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発明の名称 冷凍魚肉すり身用品質改良剤及びそれを用いた冷凍魚肉すり身の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−62807
公開日 平成6年(1994)3月8日
出願番号 特願平4−222340
出願日 平成4年(1992)8月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】光来出 良彦 (外2名)
発明者 高間 浩蔵 / 鈴木 聡 / ▲塚▼田 正幸 / 竹田 博幸 / 古賀 裕
要約 目的
冷凍魚肉すり身に対して蛋白変性防止効果が優れ、しかも、製造された水産ねり製品が甘くなり過ぎず、且つ褐変が引き起こされない新規な冷凍魚肉すり身用品質改良剤を提供する。さらに、通常のすり身よりも鮮度の落ちたものにも効果のある冷凍魚肉すり身用品質改良剤を提供する。

構成
1−ケストースを有効成分として含有させて冷凍魚肉すり身用品質改良剤とする。この冷凍魚肉すり身用品質改良剤を魚肉すり身に対して、1−ケストースが8%(W/W)程度になるよう添加して冷凍貯蔵することにより、冷凍魚肉すり身の品質を長期間保持することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】 1−ケストースを有効成分として含有することを特徴とする冷凍魚肉すり身用品質改良剤。
【請求項2】 魚肉すり身に対して、1−ケストースを有効成分として含有する冷凍魚肉すり身用品質改良剤を添加し、冷凍貯蔵することを特徴とする冷凍魚肉すり身の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚肉すり身の冷凍貯蔵中に起こる蛋白の変性を防止するための冷凍魚肉すり身用品質改良剤及びそれを用いた冷凍魚肉すり身の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍魚肉すり身は、使用法が簡便で、貯蔵ができることから水産ねり製品の原料として広く利用されている。魚肉すり身を冷凍保存していると蛋白変性が生じ、このような魚肉すり身を用いて水産ねり製品を製造するとその製品の弾力の低下を引き起こす問題があるので、従来、魚肉すり身の冷凍貯蔵中の蛋白変性を防止するために魚肉すり身にショ糖及び/又はソルビトールを添加して混合し、−20℃以下で貯蔵する方法が一般的に広く行われている。また、魚肉すり身にグルコースを添加することが提案されているが、グルコースは製品に褐変を引き起こすので、実際には殆どの魚肉すり身には使用されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のショ糖及び/又はソルビトールを添加して魚肉すり身を冷凍保存する方法は、次のような欠点がある。すなわち、品質改良剤としてショ糖を用いる場合、得られる水産ねり製品が甘くなり過ぎるために、最近の消費傾向のカニ風味、ウニ風味等の高級風味を付与した製品には向かない欠点を持っている。
【0004】また、品質改良剤としてソルビトールを用いる場合にはソルビトールの製造原料であるグルコースがソルビトール中にどうしても残存しており、このために水産ねり製品の製造過程中の加熱によって褐変が引き起こされ、水産ねり製品の白度に大きな悪影響を与える欠点を有している。さらに最近になって、原料であるスケトウダラの漁獲高の減少に伴い、外国漁船からの洋上買い付け等により、スケトウダラの鮮度の低下の問題が指摘されており、冷凍魚肉すり身の品質低下を引き起こしている。
【0005】そこで本発明は、冷凍魚肉すり身に対して蛋白変性防止効果が優れ、しかも、製造された水産ねり製品が甘くなり過ぎず、且つ褐変が引き起こされない新規な冷凍魚肉すり身用品質改良剤を提供すること及び冷凍魚肉すり身の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、鮮度の低下している冷凍魚肉すり身に対しても有効な冷凍魚肉すり身用品質改良剤を提供すること及び冷凍魚肉すり身の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するために本発明は、1−ケストースを有効成分として含有することを特徴とする冷凍魚肉すり身品質改良剤とするものである。また本発明は、魚肉すり身に対して、1−ケストースを有効成分として含有する冷凍魚肉すり身用品質改良剤を添加し、冷凍貯蔵することを特徴とする冷凍魚肉すり身の製造方法とするものである。
【0007】1−ケストースはいわゆるフラクトオリゴ糖の一種であり、その構造はグルコースとフラクトースが結合したシュークロースのフラクトース部分に、β−2,1結合によりフラクトースが1分子結合したものであって、O−α−D−グルコピラノシル−(1→2)−O−β−D−フラクトフラノシル−(1→2)−O−β−D−フラクトフラノシドである。
【0008】フラクトオリゴ糖の用途として従来知られているものは、例えば、特公昭59−53834号公報に開示されているビフィズス活性や、特開昭59−110621号公報に開示されている利尿剤等があるが、いずれもフラクトオリゴ糖の混合物、即ち、1−ケストース(GF2 )、ニストース(GF3 )、フラクトフラノシルニストース(GF4 )の混合物で使用されていた。
【0009】本発明で用いる1−ケストースの製造法は、ショ糖にスコプラリオプシス・ブレビカウリス(copulariopsis brevicauli)の生産するフラクトシルトランスフェラーゼを作用させることによって得ることができ、その詳細は既に本件出願人が出願した特開平2−163093号公報や、特開平2−249493号公報に開示されている。
【0010】また、高純度の1−ケストース結晶を煎糖法により大量に安価に製造する方法は、本出願人が特願平2−224312号として既に出願している。この生産法によると工業的に1−ケストースが単品でしかも99.9%の高純度で大量に得られている。1−ケストースは、シュークロースやグルコースに比べて甘味が少なく、即ち、シュークロースの甘味度を1.0とした場合、ソルビトールは0.5、グルコースは0.7とされており、これらの値に対して1−ケストースは本件出願人の官能検査結果によれば0.3〜0.4であり、冷凍魚肉すり身用品質改良剤として使用した場合、製品に甘味が付与され過ぎることはない。
【0011】また、1−ケストースは水に対する溶解性が高いので冷凍魚肉すり身に均一に混合することができる。図1に1−ケストースの水に対する溶解度曲線を示す。本発明で魚肉すり身に対して添加可能な1−ケストースの量は0.1〜30重量%程度であるが、好適な添加量は8重量%前後である。本発明の冷凍魚肉すり身用品質改良剤は、1−ケストース単体でも品質改良効果を有し、また他の冷凍魚肉すり身用品質改良剤と組み合わせて使用することもできる。
【0012】
【実施例1】スケトウダラのすり身として、採魚してから2〜3日経て加工された「陸上すり身」を用意した。この「陸上すり身」とは、近海の漁場で採れたスケトウダラを船上で直ぐ加工せずに、陸揚げしてからすぐに加工工場ですり身にしたものである。従って、本実施例1で使用した「陸上すり身」は、船上で直ちにすり身加工した「船上すり身」に比べればややグレードが劣り、一般的なかまぼこ、ちくわに使用されているものである。
【0013】スケトウダラの「陸上すり身」に下記の表1に示された品質改良剤を添加して調製したすり身である試料1、試料2、試料3及び試料4を−20℃で、1ヵ月、2ヵ月及び8ヵ月で凍結保存した。
【0014】
【表1】

【0015】上記表1に示された試料1〜4のすり身の各保存期間の異なるものを4℃で解凍した後、3%(W/W)の食塩を添加し、4℃で6分間擂潰した後ケーシングし、90℃で30分間加熱してかまぼこを製造した。このかまぼこを25℃で一昼夜放置した後、折り曲げ試験、破断強度、へこみ、ゼリー強度からなる物性試験を実施した。これらの試験方法は以下に示す通りである。
【0016】折り曲げ試験上記表1に示された試料1〜4のすり身を用いて製造したかまぼこを3mm厚に調製して折り曲げ試験を実施した。この試験には次の表2に示すグレード基準を用いて評価した。
【0017】
【表2】

【0018】この折り曲げ試験の試験結果を次の表3に示す。
【0019】
【表3】

【0020】破断強度、へこみ、ゼリー強度上記表1の試料1〜4を用いて製造したかまぼこをレオメーターにて、5mmのプランジャーを用いて破断強度及びへこみを測定した。また得られた測定値より、破断強度とへこみを掛け合わせてゼリー強度を算出した。破断強度の測定値を下記の表4に、へこみの測定値を下記の表5に、ゼリー強度の計算値を下記の表6にそれぞれ示す。
【0021】
【表4】

【0022】
【表5】

【0023】
【表6】

【0024】前記表2〜6によれば、次の知見が得られる。試料1の品質改良剤の無添加群では、1カ月保存で既に他の群に比べ、折り曲げ試験、破断強度、へこみ、及びゼリー強度の全ての試験項目にわたってかなり劣る結果となった。試料3の1−ケストース添加群は、試料2のシュクロースとソルビトールの混合添加群及び試料4のソルビトール添加群に比べ、前記全ての試験項目において勝るとも劣らない結果となり、特に8カ月目では他のいかなる群に比べ、折り曲げ試験、破断強度、へこみ、及びゼリー強度において優れた試験結果を与えている。このことは、1−ケストースを魚肉すり身に添加して冷凍保存することによって、長期間凍結保存しても他の品質改良剤に比べてすり身の品質の低下が少ないことを示している。
【0025】
【実施例2】スケトウダラのすり身として、前記実施例1に使用した「陸上すり身」よりグレードの低い「陸上すり身」を用意した。即ち、本実施例2では採魚して4〜5日経たスケトウダラをすり身にした「陸上すり身」を用意した。この「陸上すり身」は揚げかまぼこ程度にしか利用されない低級なすり身であり、水分含量が高く、蛋白含有量が小さいものである。
【0026】上記の「陸上すり身」に対して品質改良剤として下記の表7に示すシュクロース、1−ケストース(GF2 )、該1−ケストースと近縁のフラクトオリゴ糖であるニストース(GF3 )、及びソルビトールを用いた。品質改良剤の無添加のすり身を試料5とし、上記の各品質改良剤を添加したすり身を各々試料6、試料7、試料8、試料9とした。
【0027】
【表7】

【0028】この試料5〜9のすり身を−20℃で1カ月間及び2カ月間、凍結保存し、それぞれの冷凍すり身を4℃で解凍後、3%(W/W)の食塩を添加し、4℃で6分間擂潰後ケーシングし、90℃で30分間加熱してかまぼこを製造した。これを25℃で一昼夜放置後、次の物性試験を実施した。
折り曲げ試験上記表7に示す試料5〜9の冷凍すり身で製造したかまぼこを3mm厚に調製して折り曲げ試験を実施した。前記実施例1で用いた前記表2に示すグレード基準により評価した。その結果を下記の表8に示す。
【0029】
【表8】

【0030】破断強度、へこみ、ゼリー強度上記表7に示す試料5〜9の冷凍すり身で製造したかまぼこをレオメーターにて、5mmのプランジャーを用いて破断強度、へこみを測定した。また、これらの測定値よりゼリー強度を算出した。破断強度の測定値を下記の表9に、へこみの測定値を下記の表10に、ゼリー強度の算出値を下記の表11にそれぞれ示す。
【0031】
【表9】

【0032】
【表10】

【0033】
【表11】

【0034】上記表9〜11によれば、試料5の品質改良剤の無添加群では、1カ月保存で既に他の群に比べ、折り曲げ試験、破断強度、へこみ、及びゼリー強度の全ての試験項目にわたってかなり劣っている。試料7の1−ケストース添加群は、試料6のシュクロース添加群、試料8のニストース添加群、試料9のソルビトール添加群に比べ、前記全ての試験項目において優れている。
【0035】上記表8の折り曲げ試験及び上記表9〜11の物性試験を総合すると、鮮度の落ちたグレードの低い魚肉すり身の冷凍保存に1−ケストースの添加が極めて高い有効性を有することが分かる。
【0036】
【発明の効果】本発明の冷凍魚肉すり身用品質改良剤は、1−ケストースを有効成分として使用することにより次の効果が奏される。
■冷凍魚肉すり身用品質改良剤として従来使用されているシュクロース、ソルビトールに比べ、1−ケストースの冷凍保存による蛋白変性抑制効果は1〜2カ月の短期間では同程度又はそれ以上だが、8カ月の長期間になると格段に優れた効果がある。
【0037】■品質の落ちた冷凍すり身に対しても、1−ケストースは従来の冷凍魚肉すり身用品質改良剤に比較して優れた蛋白変性抑制効果がある。
■冷凍魚肉すり身用品質改良剤として従来使用されているシュクロースについては製品に甘味が付与されるという欠点や、ソルビトールについては製品に褐変が引き起こされるという欠点があったが、1−ケストースを使用することにより、これらの欠点を解消することができる。
【0038】■1−ケストースは水に対する溶解性が高いので冷凍魚肉すり身に均一に混合される。




 

 


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