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発明の名称 フッ素樹脂の表面改質法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−220231
公開日 平成6年(1994)8月9日
出願番号 特願平5−12500
出願日 平成5年(1993)1月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
発明者 遠藤 正雄 / 長瀬 智洋 / 西川 昭文 / 真柄 宏之
要約 目的
汎用的にPTFEやPFA等を含むフッ素樹脂表面の接着性や濡れ性等を大幅に改良し得るフッ素樹脂表面の改質法を提供する。

構成
フッ素樹脂表面を、H2/N2混合ガスの存在下において、低温プラズマエッチング処理することを特徴とするフッ素樹脂の表面改質法。
特許請求の範囲
【請求項1】 フッ素樹脂表面を、H2/N2混合ガスの存在下において、低温プラズマエッチング処理することを特徴とするフッ素樹脂の表面改質法。
【請求項2】 混合ガス中のH2の含有量が30〜70容量%である請求項1記載の方法。
【請求項3】 雰囲気圧が0.1〜10Torrである請求項1または2記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、低温プラズマ処理によるフッ素樹脂の表面改質法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は他の樹脂類に比べて、撥水撥油剤、摺動性、防汚性、耐熱性、耐薬品性および電気的特性等の点において優れているために、多様な用途を有しているが、その不活性な表面に起因して、接着剤や塗料等の塗布が困難なだけでなく、他の材料との複合化が難しいという欠点がある。
【0003】このような欠点を改善するために、従来から種々のフッ素樹脂表面改質法が提案されているが、フッ素樹脂全般に対して効果的に適用し得る表面改質法はほとんどない。例えば、ETFE(テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマー)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の表面改質はコロナ放電や低温プラズマ法によって容易におこなうことができるが、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルコキシエチレンコポリマー)等の表面改質は、従来のこの種の方法によっては十分におこなうことができない。
【0004】PTFEやPFA等の表面改質法としては、主として金属ナトリウム錯体法が利用されており[例えば、ネルソン(E.R.Nelson)ら、Ind.Eng.Chem.,第5巻、第329頁(1958年)参照]、その他、アンモニアガス、アンモニア/アルゴン混合ガス、またはH2を主成分とするガスの存在下で低温プラズマスパッタエッチングする方法(例えば、特公昭58−21928号公報、特公平3−58375号公報、および特開平2−127442号公報参照)等も使用されている。
【0005】しかしながら、金属ナトリウム錯体法には、処理面の活性が紫外線の照射や加熱処理によって低下するという難点があるだけでなく、危険で不安定な処理液を利用するために、作業性や廃液処理等の点でも問題があり、また、従来の低温プラズマスパッタエッチング法には、(i)高真空装置を必要とする、(ii)処理速度が遅い、(iii)処理面の化学組成が変化しないために、高い接着強度が得難い、(iv)低分子量フッ素樹脂が処理ガス中に混入し、装置内部等に付着する、等の欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の低温プラズマ処理法を改良し、PTFEやPFA等を含むフッ素樹脂に汎用的に適用でき、該樹脂の接着強度や濡れ性を効果的に向上させるフッ素樹脂の表面改質法を提供するためになされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ちこの発明は、フッ素樹脂表面を、H2/N2混合ガスの存在下において、低温プラズマエッチング処理することを特徴とするフッ素樹脂の表面改質法に関する。
【0008】本発明において使用するフッ素樹脂は、含フッ素ポリマーであって、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルコキシエチレンコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ペルフルオロアルコキシエチレンターポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、トリフルオロクロロエチレン−エチレンコポリマー(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等またはこれらの任意の混合物が挙げられる。
【0009】本発明によって処理されるフッ素樹脂の具体的形状は特に限定的ではないが、シート、フィルム、パイプ、多孔質膜およびその他の任意の形状を有する成形体等が例示される。
【0010】本発明においては、上記のフッ素樹脂の表面は、H2/N2混合ガスの存在下において、低温プラズマエッチング処理に付される。H2ガスとN2ガスの混合比は特に限定的ではないが、通常は、H2:N2=30:70〜70:30、好ましくは40:60〜60:40(容積比)であり、処理装置内への該混合ガスの注入量は20〜40ミリリットル/分である。雰囲気圧(真空度)は0.1〜10Torr、好ましくは0.1〜1Torrであり、0.1Torrよりも低くなると、スパッタエッチングが支配的となり、表面に反応生成した官能基がスパッタリングされ、官能基の導入が少ない。また、10Torrよりも高くなると、プラズマ放電が不安定となる。低温プラズマエッチング処理における高周波周波数は通常、数+KH2〜数+MH2、好ましくは13.56MH2である。
【0011】被処理フッ素樹脂は、接地電極(陽極)側に配置させるが、シートやフィルム状の試料の場合には、接地電極に接触させながら処理するのが効率的である。なお、処理時間は、通常、10〜60秒間で十分である。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1図1に示す態様の低温プラズマエッチング処理装置を用いてPTFE製シート(厚さ:0.2mm)またはPFA製シート(厚さ:0.1mm)を下記の条件下で処理した。雰囲気ガスとしては、比較のために、H2ガス、N2ガス、Arガス、またはHe/H2混合ガスを使用した。なお、図1において、(1)は高周波発生電源、(2)はマッチングボックス、(3)は印加電極(陰極)、(4)は接地電極(陽極)、(5)はPTFE製シートまたはPFA製シート、(6)はシート走行装置、(7)は真空ポンプ、(8)はガスボンベ、(9)は減圧弁、(10)は圧力計、(11)は流量計、(12)は真空計を示す。
印加電極:100mm×300mm(水冷;流水計15リットル/分)接地電極:80mmφ(水冷;流水量10リットル/分)電極間距離:30mm高周波発生電源:13.56Mz(2,000V)印加電力:0.3〜1.2KW雰囲気圧(真空度):0.02〜5Torrガス量:10〜40ミリリットル/分シート速度:0.15〜1.2m/分【0013】上記の低温プラズマエッチング処理に付したPTFE製シートまたはPFA製シートの表面における接触角および180°剥離強度を次の条件下で測定した。なお、一部の試料についてはXPS分析をおこなった。
接触角の測定条件接触角は、協和界面科学(株)製(接触角計CA−A)を用い、液適法にて水との接触角を測定しました。
180°剥離強度の測定条件接着剤:常温硬化型エポキシ樹脂(コニシ株式会社製ボンドEセット)相手材:SUS304(0.3mm×25mm×150mm)硬化条件:常温で20時間加圧(10g/cm2)硬化テストスピード:100mm/分(オートグラフ)XPS分析条件島津製作所(株)製(X線光電子分光分析計ESCA−850S)を用い、MgKα:45°にて表面化学状態を測定した。
【0014】得られた結果を以下の表1〜表6に示す。表1はPTFE製シートの接触角(度)に関するものである。表2はPTFE製シートの180°剥離強度(Kg/cm)に関するものであり、シート速度は0.3m/分である。表3はPTFE製シートの接触角(度)に関するものであり、印加電力は1Kwである。表4はPTFE製シートの接触角(度)に関するものであり、印加電力は1Kwである。表5はPTFE製シートの表面原子状態の変化を示すXPS分析の結果であり、印加電力は1Kw、ガス量は20ミリリットル/分、シート速度は0.15m/分である。表6はPFA製シートの180°剥離強度(Kg/cm)に関するものであり、印加電力は0.3Kw、真空度は0.15Torr、ガス量は20ミリリットル/分である。
【0015】
【表1】

【0016】
【表2】

【0017】
【表3】

【0018】
【表4】

【0019】
【表5】

【0020】
【表6】

【0021】表1、表3、および表4から明らかなように、本発明によれば、フッ素樹脂表面を効果的に親水化させることができる。表2および表6から明らかなように、本発明によれば、フッ素樹脂表面の接着強度を効果的に向上させることができる。また、表5のXPS分析の結果から明らかなように、H2ガス単独の場合には、フッ素樹脂表面は脱フッ素化されるが、酸素化の程度が低く、また、N2ガス単独の場合には、脱フッ素化の程度が低く、N原子の導入も比較的少ないが、H2/N2混合ガスの場合には、O原子やN原子の導入が多く、脱フッ素化も効果的に進行する。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、化学的および物理的に不活性なPTFEやPFA等を含むフッ素樹脂表面を、フッ素樹脂の特性である優れた耐熱性、耐薬品性および電気的特性等を損うことなく、効果的に改質することができ、これによって、フッ素樹脂の濡れ性、接着性、印刷性および塗装性等は大幅に改善される。従って、本発明によって表面改質されたフッ素樹脂成形体等は、多様な印刷や塗装処理および他の樹脂類や無機材料との複合化等の二次加工に供することができ、該成形体等の付加価値は飛躍的に増大する。




 

 


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