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発明の名称 ポジ型感放射線性樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−148879
公開日 平成6年(1994)5月27日
出願番号 特願平5−136375
出願日 昭和61年(1986)5月29日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
発明者 塙 一美 / 野末 幾男 / 保坂 幸宏 / 榛田 善行
要約 目的
放射線に感応する、特に集積回路作製のためのレジストとして好適なポジ型感放射線性樹脂組成物の提供。

構成
アルカリ可溶性樹脂とテトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−キノンジアジドスルホン酸ハライドとをアミン類の存在下で縮合反応させて得られた1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型感放射線性樹脂組成物。
特許請求の範囲
【請求項1】アルカリ可溶性樹脂と1,2−キノンジアジド化合物とからなるポジ型感放射線性樹脂組成物において、該1,2−キノンジアジド化合物が、テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−キノンジアジドスルホン酸ハライドとをアミン類の存在下で縮合反応させて得られた1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルであることを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポジ型感放射線性樹脂組成物に関し、さらに詳しくはアルカリ可溶性樹脂と特定の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルとからなる、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、分子線、γ線、シンクロトロン放射線、プロトンビーム等の放射線に感応する、特に集積回路作製のためのレジストとして好適な現像性が良好で、高解像度のポジ型感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、集積回路作製用レジストとしては、環化ゴムにビスアジド化合物を配合したネガ型レジストと、アルカリ可溶性樹脂に1,2−キノンジアジド化合物を配合したポジ型レジストが知られている。ネガ型レジストは、紫外線照射によりビスアジド化合物が窒素を脱離してナイトレンとなり、環化ゴムを三次元架橋するため、環化ゴムの溶剤からなる現像液に対する紫外線照射部分と未照射部分の溶解性に差が生じ、これによりパターニングされるが、架橋といっても紫外線照射部分が完全に硬化するわけではないため、現像液中のレジストパターンの膨潤が大きく、レジストパターンの解像度が悪いという欠点がある。
【0003】ー方、ポジ型レジストは、アルカリ可溶性樹脂にアルカリ不溶性の1,2−キノンジアジド化合物を配合するため、アルカリ性水溶液からなる現像液に溶解しにくく、ほとんど膨潤もしないため、すなわち紫外線照射部分の1,2−キノンジアジド化合物がインデンカルボン酸に変化し、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像されても、レジストパターンとなる未照射部分の変化が極端に少ないため、マスクのパターンに忠実な、かつ高い解像度のレジストパターンが得られる。その結果、集積回路の高集積度化が要求される近年は、解像度の優れたポジ型レジストが多用されている。しかしながら、このポジ型レジストの場合にも、露光部がウエーハと接している部分まで速やかに現像されなければマスクに忠実なレジストパターンを得ることが困難であり、高集積度化につれてレジストパターン間隔が1μm以下と狭くなると、レジストパターンの裾の部分の現像性が大きく解像度に影響を与えるようになる。したがって集積度が年々向上していく現在、現像性が良好で、1μm以下のレジストパターンが解像できるポジ型レジストの開発が強く要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決し、現像性が良好で、高解像度を有する集積回路作製のためのポジ型レジストとして好適なポジ型感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルカリ可溶性樹脂と1,2−キノンジアジド化合物とからなるポジ型感放射線性樹脂組成物において、該1,2−キノンジアジド化合物が、テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−キノンジアジドスルホン酸ハライドとをアミン類の存在下で縮合反応させて得られた1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルであることを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物を提供するものである。
【0006】本発明に用いられる1,2−キノンジアジド化合物は、テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルである。この1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルは、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,6−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のテトラヒドロキシベンゾフェノン類の1種または数種と、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド等の1,2−キノンジアジドスルホン酸ハライドの1種または数種とを、アミン類の存在下に縮合反応させることにより得られる。
【0007】アミン類としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が用いられる。これらのアミン類の使用量は、使用する1,2−キノンジアジドスルホン酸ハライド1モルに対して、通常、0.8〜2モル、好ましくは1〜1.5モルである。
【0008】縮合反応は、通常、溶媒の存在下において行われる。この際用いられる溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等が挙げられる。これらの溶媒の使用量は、通常、反応原料100重量部に対して100〜1000重量部である。縮合反応の温度は、使用する溶媒により異なるが、通常、−20〜60℃、好ましくは0〜40℃である。縮合反応後の精製法としては、副生した塩酸塩を濾過するか、または水を添加して塩酸塩を溶解させた後、大量の希塩酸水溶液のような酸性水で再沈殿精製した後、乾燥する方法を例示することができる。縮合反応の塩基性触媒としてアミン類を用いることにより、触媒の極微量の残留物にもとづく極微量金属が縮合反応生成物中に混入することがない。
【0009】本発明に用いられる1,2−キノンジアジド化合物としては、例えば2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル等が挙げられる。なおテトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−キノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、テトラヒドロキシベンゾフェノンのモノスルホン酸エステルから、テトラヒドロキシベンゾフェノンに含まれる水酸基の全てが反応したテトラスルホン酸エステルが生成する。
【0010】本発明に用いられる1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルは、そのテトラエステルの割合が10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%のものである。テトラエステルの割合が10重量%未満の場合には、ポジ型感放射線性樹脂組成物として使用する際に放射線を照射しないときにもアルカリ性水溶液からなる現像液に溶解しやすく、高解像度のパターニングが困難となる場合があり、一方、80重量%を越える場合には、現像残りが発生する場合がある。このようにポジ型感放射線性樹脂組成物においては、1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル中のテトラエステルの割合は高い解像度のレジストパターンを得るために重要な役割を担っている。本発明に用いられる1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルは、テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−キノンジアジドスルホン酸ハライドとをアミン類の存在下で縮合反応させて得られた1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルであり、アミン類の存在下で縮合反応させて得られたという特徴点にもとづき、他の塩基性触媒、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機アルカリ類を用いた場合と比べて縮合反応生成物中のテトラエステルの割合が高くなるのであり、そのような1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルを用いることは優れた現像性と高い解像度のレジストパターンをうるためのポジ型感放射線性樹脂組成物の調製にとって技術的に意義のあることである。さらに、集積回路の性能に影響する、精製が非常に困難な極微量の無機アルカリ類触媒にもとづく金属の残留物がない1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルを用いることができるという利点も存在する。また、テトラエステル以外のトリエステル、ジエステルおよびモノエステルの割合としては、ジエステルとトリエステルの総量の割合が通常、20〜60重量%、好ましくは30〜60重量%、モノエステルの割合が通常、30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
【0011】本発明において、1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルの配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、通常、5〜100重量部であり、好ましくは10〜50重量部である。この配合量が5重量部未満の場合には1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルが放射線を吸収して生成するカルボン酸量が少ないため、パターニングが困難であり、一方、100重量部を越える場合には、短時間の放射線照射では加えた1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルの全てを分解することができず、アルカリ性水溶液からなる現像液による現像が困難となる。
【0012】本発明の組成物においては、前記1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルに本発明の効果を損ねない程度の量、通常、前記テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル100重量部に対して100重量部以下、好ましくは40重量部以下の他の1,2−キノンジアジド化合物を添加することができる。
【0013】この際用いられる他の1,2−キノンジアジド化合物としては、例えばp−クレゾール−1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、レゾルシノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ピロガロール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等の(ポリ)ヒドロキシベンゼンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル類;2,4−ジヒドロキシフェニル−プロピルケトン−1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4−ジヒドロキシフェニル−n−ヘキシルケトン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−n−ヘキシルケトン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等の(ポリ)ヒドロキシフェニルアルキルケトンまたは(ポリ)ヒドロキシフェニルアリールケトンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル類;ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等のビス〔(ポリ)ヒドロキシフェニル〕アルカンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル類;3,5−ジヒドロキシ安息香酸ラウリル−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸フェニル−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸プロピル−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸フェニル−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等の(ポリ)ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルまたは(ポリ)ヒドロキシ安息香酸アリールエステルの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル類;ビス(2,5−ジヒドロキシベンゾイル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシベンゾイル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,4,6−トリヒドロキシベンゾイル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、p−ビス(2,5−ジヒドロキシベンゾイル)ベンゼン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、p−ビス(2,3,4−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、p−ビス(2,4,6−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等のビス〔(ポリ)ヒドロキシベンゾイル〕アルカンまたはビス〔(ポリ)ヒドロキシベンゾイル〕ベンゼンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル類;およびエチレングリコールージ(3,5−ジヒドロキシベンゾエート)−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ポリエチレングリコールージ(3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート)−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等の(ポリ)エチレングリコール−ジ〔(ポリ)ヒドロキシベンゾエート〕の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル類が挙げられる。
【0014】本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、代表的なものとしてアルカリ可溶性ノボラック樹脂(以下、単に「ノボラック樹脂」という)が挙げられる。ノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に重縮合して得られる。フェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、ピロガロール、α−ナフトール、ビスフェノールA、ジヒドロキシ安息香酸エステル、没食子酸エステル等が用いられ、これらのフェノール類のうちフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノールおよびビスフェノールAが好ましい。これらのフェノール類は、単独でまたは2種以上混合して用いられる。
【0015】アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒト、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド等が用いられ、これらの化合物のうちホルムアルデヒド、アセトアルデヒドおよびベンズアルデヒドが好ましい。これらのアルデヒド類は、単独でまたは2種以上混合して用いられる。アルデヒド類はフェノール類1モル当たり、好ましくは0.7〜3モル、特に好ましくは0.7〜2モルの割合で使用される。
【0016】酸触媒としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸、または蟻酸、蓚酸、酢酸等の有機酸が用いられる。これらの酸触媒の使用量は、フェノール類1モル当たり、1×10−4〜5×10−1モルが好ましい。縮合反応においては、通常、反応媒質として水が用いられるが、縮合反応に用いられるフェノール類がアルデヒド類の水溶液に溶解せず、反応初期から不均一系になる場合には、反応媒質として親水性溶媒を使用することもできる。これらの親水性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、またはテトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類が挙げられる。これらの反応媒質の使用量は、通常、反応原料100重量部当たり、20〜1000重量部である。縮合反応の反応温度は、反応原料の反応性に応じて適宜調整することができるが、通常、10〜200℃、好ましくは70〜150℃である。縮合反応終了後、系内に存在する未反応原料、酸触媒および反応媒質を除去するため、一般的には内温を130〜230℃に上昇させ、減圧下に揮撥分を留去し、次いで熔融したノボラック樹脂をスチール製ベルト等の上に流涎して回収する。
【0017】また縮合反応終了後に、前記親水性溶媒に反応混合物を溶解し、水、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の沈殿剤に添加することにより、ノボラック樹脂を析出させ、析出物を分離し、加熱乾燥することにより回収することもできる。本発明に用いられるノボラック樹脂以外のアルカリ可溶性樹脂としては、例えばポリヒドロキシスチレンまたはその誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルヒドロキシベンゾエート、カルボキシル基含有メタアクリル系樹脂等が挙げられる。
【0018】これらのアルカリ可溶性樹脂は単独でまたは2種以上混合して用いられる。本発明の組成物には、レジストとしての感度を向上させるため、増感剤を配合することができる。増感剤としては、例えば2H−ピリド〔3,2−b〕−1,4−オキサジン−3〔4H〕オン類、10H−ピリド〔3,2−b〕〔1,4〕−ベンゾチアジン類、ウラゾール類、ヒダントイン類、バルビツール酸類、グリシン無水物類、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール類、アロキサン類、マレイミド類等を挙げることができる。増感剤の配合量は、1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル100重量部に対し、通常、100重量部以下、好ましくは60重量部以下である。
【0019】さらに本発明の組成物には、塗布性、例えばストリエーションや乾燥塗膜形成後の放射線照射部の現像性を改良するため界面活性剤を配合することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、およびポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジアルキルエーテル類のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301、EF303、EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、F173(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系またはメタクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等が用いられる。界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中のアルカリ可溶性樹脂および1,2−キノンジアジド化合物100重量部当たり、通常、2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。さらに本発明の組成物には、必要に応じて着色剤、接着助剤、保存安定剤、消泡剤等も配合することができる。
【0020】本発明の組成物は、溶剤に前記アルカリ可溶性樹脂、前記1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルおよび前記の各種配合剤を所定量ずつ溶解させ、例えば孔径0.2μm程度のフィルタで濾過することにより、調製される。この際に用いられる溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル等のモノオキシモノカルボン酸エステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上混合して用いられる。
【0021】また必要に応じてベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン類、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等のような高沸点溶剤を添加することもできる。
【0022】本発明の組成物をシリコンウエーハ等の基板に塗布する方法としては、本発明の組成物を例えば濃度が5〜50重量%となるように前記の溶剤に溶解し濾過した後、これを回転塗布、流し塗布、ロール塗布等により塗布する方法が挙げられる。
【0023】本発明の組成物の現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−ノナン等を溶解してなるアルカリ性水溶液が使用される。また前記現像液に水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類や界面活性剤を適量添加したアルカリ性水溶液を現像液として使用することもできる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1(1)遮光下で、攪拌機、滴下ロートおよび温度計を備えた500mlセパラブルフラスコに、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン10.5gおよび1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド34.5g〔1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド/2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン=3(モル比)に相当〕を仕込み、さらにジオキサン240gを加え、攪拌しながら溶解させた。別に滴下ロートにトリエチルアミン14.3gを仕込み、前記セパラブルフラスコを30℃に保持した水浴に浸し、内温が30℃一定となった時点で、ゆっくりトリエチルアミンを滴下した。内温が35℃を越えないようにトリエチルアミンを添加した後、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過して除去し、濾液を大量の希塩酸中に注入して1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルを析出させた。これを濾過し、回収後40℃で一昼夜乾燥した。乾燥重量を測定して得た収率は98%であった。このようにして得られた1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルの組成分析の結果、テトラエステルの割合は63重量%、ジエステルとトリエスレルの総量の割合は32重量%およびモノエステルの割合は5重量%であった。なお本発明で用いられる1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルの組成分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略記する)により測定した。GPCの測定条件は次のとおりである。
分離カラム:平均孔径が7μmのポリスチレンゲルを充填した内径20mm、長さ60cmのカラム溶離液:テトラヒドロフラン流速:2ml/分検出器:昭和電工社製示差屈折計SHODEX SE31型分離カラム温度:25℃試料注入量:約1.0重量%のテトラヒドロフラン溶液を100μl【0025】(2)500mlフラスコに、m−クレゾール50gおよびp−クレゾール50gを仕込んだ後、37重量%ホルムアルデヒド水溶液66mlおよび蓚酸0.04gを添加し、これを攪拌しながらフラスコを油浴中に浸し、反応温度を100℃に保持して、6時間重縮合させることにより、ノボラック樹脂を得た。反応後、系内を30mmHgに減圧して水を除去し、さらに内温を130℃に上昇させて未反応物を留去した。次いで熔融したノボラック樹脂を室温に戻して回収した。
【0026】(3)(2)で得られたノボラック樹脂20g、(1)で得られた2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル5gおよびエチルセロソルブアセテート60gを室温でよく攪拌して溶解後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過し、本発明の組成物の溶液を調製した。この溶液をシリコン酸化膜を有するシリコンウエーハ上にスピンナーで塗布後、90℃、2分間プレベークして、1.2μm厚のレジスト層を形成させた。次いで、ステッパーを用いパターンマスクを介し、0.58秒紫外線を照射し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下、TMAと略記する)2.4重量%水溶液で60秒間現像し、水でリンスし、乾燥した。得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察したところ、シリコンウエーハとレジストパターンとの接合部に現像しきれない部分、すなわち現像残りは認められず、線幅0.8μmのレジストパターンが解像された。結果を表1に示す。
【0027】実施例2〜4トリエチルアミン14.3gの代わりに表1に示すトリエチルアミン量を用い、その他は実施例1(1)と同様に処理して1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルを得た。原料仕込み量、得られた1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルのGPCによる組成分析結果を表1に示す。次に実施例1(2)で得られたノボラック樹脂と、前記1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルとを用い、その他は実施例1(3)と同様に処理してポジ型感放射線性樹脂組成物の溶液を調製した。次いで、実施例1(3)と同様にシリコンウエーハ上にレジスト層を形成し、ステッパーを用いパターンマスクを介し、表1に示す露光秒数で紫外線を照射し、表1に示す各濃度のTMA水溶液で現像し、水でリンスし、乾燥した。得られたレジストパターンの解像度を表1に示す。
【0028】比較例1〜4トリエチルアミン14.3gの代わりに表1にA〜Dで示す塩基性触媒を用い、その他は実施例1(1)と同様に処理して1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルを得た。原料仕込み量、得られた1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルのGPCによる組成分析結果を表1に示す。次に実施例1(2)で得られたノボラック樹脂と、前記1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルとを用い、その他は実施例1(3)と同様に処理してポジ型感放射線性樹脂組成物の溶液を調製した。次いで、実施例1(3)と同様にシリコンウエーハ上にレジスト層を形成し、ステッパーを用いパターンマスクを介し、表1に示す露光秒数で紫外線を照射し、表1に示す各濃度のTMA水溶液で現像し、水でリンスし、乾燥した。得られたレジストパターンの解像度を第1表に示す。
【0029】
【表1】

A:20重量%炭酸ナトリウム水溶液95mlB:飽和炭酸水素ナトリウム水溶液296ml+10重量%炭酸ナトリウム水溶液42mlC:25重量%炭酸ナトリウム水溶液20.4gD:飽和炭酸水素ナトリウム水溶液198ml+10重量%炭酸ナトリウム28ml(註)* THBP:2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−** NQD:1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド【0030】実施例5〜8実施例1(2)で得られたノボラック樹脂の代わりに、表2に示す混合比の混合クレゾール、37重量%ホルムアルデヒド水溶液66mlおよびシュウ酸0.04gを用いて重縮合させて得られたノボラック樹脂を用い、その他は実施例1(3)と同様に処理して本発明の組成物の溶液を調製した。次いで、実施例1(3)と同様にシリコンウエーハ上にレジスト層を形成し、ステッパーを用いパターンマスクを介し、表2に示す露光秒数で紫外線を照射し、TMA2.4重量%水溶液で現像し、水でリンスし、乾燥した。得られたレジストパターンの解像度は高く、かつ現像残りも観察されなかった。結果を表1に示す【0031】
【表2】


【0032】
【発明の効果】本発明は、アルカリ可溶性樹脂に添加する1,2−キノンジアジド化合物として縮合反応において塩基性触媒としてアミン類を用いて製造されたものを用いることにより、他の塩基性触媒、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機アルカリ類を用いた場合と比べて縮合反応生成物中のテトラエステルの割合が高くなり、優れた現像性と高い解像度のレジストパターンを与えるポジ型感放射線性樹脂組成物を提供することができる。さらに、集積回路の性能に影響する、精製が非常に困難な極微量の無機アルカリ類触媒にもとづく金属が残留していないポジ型感放射線性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、分子線、γ線、シンクロトロン放射線、プロトンビーム等の放射線に感応し、集積回路作製用レジスト、特に高集積度の集積回路作製用ポジ型レジストとして好適なものである。




 

 


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