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発明の名称 オーステナイト系ステンレス鋼の鋭敏化検出方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−34624
公開日 平成6年(1994)2月10日
出願番号 特願平4−186546
出願日 平成4年(1992)7月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 市川 国弘 / 林 眞琴
要約 目的


構成
エッチング処理した後の粒界の幅Bと長さLおよび面積Sを測定し、鋭敏化している粒界の数NS と全粒界の数Nの比R1をR1=N/NS より求める。また、非鋭敏化粒界幅B0 と粒界長さLの積を基準面積S0とし、基準面積S0と全粒界の面積の比R2をR2=ΣB・L/B0・ΣL=ΣS/ΣS0より求める。このR1またはR2により鋭敏化程度を判定する。
特許請求の範囲
【請求項1】溶接等の熱影響を受けたオーステナイト系ステンレス鋼の表面を研磨し、研磨された表面をエッチングし、前記エッチングされた表面の所定領域内に存在する粒界の幅と面積を測定し、前記粒界の幅が所定の幅よりも大きい粒界を鋭敏化した粒界と判定し、鋭敏化されたと判定された粒界の数と粒界の面積に基づいて鋭敏化程度を判定することを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼の鋭敏化検出方法。
【請求項2】請求項1において、前記所定領域内に存在する粒界の数と鋭敏化されたと判定された粒界の数の比で鋭敏化程度を判定するオーステナイト系ステンレス鋼の鋭敏化検出方法。
【請求項3】請求項1において、非鋭敏化粒界の幅を0.5μm とし、前記非鋭敏化粒界の幅と前記所定領域内に存在する粒界長さの積を基準面積とし、前記基準面積と前記所定領域内に存在する粒界の面積の比で鋭敏化程度を判定するオーステナイト系ステンレス鋼の鋭敏化検出方法。
【請求項4】請求項1,2または3において、エッチングされた表面の金属組織を光学顕微鏡を通して画像処理装置にとりこむオーステナイト系ステンレス鋼の鋭敏化検出方法。
【請求項5】請求項1または2において、前記所定領域内に存在する粒界の数と鋭敏化されたと判定された粒界の数の比が40%以上であれば、鋭敏化しており、応力腐食割れ感受性が高いと判定するオーステナイト系ステンレス鋼の鋭敏化検出方法。
【請求項6】請求項1,2または3において、基準面積と所定領域内に存在する粒界の面積の比が2.5 以上であれば、鋭敏化しており、応力腐食割れ感受性が高いと判定するオーステナイト系ステンレス鋼の鋭敏化検出方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオーステナイト系ステンレス鋼の応力腐食割れ感受性を測定する鋭敏化検出方法に係り、特に、非熟練者でも容易、且つ、精度良く検出することのできるステンレス鋼の鋭敏化検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼の応力腐食割れ感受性を測定する従来の方法として、電気化学的再活性化法(EPR法,JIS G 0580)が知られている。この方法は、オーステナイト系ステンレス鋼の0.5mol/リットル硫酸−0.01mol/リットルチオシアン酸カリウム溶液中における往復アノード分極曲線かの電気化学的再活性化率(往路と復路の最大アノード電流密度の比)を測定し応力腐食割れ感受性を判定するものである。なお電気化学的再活性化率が高いほど応力腐食割れ感受性が高いと判定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】EPR法は実機に適用できるような小型装置を開発するのは困難であり、また、測定領域内の平均的な応力腐食割れ感受性を測定しているという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記欠点は、顕微鏡で観察される金属組織を画像処理することにより結晶粒界の幅および面積を測定し、鋭敏化している粒界の数や面積を基に、局所的な応力腐食割れ感受性を測定できる方法を提供することにある。
【0005】
【作用】光学顕微鏡より観察される金属組織を画像処理することにより粒界幅を測定し、鋭敏化している粒界の数や面積から材料の応力腐食割れ感受性を定量的に評価できる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
【0007】一般的に、オーステナイト系ステンレス鋼は、550〜850℃の温度範囲に加熱されると、クロム炭化物(M236型:MはCrまたはFe)が結晶粒界に析出し、耐食性が低下する。耐食性が低下するような状態になることを鋭敏化すると言う。鋭敏化を模擬するための熱処理方法として、溶体化処理後に621℃で数時間保持し、或いは、750℃で5〜6時間保持した後に500℃で数時間保持することが行われている。この鋭敏化の為の熱処理時間が短いと、粒界の炭化物はそれほど成長せず島状に互いに独立している。しかし、熱処理時間が長くなると島状の炭化物が成長して合体し、粒界全体が炭化物でつながるようになる。析出したクロム炭化物とオーステナイト基地との間の境界において、オーステナイト基地側に、クロム濃度が合金の平均成分より低い領域が存在する。図1は粒界近傍のクロム濃度の分布を示す模式図である。粒界のクロム炭化物近傍には、クロム濃度が12%以下の領域が数Åの幅で形成されていることが実測されている。鋭敏化は粒界近傍のクロム欠乏層のクロム濃度が12%以下となることにより、耐食性が低下し、応力腐食割れ感受性が高くなることである。
【0008】鋭敏化は、粒界へのクロム炭化物の析出に伴う粒内のクロム欠乏層のクロム濃度と欠乏層の幅とに依存する。その両者を材料外部から直接測定することはできないため、従来は、例えば、EPR法がよく使用されている。但し、EPR法では、測定した面積内における平均的な鋭敏化の状態を把握できるだけである。
【0009】図2と図3はオーステナイト系ステンレス鋼SUS304の溶体化処理材と鋭敏化熱処理材をシュー酸エッチングした金属組織の模式図である。溶体化処理した試料の粒界の幅(黒線の部分)は非常に狭いのに対し、鋭敏化させるために熱処理を行った試料の粒界の幅は広くなっている箇所が見られる。したがって、粒界の幅や粒界の面積を測定すれば、鋭敏化している粒界の数あるいは鋭敏化している粒界の面積から、試料の鋭敏化の程度つまり耐食性が低下した程度を判定できることになる。
【0010】そこで、エッチング処理した後の粒界の幅Bと長さLおよび面積Sを測定し、鋭敏化している粒界の数NS と全粒界の数Nの比R1を数1より求める。また、非鋭敏化粒界幅B0 と粒界長さLの積を基準面積S0 とし、基準面積S0 と全粒界の面積の比R2を数2より求める。
【0011】
R1=N/NS …(数1)
R2=ΣB・L/B0・ΣL=ΣS/ΣS0 …(数2)
本発明ではこのR1またはR2により鋭敏化程度を判定するものである。
【0012】実施例で用いた材料は、オーステナイト系ステンレス鋼SUS304であり、その炭素量は0.06% で十分に鋭敏化を生じるものである。SUS304を1150℃で30分保持した後、水冷して溶体化処理を行い、鋭敏化させるための熱処理は、620℃において0分,15分,60分,120分,180分,300分,600分,1440分保持することで行った。その後、試料表面を鏡面仕上げし、10%のシュー酸で電解エッチングを行った。エッチングした後の表面組織写真およびR1,R2の測定結果を図4に示す。
【0013】粒界の幅や面積の測定は、四百倍で撮影した金属組織写真を5枚程度用意し、その中の全ての粒界について行った。溶体化処理した試料の粒界幅は0.5μm、十分に鋭敏化した試料の粒界幅は2μm程度となったので、測定した粒界幅Bが1.5μm を超える粒界を鋭敏化した粒界とした。また、基準面積S0 を決定する非鋭敏化粒界幅B0 を0.5μm とした。
【0014】保持時間t=15分まではR1およびR2はほとんど変化しない。t=60分を超えると、急速にR1およびR2は大きくなりt=180分で飽和する傾向にある。応力腐食割れの試験結果を基にすれば、応力腐食割れは620℃の熱処理温度では約60〜90分で生じるとされているので、応力腐食割れを生じる限界の値は図4に示したようにR1は約40%R2は基準面積の2.5 倍とすることができる。
【0015】以上、鋭敏化検出方法のフローチャートを図5に示す。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、分解が困難な構造物の溶接熱影響部の金属組織の画像を顕微鏡を通して取り込み、画像処理して金属粒界の幅を測定することにより個々の粒界が鋭敏化しているかの判定をし、鋭敏化していると判定された粒界の数および面積を測定することにより、応力腐食割れ感受性、言い換えれば鋭敏化の程度に応じて、熱影響部の熱処理,機械加工による耐応力腐食割れに対する最適な対策工法の選定が可能となる。




 

 


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