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5,6,7,8−テトラヒドロキノリン類の製造方法 - 住金化工株式会社
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発明の名称 5,6,7,8−テトラヒドロキノリン類の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−157461
公開日 平成6年(1994)6月3日
出願番号 特願平4−311985
出願日 平成4年(1992)11月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 章一
発明者 伊藤 育夫 / 佐藤 利雄 / 鴇田 美智男
要約 目的


構成
石炭タール系キノリンを卑金属水添触媒の存在下に水添し、得られた1,2,3,4−テトラヒドロキノリンを含有する水添反応生成物を貴金属触媒の存在下に水素雰囲気中で異性化することを特徴とする、 5,6,7,8−テトラヒドロキノリンの製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】 石炭タール系キノリンを卑金属水添触媒の存在下に水添し、得られた 1,2,3,4−テトラヒドロキノリンを含有する水添反応生成物を貴金属触媒の存在下に水素雰囲気中で 5,6,7,8−体に異性化することを特徴とする 5,6,7,8−テトラヒドロキノリン類の製造方法。
【請求項2】 異性化反応で副生したキノリン類及びデカヒドロキノリン類を異性化反応生成物から回収して、異性化反応を受ける水添反応生成物に添加することを特徴とする、請求項1記載の 5,6,7,8−テトラヒドロキノリン類の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、農薬などの合成中間体として有用な 5,6,7,8−テトラヒドロキノリン (以下、 5,6,7,8−THQと略記する)類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】5,6,7,8−THQの製造方法としては、次の■〜■の方法が従来より知られている。
■キノリンおよび/または 1,2,3,4−テトラヒドロキノリン (以下、 1,2,3,4−THQと略記する) を白金やパラジウム等の貴金属触媒の存在下、300 ℃以上の温度と10 atm以上の水素圧力の条件で水素化する方法 (英国特許第1,038,644 号公報) 。
■キノリンをニッケル触媒の存在下に水添し、得られた 1,2,3,4−THQを次いで同様にニッケル触媒存在下で異性化する方法 (特開昭63−112562号) 。
■ 1,2,3,4−THQを貴金属触媒存在下、窒素ガス雰囲気中にて 200〜250 ℃で異性化する方法 (特開平4−169572号公報) 。
【0003】しかし、■の方法では、その反応条件が高温高圧と厳しいため、キノリンの転化率を上げると副生物であるデカヒドロキノリンの生成が増えるという問題があり、 1,2,3,4−THQを出発原料とした場合には、 5,6,7,8−THQの収率が37%と低く、工業的な方法とは言えない。
【0004】■の方法は、安価なニッケル触媒を使用する利点はあるが、特開昭63−112562号によれば、原料キノリンを塩類にして再結晶する等の方法で高度の脱硫処理を施し、硫黄含有量を10 ppm以下に下げる必要がある。しかも、得られる 5,6,7,8−THQにはこれと分離しにくい副生物が多く含まれるため、高純度の 5,6,7,8−THQを得ることは容易ではない。
【0005】■の方法は、実施例では高純度の 5,6,7,8−THQを得ているが、そのために石炭タール系キノリンの水素化で原料の 1,2,3,4−THQを合成する際に、メタノール等の溶媒を使用して水添し、水添生成物を精密蒸留に付して精製している。従って、溶媒回収や、精密蒸留の工程が加わり、工程が複雑となる。また、こうして精製した 1,2,3,4−THQを用いても、異性化での 5,6,7,8−THQの収率は53.7%と工業的にみて十分な値とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の 5,6,7,8−THQの製造方法は、いずれも工業的実施にとって満足できるものではなかった。本発明の目的は、上述した従来技術の問題点がない 5,6,7,8−THQの製造方法を提供することである。具体的には、石炭タール系キノリンを精製せずに原料として使用し、目的生成物との分離の困難な副生物の生成を抑えて、比較的温和な反応条件および少ない触媒使用量で5,6,7,8 −THQを収率よく製造することが可能な 5,6,7,8−THQの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明により、石炭タール系キノリンを卑金属水添触媒の存在下に水添し、得られた 1,2,3,4−THQを含有する水添反応生成物を貴金属触媒の存在下に水素雰囲気中で異性化することを特徴とする 5,6,7,8−THQの製造方法が提供される。
【0008】以下、本発明について詳しく説明する。原料として使用する石炭タール系キノリンは、コールタール系油、石炭液化油等から酸抽出して得たタール塩基の蒸留により製造されたキノリン留分である。原料キノリンは、キノリン骨格またはイソキノリン骨格の何れかを有していればよく、メチル基、エチル基等のアルキル置換基を有する置換キノリン類もこれに包含される。また、原料キノリンは1種のみならず、2種以上の混合物であってもよい。
【0009】従って、本発明の方法の目的生成物である 5,6,7,8−THQは、 5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、5,6,7,8 −テトラヒドロイソキノリン、ならびにこれらのキノリンおよびイソキノリン化合物のアルキル置換誘導体を包含するものである。中間生成物である 1,2,3,4−THQについても同様である。
【0010】前述したように、石炭タール系キノリンは、種々の硫黄化合物を一般に硫黄分として 200〜400 ppm の量で含んでいるが、本発明においてはこのような硫黄分や他の不純物の多い石炭タール系キノリンを精製せずにそのまま反応に使用することが好ましい。面倒な原料の精製が省略でき、工業的に有利であるばかりでなく、後で説明するように、次工程の異性化反応の触媒活性は原料に由来する微量の不純物が反応系に存在するとかえって高くなることが判明したからである。
【0011】この石炭タール系キノリンをまず水添して 1,2,3,4−THQを生成させる。この水添反応の触媒としては、ニッケル、コバルト、モリブデン、銅、クロムなどの卑金属系の水添触媒を使用する。好ましい水添触媒は、安定化ニッケル、ラネーニッケルなどの金属ニッケルを含有する触媒であり、特に安定化ニッケルが好適である。
【0012】触媒の使用量は原料タール系キノリンの 0.5重量%以上であればよい。上限は原料キノリンの30重量%程度まで可能である。好ましい触媒の使用量は、原料キノリンの1〜20重量%の範囲である。
【0013】この水添反応において、卑金属触媒を多量に使用したり、温度や水素圧力などの反応条件を変えたり、反応時間を長くしても、石炭タール系キノリンから一段の水添反応で 5,6,7,8−THQを収率よく得ることは不可能である。水添反応をパラジウム、白金などの貴金属触媒を用いて行うことも可能であるが、やはり触媒量や反応条件を変えても、石炭タール系キノリンから 5,6,7,8−THQを高収率で直接製造することはできない。
【0014】これは、石炭タール系キノリンから 1,2,3,4−THQへの水添反応に比べて、1,2,3,4−THQから 5,6,7,8−THQへの異性化反応の方が困難であって、より高い触媒活性を必要とするからである。貴金属触媒は高い触媒活性を有するが、石炭タール系キノリンは硫黄化合物をはじめとする種々の触媒毒を含有しているため、水添工程でこの触媒毒により貴金属触媒が被毒してしまうと、その本来の高い触媒活性を異性化工程で発現できない。従って、石炭タール系キノリンの水添反応では、高価な貴金属触媒を用いることの利点はなく、工業的見地から安価な卑金属触媒を使用する。
【0015】石炭タール系キノリンの水添の反応条件は特に限定されず、温度約 100〜300℃、水素圧約10 kg/cm2G以上の広い範囲の条件で水添を行うことができる。好ましい反応条件は、温度約 110〜250 ℃、水素圧約10〜100 kg/cm2G である。
【0016】この水添反応は、飽和脂肪族炭化水素やアルコールなどの溶媒の存在下でも実施できるが、溶媒回収の際に、次の異性化反応の触媒活性を左右する原料由来の微量の不純物が除去される恐れがあるため、無溶媒で行う方が望ましい。また、蒸留等の溶媒回収工程が不要となるので、工業的見地からも無溶媒の方が有利である。
【0017】石炭タール系キノリンの水添反応の反応終了の目安は、原料キノリンの大部分、例えば80%以上、好ましくは90%以上が 1,2,3,4−THQに転化した時点である。この段階で水素吸収がほぼ停止するので、これを反応の終点とすることができる。この水添反応に要する時間は、反応条件や使用する卑金属水添触媒によっても異なるが、一般に 0.5〜10時間である。
【0018】石炭タール系キノリンの水添により得られた反応生成物は、 1,2,3,4−THQ以外に少量の未反応原料、副生物、微量成分 (原料に由来する硫黄含有化合物などの不純物成分) 、および触媒を含有する混合物である。
【0019】次の異性化反応の原料としては、上記水添工程で得られた反応混合物から固体の触媒のみを濾過などの手段で除去して用いても、或いは触媒を除去せず反応混合物をそのまま用いてもよい。異性化反応で用いる貴金属触媒を回収して再利用する場合には、これと混ざらないように、異性化反応前に卑金属水添触媒を分離しておくことが好ましい場合もある。一方、貴金属触媒を再利用しない場合には、水添反応生成物をそのまま異性化に使用する方が、触媒の分離工程が省略でき、有利である。
【0020】特開平4−169572号公報に記載のように、蒸留により水添反応混合物から回収した 1,2,3,4−THQを異性化反応の原料として用いることもできるが、このように蒸留すると異性化触媒の活性に有利に作用する原料キノリン由来の微量不純物成分が除去されることがあるため、水添工程の反応混合物は蒸留せずに異性化工程に使用することが好ましい。
【0021】異性化工程では、 1,2,3,4−THQを含有する水添工程の反応生成物に貴金属触媒を加えて水素雰囲気下で処理すると、目的物である 5,6,7,8−THQとの蒸留分離が困難な副生物の生成を抑えて、 1,2,3,4−THQを 5,6,7,8−THQに選択率よく異性化することができる。
【0022】先に述べたように、キノリンから 1,2,3,4−THQへの水添反応に比べ、 1,2,3,4−THQから 5,6,7,8−THQへの異性化反応の方が困難であって、より高い触媒活性を必要とする。このため、本発明では、異性化反応には高い触媒活性を示す貴金属触媒を使用する。
【0023】使用しうる貴金属触媒としては、パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム等が挙げられる。一般に、これらの貴金属触媒は活性炭、アルミナ、ケイソウ土などに担持して使用される。活性炭担持貴金属触媒は、無水品を使用することが好ましい。
【0024】貴金属触媒の使用量は、貴金属量として水添反応生成物に対して1〜40重量%の範囲が好ましい。触媒使用量が1重量%未満では異性化反応が起こりにくく、40重量%より多いと経済的に不利となる。より好ましい貴金属触媒の使用量は、2〜15重量%である。
【0025】異性化反応の原料は、石炭タール系キノリンの水添で得た 1,2,3,4−THQを含む反応生成物である。この反応生成物は、水添原料である石炭タール系キノリンに由来する各種の不純物を含有しており、中でも硫黄化合物を一般に 0.005〜0.04重量% (50〜400 ppm)の硫黄分に相当する量で含有する。これらの不純物は触媒毒として作用するものと一般に考えられており、このように高濃度の触媒毒を含む原料を高価な貴金属触媒を用いた反応に使用することは不可能というのが従来の技術常識である。
【0026】この常識に反して、 1,2,3,4−THQから 5,6,7,8−THQへの異性化反応においては、水素雰囲気であれば、硫黄化合物などの微量の不純物が共存しても、目的とする異性化反応は著しく妨害されず、貴金属触媒が有している高い触媒活性が有効に発現されることを見出した。しかも、水素雰囲気でこの微量の不純物が共存すると、 5,6,7,8−THQからの蒸留分離が困難な副生物の生成が抑制され、目的とする 5,6,7,8−THQを高い選択率で製造することができることも判明した。
【0027】従って、本発明の好適態様では、石炭タール系キノリンの水添で得た反応生成物に、そのまま貴金属触媒を添加するか、或いはこの反応生成物から卑金属水添触媒を分離してから貴金属触媒を添加することによって、異性化反応を行う。それにより、水添反応生成物の精製のための蒸留操作が省略できる上、 5,6,7,8−THQの収率も向上する。
【0028】異性化反応は、水添反応と同様、炭化水素系などの溶媒を存在させて実施することもできるが、反応後に蒸留などの溶媒回収工程が必要となるため、溶媒を使用しない方が工業的には有利である。
【0029】本発明においては、異性化反応は水素雰囲気で実施する。窒素などの不活性雰囲気では異性化反応の収率が低下する。水素圧は特に限定されないが、通常はオートクレーブなどの密閉反応容器内の空気の水素置換のみ、即ち、自生圧で十分である。反応温度は 200〜300 ℃が好ましい。300 ℃より高くなると分解等の副反応を生じ易くなる。200 ℃より低いと、異性化反応時間が長くなりすぎ、実際的ではない。
【0030】反応時間は、反応条件や原料となる 1,2,3,4−THQの種類によっても異なるが、通常は 0.5〜10時間である。例えば、原料がキノリンの水添で得た 1,2,3,4−テトラヒドロキノリンである場合には、230 ℃の反応温度で4〜6時間、反応温度が260 ℃では2〜4時間が目安となる。
【0031】異性化反応の反応生成物は、 5,6,7,8−THQ以外に副生物として少量のキノリン類(キノリンおよびそのアルキル置換体)およびデカヒドロキノリン類(デカヒドロキノリンおよびそのアルキル置換体)を含有する。これらの副生物は、5,6,7,8−THQとは沸点がかなり異なるため、蒸留により 5,6,7,8−THQから容易に分離できる。一方、 5,6,7,8−THQと沸点が近似し、分離が困難な化合物は実質的に副生しない。従って、反応生成物から、例えば濾過などにより触媒を回収した後、蒸留などの精製に付すことにより、高純度の 5,6,7,8−THQを容易に取得することができる。異性化反応に用いた貴金属触媒は、回収して、必要であれば公知の再生処理をしてから再利用できる。
【0032】異性化反応生成物の蒸留では、未反応の 1,2,3,4−THQや副生したキノリン類およびデカヒドロキノリン類も回収される。回収された未反応 1,2,3,4−THQは異性化反応の原料として、キノリン類は水添反応原料としてそれぞれ再使用できる。
【0033】本発明の好適態様にあっては、上記のように異性化反応生成物から蒸留などにより分離・回収された異性化反応副生物のキノリン類及びデカヒドロキノリン類を、次回以降の異性化反応において、異性化反応原料である水添反応生成物に添加する。それにより、異性化反応でのキノリン類やデカヒドロキノリン類の副生を効果的に抑制することができる。
【0034】その場合のキノリン類およびデカヒドロキノリン類の水添反応生成物への添加量は、異性化反応生成物中におけるそれぞれの含有量に相当する含有量を生じる量に近づける (具体的には、異性化反応生成物中におけるそれぞれの含有量の約0.8 〜1.2 倍) ことが好ましい。こうして、副生量にほぼ匹敵する量でキノリン類やデカヒドロキノリン類を予め異性化反応原料に添加しておくことで、異性化反応中の新たなキノリン類およびデカヒドロキノリン類の副生を実質的に完全に抑制できる。その結果、異性化工程での副生物の生成量がごく僅かになり、 5,6,7,8−THQの収率が大きく向上する。また、異性化反応の処理量を同じとすれば、異性化反応に装入する水添反応生成物、従って出発原料の石炭タール系キノリンの使用量を減らすことができる。
【0035】
【実施例】実施例1(石炭タール系キノリンの水添工程)内容積0.5 リットルの攪拌式オートクレーブに、石炭タール系キノリン (キノリン純度97.5重量%、硫黄分0.04重量%=400 ppm) 200gを仕込み、これに安定化ニッケル触媒 (Ni−Cr−Cu系、日揮化学製、商品名:N113B) 4.0g (原料キノリンに対して2重量%) を添加し、反応温度140 ℃、水素圧80 kg/cm2Gの条件下で水添処理した。0.8 時間で水素吸収が認められなくなった。その後、さらに1時間反応を続けた。
【0036】反応混合物から濾過により触媒を回収し、濾液200 gを得た。この濾液をガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果を表1に示す。なお、この濾液の硫黄分は0.03重量% (=300 ppm)であった。
【0037】
【表1】
水添反応混合物の組成 (重量%) DHQ キノリン 1,2,3,4-THQ 5,6,7,8-THQ その他 0.5 3.5 93.1 1.2 1.7 (注) DHQ=デカヒドロキノリン。
【0038】(5,6,7,8 −THQへの異性化工程)上記と同様の操作により石炭タール系キノリン200 gを水添して得たオートクレーブ内の反応混合物に、ニッケル触媒を濾過で分離せずにそのまま、5%パラジウム活性炭担持触媒 (無水品) 10.0gを添加し、オートクレーブ内を常圧下に水素で置換した後、密封、昇温して、260 ℃で2時間の異性化反応を行った。そのときのオートクレーブ内圧は7kg/cm2G を示し、反応中の内圧の変化はほとんど認められなかった。
【0039】反応終了後、反応混合物を濾過して触媒を回収した後、濾液を分析した結果を、次の表2に示す。
【0040】
【表2】
異性化反応混合物の組成 (重量%) DHQ キノリン 1,2,3,4-THQ 5,6,7,8-THQ その他 4.5 9.4 25.3 59.0 1.8 5,6,7,8 −THQの収率は、出発原料のキノリン基準で60.6モル%、水添反応混合物中の 1,2,3,4−THQ基準で63.4モル%であった。この濾液を100 mmHgの減圧下で精密蒸留し、純度99%の 5,6,7,8−THQ 98 gを得た。この精密蒸留により、反応混合物中のデカヒドロキノリン (DHQ)およびキノリンもほぼ全量が回収された。
【0041】実施例2実施例1の異性化工程において反応混合物から精密蒸留により 5,6,7,8−THQと共に回収されたDHQ留分 9.6gとキノリン留分14.2gを、実施例1と同様の操作により石炭タール系キノリン200 gを水添して得た反応混合物に添加し、異性化反応原料として使用した。この異性化反応原料の液体分の分析結果を次の表3に示す。
【0042】
【表3】
異性化反応原料の組成 (重量%) DHQ キノリン 1,2,3,4-THQ 5,6,7,8-THQ その他 4.6 9.3 83.4 1.1 1.6 次いで、この混合物に5%パラジウム活性炭担持触媒 (無水品) 10.0gを添加し、実施例1と同様に異性化反応を行った。反応液を濾過して触媒を分離した後の濾液の分析結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
異性化反応混合物の組成 (重量%) DHQ キノリン 1,2,3,4-THQ 5,6,7,8-THQ その他 4.6 9.3 25.4 58.9 1.8 出発原料のキノリン基準で67.3モル%の収率で 5,6,7,8−THQが生成していた。異性化反応生成物中のDHQとキノリンの含有量は、反応原料に予め添加しておいた含有量と同じであり、異性化反応中のこれらの新たな副生が完全に防止できた。この濾液を100 mmHgの減圧下で精密蒸留すると、純度99%の 5,6,7,8−THQ 111gを得ることができた。
【0044】本実施例のようにDHQやキノリンを異性化反応原料に添加すると、異性化反応での副生物の生成はほとんど起こらない。未反応の 1,2,3,4−THQは異性化反応原料として有効利用できるので、最終的には 1,2,3,4−THQのほぼ全量を5,6,7,8−THQに異性化することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、石炭タール系キノリンを精製せずにそのまま原料として使用し、非金属触媒存在下での水添反応と貴金属触媒存在下での異性化反応との組合わせにより、目的物との蒸留分離が困難な化合物の副生をごく僅かに抑えて、 5,6,7,8−THQを収率よく製造することができる。これらの反応はいずれも無溶媒下で実施でき、また中間生成物である水添生成物の精製も不要であるので、反応工程が非常に簡略化される。さらに、異性化反応で副生したデカヒドロキノリンおよびキノリンを次回の異性化反応に添加することにより、これらの副生物が異性化反応で新たに生成することが避けられ、反応収率は著しく向上する。従って、本発明は 5,6,7,8−THQの工業的製造に非常に有利な方法である。




 

 


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