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発明の名称 産業プラントの検査評価方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−18514
公開日 平成6年(1994)1月25日
出願番号 特願平4−176622
出願日 平成4年(1992)7月3日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鵜沼 辰之
発明者 大高 正廣 / 榎本 邦夫 / 平野 明彦 / 黒澤 孝一 / 高久 和夫 / 坂田 信二 / 林 真琴 / 菅野 智
要約 目的
機器材料の損傷及び材質劣化を、該損傷及び材質劣化の内容,程度に対応させ定量的に評価する。

構成
各々の材料損傷及びまたは劣化に適した非破壊的検査装置を用いて機器の損傷及びまたは劣化の箇所の同定と損傷及びまたは劣化度の1次評価を行う。さらに、一次評価結果を基に、該損傷及びまたは劣化個所に適用する検査工程内容を予め設定された検査工程のグループの中から選定する。損傷が大きい場合には、微小な試料を採取し、化学成分や金属組織分析及びマイクロ試験片での機械的性質の把握を行う。上記各検査結果に基づいて、2次評価を行い、機器材料の損傷及びまたは劣化の程度を定量的に判定し残存寿命を推定する。なお、機器から試料を採取する際に同時に材料の強度試験を実施する。
特許請求の範囲
【請求項1】 産業プラントの機器材料を検査し、その損傷及びまたは劣化の程度を評価する装置において、プラントの機器,配管等の材料の損傷及びまたは劣化の程度を検出する非破壊検査装置と、この非破壊検査装置による損傷及びまたは材料劣化の検出結果を基に損傷及びまたは材料劣化の程度の1次評価を行い以降の検査工程を選定する第1次評価装置と、劣化箇所から微小試料の採取を行う試料サンプリング装置と、試料を採取した箇所を研磨や補修溶接等で補修する表面処理装置と、採取した微小試料から加工層、熱影響部を取り除き金属組織観察用試験片及び機械的特性を測定するためのマイクロ試験片を加工する加工装置と、金属組織観察用試験片の組織観察や化学成分分析をする分析装置と、マイクロ試験片の引張り強度、衝撃強度、応力腐食割れ感受性や硬さ等の機械的特性のうちの少なくとも一つを求めるマイクロ試験装置と、前記非破壊検査装置の測定データ、分析装置の組織観察、化学成分分析データ、及びマイクロ試験装置の強度試験データを基に、機器材料の損傷及びまたは劣化の程度を定量的に判定し残存寿命の推定を行う第2次評価装置とを含んでなる産業プラントの検査評価装置。
【請求項2】 試料サンプリング装置が、機器の劣化箇所から試料を採取する時に、衝撃試験、靭性試験及び疲労試験等の機械強度試験のうちの少なくとも一つを兼ねる機構を備え、試料を採取すると同時に強度データも採取できるものであることを特徴とする請求項1に記載の産業プラントの検査評価装置。
【請求項3】 試料を採取する時に、衝撃試験、靭性試験及び疲労試験等の機械強度試験のうちの少なくとも一つを兼ねる機構が、機器部材に形成された切り込みに嵌合されるくさび状治具と、該くさび状治具に衝撃荷重を負荷する衝撃荷重負荷治具を備えてなるものであることを特徴とする請求項2に記載の産業プラントの検査評価装置。
【請求項4】 試料を採取する時に、衝撃試験、靭性試験及び疲労試験等の機械強度試験のうちの少なくとも一つを兼ねる機構が、機器部材の一部をなしているサンプリング試料に負荷荷重を印加する電磁石を含んで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の産業プラントの検査評価装置。
【請求項5】 第1次評価装置は、非破壊検査装置による機器部材の測定結果を基に該機器部材の損傷及びまたは材料劣化の程度を複数の段階に分類する手段と、分類された段階に応じてその後の検査工程を選定、表示する手段とを含んでなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の産業プラントの検査評価装置。
【請求項6】 産業プラントの機器材料を検査し、その損傷及びまたは劣化の程度を評価する検査評価方法において、検査対象となるプラントの機器,配管等の材料の損傷及びまたは劣化の程度を予め設定された該プラントの運転パラメータを用いて推定する手順と、該推定による損傷及びまたは材料劣化の検出結果を基に予め設定されている基準を参照して該損傷及びまたは材料劣化の程度の1次評価を行い以降の該損傷及びまたは材料劣化個所の検査工程を選定する手順と、選定された検査工程にしたがって機器部材の劣化箇所から微小試料の採取を行う手順と、試料を採取した箇所を研磨や補修溶接等で補修する手順と、採取した微小試料から加工層、熱影響部を取り除き金属組織観察用試験片及びまたは機械的特性を測定するためのマイクロ試験片を加工する手順と、金属組織観察用試験片の組織観察や化学成分分析をする手順と、マイクロ試験片の引張り強度、衝撃強度、応力腐食割れ感受性や硬さ等の機械的特性のうちの少なくとも一つを求める手順と、前記非破壊検査装置の測定データ、分析装置の組織観察、化学成分分析データ、及びマイクロ試験装置の強度試験データを基に、機器材料の損傷及びまたは劣化の程度を定量的に判定し残存寿命の推定を行う手順と、を含んでなることを特徴とする産業プラントの検査評価方法。
【請求項7】 産業プラントの機器材料を検査し、その損傷及びまたは劣化の程度を評価する検査評価方法において、検査対象となるプラントの機器,配管等の材料の損傷及びまたは劣化の程度を検出するのに適した非破壊検査装置を選定する手順と、選定された非破壊検査装置によってプラントの機器,配管等の材料の損傷及びまたは劣化の程度を検出する手順と、該非破壊検査装置による損傷及びまたは材料劣化の検出結果を基に予め設定されている基準を参照して該損傷及びまたは材料劣化の程度の1次評価を行い以降の該損傷及びまたは材料劣化個所の検査工程を選定する手順と、選定された検査工程にしたがって機器部材の劣化箇所から微小試料の採取を行う手順と、試料を採取した箇所を研磨や補修溶接等で補修する手順と、採取した微小試料から加工層、熱影響部を取り除き金属組織観察用試験片及びまたは機械的特性を測定するためのマイクロ試験片を加工する手順と、金属組織観察用試験片の組織観察や化学成分分析をする手順と、マイクロ試験片の引張り強度、衝撃強度、応力腐食割れ感受性や硬さ等の機械的特性のうちの少なくとも一つを求める手順と、前記非破壊検査装置の測定データ、分析装置の組織観察、化学成分分析データ、及びマイクロ試験装置の強度試験データを基に、機器材料の損傷及びまたは劣化の程度を定量的に判定し残存寿命の推定を行う手順と、を含んでなることを特徴とする産業プラントの検査評価方法。
【請求項8】 供用中のプラントの機器部材に切り込みを入れて機械強度試験用の試料を採取する試料採取方法において、該試料の一部が前記機器部材につながっている状態で該試料に外力を負荷し、前記つながっている部分が破断するときの前記外力を測定することを特徴とする供用中のプラント機器部材からの試料採取方法。
【請求項9】 外力が断続的に繰返し負荷され、つながっている部分が破断するときの外力の大きさ及び繰返し回数が測定されることを特徴とする請求項8に記載の供用中のプラント機器部材からの試料採取方法。
【請求項10】 負荷される外力が磁性力によるものであることを特徴とする請求項8または9に記載の供用中のプラント機器部材からの試料採取方法。
【請求項11】 負荷される外力が衝撃力によるものであり、破断時の吸収エネルギが測定されることを特徴とする請求項8に記載の供用中のプラント機器部材からの試料採取方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業プラントの機器材料の損傷あるいは材質劣化の状態を検出する手法及び装置に係り、特に、非破壊的な材料検査装置を併用し、その結果を基に、微小試料をサンプリング採取して直接的に材料の化学成分や機械的特性を検査し、機器材料の損傷度及び材質の劣化度を評価する手法及び装置並びに機器材料からの試料採取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術としては、特開昭57−179746号公報に記載のような、プラント機器材料の疲労度の監視装置等の例がある。この装置は、超音波探傷子と音速計測器で構成され、機器材料中を伝播する超音波の音速変化を測定し、き裂発生以前の段階で非破壊的に異常を検出するものである。
【0003】特開昭56−130696号公報には、原子炉の炉水やオフガスを監視して破損燃料棒を内蔵する燃料集合体を検出する技術が開示されているが、これは破損燃料棒が核分裂によって生成された放射性物質を放出するという単一の特性を利用したもので、そのような性質を示さない機器材料については適用できないし、プラント全体を対象としたものでもない。また、特開平2−17511号公報に記載されたプラント監視装置は、プラントの運転状態データのみから、プラント状態に異常がないかどうかを判定しようとするものであって、プラントを構成する機器材料自体に内在する損傷や材料劣化の有無や程度を判断の対象にしているものではない。さらに、特開昭60−257356号公報には、探傷欠陥の等級分類方法が開示されているが、この技術は超音波によるエコーデータの分析に関するものであって、それによって得られたデータをどのように活用するのかについては触れられていない。
【0004】また、機器材料の機械強度試験を行う場合は、該機器材料から試料を採取し、該試料からさらに試験片を加工して必要な試験を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭57−179746号公報記載の技術は、機器材料中を伝播する超音波の音速変化から間接的に材質異常を推定しているのみであり、材料の材質劣化等の複合損傷や定量的な機器材料の状態を評価するまでの方法及び装置については触れられていない。また、機械強度試験を行う場合、試料の採取と試験片の加工という2段階の手順を経ることになり、時間を要した。
【0006】本発明の課題は、プラントを構成する機器材料の損傷及び材質劣化をそれらの内容に対応させて整合性を持たせながら定量的に評価し、かつそのための時間を短縮するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、まず、各々の構成部材に生じやすい材料損傷の検出に適した非破壊的検査装置を用いて機器の損傷を受けている箇所の特定と損傷度の第1次評価を行い、さらに、その結果を基に実施するべき検査の内容を予め設定された検査工程グループの中から選定し、選定された検査工程の検査結果及び前記非破壊検査結果に基づいて機器材料の損傷及びまたは劣化の程度を定量的に判定し残存寿命の推定を行う第2次評価を行うことにより達成される。
【0008】非破壊検査を行う代わりに、予め設定された運転パラメータを用いてプラント機器材料各部の劣化の程度を判定し、判定された劣化の程度に応じて次段の検査工程を選定するようにしてもよい。
【0009】なお、機器材料から試料を採取する際に、試料の一部が機器材料につながった状態で該試料に外力を負荷して機器材料から破断させて切り離し、該破断に要した外力の大きさ及びまたは負荷回数を測定し、試料採取と強度試験を兼ねた試料採取方法とする。
【0010】
【作用】機器材料の損傷及び劣化位置を特定するためには、非破壊的な検査装置により異常箇所を検出できる。例えば、非破壊検査装置としては、超音波法や磁気的手法等を応用した装置がある。この非破壊検査結果を基に損傷や材料劣化の程度が判定され、判定結果に応じて当該損傷及びまたは材料劣化個所の以後の検査工程が選定される。また、例えば中性子照射を受ける原子炉構成部材などのように特定の運転パラメータによってその劣化が進行するものについては、非破壊検査装置による検査に変えて前記特定の運転パラメータを用いることにより、該運転パラメータの値に基づく材料の脆化の度合いが判定される。特に、材料の劣化度が大きいと判断された場合には、その劣化度が大きい箇所から微小試料が採取される。微小試料の採取には、マイクロカッターや放電加工等の手法が適用できる。この試料の分析により化学成分や金属組織の状態が得られ、得られた結果に基づき劣化の種類,程度が判定される。また採取された試料からマイクロ試験片が加工され、該マイクロ試験片により機械的特性が把握される。前記非破壊検査の結果や化学成分や金属組織の状態及び機械的特性に基づいて、材料の残存寿命や強度の安全率が直接かつ、定量的に評価される。また、微小試料のサンプリング採取時に機械的試験を同時に実施することにより、微小試料に余分なダメージを与える以前に材料の機械的特性を検出できるとともに、マイクロ試験片の加工に要する時間が短縮される。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】図1は、本発明の実施例の全体構成を示したものである。図1に示す装置は、産業プラント等の機器あるいは配管等を対象に損傷を検出する非破壊検査装置1と、該非破壊検査装置1に接続され非破壊検査装置1の測定結果を基に材料劣化の1次評価を行い以降の検査工程を選定する第1次評価装置2と、劣化箇所から微小試料のサンプリングを行う試料サンプリング装置3と、試料が採取された箇所を補修する研磨装置や補修溶接装置等の表面処理装置4と、採取した微小サンプルをマイクロ試験片に加工する加工装置5と、加工された試験片の組織観察、化学成分分析を実施する分析装置6と、同じく加工された試験片の機械的特性を検査するマイクロ試験装置7と、前記非破壊検査装置1の測定データ、前記試料サンプリング装置3の採取時の強度データ、前記分析装置6の組織観察、化学成分分析データ、及び前記マイクロ試験装置7の強度試験データ等を基に2次評価を行う第2次評価装置8とを含んで構成されている。
【0013】上記構成の装置の動作を、図3に示すフローチャートを参照して以下に説明する。まず、検査対象の機器及び検出しようとする損傷の内容に応じて非破壊検査装置が選定される(手順31)。選定される非破壊検査装置は必ずしも1種類に限られない。次に、選定された非破壊検査装置1により、損傷のスクリーニングを行い、損傷度の大きい箇所の特定を行う(手順32)。損傷度の大きい箇所を特定する方法としては、機器の構造や運転条件などの情報から推定する方法もある。非破壊検査装置1は、その検査結果を数量化し、正常な状態における数値に対する比率(例えば%)や、正常な状態における数値との偏差の値として出力する。出力値が予め設定された値よりも大きい値を示す個所が、損傷個所あるいは材料劣化した個所として特定され、以降の検査の対象個所となる。
【0014】非破壊検査装置1の測定結果が得られたら、それを基に第1次評価装置2により材料劣化の1次評価が行われ、損傷程度のランク付けが行われて以降の検査工程が選定される(手順33)。
【0015】一次評価装置2の詳細実施例を図2及び図3に示す。一次評価装置2は各々の非破壊検査装置1にデータ伝送線で接続されており、各々の非破壊検査装置1により測定したデータが自動的に入力される。該一次評価装置2は入力されたデータを基に、検査結果の評価を図2に示すようにAランクからDランクまでに分類し、該当するランクにしたがって以降の検査工程(手順34A,34B,34C,34Dのいずれか)を選定する。選定結果は一次評価装置2の表示画面に表示されるとともに、ハードコピーとしてプリントアウトされる。ランク分けの方法としては、非破壊検査装置1の出力値Sに対して検査装置の種類ごとにそれぞれ三つの判定基準値α,β,γを設定しておき、S≦αであればAランク、,α<S≦βであればBランク、β<S≦γであればCランク、γ<SであればDランクのように分類する。1ヶ所の被検査点が複数の検査装置によって検査される場合は、各検査装置の出力値に重み付けを行い、重み付けを行った値の合計値を用いてランク付けを行う方法や、各検査装置の出力値にメンバーシップ関数を適用し、ファジー制御の手法を用いて分類する方法が利用できる。
【0016】検査実施者は、一次評価装置2の表示画面に表示された選定結果もしくはプリントアウトされた選定結果にしたがって、次の段階の検査を実施する。
【0017】図2は、ランク分けの基準と、各ランクに対応して設定された検査工程の例を示す。例えば、Aランクは、殆ど損傷が無い判定された場合であり、検査はこの段階までで終了する(手順34A)。
【0018】Bランクは、損傷程度は極めて小さいが何らかの損傷が生じていると認められた場合であり、手順34Bに進み、損傷の判別をするために極微小の試料を採取し、組織的観察、元素分析及び成分分析を行う。Bランクの場合の採取試料は極少量であるため、機器の採取後の補修は無いか、あるいは簡易な研磨程度の処理で終了する。
【0019】Cランクは、程度は小さいが損傷が生じていると認められた場合で、手順34Cに進む。手順34Cでは、損傷の程度を把握するために微小の試料を採取し、試料の採取時に強度試験を兼ねるサンプリングをし、強度の低下(変化)を確認する。また、採取した試験片の、組織的観察、成分分析を行う。Cランクでは、採取試料が多少大きくなるため、機器の採取後の補修として、補修溶接や研磨を施し、終了する。
【0020】Dランクは、損傷の程度が大きいと認められた場合で、手順34Dに進む。手順34Dでは、損傷の程度を定量的に把握するため、強度試験用の試料を採取し、この試料から小型疲労試験片、衝撃試験片やSCC試験片等を加工し、残存寿命や衝撃値の裕度を評価する。この場合の試料の採取量はCランクより比較的大きくなる。採取後の機器の補修として、補修溶接や研磨を施し、終了する。
【0021】例えば、第1次評価装置2で劣化や損傷が大と判定された場合にはDランクが適用され、以下の検査工程が選択される。まず、劣化箇所から試料サンプリング装置3により微小試料のサンプリングを行う。微小試料の大きさは、以下の化学分析、金属組織観察及びマイクロ試験片での強度試験を賄う量である。この劣化箇所からの試料サンプリングでは、機器から試料を取る最終のサンプリング時に、衝撃試験、靭性試験及び疲労試験等の機械強度試験を兼ねる手法によりサンプリングが行われる。これにより、試料をサンプリングすると同時に強度データも採取できる。試料を採取した箇所は、研磨装置や補修溶接装置等の表面処理装置4により補修される。
【0022】採取した微小サンプルは、加工装置5により加工層、熱影響部を取り除き、金属組織観察用試験片及び機械的特性を測定するためのマイクロ試験片に加工される。
【0023】金属組織観察用試験片は、電磁顕微鏡や光学顕微鏡、また化学成分分析装置等の分析装置6により、組織観察、化学成分分析が実施される。
【0024】マイクロ試験片では、引張り強度、衝撃強度、応力腐食割れ(SCC)感受性や硬さ等の機械的特性が、マイクロ試験装置7により求めれる。例えば、マイクロ試験装置7にはスモールパンチ試験装置、マイクロ引張試験装置やSCC試験装置等がある。
【0025】一次評価装置2により上述の手順34A,34B,34C,34Dの中から選定された検査工程が終了すると、第2次評価装置8に、検査対象点の識別データ、前記非破壊検査装置1の測定データ、試料サンプリング装置3の採取時の強度データ、分析装置6の組織観察、化学成分分析データ、及びマイクロ試験装置7の強度試験データ等が入力される。第2次評価装置8は、入力された検査データを定量的な数値に変換するためのデータベース及び判定式を格納したデータベース記憶手段を備えており、入力されたデータを基に2次評価を行う(手順35)。第2次評価装置8は、機器材料の損傷度を定量的に判定すると共に、残存寿命の推定を行い、さらに、機器の損傷程度に応じて、機器の補修、材質改質、あるいは取替えの判定をする。第2次評価装置8はまた、プラント運転開始及び方法の判定をする。第2次評価装置8は画面表示手段及びデータ記憶手段を備え、入力された前記各データ、推定結果及び判定結果を該データ記憶手段に格納するとともに、前記画面表示手段に表示する。
【0026】本実施例では、非破壊検査装置により迅速に損傷位置を検出でき、かつ損傷の比較的大きい部位に対しては、試料を採取して機械強度試験を行うことにより、直接的に機械的強度の低下を確認できる。これにより、機器の損傷度の定量的評価及び残存寿命の推定ができる。
【0027】上記実施例においては、非破壊検査によって得られたデータに基づいて以降の検査工程が選定されたが、非破壊検査を行うことなく材料劣化の程度を判定し、ランク分けを行うことも可能である。たとえば、運転中中性子照射を受ける原子炉構成部材の場合、炉心からの距離や位置によって異なる中性子照射量を累積算出し、中性子照射によって生ずる材料の脆化の程度を判定する。この脆化の程度を前述のようにA〜Dにランク分けしておき、各ランクごとに検査内容を設定しておけば、脆化程度の判定に連動して以降の検査が自動的に選定される。
【0028】次に試料サンプリング装置3の詳細実施例を以下に示す。
【0029】図4は、マイクロカッタ300による微小サンプル901を採取する方法を示す。保持治具301に保持されたマイクロカッタ300が、機器部材900の表面に対して斜めに切り込みを入れ、次いで機器部材900の表面から採取しようとする微小サンプル試料901の輪郭に沿って厚み方向に切り込み、微小サンプル試料901を切り離す。マイクロカッター300で部材900に切り込みを施した後の状況を図5に示す。このマイクロカッタを水中で用いれば、部材を低温のままでカットできるため、材料の組成を加工熱で損なうことが少ない。
【0030】図6は、放電加工による微小サンプルを採取する方法を示す。この方法は、放電加工の電極310を図のようなバケット形状にし、試料901をほじり取るものである。放電加工による方法では電極の構造を変えることにより、色々の形状に試料901を採取できる。
【0031】図7〜9に、試料採取の際、同時に強度試験を行う方法の例を示す。試料採取の際、同時に強度試験を行うにはマイクロカッターで切り込む際に、試料の全周を切り離さず一部の部分を残して、カッティングを行う。衝撃強度試験を行う場合、図7のように、衝撃荷重を与える治具321でくさび状の治具320を機器部材に形成された切り込みに嵌合させておき、、該くさび状の治具320に衝撃治具321を衝突させ、試料901が剥がされる際の衝撃治具321による荷重状態から材料の衝撃強度を推定する。特に試料採取部分を冷却した状態で試験を行うことにより、材料の衝撃強度をより正確に把握できる。
【0032】図8は、電磁石を用いて荷重を印加する手法を示す。図8のように採取試料901の上部に電磁石325を配置し、該電磁石325に通電することで電磁石325の吸引力で試料901に荷重が加わる。電磁石325に通電する電流のオン−オフを繰り返すことで、試料901に繰返し荷重が加わり、疲労試験ができる。また、破断後の試料901は電磁石325に吸着されるため、破断後の試料901の回収が容易である。
【0033】また、ステンレス鋼のような非磁性材料では、図9のように試料901表面にマグネット326を接着し、この上部に電磁石325を配置し、通電することで電磁石325の吸引力で試料901に荷重が加わる。この方法を用いれば、非磁性材料でも微小サンプル試料採取時の疲労強度試験が可能である。
【0034】上記実施例によれば、機器部材の検査を行うに際し、検査対象の損傷の検査に最も適した検査方法及び検査装置を自動的に選定できる、検査のための試料採取時に強度試験を同時に行うことより採取した試料から製作するマイクロ試験片の数をへらすことができ、したがって採取する試料の大きさを小さくするできるのでプラントに与えるダメージを最小限にできる、試料の採取と同時に強度試験を行うことができ検査に必要な期間を短縮できる、損傷の内容程度に応じて検査内容が予め設定されているので損傷に対応する検査内容の整合性を維持できるなどの効果がある。
【0035】以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は供用期間中の検査が重要な意味を持つ原子炉構造物への適用の他、火力発電プラントや化学プラントなどにも容易に適用できる。これにより、プラント機器の損傷度を定量的に評価できるため、プラント機器の信頼性,安全性の向上が実現できる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、機器部材の検査を行うに際し、検査対象の損傷の検査に最も適した検査方法及び検査装置を自動的に選定できる、検査のための試料採取によりプラントに与えるダメージを最小限にできる、試料の採取と同時に強度試験を行うことができ検査に必要な期間を短縮できる、損傷の内容程度に応じて検査内容が予め設定されているので検査内容の整合性を維持できるなどの効果がある。材料の損傷度を損傷度のレベルごとに直接的観察を用いて評価するので、この検査データを基に材料の損傷度を定量的に評価でき、プラント機器の信頼性,安全性を向上させることができる。




 

 


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