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発明の名称 手術システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−63052
公開日 平成6年(1994)3月8日
出願番号 特願平4−221574
出願日 平成4年(1992)8月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 池田 裕一
要約 目的


構成
それぞれが臓器の生体組織内に縫合糸(35)を挿通する縫合針(38)と、体腔外から操作されてこの縫合針(38)を臓器の生体組織(M,m)内に刺入させるマイクロモータ(40)と、この縫合針(38)を縫合部に近接させるアプローチ手段(30)とを有する細径多機能内視鏡(12)およびマイクロマニピュレータシステム(16)を備え、これらの細径多機能内視鏡(12)およびマイクロマニピュレータシステム(16)を対腔内臓器の内側および外側から縫合部に近接させて縫合処置を行う手術システム(10)。
特許請求の範囲
【請求項1】体腔外から操作して体腔内臓器を縫合する手術システムであって、それぞれが臓器の生体組織内に縫合糸を挿通する縫合針と、体腔外から操作されてこの縫合針を臓器の生体組織内に刺入させる駆動機構と、この縫合針を縫合部に近接させるアプローチ手段とを有する複数の縫合処置具を備え、これらの複数の縫合処置具を体腔外に配置された制御手段により互いに異なる方向から縫合部に近接させて縫合処置を行うことを特徴とする手術システム。
【請求項2】前記縫合針は円弧状形状を有し、前記駆動機構は縫合針をその円弧の中心で回転させ、臓器の生体組織内に円弧状に縫合針を刺入して縫合糸を挿通することを特徴とする請求項1記載の手術システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体腔外からの操作により体腔内臓器を縫合する手術システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、体腔外からの操作により体腔内臓器の縫合を行う手術システムは、体腔内を観察する内視鏡と、体腔内で操作を行うための把持鉗子及び鋏鉗子等の多数の種類の腹腔鏡用処置具と、縫合針と、縫合糸とを備える。体腔内臓器を縫合する場合は、術者は内視鏡で体腔内を観察しつつ各種腹腔鏡用処置具を体腔外から操作し、腹腔鏡用処置具をその手の代わりに用いて縫合部を固定し、縫合針を持針して縫合操作を行う。このような縫合を行うための手術システムを開示するものには、例えば米国特許第 4,981,149号、第 4,901,721号及び特開昭 56-163641号がある。
【0003】また、縫合針と縫合糸とを用いて縫合を行う代わりに、ステープラを用いるクリッピングも行われている。これは、金属あるいはプラスチック製のステープラにより所要部位の生体組織間を閉じあわせ、固定するもので、例えば米国特許第4,620,541号及び特開平3-505167号等に示されている。このような体腔内縫合の手術システムは、例えば腹腔鏡下胃部分切除術及び腹腔鏡下大腸部分切除術等の内視鏡を用いた体腔内手術を行う場合に用いられ、患者に対する低侵襲の外科手術を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の縫合を行うための手術システムは、縫合部が片面側からのみ縫合されるため、生体組織の強度が小さい臓器を縫合する場合には、この縫合部に大きな張力が作用し、縫合糸が通っている部分から生体組織が破断し、縫合後にこの縫合が破綻するという危険がある。
【0005】また、ステープラを用いる場合には、ステープラという比較的小さな金属あるいはプラスチック片により縫合を行うために、縫合糸で縫合する場合よりも縫合力が弱いという欠点がある。縫合力の弱さを補うためには、多数のステープラを用いて縫合する必要があり、このように多数のステープラを用いると、その後のX線検査あるいはMRI検査時等にステープラによる画像ノイズあるいはアーティファクトが無視できないほど大きなものになってしまう。更に、多数のステープラの使用は経済的ではなく、治療費が過剰になるという問題もある。
【0006】本発明は上述に鑑みてなされたもので、手術後に縫合部が破綻することのない安全かつ確実な縫合を経済的に行うことのできる手術システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による手術システムは、体腔外から操作して体腔内臓器を縫合する手術システムであって、それぞれが臓器の生体組織内に縫合糸を挿通する縫合針と、体腔外から操作されてこの縫合針を臓器の生体組織内に刺入させる駆動機構と、この縫合針を縫合部に近接させるアプローチ手段とを有する複数の縫合処置具を備え、これらの複数の縫合処置具を体腔外に配置された制御手段により互いに異なる方向から縫合部に近接させて縫合処置を行うことを特徴とする。
【0008】上記縫合針は円弧状形状を有し、駆動機構は縫合針をその円弧の中心で回転させ、臓器の生体組織内に円弧状に縫合針を刺入して縫合糸を挿通することが好ましい。
【0009】
【作用】この手術システムにより体腔内臓器を縫合する場合は、それぞれの縫合処置具を体腔内に挿入し、体腔外の制御手段を通じてアプローチ手段を制御しつつ縫合針を縫合部の生体組織の表裏両面側から近接させる。そして、制御手段により各駆動機構を作動してそれぞれの縫合針を生体組織内に刺入させ、縫合部の生体組織をその両側からそれぞれ縫合する。
【0010】
【実施例】図1は本発明の実施例による手術システム10により、体腔内臓器の生体組織M,mを縫合する状態を示す。この手術システム10は、臓器の内側から縫合部位に近接する細径多機能内視鏡12と、トラカール14を通じて臓器の外側から縫合部位に近接するマイクロマニピュレータシステム16との2つの縫合処置具を備える。
【0011】この多機能内視鏡12のアプローチ手段を形成する能動湾曲部18には例えば形状記憶合金で形成される硬度可変手段20が内包されており、体腔外に配置された図示しない制御手段を通じてこれらの硬度可変手段20を制御することにより、その先端部を任意の角度で縫合部に近接させることができる。
【0012】更に、この多機能内視鏡12の先端部には高解像・高輝度観察手段22が設けられていると共に、この先端部からは複数の極細能動処置具28が突出する。この観察手段22は常に適切な光量の鮮明な画像を形成するオートアイリス・フォーカス手段24と、対物ガラス上に付着した粘液および血液等を払拭するマイクロワイパー26とを備える。また、各極細能動処置具28はそれぞれ先端部にクリップあるいは縫合針等の処置機能部を有する多関節マイクロマニピュレータ30を有し、図示しない制御手段を通じて処置機能部を所要の姿勢に制御しつつ縫合部に近接させると共に、処置機能部を操作することができる。したがって、この多関節マイクロマニピュレータ30もアプローチ手段を形成する。符号28aは先端に生体組織を縫合する縫合針を設けた微細縫合具であり、符号28bは先端にクリップを設けた微細把持鉗子である。
【0013】一方、臓器の外側から切開部を縫合するマイクロマニピュレータシステム16は、能動実体内視鏡32と複数の極細能動処置具34とを備える。このマイクロマニピュレータシステム16は腹壁Nに刺通されたトラカール14を通じて体腔内に挿入される。
【0014】本実施例では、能動実体内視鏡32は2系統の高解像・高輝度観察手段32aを有し、所要部位の鮮明な立体画像を任意の位置および姿勢から形成することができる。また、各極細能動処置具34はアプローチ手段を形成する多関節マイクロマニピュレータ36の先端部にクリップあるいは縫合針等の処置機能部を配置して形成されている。符号34aは先端部に生体組織を縫合する縫合針を設けた微細縫合具を示し、34bは先端にクリップを設けた微細把持鉗子を示し、34cはマイクロインジェクタを示す。このマイクロインジェクタ34cからはフィブリン糊等の生体適合性接着剤を射出し、止血あるいは縫合面の補強を行うことができる。これらの能動実体内視鏡32および極細能動処置具34は、上記細径多機能内視鏡12の極細能動処置具28と共に体腔外の制御手段により統合して制御することがでる。
【0015】図2は上記微細縫合具34aの実施例を示す。図中、マイクロマニピュレータシステム16の微細縫合具34aについて説明するが、細径多機能内視鏡12の極細能動処置具である微細縫合具28aをもこれと同様である。図2に示すように、微細縫合具34aは多関節マイクロマニピュレータ36の先端部に縫合針38を配置してある。この縫合針38は円弧状の針部38aと直線状の支持部38bとを有する湾曲構造に形成されており、支持部38bが多関節マイクロマニピュレータ30に内蔵の駆動機構たるマイクロモータ40に連結されている。この支持部38bとマイクロモータ40との連結部は、針部38aの円弧の中心に位置しており、体外からの信号でマイクロモータ40が駆動されると、針部38aをその先端から生体組織中に滑らかに刺入することができる。また、縫合糸35は多関節マイクロマニピュレータ30内を通して体外から導かれ、その先端部が針部38aの先端側に掛けられる。
【0016】この制御システム10により臓器の生体組織M,mを縫合する場合は次のように行う。まず図1に示すように、臓器内には細径多機能内視鏡12を挿入し、腹壁の所要部位に穿孔した開口にトラカール14を挿通してこのトラカール14にマイクロマニピュレータシステム16を挿通する。そして、体腔外の制御手段を通じて細径多機能内視鏡12の能動湾曲部18に内包された硬度可変手段20を作動しつつその先端部を臓器の内側から縫合部位に近接させ、更に、マイクロマニピュレータシステム16の能動実体内視鏡32および極細能動処置具34の先端部を臓器の外側から縫合部位に近接させる。
【0017】生体組織M,mの縫合は、細径多機能内視鏡12の観察手段22およびマイクロマニピュレータ16の能動実体内視鏡32を通じて縫合部位を観察しつつ、臓器の内外側の両側から行う。
【0018】図2の(A)に示すように、この縫合を行う場合は、多関節マイクロマニピュレータ36によって縫合針38を縫合部位に近接させて位置させ、針部38aを生体組織M,mの反対側に配置する。この後、マイクロモータ40を駆動して縫合針38を針部38aの先端方向に回転し、第2図の(B)に示すように縫合する生体組織M,m内へ刺入していく。縫合針38を約180度回転させ、針部38aの先端部が再び生体組織M,mから突出したところで回転を停止する。第2図の(C)はこのように縫合針38の回転を停止した状態を示す。そして、縫合針38に取り付けられた縫合糸35は針部38aの通過経路に沿って生体組織M,m内を円弧状に挿通される。生体組織M,mから突出した縫合糸35を微細把持鉗子34bで把持し、縫合針38は逆転して元の位置に戻す。このようにして、縫合糸35は生体組織M,m内に円弧状に挿通される。
【0019】このような縫合操作は、生体組織M,mの反対側すなわち臓器の内側からも上記の細径多機能内視鏡12で行う。図1では細径内視鏡12は臓器の内反縫合を行っている。これらの細径多機能内視鏡12およびマイクロマニピュレータシステム16の操作は図示しない制御手段により統合して制御することが好ましい。
【0020】この手術システム10によれば、細径多機能処置具12が硬度可変手段20により能動湾曲部18を自由に湾曲させかつ各極細能動処置具28をその多関節マイクロマニピュレータ30により自由に屈曲させ、また、トラカール14を通じて体腔内に挿入されるマイクロマニピュレータシステム16が能動実体内視鏡32および極細能動処置具34を自由に湾曲させて体腔内臓器の内側および外側から縫合部位に任意の方向で同時に近接することができると共に、高解像、高輝度観察手段22および能動実体内視鏡32により常に適切かつ鮮明な画像で縫合部を観察しつつ臓器の所要部位をその内側および外側から安全かつ確実に効率良く縫合操作を行うことができる。
【0021】更に、縫合糸35が生体組織M,m内に円弧状に挿通されるため、生体組織M,mに作用する縫合糸35の力が分散される。このため、生体組織M,mは局部的に強い力を受けることがなく、生体組織M,mが縫合糸35によって破断する可能性が極めて小さくなる。生体組織M,mはその表裏両側から縫合されるため、縫合部の強度が大きく、確実な縫合を行うことができると共に、縫合作業によって消費されるものは、適当な長さの縫合糸35のみであり、ステープラを用いるよりも経済的である。なお、縫合針38を駆動する駆動機構は上述のマイクロモータ40に代えて図3あるいは図4に示す適宜の機構を採用することができる。
【0022】図3に示す駆動機構は、図2に示すマイクロモータ40の代わりにワイヤ42とプーリ43とを備える。この駆動機構はワイヤ42の引っ張り方向を代えることにより縫合針38を任意の方向に任意の角度で回転駆動することができる。構造が単純化され、より簡単にすることができる。図4は更に他の実施例による駆動機構を細径多機能内視鏡12の微細縫合具28aに用いた状態として示す。
【0023】図4に示すように、この実施例の駆動機構は、円弧状の縫合針44の基端に取り付けられた形状記憶合金(SMA)46を備え、これらの縫合針44と形状記憶合金46とを収容した湾曲形状の案内管48内に挿通されている。この案内管48は微細縫合具28aのマイクロマニピュレータ30(図1)の一部を形成するものであってもよい。この微細縫合具28aにより縫合する場合は次のように行う。
【0024】まず、図4の(A)に示すように案内管48内に円弧状の縫合針44を収容した状態でをマイクロマニピュレータ30(図1)を操作し、その先端部を縫合部位に誘導する。ここで形状記憶合金46に通電し、この通電により発生するジュール熱で形状記憶合金46を伸長させる。形状記憶合金46の先端に取り付けられた縫合針44は、生体組織M,m内に刺入され、形状記憶合金46の伸長にともない図2の(B)に示すように生体組織M,mを貫通する。これにより、縫合針44の先端付近に取り付けられた縫合糸35が、縫合針44とともに生体組織M,m内に円弧状に挿通される。この縫合糸35の先端を微細把持鉗子28bで把持する。そして、形状記憶合金46への通電を停止すると、形状記憶合金46は冷却され、元の長さにまで縮み、形状記憶合金46と連結している縫合針35も生体組織M,m内から抜け、元の位置にまで戻る。これにより、生体組織M,m内に、縫合糸35が円弧状に挿通される。
【0025】
【発明の効果】以上明らかなように、本発明の手術システムによると、複数の縫合処置具を対腔内臓器の縫合部位にそれぞれ異なる方向から近接させて縫合することができ、手術後に縫合部が断裂する危険のない安全かつ確実な縫合を経済的に行うことができる。




 

 


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