| 発明の名称 |
原位置地盤凍結による地盤の水平方向応力を求める原位置試験装置 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平6−173240 |
| 公開日 |
平成6年(1994)6月21日 |
| 出願番号 |
特願平4−331582 |
| 出願日 |
平成4年(1992)12月11日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】山名 正彦
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| 発明者 |
畑中 宗憲 / 鈴木 善雄 / 内田 明彦 / 大原 淳良 / 南坂 貴彦 / 竹原 直人 / 神崎 靖 / 坂口 修司 |
| 要約 |
目的 非粘性土の水平方向応力を原位置で求める原位置試験装置である。
構成 原位置地盤の水平方向応力として求める原位置試験装置において、周側面をゴムスリーブで形成された加圧空間は、本来の試験用加圧空間42のほか、その上下に隣接して設けられた独立の補助用加圧空間42a、42bとの少なくとも合計3個を試験装置の軸線方向に並べた形で形成され、前記試験用加圧空間42と二つの補助用加圧空間42a、42bとに各々独立した供給系統47、86、87でセル液が満たされ、かつ独立の圧力制御系統55、56、57と82、84、85によって各ゴムスリーブ40と40a、40bに作用するセル液圧力が制御されることを特徴とする。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 凍結地盤中に掘削した所望深さの試験用孔中の試験位置に挿入され、周側面をゴムスリーブで形成された加圧空間の前記ゴムスリーブを膨張させ孔壁面に当接させることによって試験準備を整え、原位置の凍結地盤が融けるのに伴い地盤が前記試験用孔の半径方向に変形しようとする水平方向ひずみを前記ゴムスリーブに作用する流体圧力で拘束する制御を行ない、原位置の凍結地盤が完全に融けた時に前記ゴムスリーブに作用している流体圧力を原位置地盤の水平方向応力として求める原位置試験装置において、周側面をゴムスリーブで形成された加圧空間は、本来の試験用加圧空間と、その上下に隣接して設けられた独立の補助用加圧空間との少なくとも合計3個を試験装置の軸線方向に並べた形で形成され、前記試験用加圧空間と二つの補助用加圧空間とに各々独立した供給系統でセル液が満たされ、かつ独立の圧力制御系統によって各ゴムスリーブに作用するセル液圧力が制御されることを特徴とする、原位置地盤凍結による地盤の水平方向応力を求める原位置試験装置。 【請求項2】 試験用加圧空間及び補助用加圧空間に接続されたセル液供給管の途中にそれぞれ二方向電磁弁が設けられ、この二方向電磁弁で分岐され垂直上向きの配置とされた水頭管は装置ハウジングに付設した断熱容器の中に収納して設置されており、前記断熱容器の中に前記水頭管を水没させる程度に封印水が満たされ、前記封印水を加熱するヒータ、及び封印水の水温を測定する温度センサが付設されていることを特徴とする、請求項2に記載した原位置地盤凍結による地盤の水平方向応力を求める原位置試験装置。 【請求項3】 ゴムスリーブで加圧空間が形成される装置ハンジングに断熱性のセル液容器が付設され、前記セル液容器内にセル液が収容され、セル液容器のセル液出口に接続したセル液供給管は二方向電磁弁を介してゴムスリーブの内側の加圧空間及び水頭管と接続されていること、及び前記セル液容器の中にエアバックが設置され、前記エアバックの空気出入口は地上の空気圧制御機構と接続されていることをそれぞれ特徴とする、請求項1又は2に記載した原位置地盤凍結による地盤の水平方向応力を求める原位置試験装置。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、非粘性の砂質地盤や礫質地盤を原位置で凍結した上で当該地盤の水平方向応力を直接原位置で求めるため使用される原位置試験装置に関する。 【0002】 【従来の技術】地盤工学の分野においては、地盤の原位置における応力状態の推定、確認が重要な事柄の一つである。粘性土地盤については、原位置の応力状態を測定することにある程度成功している。しかし、砂質地盤、礫質地盤といった所謂非粘性土地盤については、いまだ原位置の応力状態を正確に測定することができないでいる。 【0003】従来、原位置地盤を一次元状態で凍結させると、原位置地盤の応力、ひずみの状態が実情のまま保存される。この凍結地盤に試験用孔を掘削し、その孔壁の水平方向ひずみを拘束した状態で凍結地盤を融解させると、実地盤の水平方向応力を求められることに着目して、原位置地盤凍結による地盤の水平方向応力を求める原位置試験方法及び装置が既に研究され、それらは例えば特開平1−250591号公報及び特開平3−28490号公報などに記載されて公知に属する。 【0004】ちなみに、特開平3−28490号公報に記載された原位置試験装置を、図4に基いて概説すれば、次のとおりである。円筒形のゴムスリーブ40は少し小さい外径の円筒形の装置ハウジング41の外周に同心円配置に被せられ、前記ゴムスリーブ40と装置ハウジング41の外周面との間に完全に密閉された環状の加圧空間42が形成されている。ゴムスリーブ40の上下の端部は締付けリング44とテーパーリング45及び押えリング43とで固着されている。加圧空間42の下部に装置ハウジング41の中空部内側からセル液供給管47が接続され、加圧空間42には脱気された水又は不凍液の如きセル液が満たされている。前記加圧空間42内にはセル液加湿用のヒーター52も設置されている。前記セル液供給管47の途中に二方向電磁弁54が接続され、この二方向電磁弁54により分岐され垂直上向きの配置とされた水頭管55に至る管路の途中に、差圧変換器(差圧計)56が設置されている。前記の差圧変換器56及び前記水頭管55の上端に、地上の空気圧制御機構61から配管された空気圧管57が共通に接続されている。前記二方向電磁弁54のセル液供給ポートには地上のセル液供給機構48から配管されたセル液供給管53が接続されている。装置ハウジング41の下面部には試験用孔9内に満たされた孔壁安定液の水圧を計測する水圧検出器58が下向きに設置されている。 【0005】この原位置試験装置は、ロッド59の先端部に取り付けられ、凍結された原位置地盤に掘削された試験用孔9内に地上から挿入して使用される。試験用加圧空間42へセル液を供給してゴムスリーブ40を膨張させ孔壁面に当接させることによって試験準備を整え、原位置の凍結地盤が融けるのを待つ。凍結地盤の融解と共に応力解放に起因する孔壁の変形(水平方向歪み)を、前記試験用加圧空間42内のセル液圧力を加減して拘束する(前記変形を零に制御する所謂K0 状態を保つ)と、原位置の凍結地盤が完全に融解した時点のセル液圧力を原位置地盤の水平方向応力として求められる。 【0006】差圧変換器56は孔壁の変形(水平方向ひずみ)を検出し、地上の空気圧制御機構61で調節された空気圧が水頭管55を通じてセル液に加えられ、孔壁の変形を零に戻すようにフィードバック制御が行なわれる。その間、ヒーター52は凍結地盤と接する試験用加圧空間42のセル液を加温し、その温度を略一定に保ち測定誤差の発生を防ぐ。前記K0 状態を保つのに必要とされた試験用加圧空間42内のセル液圧力は空気圧計62の空気圧の大きさとして計測され、この計測値を水圧検出器58で求めた原位置の孔内水圧と比較考量することにより、原位置地盤(実地盤)の水平方向応力(有効応力)が求められる。 【0007】図4において、符号50は脱気部49からの脱気ノズルで、空気抜き弁51が取付けられている。前記空気圧制御機構61はサーボモータ65で駆動される空気圧力調節器66で構成され、空気圧力調節器66に空気圧源60が接続されている。前記の差圧変換器56で計測した水平方向ひずみの計測値がひずみ増幅器63へ入力され、これに基づくサーボ制御器64の出力でサーボモータ65が自動制御される。 【0008】 【本発明が解決しようとする課題】 ■ この原位置試験装置をスムーズに試験用孔9内へ挿入し設置するため、試験用孔9の口径は試験装置の外径よりも少し大きく形成される。このため、図4に示した従来の原位置試験装置の試験用加圧空間42の外周面を形成するゴムスリーブ40で変形を拘束した孔壁部分に隣接する上下の孔壁は、凍結の融解に伴って自由に変形し崩壊を生ずる。その結果、前記隣接孔壁の変形や崩壊の影響がゴムスリーブ40で拘束した試験部分の孔壁に大なり小なりの影響を及ぼし、それが試験誤差の原因となることが推定され、この点の解決が必要である。 ■ 原位置試験装置の一般的使用法は、地上で予めセル液を適量注入して凍結地盤の試験用孔9の中へ挿入されるが、通常−20℃程度の不凍液(安定液)で満たされた試験用孔9の中へ目標の試験位置まで下ろして試験の準備をする間にセル液は強く冷却される。とりわけ細く長い水頭管55内の水は凍結してしまい(図4参照)、試験用加圧空間42内のセル液の体積変化が精度良く水位の変動に変換されない状態となって試験不能に陥る不都合が起こり得る。 ■ 同様に、試験用孔9の中へ挿入した原位置試験装置の試験準備のため、地上のセル液供給機構48からセル液を供給しようとしても、原位置試験装置に至るセル液供給管53(図4参照)内の水が凍結していまい供給不能となる不都合が起こり得る。 【0009】従って、本発明の目的は、上記の各問題点、とりわけ試験用加圧空間の外周面を形成するゴムスリーブで変形を拘束した孔壁部分に隣接する上下の自由な孔壁部分の変形、崩壊に起因する試験誤差の発生を未然に防止して試験精度を高めた原位置試験装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上述した従来技術の課題を解決するための手段として、この発明に係る原位置地盤凍結による地盤の水平方向応力を求める原位置試験装置は、図1〜図3に実施例を示したとおり、凍結地盤中に掘削した所望深さの試験用孔9中の試験位置に挿入され、周側面をゴムスリーブ40で形成された加圧空間42の前記ゴムスリーブ40を膨張させ孔壁面に当接させることによって試験準備を整え、原位置の凍結地盤が融けるのに伴い地盤が前記試験用孔9の半径方向に変形しようとする水平方向ひずみを前記ゴムスリーブ40に作用する流体圧力で拘束する制御を行ない、原位置の凍結地盤が完全に融けた時に前記ゴムスリーブ40に作用している流体圧力を原位置地盤の水平方向応力として求める原位置試験装置において、周側面をゴムスリーブで形成された加圧空間は、本来の試験用加圧空間42のほか、その上下に隣接して設けられた独立の補助用加圧空間42a、42bとの少なくとも合計3個を試験装置の軸線方向に並べた形で形成され、前記試験用加圧空間42と二つの補助用加圧空間42a、42bとに各々独立した供給系統47、86、87でセル液が満たされ、かつ独立の圧力制御系統55、56、57と82、84、85によって各ゴムスリーブ40と40a、40bに作用するセル液圧力が制御されることを特徴とする(図1)。 【0011】本発明の原位置試験装置はまた、前記試験用加圧空間42及び補助用加圧空間42a、42bに接続されたセル液供給管47と86、87の途中にそれぞれ二方向電磁弁54、81が設けられ、この二方向電磁弁54、81で分岐され垂直上向きの配置とされた水頭管55と85は装置ハウジング41に付設した断熱容器10の中に収納して設置され、前記断熱容器10の中に前記水頭管55を水没させる程度に封印水11が満たされ、前記封印水11を加熱するヒータ12、及び封印水11の水温を測定する温度センサ13が付設されていること(図2)、及び、ゴムスリーブで加圧空間が形成される装置ハンジング41に断熱性のセル液容器20が付設され、前記セル液容器20内にセル液21が収容され、セル液容器20のセル液出口19に接続したセル液供給管23と23’は前記二方向電磁弁54、81を介してゴムスリーブ40と40a、40bの内側の加圧空間42と42a、42b及び水頭管55、85と接続され、前記セル液容器20の中にエアバック24が設置され、前記エアバック24の空気出入口25は地上の空気圧制御機構と接続されていること(図3)、もそれぞれ特徴とする。 【0012】 【作用】 (a)試験用加圧空間42の外周面を形成するゴムスリーブ40で変形を拘束した孔壁の上下に隣接する孔壁部分は、上下の補助用加圧空間42aと42bの外周面を形成するゴムスリーブ40aと40bで同様に変形を拘束される。よって、上下に隣接する非拘束の変形が自由な孔壁部分の変形や崩壊の影響は前記試験用加圧空間42のゴムスリーブ40で拘束した孔壁部分に及ぶことはほとんどなく、高い試験精度を確保できる。 (b)細く長い水頭管55は、第一に断熱容器10によって外周から伝わる冷熱から保護される。第二には断熱容器10内に収容した封印水11によっても冷却から保護される。その上、封印水11の水温は温度センサ13で測定し、温度制御装置を通じて封印水11の水温を略一定の温度に保つので、水頭管55内の水が凍結するおそれは決してなく、温度差(水の体積変化)に伴う試験誤差を微小化できる。 (c)原位置試験装置の機能上必要とされる量のセル液21が断熱性のセル液容器20内に予め地上で収容され、試験装置と共に試験用孔9内に下される。断熱性のセル液容器20に収容されたセル液21は、周囲からの強い冷却から保護されるので凍結する心配もない。そして、地上の空気圧制御機構を操作してエアバッグ24を膨張させると、その膨張体積相当文のセル液21がセル液容器20から送り出され、二方向電磁弁54を経て試験用加圧空間42あるいは補助用加圧空間42a、42bへ供給又は補給される。従って、従来のように原位置試験装置と地上のセル液供給機構(図4の符号48を参照)とを連結するセル液供給管(図4の符号48、53を参照)を用意してセル液を補充することは一切無用である。よって、前記セル液供給管内の水が凍結することに原因するトラブルのおそれはない。 【0013】 【実施例】次に図1〜図3に示した本発明の実施例を説明する。図1〜図3に示した原位置試験装置の構成原理と使用法及び作用(機能)の大部分は、上述した図4の装置とほぼ共通するので、重複する説明は省く。まず、図1に示した原位置試験装置は、原位置の凍結地盤に形成された試験用孔(図4の符号9を参照)の口径と略同径の円筒形(φ190、長さ350mm位)をなす上下3個のゴムスリーブ40と40a、40bが、少し小さい外径(φ160)の円筒形状をなす装置ハウジング(以下、単にハウジングと言う)41の外周に同心円配置に被せられ、ゴムスリーブとハウジングの外周面との間に完全に密閉された環状の加圧空間42と42a、42bが上下方向に独立して3個隣接して形成されている。符号42が本来の試験用加圧空間で、42aと42bは前記試験用加圧空間42の上下に隣接して設けられた補助用加圧空間である。図1の実施例では上下3個のゴムスリーブ40と40a、40bは一連のものとして形成され、各加圧空間42と42a、42bの境界部分を固定リング80で締付け固定した構成とされているが、ゴムスリーブを各加圧空間毎に独立のものとして形成し実施することもよい。前記ゴムスリーブの両端部は、一層具体的には図2と図3に詳示したように、ハウジング41へねじ込まれた締付けリング44でテーパーリング45を押し込むことにより、くさび効果で強固に固定され水蜜性が保持されている。前記3個の加圧空間42と42a、42bには、セル液の供給管47と86、87が各々前記円筒形のハウジング41の中空部からノズル46を介して接続され、3個の加圧空間42と42a、42b内には脱気された水又は不凍液の如きセル液が個別の供給系統で満たされている。また、各加圧空間42と42a、42b内には、試験中にセル液の温度を約12℃〜13℃の範囲に保ち、セル液の体積変化に起因する試験誤差を防ぐフレックスヒーター52が設置されている。各加圧空間42と42a、42b内にセル液の温度は熱電対39で計測し、地上の温度制御機構(図示は省略)で管理される。前記セル液供給管47と86、87の途中に二方向電磁弁54と54’及び81と83が設置され、上方の二方向電磁弁54’と83によって分岐された管路がハウジング41の中空部内の上方部分に垂直上向きに配置された水頭管55、85と接続されている。 【0014】この原位置試験装置の使用上必要な量のセル液は、ハウジング41の下部に取り付けた保護ケース41b内に断熱性材質によるセル液容器20を付設し、該セル液容器20内に収容されている。セル液容器20の中には同容器20の内容積と等しい体積に膨脹可能なエアバッグ24が設置され、同エアバッグ24の空気出入口25に接続した空気管90を通じて地上の空気圧制御機構から空気を送りエアバッグ24を適度な大きさ(体積)に膨脹させ、その体積膨脹相当量のセル液が送り出される。前記セル液容器20には2本のセル液送り出し管23と23’が設けられている。一方のセル液送り出し管23にはまず二方向電磁弁54が設けられ、差圧変換器56が設けられ、試験用加圧空間42に至るセル液供給管47が分岐された位置より上方に第2の二方向電磁弁54’が設けられ、その上方の水頭管55と接続されている。地上の図示を省略した空気圧制御機構(図4の符号61、62等を参照)から配管された空気圧管57が、途中で分岐されて前記水頭管55及び差圧変換器56と接続されている。 【0015】他方のセル液送り出し管23’にも、まず二方向電磁弁81が設けられ、その先の管路は下側の補助用加圧空間42bへ至るセル液供給管87と、上側の補助用加圧空間42aへ至るセル液供給管86とに分岐され、垂直に立ち上がる液供給管86の途中に差圧変換器82が設けられている。また、前記セル液供給管86の上部に第2の二方向電磁弁83が設けられ、その上方の水頭管85と接続されている。そして、同じく地上の空気圧制御機構(前記空気圧管57に係る空気圧制御機構と類似的構成であるが、独立した機構)から配管された空気圧管84が、途中で2本に分岐されて前記水頭管85及び差圧変換器82と接続されている。 【0016】従って、この原位置試験装置は、ボーリングロッド59の先端に取り付けて試験用孔9(図4参照)内に下ろし、試験位置に達した段階で、まず空気圧管90を通じて空気を送りエアバッグ24を膨脹させて試験用加圧空間42及び補助用加圧空間42a、42bへセル液を供給し又は補充する。しかる後に地上の空気圧制御機構を通じて水頭管55と85及び差圧変換器56と82へ空気圧を作用させ、試験用加圧空間42のゴムスリーブ40及びその上下の補助用加圧空間42aと42bのゴムスリーブ40aと40bにそれぞれ孔壁の半径方向(水平方向)の変位を零に拘束する(所謂K0 状態を保つ)強さのセル液圧力を作用させる。かくして原位置の凍結地盤が完全に融解した時点における前記試験用加圧空間42内のセル液圧力が水頭管55と差圧変換器56に作用させた空気圧管57内の空気圧の大きさとして例えば図4の空気圧を計62で読み取られ、真正な水平方向応力が求められる。 【0017】 【異なる実施態様】図1の実施例では、水頭管55、85が装置ハウジング41の上方へ少し突き出ている。また、図4の従来例では水頭管55が装置ハウジング41の上方へ完全に露出されている。従って、こうした水頭管55、85は、試験用孔内に満たされた−20℃程度の孔壁安定液の冷熱によって強く冷却され、管内の水(セル液)が凍結する不都合がある。こうした不都合を回避するために、図2の実施例では、水頭管55(及び水頭管85も同様。但し、具体的な図示は省略した。以下同じ。)は、断熱性に優れたアクリル樹脂製で立型円筒形状をなす透明な断熱容器10内の中心部に垂直に設置されている。断熱容器10は、ハウジング41の上端に水蜜的に継ぎ足された透明なアクリル樹脂製の円筒部41aの中空部内の上方部位に設置されている。但し、その場所は実施例の限りではない。断熱容器10の中には断熱用の封印水11が前記水頭管55の前部を水没させるレベルに満たされ、この封印水11を加温するヒータ12も設置されている。更に前記断熱容器10の上下に温度センサとしての熱電対13が設置されている。熱電対13の計測値は地上の温度制御機構(図示省略)に入力され、水温が下がり君の場合にはヒータ12を発熱させて封印水11の水温を、ひいては水頭管55内の水温を約12℃〜13℃に保つ温度制御が行なわれる。従って、水頭管55内の水の凍結の心配は全くないし、水の体積変化による試験誤差の心配もない。前記断熱容器10の上部には、前記水頭管55に連通する、かなり大きな容量の水溜り72が設けられている。これは試験準備の際に水頭管55内の水がオーバーフローした場合でも、前記の水溜り72にオーバーフロー水を収容させ、その位置より上方の空気圧管57にまでは入り込ませない構成とするためである。 【0018】前記アクリル樹脂製の円筒部41aの上端にエンドプレート30が水蜜的に設置され、このエンドプレート30の上面中央部に、地上で支持されたボーリングロッド59を接合するジョイント部31が設けられている。図1中の符号29は各制御信号線などの接続用として設けられた防水メタルコンセントである。次に、図3は、エアバッグ24を内蔵したセル液容器部分の異なる構成の実施例を示している。前記ハウジング41の下端部にステンレス鋼製の保護ケース41bが継ぎ足され、この保護ケース41bの中空部内に、断熱性の合成樹脂製で密閉容器構造のセル液容器20が収納されている。このセル液容器20は、当該原位置試験装置の機能上必要とされる量のセル液21を収納可能な内容量で形成されている。前記のセル液容器20には、その底部付近に出口22aをもつセル液導出孔22がセル液容器20の側壁を上端まで貫通されている。前記セル液導出孔22の上端出口に取り付けた出口ノズル19が、セル液供給管23’(及びセル液供給管23も同じ。但し、図示は省略した。)によって上記補助用加圧空間42bのための二方向電磁弁81のノズル18と接続されている。前記セル液容器20の中に、同容器20の天端壁に空気出入口ノズル25をもつエアバッグ24が収納されている。エアバッグ24を膨脹させることによってセル液容器20から押し出されたセル液21は、セル液供給管23、23’から二方向電磁弁54、81を経て、試験用加圧空間42あるいは補助用加圧空間42a及び42bへ供給される。前記エアバッグ24の空気出入口ノズル25に空気圧管90が接続され、これが地上の図示を省略した空気圧制御機構と接続されている。 【0019】なお、原位置試験装置を試験用孔内に下して試験準備を整える間、及び試験中に、試験用加圧空間42及び補助用加圧空間42a、42b内のセル液の水温を約12℃〜13℃の範囲に保つ温度制御、及び水頭管55内の水の温度を略一定に保つ温度制御が、温度センサ39と13による計測及びヒータ52と12による加温とによって行なわれ、試験精度の確保が行なわれる。 【0020】 【本発明が奏する効果】本発明に係る原位置試験装置によれば、原位置地盤凍結による地盤の水平方向応力が、試験用加圧空間42のゴムスリーブ40で拘束した孔壁部分に隣接する上下の孔壁部分の変形や崩壊による悪影響が上下の補助用加圧空間42aと42bのゴムスリーブ40aと40bによって阻止され、高精度に求められる。その上、セル液の凍結によるトラブルの心配もなく、また、水の温度変化(水の体積変化)に起因する誤差がほとんどない状態で高精度に高信頼性の試験を行なえる。
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