| 発明の名称 |
横波音速測定装置及びこれを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平6−11385 |
| 公開日 |
平成6年(1994)1月21日 |
| 出願番号 |
特願平4−170833 |
| 出願日 |
平成4年(1992)6月29日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松隈 秀盛
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| 発明者 |
首藤 広 / 石田 高弘 |
| 要約 |
目的 横波音速を直接的に測定することなく計算によって算出し、これを利用して被測定物の微小領域上のヤング率及びポアソン比の測定を可能とする。
構成 固体カプラ音響レンズを用いて被測定物の縦波音速を測定する縦波音速測定手段と、液体カプラ音響レンズを用いて被測定物の漏洩表面弾性波音速測定手段と、縦波音速測定手段から得られた縦波音速と、漏洩表面弾性波音速測定手段から得られた漏洩表面弾性波音速とを用いて被測定物の横波音速を算出する横波音速計算手段とを有し、縦波音速、洩表面弾性波音速及び横波音速を用いて被測定物のヤング率及び/又はポアソン比を算出する計算手段を有する。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 固体カプラ音響レンズを用いて被測定物の縦波音速を測定する縦波音速測定手段、液体カプラ音響レンズを用いて被測定物の漏洩表面弾性波音速を測定する漏洩表面弾性波音速測定手段と、上記縦波音速測定手段から得られた縦波音速と、上記漏洩表面弾性波音速測定手段から得られた漏洩表面弾性波とを用いて被測定物の横波音速を算出する横波音速計算手段とを有することを特徴とする横波音速測定装置。 【請求項2】 固体カプラ音響レンズを用いて被測定物の縦波音速を測定する縦波音速測定手段と、液体カプラ音響レンズを用いて被測定物の漏洩表面弾性波音速測定手段と、上記縦波音速測定手段から得られた縦波音速と、上記漏洩表面弾性波音速測定手段から得られた漏洩表面弾性波音速とを用いて被測定物の横波音速を算出する横波音速計算手段とを有し、上記縦波音速、上記漏洩表面弾性波音速、上記横波音速を用いて被測定物のヤング率及び/又はポアソン比を算出する計算手段を有することを特徴とする横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置。 【請求項3】 上記請求項1に記載の横波音速測定装置において、上記縦波音速測定手段は、電気信号発生手段と、所定の周期毎に上記電気信号発生手段からの信号を抜き取る抽出手段と、上記抜き取られた信号を上記被測定物に接触して設けられた固体カプラ音響レンズに送るための送出手段と、上記被測定物からの反射波による信号を抜き取る抽出手段と、上記反射波による信号から縦波音速を計算する計算手段とを有して成ることを特徴とする横波音速測定装置。 【請求項4】 上記請求項2に記載の横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置において、上記縦波音速測定手段は、電気信号発生手段と、所定の周期毎に上記電気信号発生手段からの信号を抜き取る抽出手段と、上記抜き取られた信号を上記被測定物に接触して設けられた固体カプラ音響レンズに送るための送出手段と、上記被測定物からの反射波による信号を抜き取る抽出手段と、上記反射波による信号から縦波音速を計算する計算手段とを有して成ることを特徴とする横波音速測定装置を用いたヤング率及び/又はポアソン比測定装置。 【請求項5】 上記請求項1に記載の横波音速測定装置において、上記漏洩表面弾性波音速測定手段は、電気信号発生手段と、所定の周期毎に上記電気信号発生手段からの信号を抜き取る抽出手段と、上記抜き取られた信号を上記被測定物に液体を介して設けられた液体カプラ音響レンズに送るための送出手段と、上記被測定物からの反射波による信号を抜き取る抽出手段と、上記反射波による信号から漏洩表面弾性波音速を計算する計算手段とを有して成ることを特徴とする横波音速測定装置。 【請求項6】 上記請求項2に記載の横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置において、上記漏洩表面弾性波音速測定手段は、電気信号発生手段と、所定の周期毎に上記電気信号発生手段からの信号を抜き取る抽出手段と、上記抜き取られた信号を上記被測定物に液体を介して設けられた液体カプラ音響レンズに送るための送出手段と、上記被測定物からの反射波による信号を抜き取る抽出手段と、上記反射波による信号から漏洩表面弾性波音速を計算する計算手段とを有して成ることを特徴とする横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置。 【請求項7】 上記請求項1に記載の横波音速測定装置において、上記被測定物はステージ上に配置され、上記ステージは2次元方向に移動可能とされ、上記固体カプラ音響レンズ又は上記液体カプラ音響レンズの焦点位置近傍に、上記被測定物を移動させる制御手段が上記ステージに連動して設けられ、上記固体カプラ音響レンズ及び/又は上記液体カプラ音響レンズには、これを上記被測定物に対し近接離間する方向に移動させる移動手段が設けられ、上記漏洩表面弾性波音速の測定時には上記液体カプラ音響レンズと上記被測定物との間隔を変化させる制御手段が上記移動手段に連動して設けられることを特徴とする横波音速測定装置。 【請求項8】 上記請求項2に記載の横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置において、上記被測定物はステージ上に配置され、上記固体カプラ音響レンズ及び/又は上記液体カプラ音響レンズには、これを上記被測定物に対し近接離間する方向に移動させる移動手段が設けられ、上記漏洩表面弾性波音速の測定時には上記液体カプラ音響レンズと上記被測定物との間隔を変化させる制御手段が上記移動手段に連動して設けられることを特徴とする横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、固体試料における弾性波の横波音速を測定する横波音速測定装置と、これを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置に係わる。 【0002】 【従来の技術】ヤング率やポアソン比等の弾性定数を測定する場合、試料の縦波伝搬速度及び横波伝搬速度を測定してこれらから計算して求める方法が一般に採られており、例えば被測定物に対して直接的に超音波パルスを与えて縦波及び横波を測定する超音波パルス法、または被測定物を機械的に振動させて共振周波数を測定する共振法などが用いられている。 【0003】このような従来の方法において、例えば共振法では被測定物を板状等に加工する必要があるため、その測定する領域は少なくとも数十mm〜数cmの長さを必要とし、また上述の超音波パルス法でも同様に超音波パルスを被測定物に与えるために、パルス平面波を供給するトランスジューサを密着させることから、このトランスジューサの大きさによって測定領域の大きさや形状が限定され、測定領域の大きさを数mmφ程度以下とすることが難しい。従って、これら従来の方法においては、数十μmφ程度の微小領域における測定は不可能である。 【0004】また特に超音波パルス法においてその横波を測定する場合は、上述したトランスジューサを接着剤により密着させるため、接着剤の厚さや密着の度合いにより測定結果にばらつきを生じさせてしまう場合があり、精度よく測定を行うためには熟練を要することから作業性の低下を招く恐れがある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、横波音速を直接的に測定することなく求めることのできる横波音速測定装置を提供し、またこの横波音速測定装置を利用することによって、被測定物上の数μmφ程度の微小領域のヤング率及びポアソン比の測定を可能とし、またその測定に熟練を要することなく簡便に精度良く測定できるようにする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明横波音速測定装置は、固体カプラ音響レンズを用いて被測定物の縦波音速を測定する縦波音速測定手段と、液体カプラ音響レンズを用いて被測定物の漏洩表面弾性波音速を測定する漏洩表面弾性波音速測定手段と、これら縦波音速測定手段から得られた縦波音速と、漏洩表面弾性波音速測定手段から得られた漏洩表面弾性波とを用いて被測定物の横波音速を算出する横波音速計算手段とを有する。 【0007】また本発明による横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置は、上述の横波音速測定装置により縦波音速及び漏洩表面弾性波音速を測定して被測定物の横波音速を算出し、縦波音速、漏洩表面弾性波音速及び横波音速を用いて被測定物のヤング率及び/又はポアソン比を算出する計算手段を有する。 【0008】また他の本発明は、上述の横波音速測定装置において、その一例の略線的構成図を図1に示すように、縦波音速測定手段を、電気信号発生手段7と、所定の周期毎にこの電気信号発生手段7からの信号を抜き取る抽出手段15と、この抜き取られた信号を被測定物20に接触して設けられた固体カプラ音響レンズ1Sに送るための送出手段8と、被測定物20からの反射波による信号を抜き取る抽出手段16と、反射波による信号から縦波音速を計算する計算手段12とより構成する。 【0009】更にまた他の本発明は上述の横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置において、縦波音速測定手段を、電気信号発生手段7と、所定の周期毎にこの電気信号発生手段7からの信号を抜き取る抽出手段15と、抜き取られた信号を被測定物20に接触して設けられた固体カプラ音響レンズ1Sに送るための送出手段8と、被測定物20からの反射波による信号を抜き取る抽出手段16と、反射波による信号から縦波音速を計算する計算手段12とより構成する。 【0010】また他の本発明は、前述の横波音速測定装置において、その一例の略線的構成図を図2に示すように、漏洩表面弾性波音速測定手段を、電気信号発生手段7と、所定の周期毎にこの電気信号発生手段7からの信号を抜き取る抽出手段15と、抜き取られた信号を被測定物20に液体を介して設けられた液体カプラ音響レンズ1Lに送るための送出手段8と、被測定物20からの反射波による信号を抜き取る抽出手段16と、反射波による信号から漏洩表面弾性波音速を計算する計算手段12とより構成する。 【0011】更にまた他の本発明は、前述の横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置において、漏洩表面弾性波音速測定手段を、電気信号発生手段7と、所定の周期毎にこの電気信号発生手段7からの信号を抜き取る抽出手段15と、抜き取られた信号を被測定物20に液体を介して設けられた液体カプラ音響レンズ1Lに送るための送出手段8と、被測定物20からの反射波による信号を抜き取る抽出手段16と、反射波による信号から漏洩表面弾性波音速を計算する計算手段12とより構成する。 【0012】また他の本発明は、前述の横波音速測定装置において、被測定物20をステージ2上に配置し、固体カプラ音響レンズ1S及び/又は液体カプラ音響レンズ1Lに、これらを被測定物20に対し近接離間する方向に移動させる移動手段3を設け、漏洩表面弾性波音速の測定時には液体カプラ音響レンズ1Lと被測定物20との間隔を変化させる制御手段11を移動手段3に連動して設ける。 【0013】更にまた他の本発明は、前述の横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置において、被測定物20をステージ2上に配置し、固体カプラ音響レンズ1S及び/又は液体カプラ音響レンズ1Lに、これらを被測定物20に対し近接離間する方向に移動させる移動手段3を設け、漏洩表面弾性波音速の測定時には液体カプラ音響レンズ1Lと被測定物20との間隔を変化させる制御手段11を移動手段3に連動して設ける。 【0014】 【作用】上述したように本発明横波音速測定装置及びこれを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置においては、固体カプラ音響レンズ及び液体カプラ音響レンズ等を用いるいわゆる超音波顕微鏡によって被測定物の縦波音速と、漏洩表面弾性波音速とを測定して、この結果から計算手段(後述の実施例において詳細に説明する)によって横波音速を算出するものであり、即ちこの本発明によればトランスジューサ等を用いて直接的に横波音速を測定することなく、超音波を被測定物に集束させて振動させる構成としていることから、被測定物の微小領域上における横波音速、更にヤング率やポアソン比の測定が可能となる。 【0015】また本発明においては、固体カプラ音響レンズにより縦波音速を測定し、また液体カプラ音響レンズを用いて漏洩表面弾性波音速を測定してこれら縦波音速及び漏洩表面弾性波音速により横波音速を計算して求めることから、前述の超音波法におけるようなトランスジューサの接着剤による密着を回避でき、熟練を要することなく簡単に精度良く測定を行うことができる。 【0016】また本発明においては、上述の本発明横波音速測定装置又はこれを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置において、縦波音速測定手段又は漏洩表面弾性波音速測定手段を上述の構成とすることによって、固体カプラ音響レンズ1S又は液体カプラ音響レンズ1Lに所定の周波数の振動を与えて、これより得られる反射波を精度良く測定して、縦波音速及び漏洩表面弾性波を確実に精度良く計算することができる。 【0017】更にまた他の本発明は、上述の本発明横波音速測定装置又はこれを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置において、被測定物20をステージ2上に配置すると共に、固体カプラ音響レンズ1S及び/又は液体カプラ音響レンズ1Lに、これらを被測定物20に対し近接離間する方向に移動させる移動手段3を設け、漏洩表面弾性波音速の測定時には液体カプラ音響レンズ1Lと被測定物20との間隔を変化させる制御手段11を移動手段3に連動して設けることによって、被測定物の所定位置に精度良くレンズの端面及び焦点を位置させることができ、精度良く測定を行うことができる。 【0018】 【実施例】以下図面を参照して本発明横波音速測定装置及びこれを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置の一例を詳細に説明する。この場合、図1に示すように固体カプラ音響レンズ1Sを用いて被測定物20の縦波音速Vlを測定する縦波音速測定手段と、図2に示すように液体カプラ音響レンズ1Lを用いて被測定物20の漏洩表面弾性波音速Vrを測定する漏洩表面弾性波音速測定手段とを有する。 【0019】図3に固体カプラ音響レンズ1Sによる縦波音速Vlの測定態様を示す。固体カプラ音響レンズ1Sは、その被測定物20に対向する端面が平面状とされて構成される。測定の際にはこのレンズ1Sを、表面20A及び裏面20Bに鏡面研磨加工を施した被測定物20にその平面状端面を接触して配置する。この例においては、その界面に空気等を介在させないために、水、アルコール等の液体21を図示の如く接触界面の周辺部に付着させるようにしている。そして端子19からの電気信号を圧電素子18により縦波振動に変換して、レンズ1Sにより破線Sで示すように集束させ、被測定物20の所定領域を振動させる。このとき被測定物20の表面20A及び裏面20Bにおいて反射波Rf及びRrがそれぞれ生じる。 【0020】これら両反射波Rf及びRrのオシロスコープによる波形の模式図と、これら反射波の干渉波の周波数fに対するスペクトラムアナライザによる波形図を図4A及びBに示す。図4Aにおいては各反射波Rf及びRrの発生する時間範囲と振幅範囲とを模式的に示す。この図4Aからわかるように、裏面反射波Rrは表面反射波Rfに所定時間遅れて発生し、これらが重なった時間範囲Sにおいて干渉波が生じる。この干渉波をスペクトラムアナライザ10によって解析すると、図4Bに示すように所定の周波数間隔Δfをもって周期的に変化する波形となる。この周波数間隔Δf及び被測定物20の厚さhから、下記の数1によって縦波音速Vlを算出することができる。 【0021】 【数1】
【0022】次に、図5に液体カプラ音響レンズ1Lによる漏洩表面弾性波音速の測定態様を示す。このレンズ1Lは、被測定物20の測定領域に液体21を介在させて接触するようになされ、その端面は凹面状に形成されて成る。またこの被測定物20の表面20A及び裏面20Bは鏡面加工が施される。この場合においても同様に端子19からの電気信号を圧電素子18により振動に変換して、レンズ1Lを介して被測定物20に水等の液体21を介して伝搬する。このとき、レンズ1Lが被測定物20に対し焦点からずれた位置にあるとすると、レンズ1Lの光軸中心での垂直反射波Rc以外の被測定物20への入射波は、表面20Aに対し垂直な法線方向(以下法線方向という)に対し斜めに傾いた成分を有する。法線方向からある角度θをもって入射した超音波Wは漏洩表面弾性波Esを励起する。この漏洩表面弾性波Esは、液体21へ再放射し、放射波Reを発生しながら被測定物20の表面を伝搬する。 【0023】これら垂直反射波Rc及び放射波Reの干渉波は、レンズ1Lの位置を被測定物20から近接離間させると周期的に変化する。この変化の様子いわゆるV(z)曲線を図6に示す。この干渉波の測定周波数をfとし、干渉の周期をΔzとし、更に測定に用いた液体21の音速をVwとすると、漏洩表面弾性波音速は下記の数2で表される。 【0024】 【数2】
【0025】そしてこの縦波音速測定手段から得られた縦波音速Vlと、漏洩表面弾性波音速測定手段から得られた漏洩表面弾性波音速Vrとを用いて被測定物20の横波音速Vsを以下の数3で示す方程式を用いて求めることができる。 【0026】 【数3】
【0027】そして更にこれら縦波音速Vl、漏洩表面弾性波音速Vr及び横波音速Vsを用いて、下記の数4及び数5に示す式を用いて、被測定物20のヤング率E及びポアソン比σを算出することができる。 【0028】 【数4】
【0029】 【数5】
【0030】このような装置の縦波音速測定手段及び漏洩表面弾性波音速測定手段のそれぞれのシステム構成の一例を図1及び図2に示す。図2において、図1に対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この例では縦波音速測定手段及び漏洩表面弾性波音速測定手段共に、電気信号発生手段7としてトラッキングジェネレータを用い、この電気信号発生手段7からの信号は抽出手段15に送られ、例えばパルス発生器4からの信号ch1によって所定周期毎にゲート回路5により抽出される。このとき、固体カプラ音響レンズ1S又は液体カプラ音響レンズ1Lの仕様及び測定に都合のよいバースト波に変調する。そしてこのバースト信号を方向性結合器等の送出手段8によって、例えばスタブチューナ9等を介して各レンズ1S又は1Lの圧電素子18に送られる。固体カプラ音響レンズ1Sは上述したように、被測定物20に接触して設けられ、液体カプラ音響レンズ1Lは、液体21を介して被測定物20の所定位置上に配される。 【0031】被測定物からの反射波は、再び圧電素子18を介してスタブチューナ9、送出手段8を介して、抽出手段16へ送られる。ここで例えばパルス発生器4からの信号ch2によりゲート回路6で信号解析に必要な反射波信号の切り出しが行われる。そして縦波音速測定手段においてはスペクトラムアナライザ10によって反射の解析が行われ、解析結果が計算手段12に送られて処理され、この場合画像処理装置13を通してモニター14で表示されるようになされている。 【0032】またこの例においては、被測定物20はステージ2上に配置される。このステージ2は、図中矢印x及びyで示す図1及び図2の紙面に垂直なx軸方向と、これと直交し紙面に沿う横方向に延びるy軸方向に移動可能な、従って水平方向に移動可能とされ、これに連動して接続されるステッピングモータ制御回路等より成る制御手段11よって、所定の被測定位置に設定するために水平位置の制御が行われる。そしてこの場合固体カプラ音響レンズ1S及び液体カプラ音響レンズ1Lに、これらを被測定物20に対し近接離間する方向、即ち図中矢印zで示すz軸方向に移動させる移動手段3を設け、液体カプラ音響レンズ1Lと被測定物20との間隔を変化させるように上述の制御手段11を、ステージ2と同様にこの移動手段3においても連動して設ける。このような構成とすることによって、漏洩表面弾性波音速の測定の際に、被測定物20と液体カプラ音響レンズ1Lの焦点位置との間隔を精度良く制御することができる。 【0033】このような構成による装置を用いて、本実施例においては、被測定物として表面及び裏面とも鏡面研磨した溶融石英を用意し、その横波音速と、ヤング率及びポアソン比とをそれぞれ測定した。この場合、50〜200MHz用、ビーム径100μmの固体カプラ音響レンズ1Sと、200MHz用でビーム径が10μmの液体カプラ音響レンズ1Lとを用いた。この液体カプラ音響レンズ1Lは、点集束型であることから360°方向に表面波が励起されるため、本実施例においては弾性的に等方な被測定物を用いた。液体カプラ音響レンズ1Lの液体21としては、水を用いたが、この場合の液体としては、その音速が明らかである例えばアルコールなどの種々の液体を用いることができる。 【0034】また上述のz軸方向に移動可能な移動手段3としては、0.1μm/ステップの分解能を有するドライバを用いて測定を行った。 【0035】この場合、被測定物の厚さhは0.975mm、密度ρは2.22g/cm3であった。図7に、上述の固体カプラ音響レンズ1Sにより測定した表面反射波と裏面反射波の干渉波を、スペクトラムアナライザ10で解析した波形を示す。この結果から、周波数間隔Δfは3.1MHzとなり、前述の数1より縦波音速Vlは6045m/sであった。 【0036】また、図8は上述の液体カプラ音響レンズ1Lによって前述のV(z)曲線を測定した結果を示す。この結果から、干渉周期Δzは36.8μmとなり、水の音速が1500m/s、表面弾性波の音速Vrは、前述の数2より3411m/sとなった。 【0037】以上の結果から、計算手段12により縦波音速Vl及び表面弾性波音速Vrを前述の数3に示す6次方程式に代入し、横波音速Vsを求めたところ、3808m/sであった。 【0038】更にこの結果から、前述の数4及び数5によってヤング率とポアソン比をそれぞれ求めた。このようにして求めた縦波音速、横波音速、ヤング率及びポアソン比を、文献記載値(理科年表昭和63年)と共に下記の表1に示す。 【0039】 【表1】
【0040】この結果から、本発明によれば、数十μmφ〜100μmφ程度の微小な領域においても精度良く横波音速やヤング率、ポアソン比を求めることができることがわかる。 【0041】尚、本発明は上述の実施例に限定されることなく、その他種々の材料構成、装置構成を採り得ることはいうまでもない。 【0042】 【発明の効果】上述したように、本発明によれば、被測定物上の数十μmφ〜100μmφ程度の微小な領域において、横波音速を測定することができ、これを利用してヤング率及びポアソン比を精度良く求めることができる。 【0043】また、振動の励起源として縦波だけを利用しているため、従来の横波音速測定法におけるように、トランスジューサの密着を行う必要がなく従ってその測定作業に熟練を要することなく確実に測定を行うことができる。 【0044】また本発明においては、上述の本発明横波音速測定装置又はこれを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置において、縦波音速測定手段又は漏洩表面弾性波音速測定手段を上述の構成とすることによって、固体カプラ音響レンズ1S又は液体カプラ音響レンズ1Lに所定の周波数の振動を与えて、これより得られる反射波を精度良く測定して、縦波音速及び漏洩表面弾性波を確実に精度良く計算することができる。 【0045】更に本発明によれば、被測定物をステージ上に配置し、固体カプラ音響レンズ及び/又は液体カプラ音響レンズの被測定物に対する間隔を制御可能とすることによって、被測定物の所定位置に精度良く両超音波レンズの端面及び焦点を位置させることができ、精度良く測定を行うことができる。
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