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発明の名称 内視鏡テレビシステム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−86754
公開日 平成6年(1994)3月29日
出願番号 特願平4−238618
出願日 平成4年(1992)9月7日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 泰司
発明者 金野 光次郎 / 小野 勝也 / 高杉 芳治 / 西岡 公彦
要約 目的
ファイバースコープ使用時にはモアレや色のない画像が生成されることを防止し、硬性鏡使用時には優れた解像度とコントラストで内視鏡画像を得ることができる内視鏡テレビシステムを提供する。

構成
色副搬送波周波数近傍を通過するイメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルを十分減衰せしめる光学的特性を有し且つ固体撮像素子のサンプリング周波数近傍を通過するイメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルを十分減衰せしめる光学的特性を有する光学要素を使用する内視鏡に応じ、又は周波数特性に応じて撮像光路中に適時配設する。
特許請求の範囲
【請求項1】 イメージガイドファイバー束の射出端面に現れた像を固体撮像素子上に結像せしめ、前記像をモニタテレビで観察し得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、色副搬送波周波数近傍を通過する前記イメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルを十分減衰せしめる光学的特性を有し且つ前記固体撮像素子のサンプリング周波数近傍を通過する前記イメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルを十分減衰せしめる光学的特性を有する光学要素が、撮像光路中に配設されていることを特徴とする内視鏡テレビシステム。
【請求項2】 少なくとも像伝送系にイメージガイドファイバー束を用いたファイバースコープ又は、像伝送系にリレーレンズを用いた硬性鏡に接続可能であって、前記いずれかの内視鏡により得られた像を固体撮像素子上に結像せしめ、該固体撮像素子から出力された電気信号をカメラコントロールユニットでテレビ信号に変換して出力し、内視鏡画像を得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、前記固体撮像素子のサンプリングポイントのレスポンスを十分減衰せしめる光学的特性の光学要素と、色副搬送波周波数近傍を通過する前記イメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルを十分減衰せしめる光学的特性を有し且つ前記固体撮像素子のサンプリング周波数近傍を通過する前記イメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルを十分減衰せしめるような光学的特性の光学要素のいづれかを、使用する内視鏡に応じて撮像光路中で選択して用いるようにしたことを特徴とする内視鏡テレビシステム。
【請求項3】 少なくともイメージガイドファイバー束の射出端面に現れた内視鏡像を固体撮像素子上に結像せしめ、該固体撮像素子から出力された電気信号を少なくともコンポジットテレビ信号に変換して出力し、内視鏡画像を得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、前記コンポジット信号出力時に、コンポジット信号の輝度信号のうち色副搬送波周波数近傍の信号のみを選択し、該信号のレベルを下げる電気的手段を有することを特徴とする内視鏡テレビシステム。
【請求項4】 少なくともイメージガイドファイバー束の射出端面に現れた内視鏡像を固体撮像素子上に結像せしめ、該固体撮像素子から出力された電気信号を少なくともコンポジットテレビ信号に変換して出力し、内視鏡画像を得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、前記イメージガイドファイバー束に特有の周波数スペクトルが前記コンポジットテレビ信号の色副搬送波周波数近傍に存在する場合に、該コンポジットテレビ信号をコンポーネントテレビ信号に切り換えるための電気的手段を設けたことを特徴とする内視鏡テレビシステム。
【請求項5】 少なくとも六方最密構造を有するイメージガイドファイバー束の射出端面に現れた内視鏡像を固体撮像素子上に結像せしめ、該固体撮像素子から出力された電気信号を少なくともコンポジットテレビ信号に変換出力し、内視鏡画像を得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、前記イメージガイドファイバー束に特有の周波数スペクトルが前記コンポジットテレビ信号の色副搬送波周波数近傍に存在する場合に、前記イメージガイドファイバー束の積み方向が前記固体撮像素子の水平走査方向に対して略30度の角度をなすように構成されていることを特徴とする内視鏡テレビシステム。
【請求項6】 少なくとも像伝送系にイメージガイドファイバー束を用いたファイバースコープ又は像伝送系にリレーレンズを用いた硬性鏡に接続可能であり、前記いずれかの内視鏡により得られた像を固体撮像素子上に結像せしめ、該固体撮像素子から出力された電気信号をカメラコントロールユニットでテレビ信号に変換して出力し、内視鏡画像を得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、前記カメラコントロールユニットは像に含まれる空間周波数成分に応じて色差信号の大きさを制御して出力する電気回路と、該電気回路を前記像伝送系の特性に応じて選択的に作動せしめるためのスイッチング手段とを有することを特徴とする内視鏡テレビシステム。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファイバースコープと硬性鏡とを選択的に使用可能な内視鏡を用い、体腔内等の画像をモニタテレビ等で観察できるようにした内視鏡テレビシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、体腔内等をモニタテレビ等に映し出して観察するようにした内視鏡テレビシステムが普及し、内視鏡観察下で行う体腔内の外科手術が盛んに行われるようになってきた。このような内視鏡を用いた手術の一例としては、例えば胆石等の障害のために胆嚢の摘出を行う腹腔鏡的胆嚢摘出術がある。また、最近、特に注目されている術式として、「Comonn Bile Scopy」と呼ばれるものがある。これは、腹腔鏡的胆嚢摘出術の術中に、胆管中に胆石が詰まっていることが発見された場合、観察用として用いられる硬性鏡を、鉗子チャネルからメスやハサミ等を等を出して手術を行い得るファイバースコープに切り換えて、この胆石を取り除くというものである。
【0003】かかる手術に用いられる内視鏡テレビシステムの一例を図32〜図35用いて説明する。図32において、1は像伝送系にイメージガイドファイバー2を用いてなるファイバースコープ、3は像伝送系にリレーレンズ4を用いてなる硬性鏡である。5はファイバースコープ1と硬性鏡3の先端部に夫々配設された対物レンズ、6は夫々の接眼部7に配設された接眼レンズ、8は結像レンズ9が内蔵されていて接眼部7と結像光学系を備えていないテレビカメラ10とを接続するためのアダプタである。テレビカメラ10内には、光学的ローパスフィルタ11及び固体撮像素子(CCD)12が順次配設されている。
【0004】内視鏡にファイバースコープ1を使用した場合には、図示しない光源及びライトガイドによって伝達された照明光が物体Mを照射し、物体Mの像が対物レンズ5によって結像され、この像がイメージガイドファイバー2により伝達される。そして、接眼レンズ6,結像レンズ9及びローパスフィルタ11を介して固体撮像素子12上に結像され、カメラコントロールユニット13を介してモニタテレビ14に内視鏡画像として映し出される。内視鏡に硬性鏡3を使用した場合には、物体Mの像はリレーレンズ4によって伝達され、ファイバースコープ1を使用した場合と同様に、接眼レンズ6,結像レンズ9及びローパスフィルタ11を介して固体撮像素子12上に結像され、モニタテレビ14に映し出される。
【0005】図33は、アダプタ8の代わりに結像レンズ9,ローパスフィルタ11及び固体撮像素子12を内蔵したカメラヘッド15を用いたシステム構成を示している。また、図34はファイバースコープ1のみがカメラヘッド15に接続可能な場合、図35はファイバースコープ1内に接眼レンズ6が配設されない場合のシステム構成例を夫々示している。図35に示した例では、カメラコントロールユニット13には結像レンズ9,ローパスフィルタ11及び固体撮像素子12からなるカメラヘッド部13aと、信号処理回路13bとが内蔵されているため、上述したシステム構成とは異なり、ファイバースコープ1がカメラコントロールユニット13に直接接続されるようになっている。尚、フィアバースコープ1は、その全体が軟性のファイバースコープにより構成されているものの他に、その挿入部が硬性鏡と同質の硬性部で、また像伝送部が軟性のイメージガイドファイバー束で構成されている、所謂硬性ファイバースコープも含んでいる。
【0006】ところで、上述した各々の内視鏡テレビシステムにおいては、固体撮像素子上に結像された像、即ちファイバースコープ又は硬性鏡を介して固体撮像素子上に伝送された像が被写体となるが、特にファイバースコープで得られた内視鏡画像には以下のような特徴がある。図36(a)は、六方最密構造を有するイメージガイドファイバー束の射出端面を示している。図中、2aはイメージガイドフィアバー2のコア,2bはクラッドである。また、矢印Aはフィアバー2の積み方向、矢印Bは固体撮像素子12の水平走査方向である。かかる射出端面を同図(b)で示すように2次元配列された固体撮像素子12で撮像した場合、内視鏡画像信号は、イメージガイドフィアバー2と固体撮像素子12の双方の配列パターンに起因した、強い周波数スペクトルfF=1/(Pf×β×sin60°)が含まれる。ここで、Pfはファイバーの像のピッチ、βは結像光学系の倍率である。この周波数スペクトルfFは、特に強い一次の周波数スペクトルであるが、このスペクトルを、図36に示したファイバーの積み方向を水平軸として2次元空間周波数的に厳密に示せば、図37に示すように2次以上の周波数スペクトルをも多数有している。
【0007】また、被写体が図38に示すようにファイバーをランダムに配列して構成されたイメージガイドファイバー束の射出端面である場合は、その配列パターンによる周波数スペクトルはfF=1/(Pf′×β)で表せる。ここで、Pf′はランダムに配列されたファイバーの平均ピッチである。この場合、ファイバーの配列が六方最密構造である場合と異なって、周波数スペクトルの分布がほぼ等方的となる。
【0008】このように、固体撮像素子を利用し、物体像を離散的に空間サンプリングして撮像する光学機器においては、物体像中に撮像側のナイキスト限界以上の高周波成分が含まれている場合に、その高周波成分とサンプリング周波数とのビートによりエリアジング,モアレ等と呼ばれる偽信号が発生する。
【0009】図39に示す、G(グリーン),C(シアン),Mg(マゼンダ),Y(イエロー)の各色フィルタが市松状に配置されてなるフィルタを用い、被写体を単板式の固体撮像素子で撮像する場合、フィルタの一画素のピッチが水平走査方向でPx 、垂直方向でPy とすると、図40に示す2次元空間周波数平面上において、座標(1/2Px ,0)(1/2Px ,0),(1/2Px ,1/4Py )(−1/2Px ,−1/4Py )及び(1/2Px ,−1/4Py )(−1/2Px ,1/4Py )にサンプリングポイントが生じる。従って、かかるフィルタを用いて上記六方最密構造のイメージガイドファイバ束の射出端面を撮像した場合、図41に示すように、像中に含まれる1次の周波数スペクトルfFがフィルタのサンプリングポイント近傍に存在するため、この部分で強度のモアレが発生することになる。尚、図41において、周波数スペクトルfFはある程度の幅をもって図示されているが、これは結像レンズがズームレンズである場合を考慮しているためである。
【0010】このようなモアレを除去するため、従来は特開平1−284225号公報に開示されているように、多数枚の複屈折板を使用してサンプリングポイント近傍に存在する周波数スペクトルfFの強度を減衰させるようにしていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、固体撮像素子の高画素化が進み、このため色副搬送波周波数において生ずるモアレが非常に問題になってきた。NTSC,PAL,SECAMの各方式においては、輝度信号と色差信号を同時に出力するコンポジット信号出力方式が採られているが、例えばNTSC方式の場合、モニタテレビへ出力する信号の一走査線における信号波形は図42(a)に示すようになる。この場合、モニタテレビ側では色相をカラーバースト信号(信号周波数3.58MHz)と色差信号(色副搬送波周波数3.58MHz)の位相差で、また彩度を色差信号の振幅で判断しているため、輝度信号成分中に色差信号の色副搬送波周波数とほぼ等しい3.58MHz近傍の成分があると(図42(b)参照)、これを色差信号とみなし、元画像とは異なる無関係な色を表示することがある。このような色副搬送波周波数を2次元空間周波数平面上に表せば、図43に示すようになる。
【0012】従来は、固体撮像素子の画素が粗かったので、サンプリングポイントと色副搬送波周波数が周波数的に近くなり、サンプリングポイント近傍に存在するファイバーの周波数スペクトルの強度を弱めるような光学的ローパスフィルタを用いれば、色副搬送波周波数近傍に存在するファイバーの周波数スペクトルを減衰させることができた。
【0013】しかし、高画素の固体撮像素子を使用して、ファイバースコープにより得られた内視鏡像を撮像すると、イメージガイドファイバー束の射出端面に含まれる強い周波数スペクトルfFが色副搬送波周波数と干渉して画像中にモアレを生じさせる。この場合、上記従来の光学的ローパスフィルターでは、色副搬送波周波数近傍に存在する周波数スペクトルfFの強度を十分に減衰させることができず、かかるモアレの発生を防止できないという問題があった。
【0014】また、図32,図33に示した如きファイバースコープ1と硬性鏡3の双方が接続可能な内視鏡テレビシステムにおいては、通常、ファイバースコープ用の光学的ローパスフィルターが内設されているため、硬性鏡を使用する場合もこの光学的ローパスフィルターを介して像を撮像しなければならず、硬性鏡使用時の解像度が劣化するという問題があった。
【0015】一方、最近ではモアレの原因となり得る色副搬送波周波数以上の高周波成分が含まれる被写体の像面を撮像した場合に、その高周波成分から作成されるアパーチャー信号の振幅の値に応じて色信号抑圧回路が働き、その部分の色の出力を下げて色モアレを目立たなくさせるカメラコントロールユニットが提案されている。しかし、かかるカメラコントロールユニットを用いて図36及び図38に示す如きイメージガイドファイバー束の射出端面を撮像した場合には、像中に高周波成分が非常に多いためアパーチャ信号の強度が強くなり、色情報信号の出力強度を弱くするように,即ちあたかも色の無い画像を撮像したかのように色信号抑圧回路が作動し、鮮明な内視鏡画像が得られないという問題があった。
【0016】本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ファイバースコープ使用時にはモアレや色のない画像が生成されることを防止し、硬性鏡使用時には優れた解像度とコントラストで内視鏡画像を得ることができる内視鏡テレビシステムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成するための本発明の手段及び作用を順次説明する。
(第1の手段)本発明の内視鏡テレビシステムは、イメージガイドファイバー束の射出端面に現れた像を固体撮像素子上に結像せしめ、前記像をモニタテレビで観察し得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、色副搬送波周波数近傍を通過するイメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルを十分減衰せしめる光学的特性を有し且つ固体撮像素子のサンプリング周波数近傍を通過するイメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルを十分減衰せしめる光学的特性を有する光学要素が、撮像光路中に配設されていることを特徴としてなるものである。
【0018】図36に示す如き六方最密構造を有するイメージガイドファイバー束の射出端面を、NTSC方式で信号出力する1/2インチサイズの固体撮像素子で撮像した場合、像中に含まれる強い1次の周波数スペクトルfFは、撮像面上で約20〜80(本/mm)迄の値となる。また、従来の内視鏡テレビシステムにおいて、固体撮像素子として例えば一画素のピッチが水平方向でPx =12.76μm、垂直方向でPy =9.86μmとなる1/2インチサイズのものを用いた場合、この固体撮像素子のサンプリングポイントは39.2(本/mm)となる。
【0019】一方、NTSC方式で出力される色副搬送波周波数を空間周波数に変換すると3.58MHz ≒ 29.5(本/mm)
となる。即ち、従来の内視鏡テレビシステムに用いられていた光学的ローパスフィルタにはサンプリングポイントとファイバーが有する周波数スペクトルとの干渉により発生するモアレを除去する効果があるが、サンプリング周波数と色副搬送波周波数とが周波数的に近いため、色副搬送波周波数とファイバーが有する周波数スペクトルとの干渉により発生するモアレについても、ある程度のモアレを除去する効果があった。
【0020】しかるに最近では、一画素のピッチが水平方向でPx =9.6μm、垂直方向でPy =9.9μmのものもあり、この場合水平方向のナイキスト限界は52.1(本/mm)と計算される。従って、従来のようにサンプリングポイントとファイバーが有する周波数スペクトルとの干渉により発生するモアレを除去するための光学的ローパスフィルタでは、この色副搬送波周波数とファイバーが有する周波数スペクトルfFとの干渉により発生するモアレを除去することができなかった。
【0021】本発明によれば、サンプリングポイント近傍に存在する周波数スペクトルfFの強度を減じるような光学要素のみならず、色副搬送波周波数29.5(本/mm)近傍に存在する周波数スペクトルfFの強度を減じる光学要素を撮像光路中に設けたので、被写体がイメージガイドファイバー束の射出端面である場合でも、また輝度信号のコントラストを上げるように上述した色信号抑圧回路を作動させてテレビ信号出力の調整を行った場合でも、ほぼ3.58MHz ≒ 29.5(本/mm)となるような周波数スペクトルfFは固体撮像素子上に結像されることはない。即ち、かかる固体撮像素子から出力される画像信号は、図1に示す如き波形となるので、モニタテレビ側で輝度信号を色信号とみなす現象は防止れ得、モアレの無い内視鏡画像を得ることができる。
【0022】(第2の手段)本発明の第2の手段による内視鏡テレビシステムは、少なくとも像伝送系にイメージガイドファイバー束を用いたファイバースコープ又は、像伝送系にリレーレンズを用いた硬性鏡に接続可能であって、いずれかの内視鏡により得られた像を固体撮像素子上に結像せしめ、該固体撮像素子から出力された電気信号をカメラコントロールユニットでテレビ信号に変換して出力し、内視鏡画像を得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、固体撮像素子のサンプリングポイントのレスポンスを十分減衰せしめる光学的特性の光学要素と、色副搬送波周波数近傍を通過するイメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルを十分減衰せしめる光学的特性を有し且つ固体撮像素子のサンプリング周波数近傍を通過するイメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルを十分減衰せしめるような光学的特性の光学要素のいづれかを、使用する内視鏡に応じて撮像光路中で選択して用いるようにしたことを特徴としてなるものである。
【0023】高画素の固体撮像素子に対応させて、上述した色副搬送波周波数近傍を通過するイメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルfFを十分減衰せしめるような光学的ローパスフィルターを、ファイバースコープと硬性鏡の双方が接続可能な内視鏡テレビシステムに用いた場合、硬性鏡使用時にもかかる光学的ローパスフィルタが作用するため、色副搬送波周波数近傍以上の周波数成分の像はフィルタでカットされて再現できず、硬性鏡使用時の内視鏡画像の解像度とコントラストが劣化するという問題があった。
【0024】本発明では、ファイバースコープ使用時には色副搬送波周波数近傍とサンプリング周波数近傍を通過するイメージガイドフィバー束特有の周波数スペクトルfFを十分減衰せしめるような光学的特性となるように、また硬性鏡使用時には撮像物体である,例えば体腔内の粘膜などの輝点中に含まれる高周波成分により生ずる偽色現象を防止するためにサンプリング周波数近傍のレスポンスを十分に低下させるような光学的特性となるように、使用する内視鏡に応じて光学的ローパスフィルタを適宜交換して用い、各々に適した光学的特性となるようにフィルタのレスポンスが設定される。
【0025】このような構成としては、例えば図2,図3に示す光学系が挙げられる。これは、二つの変倍系25a,25bを用い、光学的ローパスフィルタ11を含む物体側の第1の変倍系25aで像Mの中間像M′を結像し、この中間像を第2の変倍系25bで固体撮像素子12に再結像するように構成されている。図2はファイバースコープ使用時、図3は硬性鏡使用時の光学系を夫々示している。物体側の第1の変倍系25aは光学的ローパスフィルタ11を含んでいるので、第1の変倍系25aにより結像される中間像M′は、その大きさによって像中に含まれる周波数成分が変化する。従って、この中間像M′を第2の変倍系25bにより固体撮像素子12上に所定の大きさに結像することで、固体撮像素子12上での像Mの大きさを変えることなく周波数成分のみを変化させる,即ち光学的ローパスフィルタ11の特性を可変にすることができる。
【0026】この場合、ファイバースコープ使用時は色副搬送波周波数近傍とサンプリング周波数近傍を通過するイメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルfFを十分減衰せしめるような光学的特性とし、また硬性鏡使用時は撮像物体である粘膜などの輝点中に含まれる高周波成分により生ずる偽色現象を防止するためにサンプリング周波数近傍のレスポンスを十分に低下させるような光学的特性となるようにすれば、ファイバースコープ使用時にはモアレの発生が防止され得、硬性鏡使用時には解像度とコントラストが向上され得る内視鏡テレビシステムを実現することができる。
【0027】上記色副搬送波周波数近傍を通過するイメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルfFを十分減衰せしめるような光学的ローパスフィルタは、[色副搬送波周波数±0.5MHz]の帯域中に含まれる周波数スペクトルfFにおけるレスポンスが40%以下となることが条件である。またサンプリングポイント近傍を通過するイメージガイドフィバー束特有の周波数スペクトルfFを十分減衰せしめるような光学的ローパスフィルタは、色差信号の周波数帯域をwとした場合に[サンプリングポイント周波数±w MHz]の帯域中に含まれる周波数スペクトルfFにおけるレスポンスが40%以下となることが条件である。
【0028】上記光学的ローパスフィルタのレスポンスを選択的に変化せしめる構成として、図4に示すように、色副搬送波周波数近傍とサンプリング周波数近傍を通過するイメージガイドファイバー束特有の周波数スペクトルfFを十分減衰せしめるような光学的ローパスフィルタ11aと、撮像物体である体腔内の粘膜などの輝点中に含まれる高周波成分により生ずる偽色現象を防止するためにサンプリング周波数近傍のレスポンスを十分に低下させるような光学的ローパスフィルタ11bの二つのフィルタを用意し、これらをターレット26等を用いてテレビカメラ10内の光路中に交換可能に設置しても良い。
【0029】また、図5に示すように、結像レンズと上記二つの光学的ローパスフィルタ11a,11bとを夫々組み込んだアダプタ8を用意し、使用する内視鏡に応じてアダプタ8を選択するようにしても良い。図6に示すように、カメラヘッド15をフィルタの交換が可能な形態として、使用する内視鏡に応じて適宜フィルタを交換するようにしても良い。更に、図7に示すように、光学的ローパスフィルタが組み込まれたアダプタ8とカメラヘッド15を各々のフィルタ特性を異ならせて複数用意し、使用する内視鏡に応じ、これらを適宜に選択して使用するようにしても良い。
【0030】(第3の手段)本発明の第3の手段による内視鏡テレビシステムは、少なくともイメージガイドファイバー束の射出端面に現れた内視鏡像を固体撮像素子上に結像せしめ、該固体撮像素子から出力された電気信号を少なくともコンポジットテレビ信号に変換して出力し、内視鏡画像を得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、コンポジット信号出力時に、コンポジット信号の輝度信号のうち色副搬送波周波数近傍の信号のみを選択し、該信号のレベルを下げる電気的手段を有することを特徴としてなるものである。
【0031】ファイバースコープと硬性鏡の双方が接続可能な内視鏡テレビシステムにおいて、例えばNTSC方式のコンポジットテレビ信号であった場合、図8に示すように色副搬送波周波数である3.58MHz近傍に、イメージガイドファイバー束の射出端面に含まれる強い周波数スペクトルfFが存在するとモアレが発生する。この場合、3.58MHz近傍の周波数レスポンスを十分減衰せしめる光学的ローパスフィルタを使用すると、輝度信号中の3.58MHzの成分がカットされるためモアレの発生を防止できる。しかし、硬性鏡使用時には、高画素の固体撮像素子を使用したとしても解像度とコントラストを向上させることはできず、画素数の少ないものを使用した場合と同程度の画質となってしまう。
【0032】本発明の上記構成によれば、コンポジット信号出力時に、コンポジット信号の輝度信号成分のうち、図9に示すように3.58MHz近傍の信号の振幅を十分減衰せしめる電気的特性を有しているので、輝度信号中の3.58MHz近傍の成分は振幅が十分減衰せしめられて出力される(図10参照)。従って、モニタテレビ側において、3.58MHzの輝度信号を色信号とみなした場合にも、彩度が極めて弱い色差信号として信号処理し、ファイバースコープ使用時に発生するモアレをモニタテレビ観察時に殆ど支障のない程度に目立たなくさせることができる。このため、色副搬送波周波数近傍のレスポンスを十分減衰させた光学的ローパスフィルタを使用しなくとも、周波数スペクトルfFが色副搬送波周波数と干渉して発生するモアレを防止できる。従って、高画素の固体撮像素子を使用しても、単にサンプリングポイント近傍に存在する周波数スペクトルfFを減少させる光学的ローパスフィルタを用いることにより、ファイバースコープ使用時のモアレの除去が可能である。
【0033】上記電気的特性を実現するための手段としては、例えばアパーチャ信号の利用が挙げられる。図11を用いてアパーチャ信号の作用について説明する。図において、同図(a)を輝度情報を与える入力信号であるとすると、この信号を信号処理して同図(b)に示すアパーチャ信号を作成する。このアパーチャ信号を再び輝度信号に重ねると、同図(c)に示すような像の輪郭(エッジ)を強調した信号が得られる。この信号は見かけ上、負の点像強度分布を持つので見かけ上のレスポンスは100%を越え、これにより像のコントラストを向上させることができるようになっている。この場合、アパーチャ信号作成時の遅延時間を操作すると、出力画像のレスポンスにおける輪郭強調のピークの周波数を変えることができる。従って、図12に示すように、フィアバースコープを使用する場合には、輝度信号のコントラストが3.58MHz近傍において十分小さくなるようにアパーチャ信号のピークAp の遅延時間を設定すれば(同図(a)参照)、3.58MHz以上の高周波成分は3.58MHz以下の周波数成分よりも相対的に小さくなり、輝度信号全体を正規化すれば、上述した電気的特性を得ることができる。但し、このままでは、硬性鏡を使用する場合に3.58MHz以上の解像力が得られない。従って、硬性鏡使用時にはアパーチャ信号のピークAp の遅延時間を、コントラストのカットオフ周波数が3.58MHz以上の高周波帯域に設定する(同図(b)参照)。尚、アパーチャ信号の作用を像の水平方向に対する輪郭強調を挙げて説明したが、像の垂直方向や斜め方向の輪郭を強調する場合も同様の原理で行われ得る。
【0034】上記構成により、図9に示す如き3.58MHz近傍の信号の振幅を十分減衰せしめる電気的特性を近似的に実現し、これにより輝度信号中の3.58MHzの成分の振幅は小さくなって、フィアバースコープを使用した場合のモアレの発生をモニタテレビ観察時に支障が生じない程度に目立たなくさせることができる。実験によれば、輝度信号の[3.58±0.5]MHzの周波数帯域における振幅が、他の周波数帯域における振幅に対して40%以下の値であれば、実用上十分なモアレ除去効果があることが確認されている。
【0035】また、フィアバースコープの周波数スペクトルfFと色副搬送波周波数とが干渉して発生するモアレを電気的に除去するように構成することで、光学的ローパスフィルタはサンプリングポイント近傍に存在するファイバースコープの周波数スペクトルfFのみを減衰させる特性を有するものを用いれば良く、かかる光学的ローパスフィルタを硬性鏡使用時に高画素の固体撮像素子と共に用いれば、解像度とコントラストに優れた内視鏡画像を得ることができる。尚、上記構成をファイバースコープ専用の内視鏡テレビシステムに対応させた場合にもモアレ除去効果を得ることができる。
【0036】(第4の手段)本発明の第4の手段による内視鏡テレビシステムは、少なくともイメージガイドファイバー束の射出端面に現れた内視鏡像を固体撮像素子上に結像せしめ、該固体撮像素子から出力された電気信号を少なくともコンポジットテレビ信号に変換して出力し、内視鏡画像を得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、イメージガイドファイバー束に特有の周波数スペクトルがコンポジットテレビ信号の色副搬送波周波数近傍に存在する場合に、該コンポジットテレビ信号をコンポーネントテレビ信号に切り換えるための電気的手段を設けたことを特徴としてなるものである。
【0037】上述したように、色副搬送波周波数である3.58MHz近傍にイメージガイドファイバー束の射出端面に含まれる強い周波数スペクトルfFが存在するとモアレが発生するが(図8参照)、この場合に3.58MHz近傍のレスポンスを十分減衰せしめる光学的ローパスフィルタを使用すると、高画素の固体撮像素子を使用したとしても、硬性鏡使用時の解像度とコントラストを向上させることはできない。
【0038】本発明の上記構成によれば、少なくともファイバースコープを使用した場合にはテレビ信号出力を輝度信号と色差信号とに分離し、コンポーネントテレビ信号として出力可能としたので、フィアバースコープ使用時の色副搬送波周波数中に周波数スペクトルfFが含まれていたとしても、モニタテレビ側でこれを色差信号とみなすことはなく、信号の干渉によるモアレの発生を防止することができる。
【0039】このように、フィアバースコープの周波数スペクトルfFと色副搬送波周波数とが干渉して発生するモアレを電気的に除去するように構成することで、光学的ローパスフィルタはサンプリングポイント近傍に存在するファイバースコープの周波数スペクトルfFのみを減衰させる特性を有するものを用いれば良く、かかる光学的ローパスフィルタを硬性鏡使用時に高画素の固体撮像素子と共に用いれば、解像度とコントラストに優れた内視鏡画像を得ることができる。尚、上記構成をファイバースコープ専用の内視鏡テレビシステムに対応させた場合にもモアレ除去効果を得ることができる。
【0040】(第5の手段)本発明の第5の手段による内視鏡テレビシステムは、少なくとも六方最密構造を有するイメージガイドファイバー束の射出端面に現れた内視鏡像を固体撮像素子上に結像せしめ、該固体撮像素子から出力された電気信号を少なくともコンポジットテレビ信号に変換出力し、内視鏡画像を得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、イメージガイドファイバー束に特有の周波数スペクトルがコンポジットテレビ信号の色副搬送波周波数近傍に存在する場合に、イメージガイドファイバー束の積み方向が固体撮像素子の水平走査方向に対して略30度の角度をなすように構成されていることを特徴としてなるものである。
【0041】上述したように、色副搬送波周波数である3.58MHz近傍にイメージガイドファイバー束の射出端面に含まれる強い周波数スペクトルfFが存在するとモアレが発生するが(図8参照)、このモアレを除去するために3.58MHz近傍のレスポンスを十分減衰せしめる光学的ローパスフィルタを使用すると、高画素の固体撮像素子を使用したとしても、硬性鏡使用時の解像度とコントラストを向上させることはできない。
【0042】本発明の上記構成によれば、イメージガイドファイバー束の積み方向を固体撮像素子の水平走査方向に対してある程度の角度(30°)を成すようにすることで(図13参照)、図14に示すように、2次元空間周波数面上におけるファイバーの1次周波数スペクトルfFに一定の傾きが与えられ、1次周波数スペクトルfFと色副搬送波周波数とを周波数的に離間させることができる。
【0043】かかる構成例の略図を図15に示す。図において、(a)は従来、(b)及び(c)は本発明のイメージガイドフィアバー束の射出端面,固体撮像素子12及びモニタテレビ14を示しており、また矢印A,Bは夫々ファイバーの積み方向,固体撮像素子12の水平走査方向を示している。ファイバースコープ2の出射端にはマスク(視野絞り)27が設置され、この端面像が固体撮像素子12を介してモニタテレビ14に表示される。図15において、同図(b)の構成では従来例である同図(a)の構成と比較して、イメージガイドファイバー束全体を光軸周りに30度回転させている。マスク27の切り欠き部27aは内視鏡のアングル操作を行うための目安であるため、固体撮像素子12上で位置が変わらないように設定されている。また、同図(c)はイメージガイドフィアバー束とマスク27の位置を同図(a)のものと同様に構成し、固体撮像素子12のみを光軸周りに30度回転させたものである。
【0044】このように、フィアバースコープの周波数スペクトルfFと色副搬送波周波数とが干渉して発生するモアレを機械的に,換言すればフィアバースコープの構造上の特長により除去するように構成することで、光学的ローパスフィルタはサンプリングポイント近傍に存在するファイバースコープの周波数スペクトルfFのみを減衰させる特性を有するものを用いれば良く、かかる光学的ローパスフィルタを硬性鏡使用時に高画素の固体撮像素子と共に用いれば、解像度とコントラストに優れた内視鏡画像を得ることができる。尚、上記構成をファファイバースコープ専用の内視鏡テレビシステムに対応させた場合にもモアレ除去効果を得ることができる。また、固体撮像素子の水平走査方向に対するイメージガイドファイバー束の積み方向の角度は、上記構成例(30°)に関わらず、2次元空間周波数面上におけるファイバーの1次周波数スペクトルfFに一定の傾きが与えられて1次周波数スペクトルfFと色副搬送波周波数とを周波数的に離間させることができる適宜な角度に設定される。
【0045】(第6の手段)本発明の第6の手段による内視鏡テレビシステムは、少なくとも像伝送系にイメージガイドファイバー束を用いたファイバースコープ又は像伝送系にリレーレンズを用いた硬性鏡に接続可能であり、いずれかの内視鏡により得られた像を固体撮像素子上に結像せしめ、該固体撮像素子から出力された電気信号をカメラコントロールユニットでテレビ信号に変換して出力し、内視鏡画像を得るようにした内視鏡テレビシステムにおいて、カメラコントロールユニットは像に含まれる空間周波数成分に応じて色差信号の信号の大きさを制御して出力する電気回路と、該電気回路を前記像伝送系の特性に応じて選択的に作動せしめるためのスイッチング手段とを有することを特徴としてなるものである。
【0046】硬性鏡使用時、偽色信号をできる限り除去し且つ画像の解像度とコントラストを向上させるためには、一枚の複屈折板を用い、カットオフ周波数を固体撮像素子のナイキスト限界に設定した光学的ローパスフィルターを使用すればよい。また、色信号抑圧回路により輝度信号を処理するようにしても偽色信号を抑制することができる。
【0047】かかる色信号抑圧回路の作用を図16を用いて説明する。図16(a)は、アナログ回路を用いたカメラコントロールユニット13の要部ブロック図である。図中、テレビカメラ10内の固体撮像素子12から出力された電気信号は、サンプルホールド回路及びγ補正回路で夫々信号処理され、カメラコントロールユニット13内において、並列に配置された電気的ローパスフィルタ16と電気的バンドパスフィルタ17を夫々通過することによって各々輝度情報と色情報を与える電気信号に分割される。輝度情報は、アパーチャ信号作成回路18によってエッジ強調用のアパーチャ信号を作成するための電気信号と、テレビ信号の輝度信号になる電気信号とに分割される。また、同図(b)はデジタル回路を用いたカメラコントロールユニット13の要部ブロック図である。図中、電気的ローパスフィルタ16及びA/D変換回路20を介してデジタルの輝度情報に変換された電気信号はアパーチャ信号作成回路18に入力し、アパーチャ信号作成回路18においてアパーチャ信号が作成されると、絶対値回路21でアパーチャ信号の振幅の絶対値をとり、その値に応じて色情報を与える電気信号の出力強度をクロマゲインコントローラ22で調整し、クロマサプレス回路23で電気的バンドパスフィルタ17介しA/D変換回路20より出力されるデジタルの色差信号を抑圧するようになっている。
【0048】上記色信号抑圧回路を用いることにより、硬性鏡使用時の一般的被写体である体腔内の粘膜等の輝点中に含まれる高周波成分が入射すると、この高周波成分によりアパーチャ信号の強度は強くなり色情報を与える電気信号の出力強度を弱くする方向で調整し、偽色を目立たなくさせることができる。このため、硬性鏡使用時、一枚の複屈折板を用いて光学的ローパスフィルタのカットオフ周波数を固体撮像素子のナイキスト限界よりも高周波側に設定しても、実使用上は十分な偽色防止効果が得られるので、固体撮像素子のナイキスト周波数におけるコントラストを向上させることができる。
【0049】然し乍ら、被写体としてフィアバースコープの射出端面を撮像し、この映像信号を上記色信号抑圧回路で信号処理した場合、映像信号中に高周波成分が多く含まれるので、アパーチャ信号作成回路18で作成されるアパーチャ信号の振幅が大きくなり、この値に応じてクロマゲインコントローラ22で信号レベル全体を下げる方向に,即ちあたかも色の無い画像を撮像したように信号を調整してしまうという問題があった。
【0050】本発明の上記構成によれば、図17に示すように、カメラコントロールユニット13内にスイッチイング手段24を設け、フィバースコープを使用した場合と硬性鏡を使用した場合とで、アパーチャ信号作成回路18からの信号の入力状態が選択できるようになっている。スイッチング手段24は、アパーチャ信号作成回路18と絶対値回路21との信号接続の切替えを行い、フィアバースコープ使用時にはOFF状態となって両回路間を遮断し、硬性鏡使用時にはON状態となって両回路を接続する。これにより、フィバースコープ使用時には内視鏡画像の色抜けを防止し、また、硬性鏡使用時には色信号抑圧回路を作動させて、解像度とコントラストに優れた内視鏡画像を得ることができる。
【0051】尚、色差信号出力が通常の使用状態に対し90%以下の大きさになると、内視鏡画像は見かけ上なんとなく色が消えたように見えるが、実使用上の像観察において許容される限界は、通常の使用状態に対し50%(以下)であることが実験により明らかとなっている。従って、スイッチング手段24としては、図示した如きON/OFF切替え式のものに限らず、上記許容限界内でアパーチャ信号作成回路18から絶対値回路21に入力されるアパーチャ信号の大きさを連続的に変化せしめる方式のものでも良い。また、使用するフィアバースコープに判別手段を持たせ、ファイバースコープに応じて自動的に変化せしめるようにしても良い。更に、アパーチャ信号の振幅をスイッチング手段にフィードバックし、ファイバースコープ使用時に特性を変化せしめ、色を出すように構成しても良い。
【0052】また、本発明の第6の手段と共に、上記第1〜5の手段を適宜用いることにより、ファイバースコープ使用時のモアレの除去効果を一層高めることができる。尚、ファイバースコープ使用時における内視鏡画像の解像度とコントラストの両特性を向上させずに、これら特性をある程度の許容範囲内に収めるのであれば、固体撮像素子上に形成される内視鏡像のピントを若干量ぼかすことでもモアレの除去は可能である。
【0053】
【実施例】以下、図示した実施例に基づき本発明を詳細に説明する。本発明の第1の手段に用いられるファイバースコープ用光学的ローパスフィルタについて、第1〜3実施例において説明する。
(第1実施例)図18は、本実施例によるフィアバースコープ用光学的ローパスフィルタを示している。図中、29は光学的ローパスフィルタであって、これは3枚の複屈折板29a,29b,29cより構成され、夫々物体側より1.67mm,2.88mm,1.67mmの厚みを有していると共に、同図(b)に示す結晶軸方向を有している。
【0054】かかる構成よりなるローパスフィルタ29は図19に示すトラップ特性を有している。図において、Ux ,Uy は夫々2次元空間周波数を示しており、トラップ線30a,30b,30cは夫々複屈折板29a,29b,29cによりレスポンスが0%となる周波数を示している。また、サンプリングポイントは固体撮像素子の水平走査方向の二画素分、垂直方向の四画素分である。即ち、固体撮像素子の一画素のピッチが(横9.6μm×縦9.9μm)であるとすると、サンプリングポイントは(Ux ,Uy )=(52.1,25.3)(本/mm)である。また、この固体撮像素子がNTSC方式のものであるとすると、色複搬送波周波数はポイント(Ux ,Uy )=(29.5,25.3)(本/mm)として生ずる。イメージガイドフィアバー束の射出端面に含まれる周波数スペクトルfFは、固体撮像素子が1/2インチサイズであるとして、約20〜80(本/mm)までの値をとり得る。
【0055】図19より明らかなように、周波数スペクトルfFが色副搬送波周波数近傍に存在する場合を考慮に入れ、トラップ線30bがほぼ色副搬送波周波数を通るように設定されている。また、周波数スペクトルfFがサンプリングポイント近傍に存在してもトラップ線30a,30cにより、周波数スペクトルfFの強度を十分に減衰することができる。トラップ線30aは色副搬送波周波数近傍をほぼ同時に通るように設定されているため水平走査方向の解像度がやや低下するが、比較的高価な複屈折板を3枚使用するだけで、実使用上十分なモアレ除去効果を得ることができる。
【0056】以上の構成によりフィバースコープ使用時のモアレの発生を防止することができる。尚、複屈折板29a,29b,29cの代わりに、非球面レンズや位相フィルタ等を利用しても同様のレスポンスを得ることができる。
【0057】(第2実施例)図20は、本実施例によるフィアバースコープ用光学的ローパスフィルタを示している。図中、31は光学的ローパスフィルタであって、これは4枚の複屈折板31a,31b,31c,31dより構成され、夫々物体側より2.7mm,2.7mm,1.7mm,2.3mmの厚みを有していると共に、同図(b)に示す結晶軸方向を有している。
【0058】かかる構成よりなるローパスフィルタ31は図21に示すトラップ特性を有している。図において、Ux ,Uy は夫々2次元空間周波数を示しており、トラップ線32a,32b,32c,32dは夫々複屈折板31a,31b,31c,31dによりレスポンスが0%となる周波数を示している。また、トラップ線32a′,32b′,32c′,32d′は夫々トラップ線32a,32b,32c,32dの繰り返しによるものであり、折り返し歪を防止している。また、サンプリングポイント,色副搬送波周波数及びイメージガイドファイバー束の射出端面に含まれる周波数スペクトルfFはすべて第1実施例と同様とする。
【0059】上記構成により、色複搬送波周波数及びサンプリングポイントを通るトラップ線32a,32b,32c,32dは上述した第1実施例の光学的ローパスフィルタ29と同様の作用をなし、更に複屈折板の結晶軸方向を全体的に傾けることでトラップ線の繰り返し効果を利用して折り返し歪も防止することできる。
【0060】(第3実施例)図22は、本実施例によるフィアバースコープ用光学的ローパスフィルタを示している。図中、33は光学的ローパスフィルタであって、これは4枚の複屈折板33a,33b,33c,33dより構成され、夫々物体側より2.52mm,1.52mm,1.63mm,2.62mmの厚みを有していると共に、同図(b)に示す結晶軸方向を有している。
【0061】かかる構成よりなるローパスフィルタ33は図23に示すトラップ特性を有している。図において、Ux ,Uy は夫々2次元空間周波数を示しており、トラップ線34a,34b,34c,34dは夫々複屈折板33a,33b,33c,33dによりレスポンスが0%となる周波数を示している。また、サンプリングポイント,色副搬送波周波数及びイメージガイドファイバー束の射出端面に含まれる周波数スペクトルfFはすべて第1実施例と同様とする。
【0062】本実施例によれば、色複搬送波周波数及びサンプリングポイントを異なるトラップ線が通るように構成したため、水平走査方向のレスポンスを不必要に低下させることなく、各々の周波数近傍に存在する周波数スペクトルfFの強度を効果的に減衰させることができる。
【0063】次に、本発明の第2の手段に用いられる内視鏡テレビシステムの実施例について説明する。
(第4実施例)図24(a),(b)はかかる内視鏡テレビシステムの要部斜視図である。図において、ファイバースコープ用に最適な光学的ローパスフィルタが内蔵されたテレビカメラヘッド15aと硬性鏡用に最適な光学的ローパスフィルタが内蔵されたテレビカメラヘッド15bの2種類のカメラヘッドを使用者が使用する内視鏡に応じて選択し、カメラコントロールユニット13に挿脱できるようになっている。
【0064】同図(a)に示すものは、テレビカメラヘッド15a,15b内にカメラコントロールユニット13と電気的整合を得るための電気回路が内蔵されていて、カメラコントロールユニット13に合わせて電気的特性を調整できるようになっている。また、同図(b)に示すものは、複数のカメラヘッド15a,15bを一台のカメラコントロールユニット13に取り付けても、色再現性等が変わらないようにテレビカメラヘッド15a,15b側で電気的特性が補正され得、一台のカメラコントロールユニット13に複数のテレビカメラヘッドを同時に取り付けることができるようになっている。この場合、カメラコントロールユニット13には複数のテレビカメラヘッド15a,15bより出力される信号を一つの信号処理系で処理しているため、信号処理をすべきテレビカメラヘッドを選択するためのスイッチ40が設けられている。このように複数のテレビカメラヘッドを同時に利用可能に構成することにより、術中の切り換えが容易となり、例えば術中に一方のカメラヘッドが壊れた場合でも、もう一方のカメラヘッドを用いて手術が続行できる等の利点がある。
【0065】この場合、ファイバースコープに最適な光学的ローパスフィルタは例えば第1実施例〜第3実施例で述べた構成のものが挙げられ、また、硬性鏡用として最適な光学的ローパスフィルタとしては図25に示すものが挙げられる。この光学的ローパスフィルタ35は、同図(b)に示す結晶軸方向を有する1枚の複屈折板35bを用い、図26に示すようにカットオフ周波数を固体撮像素子のナイキスト限界である52.1(本/mm)に設定したものである。尚、35aは光路長補正のためのガラス板である。
【0066】本実施例によれば、例えば固体撮像素子として、一画素のピッチサイズが水平方向でPx =9.6μm、垂直方向でPy =9.9μmのものを使用すると、水平方向のナイキスト周波数は52.1(本/mm)と計算される。従って、ファイバースコープ用の光学的ローパスフィルタは29.5(本/mm)におけるコントラストがほぼ0%であるのに対し、硬性鏡用の光学的ローパスフィルタを使用すると、3.58MHzにおけるレスポンスの値は、MTF(3.58MHz )=cos{(π/2)×(29.5/52.1)}≒63%と非常に大きく、固体撮像素子を高画素化したメリットを十分に活かすことができる。更に、テレビカメラヘッドを交換可能としたため、テレビカメラヘッドの大型化やゴミの侵入による画質の劣化等を防止している。
【0067】また、図27(a)は、硬性鏡専用の光学的ローパスフィルタを内蔵したテレビカメラヘッド15bと、接眼部のアイピース41を取り外した硬性鏡を直接一体化するための結像レンズ9とを用いたテレビ観察専用の硬性鏡の要部斜視図である。また、同図(b)は、ファイバースコープ専用の光学的ローパスフィルタを内蔵したテレビカメラヘッド15aと、接眼部のアイピース41を取り外したファイバースコープを直接一体化するための結像レンズ9とを用いたテレビ観察用のファイバースコープの要部斜視図である。
【0068】次に、本発明の第3〜5の手段に用いられる内視鏡テレビシステムに用いられるファイバースコープ用の光学的ローパスフィルタの実施例について説明する。
(第5実施例)第3〜5の手段による内視鏡テレビシステムは、ファイバースコープの周波数スペクトルfFと色副搬送波周波数との干渉によるモアレを、信号のレベルを調整する電気的手段、或いは信号の切り換えを行う機械的手段を用いて除去するようになっている。従って、本実施例の光学的ローパスフィルタにはモアレを除去するための特性はなく、サンプリング近傍に存在するファイバースコープの周波数スペクトルfFの強度を十分減衰せしめる特性を有している。
【0069】図28は、本実施例による光学的ローパスフィルタを示している。図中、36は光学的ローパスフィルタであって、これは4枚の複屈折板36a,36b,36c,36dより構成され、夫々物体側より1.81mm,1.98mm,1.57mm,1.51mmの厚みを有していると共に、同図(b)に示す結晶軸方向を有している。図29はかかる光学的ローパスフィルタ36が有するトラップ特性を示している。尚、図29において、サンプリングポイント及びイメージガイドファイバー束の射出端面に含まれる周波数スペクトルfFは全て第1実施例と同様であるとする。
【0070】上記特性を有する光学的ローパスフィルタと上述した電気的手段又は機械的手段とを組み合わせて構成することにより、固体撮像素子の高画素化の利点を活かすことができ、解像度とコントラストに優れた内視鏡画像を得ることができる。また、モアレを除去するための上記電気的手段及び機械的手段は、全てのコンポジットテレビ信号出力方式に適応されるものであって、NTSC,PAL,SECAMの各方式以外の出力方式であっても構わず、例えばHD−TVに使用するものでも良い。
【0071】また、ファイバースコープ使用時に電気的にモアレを除去する他の構成として、固体撮像素子で画像信号に変換された内視鏡像をフィールド毎に記録する静止画記録装置の利用が挙げられる。この場合、静止画記録装置を介して、ビデオやプリンタ等に画像を記録するようにすれば、モアレの彩度が低下し、ファイバースコープ使用時に生じるモアレを目立たせなくさせることができる。
【0072】次に、本発明の第6の手段に用いられる、色信号抑圧回路を有するカメラコントロールユニットを用いた内視鏡テレビシステムの実施例について説明する。
(第6実施例)色信号抑圧回路を用いたカメラコントロールユニットについては、図11,図16を用いて説明したが、かかるカメラコントロールユニットを用いれば、例えば硬性鏡用に使用される1枚の複屈折板を使用して、図30(a)に示すようにカットオフ周波数を固体撮像素子のナイキスト限界である52.1(本/mm)に設定した光学的ローパスフィルタを、同図(b)に示すようにカットオフ周波数を56.3(本/mm)に設定した光学的ローパスフィルタのようにしても、実用上十分な偽色除去効果がある。
【0073】例えば、NTSC方式で信号出力する1/2インチサイズの固体撮像素子を用いたときの3.58MHzにおけるレスポンスが63%であった場合、上記カメラコントロールユニット及び光学的ローパスフィルタを用いることにより、MTF(3.58MHz )=cos{(π/2)×(29.5/56.3)}≒68%となり、コントラストを全体的に向上させることができる。また、固体撮像素子のナイキスト限界におけるレスポンスも0%であったものが、MTF(52.1本/mm )=cos{(π/2)×(29.5/56.3)}≒15%となり、解像度も向上させることができる。
【0074】尚、色信号抑圧回路を有するカメラコントロールユニットに使用される光学的ローパスフィルタとしてカットオフ周波数を56.3(本/mm)に設定しているが、色信号抑圧回路の特性に応じて硬性鏡使用時に偽色が問題とならないような光学的特性に設定されていれば、光学的ローパスフィルタによるカットオフ周波数を固体撮像素子のナイキスト限界よりも高周波側の任意の周波数に設定しても構わず、また、光学的ローパスフィルタを用いなくとも良い。
【0075】このように、色信号抑圧回路を有するカメラコントロールユニットを用いれば、固体撮像素子を高画素化した以上の効果,即ち解像度及びコントラストの向上が得られるが、高周波成分が多く含まれる被写体を撮像して信号処理した場合、アパーチャ信号の振幅が大きい値で出力されてしまうので、内視鏡画像は色の無い画像となる。
【0076】図31は本実施例のカメラコントロールユニットの要部ブロック図である。図いおいて、カメラコントロールユニット13は、色信号抑圧回路と通常の電気回路の2種類の回路を有し、これら回路に入力する画像信号はスイッチング手段24でその入力先の回路が選択的に切り換えられるようになっている。スイッチング手段24は固体撮像素子12の次段に配置されているが、図示したものと同様の効果が得られるのであれば、固体撮像素子の入力側からモニタテレビのブラウン管に至る適宜の位置に配置して良い。
【0077】本実施例によれば、使用する内視鏡に応じて色信号抑圧回路の作動を選択可能なスイッチング手段を回路中の適宜な位置に配置することにより、上述した内視鏡画像の色抜けを防止することができる。かかるスイッチング手段を作動させる場合、使用者が使用する内視鏡に応じて選べるようにすれば良い。また、内視鏡に種別を判定するための機構を設け、その情報をスイッチング手段にフィードバックするような機構を設けることにより、各々の内視鏡を接続した時点で色信号抑圧回路の作動状態を制御することができる。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ファイバースコープ使用時にはモアレや色のない画像が生成されることが防止され得、硬性鏡使用時には解像度とコントラストに優れた内視鏡画像が得られる内視鏡テレビシステムを実現することができる。




 

 


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