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発明の名称 歯科補綴物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−78935
公開日 平成6年(1994)3月22日
出願番号 特願平4−237015
出願日 平成4年(1992)9月4日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 袴塚 康治 / 渡辺 一博
要約 目的
天然歯のエナメル質に近似したオパール効果を有する色調を有する歯科補綴物を提供する。

構成
主成分としてLi2 CO3 、Na2 Si F6 、 SiO2 、Al2 O 3 、MgO 、 ZrO2およびZnO を、着色酸化物として TiO2 およびその他の着色酸化物からなる原料混合物を、13℃/ 分の昇温速度で750 ℃まで加熱して、その温度で2時間係留した。この後、昇温速度を下げて最高温度が 780〜 890℃の範囲で熱処理を施してキャスタブルセラミックス材料を得る。この材料は、オパール様のアメ色の色調を示し、リチウム・アルミニウム・シリケート系結晶を含有する。キャスタブルセラミックス材料を用いて、常法に従って歯科補綴物を作製する。
特許請求の範囲
【請求項1】 マイカ系結晶またはβ−スポジウメン系結晶の少なくともどちらか一方の結晶の結晶相を含有するキャスタブルセラミックスからなる歯科補綴物であって、前記結晶相の大きさが0.01〜0.30μmであることを特徴とする歯科補綴物。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科補綴物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、歯科用補綴物用材料としてセラミックス材料が提案されている。セラミックス材料の中で、結晶化ガラス、ガラスセラミックスのような原料にガラスを用いたキャスタブルセラミックスが開発されている。
【0003】キャスタブルセラミックスには、ガラス自身に着色酸化物が含有されていないタイプと、ガラス自身に着色酸化物を導入したタイプの2つのタイプがある。前者は、ガラスを熱処理を施して結晶化させた場合に、透光性が高い無色透明な状態になる。後者は、天然歯のエナメル色に近い色調が得られ、しかも半透明性になる。
【0004】キャスタブルセラミックス製の歯科補綴物は、通常、審美性を高めるために天然歯に近似した着色が施される。例えば、前者の着色酸化物を含有しないキャスタブルセラミックス材料は、その上面にシェ−ディングポ−セレン(着色材)等を焼きつけ、下面には合着用のカラ−セメントを用いて歯科補綴物の色調表現を整えることが行われている(特開昭60−236640号)。一方、後者の着色酸化物を含有するキャスタブルセラミックス材料は、結晶化により着色されるが、更にステイン材を上面に焼きつけたり、陶材を焼きつけて色調表現をする方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の天然歯は、いわゆるオパール効果により、美しい青味がかった透明感がかもし出されている。また、天然歯の切端部分がオレンジ系の、いわゆる「アメ色」に見えることがあるが、これはオパ−ル効果が逆に働いた結果である(QDT、別冊、デンタルファインセラミックスの現況を探る、クインテッセンス出版株式会社、P72〜73、1986年11月10日発行。)これに対して、上述のようなキャスタブルセラミックス製の歯科補綴物は、いずれのタイプも、透明性または半透過性であり、上述のような着色処理を施しても天然歯のようなオパール効果が得られない問題がある。
【0006】本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、天然歯のエナメル質と同様のオパ−ル効果を有するキャスタブルセラミックスからなる歯科補綴物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、マイカ系結晶またはβ−スポジウメン系結晶の少なくともどちらか一方の結晶の結晶相を含有するキャスタブルセラミックスからなる歯科補綴物であって、前記結晶相の大きさが0.01〜0.30μmであることを特徴とする歯科補綴物である。以下、本発明の歯科補綴物を詳細に説明する。
【0008】本発明の歯科補綴物は、例えば、分相を発生させるような化学組成からなる原料を用い、この原料を溶融鋳造してガラス鋳造体を製作し、その後、熱処理することにより、オパール的な色彩効果を有するような結晶相を析出させたものである。
【0009】前記結晶相は、その大きさが0.01〜0.30μmの範囲内である。結晶相の大きさが0.30μmを越えると結晶構造が連続的になり、オパール的な色彩を放つ散乱が得られない。また、結晶相を歯科補綴物に対して40〜60重量%含有することが好ましい。天然歯のエナメル質に近似した硬さ及び耐摩耗性を得るために、結晶相中に少なくとも1種のマイカ系結晶を含有することが好ましい。
【0010】さらに、本発明の歯科補綴物は、一般的にキャスタブルセラミックスに添加される、例えば、酸化セリウム( CeO2 )、酸化チタン( TiO2 )、酸化第一鉄(Fe2 O 3 )のような着色酸化物を含有してもよい。
【0011】本発明の歯科補綴物は、例えば、炭酸リチウム(Li2 CO3 )、ヘキサフルオロ珪酸ナトリウム(Na2 Si F6 )、二酸化珪素( SiO2 )、酸化アルミニウム(Al2 O 3 )、酸化マグネシウム(MgO )、酸化ジルコニウム( ZrO2 )、酸化亜鉛(ZnO )のようなガラス成分の組成のうち、微視的に分相現象を起こす領域を見出し、そのうち、上述のような範囲の結晶相を生じ得る組成を選択する。次に、このような組成からなる原料混合物を、上述の結晶相を生じ得る熱処理条件で熱処理を施して、オパール効果を十分に奏することができる結晶相を析出させる。
【0012】
【作用】本発明の歯科補綴物は、所定の大きさの結晶相を含有するキャスタブルセラミックスからなるため、結晶相の光分散作用によって天然歯に近似したオパール効果を発揮する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
第一実施例【0014】主成分として、Li2 CO3 、Na2 Si F6 、 SiO2 、Al2 O 3 、MgO 、 ZrO2 およびZnO を、着色酸化物として CeO2 、 TiO2 およびFe2 O 3 を含むガラス組成について検討した。これらの成分からなるガラス組成のうち、0.01〜0.1μmの分相が発生する下記のような組成領域を見いだした。
成 分 重量%SiO2 40〜45Al2 O 3 6〜12MgO 15〜24Na2 Si F6 10〜15Li2 CO3 5〜10ZnO 2〜 4ZrO2 2〜 4TiO2 1〜 3着色酸化物(NiO,Fe2 O3 ,CeO2 等) 0〜 1上記ガラス組成のうち、下記の組成を有する原料組成物を調製した。
成 分 重量%SiO2 44Al2 O3 10MgO 22Na2 Si F6 13Li2 CO3 8ZnO 3ZrO2 2TiO2 2着色酸化物 その他【0015】得られた原料混合物を、13℃/ 分の昇温速度で750 ℃まで加熱して、その温度で2時間係留した。この後、昇温速度を4℃/分まで下げて、780 〜950 ℃の温度範囲内で10℃刻みに設定した各温度を最高温度として、それぞれ加熱して熱処理を施して、18個のキャスタブルキャスタブルセラミックス材料を得た。
【0016】一方、上記組成と同様の成分からなるが、上記の組成領域の範囲外である、すなわち、分相が見られない組成からなる原料混合物を調製し、上述と同様に熱処理を施して、キャスタブルセラミックス材料を得た。
【0017】このようにして得られたキャスタブルセラミックス材料について目視観察した。この結果、上記組成を有する18個のキャスタブルセラミックス材料のうち、最高温度が780 〜890 ℃の範囲で熱処理を施した12個の材料に、オパール様のアメ色の色調が確認された。また、オパール様の色調が認められたキャスタブルセラミックス材料(以下、本実施例とする)では、マイカ系結晶相として、リチウム・アルミニウム・シリケート系結晶が認められた。一方、上記組成領域外の組成を有するキャスタブルセラミックス材料では、結晶相を含まず、オパール様の色調は認められなかった。
【0018】本実施例のキャスタブルセラミックス材料と、オパール様の色調を示さなかったキャスタブルセラミックス材料(以下、比較例とする)を用いて、常法に従ってラミネ−トベニアクラウン(以下、補綴物という)を夫々作製した。得られた補綴物を上顎中切歯に適応して色調を観察した。この結果、本実施例の補綴物は、天然歯に近い色調を呈した。一方、比較例の補綴物は、通常のレジン(高分子)で作られている暫間クラウン用レジンシェル、例えば、(株)ジーシー社製のジーシーシェルテック(商品名)と同じような色調が得られ、天然歯の審美感にはほど遠いものであった。
第2実施例マイカ系結晶相が得られることが知られている下記一般式(I) で表される組成を有するガラス混合物と、K (1-2x)Cax Mg3 (Si3 AlO10)F 2 (I)
【0019】着色剤として1重量%以下の CeO、 TiO2 及びFe2 O3 を添加した原料混合物を、上記組成(I) 中のxを0.3 〜0.7 の範囲で変化させて調製した。このうち、0.01〜0.1μmの分相を生じる組成x=0.34 を見出した。
【0020】X=0.34の組成を有する原料混合物を、13℃/分の昇温速度で加熱し、850 ℃で2時間係留した。この後、4 ℃/分の昇温速度で加熱し、870 〜1050℃の温度範囲内で10℃刻みに設定した各温度を最高温度として、それぞれ加熱して熱処理を施して、19個のキャスタブルキャスタブルセラミックス材料を得た。一方、分相が認められないX=0.5 の組成を有する原料混合物を調製し、上述と同様に熱処理を施して、キャスタブルセラミックス材料を得た。
【0021】このようにして得たキャスタブルセラミックス材料について、目視観察を行った。この結果、x=0.34の組成を有する19個のキャスタブルセラミックス材料のうち、最高温度が870 〜 960℃の範囲で熱処理を施した10個の材料に、オパ−ル様の色調が観察され、結晶相として、カリウム雲母結晶およびカルシウム雲母結晶が認められた。X=0.5 の組成を有するキャスタブルセラミックス材料は、結晶相を含まず、オパ−ル様の色調は観察されなかった。
【0022】更に、オパール様の色調を示したキャスタブルセラミックス材料を用いて、第1実施例と同様に補綴物を作成し、実際に口内に装着して色調を観察した。この結果、天然の歯牙に対する色調は、第1実施例と同等の効果が得られた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明の歯科補綴物は、天然歯のエナメル質に近似したオパール効果を有する色調が得られる。この結果、歯科補綴物の審美性をより高めることができる等顕著な効果を有する。




 

 


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