成し、当該凸部、凹所又は穴にシャフトレスマグネットロールの端部を係合固定することが採用できる。
【0018】シャフトレスマグネットロールの端部を係合固定する手段の具体例としては、例えば次の構成、即ち、シャフトレスマグネットロールの端部外周に形成した位置決め手段としての溝、孔又は切欠面に対応する係合部が内面に形成され、且つ上方が開放しているとともにマグネットロール外周面の湾曲形状と一致した内面形状を有する受け部材を、現像装置本体の側壁と一体形成するか、あるいは別体構成して現像装置本体の側壁に固定し、当該受け部材上に載置したマグネットロールの端部外周における受け部材から露出した残部外周面に、当該残部外周面の湾曲形状に一致した湾曲内面を有する蓋部材を被蓋してシャフトレスマグネットロールの端部を係合固定することなどが採用できる。
【0019】またマグネットロールに回転自在に外装される円筒状スリーブの支持構造としては、例えばスリーブを現像装置本体の側壁に形成した孔部に貫通して、当該側壁によってスリーブを直接支承することが考慮される。スリーブと側壁孔部間には摺動部材を介在させて支承することも、また介在させずに直接支承させてもよい。また現像装置本体の側壁に凹部を形成し、この凹部によってスリーブを直接支承してもよい。
【0020】摺動部材としては例えば、転がり軸受や滑り軸受等が採用可能であり、更に耐摩耗性を有する合成樹脂又は金属の塗布層を設けて、これを摺動部材の代用としてもよい。滑り軸受としては、合成樹脂又は焼結金属に固体潤滑剤を分散させたものや液体潤滑剤を含浸させたものが使用できる。
【0021】
【作用】本発明のシャフトレスマグネットロールは、略円柱状磁石体の外周面に形成した位置決め手段を目印にして、各磁極が周辺装置に対して所定の配置関係となるように姿勢を調整したうえ、磁石体の両端部を周辺装置又は現像装置壁体に直接取り付けて現像装置内所定位置に固定する。本マグネットロールは金属シャフトを有しないものの、その樹脂磁石材料は硬質合成樹脂をバインダーとして使用していることから充分な剛性を発揮し、自重による撓みが発生することはない。また、位置決め手段としての溝、孔又は切欠面を磁石体外周面に周方向において複数個設け、且つ各位置決め手段の形状又は寸法を相違させた場合には各位置決め手段の形状及び寸法に注意を払うことにより、マグネットロールの組み付け姿勢をより明確に認識できるとともに、マグネットロールを誤った姿勢で組み付けるという不注意ミスをより確実に防止できる。また同形の溝又は切欠面を磁石体外周面に周方向において少なくとも3つ以上設け、且つ各位置決め手段相互の離間距離を相違させた場合も組み付け方向を誤ることがない。
【0022】また位置決め手段は組み付け時の目印として使用するばかりでなく、位置決め手段のうち磁石体の長手方向端部に位置する部分を活用して周辺装置又は現像装置壁体への取付固定を行うこともできる。
【0023】磁石体の長手方向両端部を外方へ向かってテーパー状に縮径させた場合、周辺装置や現像装置本体側壁への取り付けはより容易となる。
【0024】また上記シャフトレスマグネットロールを組み込んだ現像装置は、上述のシャフトレスマグネットロールに円筒状スリーブを外装して現像シリンダーを構成し、この現像シリンダーの両端部を現像装置本体の側壁に取付けて構成されている。スリーブは現像装置本体の側壁に摺動部材を介在させた状態で支承されたり、あるいは摺動部材を介在させることなく支承された状態でマグネットロールの外周を非接触状態で回転する。
【0025】
【実施例】次に本発明の詳細を図示した実施例に基づき説明する。図1、図2及び図3は本発明のシャフトレスマグネットロールの概要を示している。シャフトレスマグネットロールMは、硬質合成樹脂に磁性粉を分散させた樹脂磁石材料を押出し成形した中実の略円柱状磁石体1(以下、磁石体1と称す)であり、その外周面には位置決め手段としての溝、図例のものでは断面コ字状溝2aを当該磁石体1の全長にわたって形成している。そして、このシャフトレスマグネットロールMは、その両端部が周辺装置又は現像容器壁体等の本体側部材Wに直接取り付けられる。
【0026】コ字状溝2aは磁石体1の全長にわたって形成されていることから、成形ダイスに溝形成用の凸部を設けておくことにより押出し成形と同時に形成することができる。本シャフトレスマグネットロールは生産性の観点からは押出し成形することが好ましいが、射出成形によることも可能であり、更に押出し成形や射出成形により形成した円柱状磁石体の表面に切削等により溝を形成してもよい。
【0027】樹脂磁石材料に含有させる磁性粉としてはバリウムフェライトやストロンチウムフェライト又は希土類系の磁性粉等が用いられる。またバインダーとしては硬質合成樹脂を用いるが、この硬質合成樹脂という概念は、マグネットロールが組み込まれる装置内部の温度下でも充分な剛性を維持し、実用上問題となる大きさのマグネットロールの自重撓みを防止できる程度の硬度を有する合成樹脂を意味し、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の両方を対象としている。具体的には60℃の温度環境下で長時間晒されたときでも充分な剛性を維持できるものを指し、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が採用できる。
【0028】このようなシャフトレスマグネットロールMは図2に示すように、溝の形成位置を目印にして着磁が行われ、表面に複数磁極が形成される。各磁極は溝の形成位置と所定の配置関係を有していることから、以後の作業ではこの溝の配置位置に注意しながら当該シャフトレスマグネットロールMを現像装置に組み付けることによって、各磁極が現像剤ボックス、ドクターブレードや感光ドラムと所定の関係を満たすようにしてセッティングすることができる。
【0029】上述の実施例では略円柱状磁石体1の外周面に設ける溝の形状はコ字状となしているがこの形状は他のものであってもよく、例えばV字状溝2b(図4)や円弧状溝2c(図5)となしてもよい。また位置決め手段は溝以外のものであってもよく、例えば図6に示すような平坦な切欠面3も採用可能である。
【0030】これらは溝や切欠面を単数設けた場合であるが、外周面に形成される磁極の着磁態様が径方向断面において非対称である場合は、このような単数の位置決め手段ではマグネットロールの「向き」を誤る可能性もある。図7として示すものはこのような問題を解消するために、断面形状が非対称な溝2dを形成した場合である。また上記問題を解消する方法としては、図8(イ),(ロ)に示すように異種形状の溝を複数設けたり、図8(ハ)に示すように溝と切欠面を併用することも考慮される。尚、溝及び切欠面はマグネットロールの長手方向全長にわたって設けること以外にも、例えば長手方向片端部あるいは両端部に設けたり、更には長手方向全長にわたって溝を設け且つ長手方向片端部又は両端部に切欠面を設けることも考慮される。このように複数の位置決め手段を設けるのはマグネットロールの「向き」を誤って組み込むことを防止することが主たる目的であるが、外周面に形成される磁極が対称形であって、組み込み時の「向き」が問題とならない場合であっても、位置決め手段を複数設けることにより、より注意を喚起することができるので不注意による組み込みミスをなくすことに貢献できる。
【0031】上述したものは異種類の位置決め手段を併用した場合であるが、同形の溝を複数本形成することにより、組み込みミスを防止することもできる。同形の溝を複数本形成する場合には、溝の数及び溝相互の離間距離に配慮する必要がある。即ち、図9(イ)に示す如く、同形のコ字状溝2aを2本設けた場合、マグネットロールの「向き」は特定できない。したがって同形の溝を複数本用いる場合は、図9(ロ)に示すようにその数は3本以上となし、且つ隣接するコ字状溝相互の離間距離は相違させる必要がある。
【0032】このように、略円柱状磁石体1の外周面に複数の溝を形成することによってマグネットロールの「向き」が特定できるのであるが、これら複数の溝の全てがその形成位置に精度を要求されるのではなく、1本だけが精度良く形成されていれば、他の溝の形成位置は必ずしも精度は要求されない。
【0033】上述したものは、磁石体1の外周面に長手方向全長にわたって溝や切欠面を形成した場合であったが、位置決め手段としての溝や切欠面は磁石体1の両端部における所定範囲にのみ設けてもよい。図10がこの実施例であり、(イ)が端部にコ字状溝2a´を設けた場合、(ロ)端部に複数のコ字状溝2a´,2a´を設けた場合である。図11は溝の代わりに切欠面を形成した場合である。この実施例では一端に段差3b´を設けた切欠面3a´を形成し、他端には段差を有しない切欠面3´を設けることによって、マグネットロールの「向き」の特定が容易なように工夫されている。
【0034】位置決め手段はマグネットロールを現像装置内に組み込む際のセッティング姿勢を決めるための目印としての機能が最も重要であるが、当該位置決め手段は、その位置決め手段の形状を利用することにより、シャフトレスマグネットロールを周辺装置や現像装置壁体に直接取り付ける際の固定手段としての機能も兼用させることができる。例えば、図12(イ)に示す如く、現像装置の本体側部材Wに、内縁に磁石体1の溝に対応する突部5を形成した取付け穴4を形成し、この取付け穴4に磁石体1の端部を内嵌することが考慮される。内嵌後は図12(ロ)に示すように磁石体1のコ字状溝2aと取付け穴4の突部5が係合して固定状態となり、位置決めと固定が同時になされる。尚、位置決め手段と固定手段の併用は、図13に示すように、磁石体1の端部のみにコ字状溝2a´を設けた場合にも適用可能なことはいうまでもない。
【0035】上述の実施例は位置決め手段としての溝を利用して現像装置の本体側部材に取付け固定した場合であったが、図14に示すように内面に突部6を形成したキャップ状連結部材Xを介して周辺装置や現像装置壁体に固定することも採用可能である。
【0036】磁石体1の外周面に溝や切欠面を形成した場合、その部分の磁石体積が減少する結果、当該部分の表面磁力が低下する傾向がある。したがって、位置決め手段としての溝や切欠面の形成位置は、このことを考慮して図15に示すように、表面磁力を抑止する必要のある磁極の形成位置に重ねて設定することが好ましい。尚、位置決め手段を磁石体1の長手方向両端部のみに設けた場合は、マグネットロールの両端部の表面磁力が低下するのみであり、マグネットロールの使用領域の磁力は低下しない。
【0037】磁石体1への位置決め手段の形成位置は図16〜図22に示すように、磁石体1の端面に形成することもできる。位置決め手段は両端面に形成してもよいが片端面のみに形成してもよい。端面に形成する位置決め手段の具体的形状は種々のものが考慮され、例えばV字状溝7a(図16)、大小一対の円柱状の有底孔7b,7b´(図17)、中間より一方に偏った位置に窪みを設けた断面円弧状溝7c(図18)、鍵穴状有底孔7d(図19)、一端面にV字状溝7aを設けるとともに他端面に円柱状の有底孔7bを設けること(図20)、一端面に太幅の断面円弧状溝7eを設けるとともに他端面に細幅の断面円弧状溝7e´を設けること(図21)、一端面の偏心した位置に大径の有底孔7b´を設けるとともに他端面に細径の有底孔7bを設けること(図22)などが採用可能である。
【0038】また、図23及び図24に示すように磁石体1の端部に外方へ向かって縮径するテーパー面8を設けて、当該磁石体1の現像装置への組付けを容易にすることも好ましい。
【0039】以上述べたものは、シャフトレスマグネットロールに関するものであったが、次にこのシャフトレスマグネットロールの組み込み態様を工夫したところの現像装置について述べる。本発明の現像装置は上述したシャフトレスマグネットロールMの両端部を現像装置本体の側壁に直接固定することによって現像装置を構成したことを特徴としている。図25はシャフトレスマグネットロールMの支持方法の一例である。図例のものはスリーブを省略しているが、使用に際してはシャフトレスマグネットロールMに対して円筒状スリーブが適宜方法で回転自在に外装される。図例の実施例は側壁W1に、内縁に突部9を形成した貫通孔10を開設し、この貫通孔10に磁石体1の端部を図25(ロ)に示す如く嵌合させて支持した場合である。
【0040】図26は側壁W2に磁石体1の端部を受け入れる有底凹部11を形成し、この有底凹部11に磁石体1の端部を内嵌させた場合である。この場合も有底凹部11の内周面には磁石体1外周面の溝に対応する突部12を設けている。
【0041】図27は側壁W3に環状壁13を立設して磁石体1の端部を受け入れることができる収容空間14を形成するとともに、この収容空間底面の偏心した位置に突起15を立設し、端面に位置決め手段としての有底孔7b´を形成した磁石体1の端部を収容空間14に嵌合させた場合である。図28は環状壁を設けることなく、側壁W3´に突出形成した突起15´,15をマグネットロール端面に形成した有底孔7b,7b´に嵌合させることによってのみマグネットロールMを支持した場合である。図例のものは、有底孔7b,7b´の孔径及び磁石体の径方向断面における有底孔7b,7b´の形成位置を偏位させることによって、取付け時のマグネットロールの「向き」の誤りを防止できるようにしている。
【0042】図29は、マグネットロールMの他の組み込み方法を示している。この方法は、マグネットロールMの端部外周に形成した位置決め手段としてのコ字状溝2aに対応する係合突部21が内面に形成され、且つ上方が開口した半割り円筒状の受け部材22を現像装置本体の側壁W3”から一体形成するか、あるいは別体構成して現像装置本体の側壁W3”に固定し、他方、この受け部材22上に載置したマグネットロールMの端部外周における受け部材から露出した残部外周面に、半割り円筒状の蓋部材23を被蓋してマグネットロールMの端部を係合固定したものである。
【0043】受け部材22の内面に形成する係合突部21はマグネットロールM側に形成した溝形状に対応していればよく、その形状は溝形状に対応して適宜設定される。また、マグネットロールMの端部外周に図11で示したような切欠面3´が形成されている場合は、図31に示すようにこの切欠面3´に対応した係合部21aを設けた受け部材22aを用いる。
【0044】受け部材は内周面の湾曲形状のみがマグネットロールMの外周面の湾曲形状に一致していればよく、外面形状は限定されない。したがって図32に示す如く、角状外形を有する受け部材22b及び蓋部材23bを用いることも任意である。
【0045】受け部材22と蓋部材23の固定方法としては、両部材の接合端面を接着固定する方法以外にも種々のものが採用され、例えば図33に示されるように、受け部材22cの接合部となる箇所に先端側が膨らんだ係合凸部24を形成し、他方、蓋部材23c側にはこの係合凸部24を乗り越えて係合凸部24に係合しうる弾性係合片25を設けておき、蓋部材23cを受け部材22cに弾性嵌合させること等が考えられる。このように本体装置側壁に固定された受け部材にマグネットロールMの端部を載置したのち、蓋部材をマグネットロール端部の露出部分に外嵌する支持構造を採用した場合、マグネットロールMの本体装置への組付け作業性は格段に向上する。
【0046】以上述べたものは、シャフトレスマグネットロールMの支持方法のみについて述べたが、このようなマグネットロールはスリーブが外装されることによって現像シリンダーとして機能する。上述の各実施例では敢えてスリーブの支持方法について述べなかったが、ここでは本発明のシャフトレスマグネットロールMの構造に適応したスリーブの支持構造について述べる。図34はスリーブの支持構造の一例である。本実施例では磁石体1の端部を受け入れる凹部16を開設した外壁W4と、スリーブSを挿通させることができる貫通孔17を形成した内壁W5とを設け、外壁W4によって磁石体1を直接支持するとともに、内壁W5によってスリーブSを回転可能に支承している。貫通孔17の口縁はスリーブSが円滑に回転するように表面加工することが好ましい。また内壁17としては金属板を用いることも可能であるが、樹脂板を用いることもできる。樹脂板を用いたときには貫通孔17の口縁を滑りやすくすることが容易であるとともにスリーブSとの電気的導通を断つことが可能となるのでスリーブ表面の帯電状態を維持できる。尚、図中18はスリーブに回転力を伝達するための駆動用ギアである。スリーブSは一般的にはアルミニウム等の金属筒が用いられるが、合成樹脂筒や紙筒を用いることもできる。但しこの場合スリーブに電位を与えることはできないので、感光ドラムへの現像剤の引渡し方法を工夫する必要がある。
【0047】内壁W5とスリーブSとの間には滑りを良くする目的で摺動部材を介在させることもできる。摺動部材としては図35に示すように転がり軸受19,19を用いることや、図36に示すようにリング状に成形した滑り軸受20,20を用いることができる。滑り軸受としては低摩擦係数、高耐磨耗性の特性を併せもったものが採用され、例えば合成樹脂又は焼結金属に固体潤滑剤を分散させたものや液体潤滑剤を含浸させたものが使用できる。合成樹脂としてはポリアミド、ポリイミドやポリアセタタール等が採用可能であり、また固体潤滑剤としては黒鉛、鉛、ふっ化黒鉛、二流化モリブデン等が有効であり、液体潤滑剤としては一般使用される機械油やグリースなどが使用可能である。また図示しないが、内壁W5とスリーブS間に別部材としての摺動部材を介在させる代わりに、貫通孔17の内縁にテフロン樹脂等を塗布してもよい。
【0048】図34〜図36は、外壁W4とは別にスリーブ支承用の内壁W5を別途設けた場合であったが、図37に示すように、外壁W4とスリーブS間に転がり軸受19を介在させて、外壁W4でスリーブSを支承するようにすれば内壁は省略することができる。また図38に示すように磁石体1とスリーブS間に転がり軸受19を介在させて、スリーブSを支承した場合にも内壁は省略することができる。尚、図37及び図38で示した実施例においても転がり軸受19の代わりに滑り軸受を用いることも任意である。
【0049】スリーブSに駆動用ギアを固定する手段としては様々な手段が採用可能であり、例えば図39(イ)に示す如く、スリーブの長手方向一端所定位置にネジ穴26を設け、他方、駆動用ギア18aにネジ穴27を設け、駆動用ギア18aをスリーブS端部に外嵌したうえ、ネジ28を用いて駆動用ギア18aをスリーブSに固定することや、あるいは図39(ロ)に示す如く、スリーブ端部に切り欠き部29を設け、この切り欠き部29に、内周面に嵌合突部30を形成した駆動用ギア18bを外嵌すること等が採用可能である。また、図示しないが、スリーブと駆動用ギアをインサート成形により一体成形することも考慮され、この場合も駆動用ギアの空転を防止する目的からスリーブ端部に穴、溝又は切り欠き部を設けることが好ましい。
【0050】
【発明の効果】本発明のシャフトレスマグネットロールは、略円柱状磁石体の外周面に、位置決め手段としての溝又は切欠面等を直接形成し、且つ当該磁石体の両端部を周辺装置又は現像装置壁体への直接的な取り付け部とした。そして本シャフトレスマグネットロールは、磁石体の外周面に直接形成された位置決め手段を目印にして当該シャフトレスマグネットロールを現像装置内にセッティングできるようにした。本シャフトレスマグネットロールは高価な金属シャフトを必要としないから、金属シャフトの部品代が削減できるとともに、シャフトそのものをなくしたので金属シャフトを挿通させる工程も不要となり、高生産性を実現できる。また本マグネットロールは金属シャフトを有しないものの、その樹脂磁石材料は硬質合成樹脂をバインダーとして使用していることから充分な剛性を発揮し、使用環境下の温度に長時間晒されても自重により撓むことはない。更に中実で磁石体積が多いことから、表面磁力を大きくすることも容易である。そして、現像装置への組み込みの際の位置決めも容易であり、磁石体の両端部を周辺装置又は現像装置壁体への直接的な取り付け部としていることから部品数の削減も可能となる。このように本シャフトレスマグネットロールは高生産性を維持したまま部品数の削減、組立工程の簡略化を実現することができる。
【0051】また位置決め手段としての溝又は切欠面を磁石体の長手方向全長にわたって設けた場合は、当該マグネットロールはその断面形状が全長にわたって均一であることから押出し成形によって作製したものを端部処理等の後加工を施すことなくそのまま使用することが可能となり、生産性を飛躍的に高めることができる。
【0052】また位置決め手段としての溝、孔又は切欠面を磁石体の長手方向片端部外周面又は両端部外周面のみに設けた場合や、磁石体の長手方向の片端面又は両端面に位置決め手段としての溝又は孔を設けた場合には、使用領域における表面磁力の低下をもたらすこともない。
【0053】位置決め手段として異種形状あるいは寸法の異なる溝又は切欠面を磁石体外周面に周方向において複数個設けたり、同形の溝又は切欠面を磁石体外周面に周方向において少なくとも3つ以上設け、且つ各位置決め手段相互の離間距離を相違させた場合は、マグネットロールの「向き」を正確に把握できるとともに、不注意による組み込みミスの発生を極力防止することができる。
【0054】更に、磁石体の表面に設けられた溝、孔、切欠面等の位置決め手段のうち、磁石体の長手方向端部に位置する部分は周辺装置又は現像装置壁体への取付固定手段としても利用することができる。
【0055】また前記構成のシャフトレスマグネットロールに円筒状スリーブを外装して現像シリンダーを構成するとともに、シャフトレスマグネットロールの両端部を現像装置本体の側壁に直接固定して得られる現像装置は、前記シャフトレスマグネットロールの構成に起因する作用効果をそのまま反映することができ、部品数の削減、組み立て工程の簡略化をはかることが可能で、高精度な現像装置を低コストで提供することができる。




 

 


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