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濃縮装置 - 株式会社フジタ
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発明の名称 濃縮装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−71300
公開日 平成6年(1994)3月15日
出願番号 特願平4−253939
出願日 平成4年(1992)8月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】牧 克次
発明者 近藤 敏仁
要約 目的
電気泳動現象を利用して、被濃縮液中の懸濁粒子の沈降を促進し、濃縮効率を向上させることを目的とした。

構成
濃縮槽1内に、上下方向に複数の電極21〜28を平行に対面させて多段配置し、それぞれの電極を電流切り替え装置3を介して直流電源4に接続した。
特許請求の範囲
【請求項1】 泥水または泥状物質から水分を除く濃縮装置において、濃縮槽内の下方から上方にかけて、複数の電極をそれぞれ所定の間隔で底面に平行に配置し、さらにそれぞれの電極を電流切り替え装置を介して電源に接続し、複数の電極のうちから任意に2枚の電極を選択してその電極間に電圧を印加できるように構成したことを特徴とする濃縮装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は泥水または泥状物質の減容のため水分を除く濃縮装置に関し、特に被濃縮液に直流電圧を印加して電気泳動現象により濃縮効率を向上させることを目指した。
【0002】
【従来の技術】従来泥水などを濃縮して減容するときは、濾過槽において濾過槽底面の格子上に敷いた濾布を介して被濃縮液を濾過するか、または濃縮槽において被濃縮液中の懸濁粒子の沈降を待って上澄み液を除き、濃縮液を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の濾過法による濃縮では、濾過中の濾布の目詰まりによって発生する濾過機能の低下を避けることができず、効率良い濃縮という点では甚だ問題があった。また、濃縮槽中で被濃縮液中の懸濁粒子の自然沈降を待つ重力沈降法では、懸濁粒子が負に帯電しているため溶媒和が起こり易く、沈降速度が極めて遅くなり、濃縮に長時間を要していた。そこで本発明は、被濃縮液に直流電圧を印加して、電気泳動現象により懸濁粒子の沈降速度を速め、濃縮効率を上げることを目的とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、泥水または泥状物質から水分を除く濃縮装置において、濃縮槽内の下方から上方にかけて、複数の電極をそれぞれ所定の間隔で底面に平行に配置し、さらにそれぞれの電極を、電流切り替え装置を介して電源に接続し、複数の電極から任意に2枚の電極を選択してその電極間に電圧を印加できるように構成した。
【0005】
【作用】濃縮槽内の被濃縮液中の懸濁粒子は、通常負に帯電しており、その沈降速度は極めて遅い。そこで、被濃縮液中に電極を浸し、濃縮槽の上方に陰極を配置し、下方に陽極を配置して、両電極間に直流電圧を印加すると、電気泳動現象により負に帯電している懸濁粒子が濃縮槽の下方の陽極に電気的に引きつけられ、懸濁粒子の沈降が促進される。その結果、被濃縮液は沈降界面を境にして上層の上澄み層と下層の懸濁粒子の沈降した濃縮層とに分かれてくる。一方濃縮槽内には、複数の電極が所定間隔を保持しながら多段平行に配置されており、濃縮が進んで被濃縮液の容量が減少しても、複数の電極のうち必ず幾つかの電極は被濃縮液中に浸るようになっている。従って、濃縮の進行につれて被濃縮液の容量が減少し、併せて沈降界面が降下しても、その都度被濃縮液中に浸っている電極の中から沈降界面を挟むように2つの電極を選択し、電流切り替え装置で沈降界面より上方の電極を電源の陰極側に、沈降界面より下方の電極を電源の陽極側に接続して、常時2つの電極間に直流電圧を印加しながら懸濁粒子の沈降を促進することができる。
【0006】
【実施例】本実施例を、図1により説明する。本発明に係る濃縮装置では、濃縮槽1内にある多段配置された複数の電極2(21〜28)で、濃縮槽1内の被濃縮液中の懸濁粒子の沈降を促進し、その上澄み液を排出して、被濃縮液の減容及び濃縮ができるようになっている。濃縮槽1内には、濃縮槽1の底より少し上に底面に平行に配置された一段目の電極21から、順次等間隔に上方に向かって複数の電極が、互いに平行になるように多段配置されている。最上段の電極28の取り付け位置は、濃縮槽1に規定容量の被濃縮液を満たしたときの水位の高さより少し低い位置に設定されている。なお、本実施例では8枚の電極を平行に多段配置したが、勿論濃縮槽の容量などにより適宜電極の枚数を変えても構わない。また、複数の電極21〜28は、それぞれ濃縮槽1の底面とほぼ同様の大きさを有しており、さらに、電極面に液体がスムーズに透過できるように透過用の目を多数設け、断面が波形の金属製の格子につくられている。
【0007】また、それぞれの電極2は、槽外に設けられた電流切り替え装置3に互いに独立に接続され、適宜電流切り替え装置3で、濃縮槽1内の複数の多段配置された電極21〜28から任意の2枚の電極を選択して、2枚の電極のうち下側にある電極を陽極に、上側にある電極を陰極として、随時槽外にある直流電源4に接続して、2つの電極間に直流電圧が印加できるようになっている。上記直流電圧を2つの電極間に印加することにより、2つの電極間の負に帯電している懸濁粒子を電気泳動現象により濃縮槽の下方の陽極側に沈降させ、懸濁粒子が減少した被濃縮液の上層の上澄み液を、濃縮槽上方側壁の開閉弁5aを有した排出管5により、適宜排出できるようになっている。さらに、濃縮槽下方側壁には、開閉弁6aを有した排出管6が設けられており、上澄み液を排出した後の濃縮液を排出できるようになっている。
【0008】つまり、適宜上澄み液を排出して濃縮が進行していくと、それに伴って次第に被濃縮液の液面が下がるが、その都度被濃縮液中に浸っている電極から、被濃縮液の上澄み層と濃縮層の界面である沈降界面を挟むように2枚の電極を選択し、電流切り替え装置によって随時沈降界面より上方の電極を陰極に、下方の電極を陽極にして直流電圧を印加させながら、懸濁粒子の沈降を促進させることができるようになっている。例えば、最初は電極26と28を選択し、電極26を陽極に、電極28を陰極として直流電圧を印加して懸濁粒子の沈降を促進し、沈降界面が下がった時点で、電極27と25を選択し、電極25を陽極に、電極27を陰極にしてさらに直流電圧を印加し、懸濁粒子の沈降を促進するという具合に、この操作を繰り返しながら直流電圧を印加して濃縮を進めるのである。
【0009】また、被濃縮液の沈降界面を自動的に感知するセンサーを濃縮槽1に設け、センサーの検出信号により電流切り替え装置3を制御して、自動的に被濃縮液中の沈降界面を挟む2枚の電極を選択し、直流電圧を印加できるようにしてもよい。また、電極は、濃縮槽1の底面とほぼ同じ大きさの一体の平面状の電極でなくてもよく、複数の電極を共用して電圧の印加面全体をカバーするようにしてもよい。また、本実施例では下方にある電極を陽極に、上方にある電極を陰極にしたが、懸濁粒子が正に帯電している場合は、勿論下方にある電極を陰極に、上方にある電極を陽極にして、直流電圧を印加してもよい。
【0010】
【発明の効果】本発明により、濃縮過程の進行に応じて減容する被濃縮液中の2つの電極間に継続して直流電圧を印加し続けることができ、懸濁粒子の沈降を促進し、濃縮効率を大幅に向上することができる。これによって、濃縮槽の処理能力が向上し、従来長時間を要していた濃縮時間の短縮及び濃縮装置の小型化が図れる。




 

 


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