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発明の名称 二本鎖核酸の検出方法とその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−27104
公開日 平成6年(1994)2月4日
出願番号 特願平4−5188
出願日 平成4年(1992)1月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
発明者 川本 和子 / 神原 秀記 / 永井 啓一 / 村川 克二
要約 目的
増幅又は生成に係る二本鎖核酸の簡便かつ効率的な検出方法、変異をおこした核酸の簡便かつ確実な検出方法の確立、及びこれらの検出方法に用いられる検出機器の提供。

構成
反応により選択的に生成される二本鎖核酸の検出方法であって、当該反応を行なう反応容器内の反応液中に、二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応を励起する標識試薬を加えて、かかる特異的な反応の励起を検知し、当該反応液中の二本鎖核酸の生成状態を検出することを特徴とする二本鎖核酸の検出方法、遺伝子変異を有するDNA鎖と本来有するべき配列を有するDNA鎖の対合の比較的低温の解離を前記標識試薬を用いて検知することを特徴とする核酸試料の検出方法、及び上記検出方法に用いられる蛍光検出装置。
特許請求の範囲
【請求項1】 反応により選択的に生成される二本鎖核酸の検出方法であって、当該反応を行なう反応容器内の反応液中に、二本鎖核酸の形成部分で、特異的な反応を励起する標識試薬を加えて、かかる特異的な反応の励起を検知し、当該反応液中の二本鎖核酸の生成状態を検出することを特徴とする二本鎖核酸の検出方法。
【請求項2】 少なくとも増幅又は解離反応の終了前に、二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応を励起する標識試薬を加えて、かかる特異的な反応の励起を経時的に検知することを特徴とする請求項1記載の二本鎖核酸の検出方法。
【請求項3】 二本鎖核酸の生成方法が、特定のDNA領域を挟んだ二種類のプライマーによるDNA合成反応の繰り返しで、その特定のDNA領域を特異的に増幅する方法であることを特徴とする請求項1記載の二本鎖核酸の検出方法。
【請求項4】 検体となる一本鎖核酸とその一本鎖核酸が本来有する塩基配列と相補的である一本鎖の核酸プローブとを対合させてなる二本鎖核酸を、二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応を励起する標識試薬で標識して、かかる二本鎖核酸標識体を温度上昇によって解離させ、当該解離温度を前記特異的な反応の消失により検知し、前記核酸プローブと相補的なDNA鎖とが対合した二本鎖核酸の解離温度と比較することを特徴とする核酸試料の検出方法。
【請求項5】 二本鎖核酸の形成部分で、特異的な反応を励起する標識試薬が、二本鎖核酸を標識した状態で発する蛍光と一本鎖核酸を標識した状態で発する蛍光が異なる蛍光色素であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載の検出方法。
【請求項6】 反応容器と、蛍光色素を励起するための励起光源と、当該蛍光色素が発する蛍光を検出する光検出器とを備えた恒温槽とから構成され、当該蛍光色素が発する蛍光を、当該励起光源が発する励起光の入射方向と異なる角度から検出することを特徴とする蛍光検出装置。
【請求項7】 反応容器に、励起光源からの励起光を入射する入射窓と蛍光色素が発する蛍光を射出する射出窓を設けたことを特徴とする請求項6記載の蛍光検出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核酸の新規な検出方法及び蛍光検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1) 近年、ポリメラーゼ連鎖反応法 (polymerase chain reaction : PCR 法)に代表される二本鎖核酸の生成方法が次々と開発され、遺伝子の解析や特定遺伝子のクローニングが容易になり、かかる方法は、産業界に多大な貢献をしている。
【0003】ところで、例えば前記PCR法で特定遺伝子を増幅又は生成し、その特定遺伝子を検出するために、反応容器中のDNA溶液の一部を採取し、アガロースゲルやアクリルアミドゲル中で電気泳動を行ない分子量分離して、当該分離パターンを読み取る方法やエチジウムブロマイド染色の比色定量法(Molecular Cloning,A Laboratory Manual, vol.2 E.5〜E.7)を用いることが通常行なわれている。
【0004】しかしながら、これらの方法はいずれもDNAの増幅又は生成反応の終了後、別途試料を反応容器から取り出して増幅又は生成の目的とするDNAを検出する必要があり、チェックのための作業に時間をとられることが多く、また結果として目的とする遺伝子が増幅又は生成していない場合には、前記チェック時間のみならず、増幅又は生成のための反応時間が無駄になり、全体として作業効率を落とす原因となる。
【0005】(2) これとは別に、最近の遺伝子工学の進歩は、特定遺伝子の変異により、特定の疾病が惹き起こされることを次々に解明している。よって、かかる遺伝子の変異を検出することで、上記疾病の予防又は診断が可能になるが、遺伝子の変異の検出技術が生物学的な発見に必ずしも対応しきれていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明が解決すべき課題は、増幅又は生成に係る二本鎖核酸の簡便かつ効率的な検出方法、及び変異をおこした核酸の簡便かつ確実な検出方法の確立にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応を励起する標識試薬を用いて反応容器中において直接目的遺伝子の増殖又は生成過程における二本鎖核酸を検出可能であること、及びかかる標識試薬の二本鎖核酸における当該反応の消失条件が完全に相補的な二本鎖核酸と非相補的な部分を含む二本鎖核酸では異なるという性質を利用して上記課題を解決可能であることを見出した。
【0008】すなわち、本発明の第一は、反応により選択的に生成される二本鎖核酸の検出方法であって、当該反応を行なう反応容器内の反応液中に、二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応を励起する標識試薬を加えて、かかる特異的な反応の励起を検知し、当該反応液中の二本鎖核酸の生成状態を検出することを特徴とする二本鎖核酸の検出方法であり、第二は、検体となる一本鎖核酸とその一本鎖核酸が本来有する塩基配列と相補的である一本鎖の核酸プローブとを対合させてなる二本鎖核酸を、二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応を励起する標識試薬で標識して、当該二本鎖核酸標識体を温度上昇によって解離させ、当該解離温度を前記特異的な反応の消失により検知し、前記核酸プローブと相補的なDNA鎖が対合した二本鎖核酸の解離温度と比較することを特徴とする核酸試料の検出方法であり、第三は、前記二つの検出方法実行のための蛍光検出装置である。A. まず本願第一の発明である二本鎖核酸の増殖・生成状態の検出方法について詳細に説明する。
【0009】(1) 当該方法は、反応により選択的に生成される二本鎖核酸の検出方法において行なわれる。かかる検出方法は、試験管内 (インビトロ) において行なわれる検出方法であれば特に限定されず、例えばポリメラーゼ連鎖反応法 (polymerase chain reaction : PCR 法) (Science, vol.239, p487-491, 1988)、シーケンシング法(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 13・3〜13・102, second edition)、ハイブリッド形成法(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 11・3〜11・58,second edition) 等を挙げることができるが、特定のDNA領域を挟んだ二種類のプライマーによるDNA合成反応の繰り返しで、その特定のDNA領域を特異的に増幅する方法であるPCR法を特に好ましい検出方法として挙げることができる。
【0010】(2) また、当該方法は、上記反応を行なう反応容器内の反応液中に、二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応を励起する標識試薬を加えて、かかる特異的な反応の励起を検出し、当該反応液中の二本鎖核酸の生成状態を検出することが必要である。当該方法において使用される二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応を励起する標識試薬は、当該性質を有する標識試薬であれば特に限定されない。ここで特異的な反応の励起とは二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応の生起、又は反応の強度の増加はもちろん反応の消失、又は反応強度の減少をも含む。
【0011】上記標識識薬の代表的なものとして、エチジウムブロマイド、チアゾールオレンジ、エチジウムホモダイマー等の二本鎖核酸を標識した状態で発する蛍光と一本鎖核酸を標識した状態で発する蛍光が異なる蛍光色素を挙げることができる。さらに、二本鎖核酸の純粋量の検出ということを考慮すれば、上記色素の内、エチジウムブロマイド又はチアゾールオレンジを好ましいものとして例示できる。
【0012】次に、当該標識試薬を反応容器内の反応液中に加えることが必要である。反応液の内容は、二本鎖核酸の増殖又は生成反応の種類に応じて適宜決定されるが、例えばPCR法の場合には、鋳型となる一本鎖DNA、DNA合成基質、PCRプライマー、及び合成酵素を含む緩衝液である。標識色素は添加時期は、反応容器中に直接添加する限りにおいて、特に限定されない。すなわち、添加時期は生成又は増殖反応の終了前であると終了後であるとを問わないが、特定の二本鎖DNAの生成又は増殖過程を反応初期から経時的に検出する場合には、反応終了前に添加することが必要である。さらに反応終了前の添加においては、二本鎖核酸の生成又は増殖反応の初期段階、すなわち、反応液の反応容器への添加前、反応液添加と同時、若しくは反応液添加直後に行なうのが好ましい。
【0013】なお、反応容器の形状、構造等は、上記特異的な反応の励起を検出することができる限り特に限定されないが、後述する上記特異的反応の検出専用の蛍光検出装置が好ましく用いられることを考慮すれば、当該検出装置に用いられる反応容器であることが好ましい。特異的反応の検知手段も、当該特異的反応の種類に応じて選択し得る。例えば、標識試薬が、二本鎖核酸を標識した状態で発する蛍光と一本鎖核酸を標識した状態で発する蛍光が異なる蛍光色素である場合は、当該蛍光色素が照射により蛍光を発する性質を有する光を反応容器中の反応試料に照射して、試料から得られる蛍光を検出し、二本鎖核酸生成又は増殖による蛍光量の増加又は減少を計測する方法を採ることができる。例えば、当該蛍光色素がエチジウムブロマイドの場合には、260〜500nm程度の紫外線を照射して590nm 付近にピークを有する蛍光を、エチジウムホモダイマーの場合は260nmの紫外線を照射して620nm 付近にピークを有する蛍光を、チアゾールオレンジの場合は、488nmのアルゴンレーザーを照射して530nm 付近にピークを有する蛍光を検出することができる。
【0014】図1は、上記の本発明方法の一例を図示したものである。二本鎖DNAの合成は、鋳型となる一本鎖DNA1と、DNAを合成するのに必要な基質 (A‥アデニン、C‥シトシン、G‥グアニン、T‥チミン) 2と、合成の始点となる短い一本鎖DNAプライマー3、耐熱性合成酵素4を適当な緩衝液中に混合したものである。これに二本鎖DNA中に入ると励起光の照射に対する発光強度が増える標識色素5を加えて、温度を調節することにより合成反応を行なう。合成された二本鎖DNA中には標識色素が取り込まれ、二本鎖合成DNAと色素の複合体6が形成される。かかる反応の終了したDNA溶液中に例えば紫外線を照射して、二本鎖DNAに取り込まれた標識色素の発する蛍光強度の増加分を計測することにより、二本鎖の生成状態が確認できる。B. 次いで、本願第二の発明である遺伝子変異の検出方法について詳細に説明する。
【0015】当該方法は、完全に相補的な結合を有する二本鎖核酸と、一部に非相補部分が存在する二本鎖核酸とでは、加温による一本鎖核酸への変性温度が相違することに着目して、上記Aの本願第一の発明で用いた標識試薬の性質を利用して、遺伝子の変異を簡単に検出することが可能な方法である。
(1) これにおいては、二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応を励起する標識試薬で標識した、検体となる一本鎖核酸とその一本鎖核酸が本来有する塩基配列と相補的である一本鎖の核酸プローブとを対合させてなる二本鎖核酸の存在が前提となる。
【0016】二本鎖核酸の形成部分で特異的な反応を励起する標識試薬は、上記の発明で用いたものと同様である。検体となる一本鎖核酸は、通常公知の方法を用いて調製することが可能である。すなわち、検出を目的とする遺伝子変異の種類に応じて、例えばヒトの血液から採取された白血球細胞等より、抽出し、これを通常公知の方法、例えば熱変性法、アルカリ変性法によって一本鎖に変性する。
【0017】一方、検体となる一本鎖核酸が本来有する塩基配列と相補的である一本鎖の核酸プローブは、検出を目的とする遺伝子変異の種類に応じて調製することができる。すなわち、既知のDNA配列を基にDNAプライマーを化学合成して、上記PCR法により特定の遺伝子を増幅させて調製することもできるし、直接化学合成により調製することもできる。かかる核酸プローブの長さは連続する12mer 以上、好ましくは100mer以上である。
【0018】そして、前記検体DNAと核酸プローブとからなる二本鎖DNAを、上記標識試薬で標識し、二本鎖核酸標識体を調製する。また、これとは別に対照として、前記核酸プローブと相補的なDNA鎖とが対合した二本鎖核酸を前記標識物質で標識した標識体も調製することが必要である。
【0019】(2) 次に、前記 (1) で得られた二本鎖核酸複合体を含む反応液の温度を上昇させ、温度上昇による二本鎖DNAから一本鎖DNAへの変性を、前記標識試薬の特異的な反応の消失を検出することにより検知することができる。この温度上昇は室温から95℃程度まで温度上昇勾配40℃/1hr程度、好ましくは40℃/3hrs程度で行なう。標識試薬の特異的反応の消失は、前記Aで示した方法と同様に行なうことができる。
【0020】図2は、上記Bの発明の一実施例を示したものである。検体となる一本鎖DNA7とヒトDNAの特定部位に対応するDNAプライマー8を対合させて、これに二本鎖DNA中に入ると励起光の照射に対する発光強度が増える標識色素5を加えて、二本鎖形成部分9でかかる標識色素5の発光を増強させ、対合しているDNAの温度を上昇させていくとある温度においては、 (c) に示すように、検体が正常であり、完全な対合をしているものは、二本鎖状態を保ち、発光強度が変わらず、これに対して検体が異常な遺伝子部分を含み、プライマー8と不完全な対合をしているものは (d) に示すごとく、解離して標識色素5の発光強度が減少していくことになる。そして、この発光強度の変化と発光強度変化時の温度を調べることによって、遺伝子の正常と異常を区別することができる。
【0021】また、本発明者は、上記の本発明方法を効率的に行なうことを目的とした蛍光検出装置を作出した。当該蛍光検出装置は、反応容器と、蛍光色素を励起するための励起光源と、当該蛍光色素が発する蛍光を検出する光検出器とを備えた恒温槽とから構成され、当該蛍光色素が発する蛍光を、当該励起光源が発する励起光の入射方向と異なる角度から検出することを特徴とする蛍光検出装置である。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
【実施例1】 本発明蛍光検出装置以下、図面を参照しながら、本発明蛍光検出装置について説明する。図3は、本発明蛍光検出装置の概略図である。図3において、励起光源13から発せられた励起光14は、恒温槽12中に静置された反応用反応容器11中の反応試料に、励起光挿入窓口15を通じて入射され、励起光14の入射により励起された当該反応試料より生じた蛍光17を蛍光出射窓口 (図示せず) より出射させる。結像レンズ18は反応試料より生じた蛍光17を集光して、光検出器19に蛍光を到達させる役割を有する。信号処理装置20は、光検出器19において出力された蛍光を変換した信号を処理し、かかる信号はデータ出力装置21によって出力される。
【0024】励起光源13は、使用する標識色素の種類に応じて適宜選択される。例えば標識色素としてエチジウムブロマイドを選択する場合にはUVランプ(トランスイルミネーター使用用)が、チアゾールオレンジを選択する場合には488nmのアルゴンレーザーを使用するのが好ましい。恒温槽12は、内部に静置された反応用反応容器11内の温度を適宜コントロールし得るものであれば特に限定されず、例えば、サーマルサイクラー(パーキンエルマー シータス社製) を挙げることができる。
【0025】反応用反応容器11の詳細な構造を図4に示す。かかる反応容器11の素材は、特に限定されないが、別に設けた励起光挿入窓口15及び蛍光出射窓口16に集中的に光を通すのが反応検知感度を良好にする上で好ましく、遮光性を有する素材、例えば、アルミニウム、銅等の金属;黒色の塩化ビニール等の遮光性を有するプラスチック等を用いるのが好ましい。さらに、本来光を透過させる性質を有するガラス、プラスチック等の素材を遮光性を有する塗料を塗布して反応容器11として用いることもできる。励起光14は、励起光挿入窓口15を通して、反応溶液23中の反応試料中の標識色素を励起させ、その結果生ずる蛍光を蛍光出射窓口16より出射する。励起光挿入窓口15と蛍光出射窓口16の素材は、良好な光透過性を有するものであれば特に限定されるものではないが、石英、ホウケイ酸ガラス、アクリル樹脂、又は塩化ビニール樹脂は特に良好な透過性を有するという点において好ましい。また、反応容器11の形状は、所期の目的を達成し得る形状であれば特に限定されず、例えば、丸型試験管形、角型試験管形等を例示できる。さらに、遮光性を有する素材で作られた窓のあいた試験管ホルダーに既成の試験管を装着することもできる。また、励起光挿入窓口15と蛍光出射窓口16は、それぞれ1ケ所以上設けることが必須である。励起光挿入窓口15は、1ヶ所以上に設けてもよい。恒温槽12中に、反応容器11を複数個静置する場合は、励起光挿入窓口15を対称位置に少なくとも2ケ所設けることが必要である。蛍光出射窓口16は、蛍光を検知する個所の個数に応じて設けることが可能であるが、通常励起光の入射窓と異なる角度で通常1ケ所設けられる。ここで異なる角度とは、励起光の入射又は出射方向と同一平面上のみならず、異なる平面において、例えば、反応用反応容器11の下部に設けることができるが、後に説明する光検出器19を可動とする態様を考慮すれば、励起光の入射又は出射方向と同一平面上において励起光挿入窓口15とほぼ直角の方向に蛍光出射窓口16を設けるのが好ましい。結像レンズ18は、反応試料から射出された蛍光を集光することができるものであれば、その素材、形状は特に限定されない。光検出器19は、反応試料から射出され、結像レンズ18により集光された蛍光を信号処理装置20で処理可能な信号に変換可能なものであれば、特に限定されず、例えば二次元カメラ等を採用することができる。また、かかる光検出器19を、例えば矢印22に示した方向への移動を可能にして、複数の反応試料からの蛍光を検知することも可能である。かかる場合は、恒温槽12中に図3で示すごとく、直線上に反応用反応容器11を並置し、各々の反応用反応容器11に設けられた蛍光出射窓口16に沿って光検出器19を移動させるのが好ましい。この際、結像レンズ18を、各々の反応用反応容器11毎に設けることも可能であり、光検出器19と一体として設置して、光検出器19と結像レンズ18を同時に移動させて、それぞれの反応用反応容器11の試料からの蛍光を検知することもできる。また、全ての反応用反応容器11からの発光を集光して、1台の多素子からなる光検出器19上で各反応用反応容器11についても同時に検出可能である。さらに、図3に示す励起光の放射方向と直交する方向の各反応容器の側面あるいは下部面から同時に励起光を入射させ、1台の多素子からなる光検出器で各反応容器の下部面あるいは側面から蛍光を検出してもよい。信号処理装置20は、前述のごとく光検出器19よりの信号を処理可能なものであれば、その種類は特に限定されない。出力装置21は信号処理装置20で処理された信号をデータ処理可能な形で出力することができるものであれば特にその種類は限定されるものではない。
【0026】
【実施例2】 PCR産物の経時的同定以下の試料DNA及びオリゴヌクレオチドを用いて、PCR産物の経時的増加について調べた。
試料DNA;ヒト白血球DNA 1μgオリゴヌクレオチド:配列番号1の塩基配列を有するプライマーA配列番号2の塩基配列を有するプライマーB(1) ヒト白血球抽出DNAの調製ヒト白血球抽出DNAは、健常人の血液から常法により調製した。すなわち、健常人の血液を相当量ヘパリン採血し、これに蒸留水を加え血球を破壊した後、これを3000rpm 程度で5分間遠心した。当該操作をさらに2回繰り返した後、白血球を含む下層を分離し、SDS (Sodium Dodecyl Sulfate) 存在下でプロテアーゼを作用させ、さらにフェノール−クロロホルム抽出とエタノール沈澱操作で精製を行ない、ヒト白血球抽出DNAを調製した。
【0027】(2) オリゴヌクレオチドの調製上記プライマーA及びプライマーBは、DNAシンセサイザー (ABI社製)により合成し、HPLCで精製した。
(3) 試料DNAの増幅上記のヒト白血球抽出DNAとPCRプライマーA, Bを各々20pmol、各dNTPを各々 250μM 、MgCl2 を 2.5mM、Tris-HCl (pH8.5) を10mM、KCl を50mM、ゼラチンを 0.001%(w/v) 、エチジウムブロマイド (ニッポンジーン社製) を0.01〜0.05%(w/v)となるように混合し、全体を 100μl とした。このPCRプライマー混合液に耐熱性DNAポリメラーゼ (パーキンエルマーシータス社製)5ユニットを加え、蒸発防止用のミネラルオイルを重層し、94℃・30秒、50℃・90秒、72℃・90秒の熱サイクルを30回繰り返しPCR増幅を行なった。そして、かかる熱サイクル1回毎に、実施例1に示した蛍光検出装置で、エチジウムブロマイドが二本鎖DNAの形成部分で発する蛍光量を経時的に測定した。なお、実施例1の蛍光検出装置における励起光源14としては、488nmアルゴンレーザーを、反応用反応容器12の励起光挿入窓口16、及び蛍光出射窓口17の材料としては、パイレックスガラスを、光検出器20としては、ホトマルチプライヤを、信号処理装置21としては、 HITACHIワークステーション2050/32Eを、及び出力装置22としては、GRAPHTEC XY PLOTTER を用いた。また励起光の入射方向と蛍光の検出方向としては、同一平面上ほぼ直角の方向を採用した。
【0028】結果を図5(a)に示す。この結果、蛍光強度は、典型的な2n 曲線(nはサイクル数)を描き、熱サイクル1回毎にエチジウムブロマイドの発する蛍光量が経時的に増加していることが明らかとなった。また、上記30回の熱サイクル後電気泳動をして、増幅した遺伝子について検討したところ、目的の遺伝子の増幅量と蛍光量増加より換算された遺伝子量は一致して本発明方法がPCR法における遺伝子の増幅のモニター法として極めて有用であることが判明した。
【0029】
【実施例3】 遺伝子変異の検定E.coli K12株をLB培地10mlに白金耳を使用して植菌し、これを37℃下前培養を行ない、対数増殖期に達した段階で、かかる培養液20mlを、ニトロソグアニジン (MNNG)(0.5g/ml)を添加した。前記と同じ培地100mlに加え、再び37℃下一晩本培養を行なった。その後、再び菌体が対数増殖期に達したところで、かかる培養液10mlを再び、MNNGを含まない上記の培地100mlに殖菌し、菌体に変異が定着したところで、前記同様のMNNG処理を施した。その後、当該MNNG処理を2〜3回繰り返し、生き残った菌を増殖させ、当該変異株を集菌して、エタノール沈澱法等の通常公知の方法により、変異株のDNAを100μg 抽出した。
【0030】一方、本来のE.coli K12株のDNAを、前記と同様、通常公知の方法により1000μg 抽出した。次に、それぞれのDNAを95℃まで加熱して、一本鎖DNAに変性した後、E.coli K12株の一本鎖DNA溶液と変異株の一本鎖DNA溶液を1μgずつ、エチジウムブロマイド0.01%(w/v)の存在下、溶液を室温に放置してハイブリダイゼーションを行なった。また他方、前記のハイブリダイゼーション反応に用いた培量の熱変性によるE.coli K12株の一本鎖DNA溶液にエチジウムブロマイド0.01%(w/v)を加えて、室温に放置し、ハイブリダイゼーション反応を行なった。
【0031】さらに、前記実施例2で用いた蛍光検出装置を用いて、上記で得られたエチジウムブロマイドで標識された二本鎖DNAの加熱処理に伴うエチジウムブロマイドの発する蛍光量の検出を特定した。その結果を図5(b)に示す。変異したDNAの反応系においては、60℃程度の比較的低い温度から蛍光強度の減少がはじまり、その後緩やかに蛍光強度が減少し、95℃付近で解離反応の終了が認識された。一方、正常なDNAの反応系においては、75℃付近で蛍光強度の減少がはじまり、急激な減少カーブを描いて95℃付近で解離反応の終了が認識された。
【0032】これらの結果により、正常なDNAと変異を起こしたDNAを区別し判定できること、すなわち本法が遺伝子診断法として有用であることが判明した。
【0033】
【発明の効果】本発明により、増幅又は生成に係る二本鎖核酸の簡便かつ効率的な検出、及び変異をおこした核酸の簡便かつ確実な検出が可能になった。
【0034】
【配列表】配列番号:1配列の長さ:20配列の型 :核酸鎖の数 :一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:他の配列 合成DNAプライマー配列 :ATGCTAAGTTAGCTTTACAG配列番号:2配列の長さ:20配列の型 :核酸鎖の数 :一本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:他の配列 合成DNAプライマー配列 :ACAGTTTCATGCCCATCGTC



 

 


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