米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 農業 -> 森永乳業株式会社

発明の名称 焼プリンの製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−276977
公開日 平成6年(1994)10月4日
出願番号 特願平5−93548
出願日 平成5年(1993)3月29日
代理人 【氏名又は名称】工藤 力
発明者 冨田 守 / 工藤 力 / 岩附 慧二 / 宮崎 裕介 / 川村 信夫 / 井出 総一郎
要約 目的
160℃以上の高い温度で衛生的に焼成し、表面に鮮やかな焦げ目を有し、かつ優れた風味と組織を有し、すぐれた品質の本格的な焼プリンを製造する方法を提供する。

構成
合成樹脂製容器にプリン原料を充填し、容器に充填した該プリン原料の上面にゼラチンを含む微細な気泡を含有する泡状原料を充填し、各原料を充填した容器を水又は温湯に浸漬せずに少なくとも160℃の温度で加熱し、該泡状原料を焼成することを特徴とする焼プリンの製造法。
特許請求の範囲
【請求項1】 合成樹脂製容器にプリン原料を充填し、容器に充填した該プリン原料の上面にゼラチンを含む微細な気泡を含有する泡状原料を充填し、各原料を充填した容器を水又は温湯に浸漬せずに少なくとも160℃の温度で加熱し、該泡状原料を焼成することを特徴とする焼プリンの製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂製容器に充填されたプリン原料を160℃以上の高温度で焼成し、表面に鮮やかな焦げ目を有し、かつ優れた風味と組織を有する本格的な焼プリンの製造法に関する。
【0002】本明細書において百分率の表示は、統計処理における危険率を除き、重量による値である。
【0003】
【従来の技術】プリンは、本来卵、牛乳、砂糖等の原料を型に充填し、蒸すか又はオーブンで蒸し焼きするかした菓子のことであり、正確にはカスタード・プディングという。カスタード・プディングは、最初イギリスで作られた菓子であり、明治10年日本で市販され、比較的簡単に製造できたので、子供、病人の栄養食としてわが国の家庭に浸透した。その後、昭和20年代後半に、牛乳を着色して寒天で固化した製品が市販され、その食感、揺れる様子から、わが国では「プリン」と呼ばれるようになった(月刊消費者、第380号、第26ページ、1991年)。
【0004】デザートの一種であるプリンは、最近消費が増加し(年間約300億の市場といわれている)、各種の製品が市販されている。これらの市販品の大部分は、容器の底部にカラメルソースが充填されており、その上部にプリンが充填されたものであり、風味、組織とも画一的である。しかしながら、一部の市販品には、容器に充填されたプリンの上面に焦げ目を付した製品(いわゆる焼プリン)がある。この焼プリンは、独特の風味を有し、焦げ目のない非焼プリンとは異なっているが、本格的な高級焼プリンと比較すれば、焼成による風味が乏しい欠点があった。
【0005】焼プリンの製造法については、従来、プリンミックスを充填したプラスチックカップを水又は温湯に浸漬して140℃の温度で、焼成する方法が知られている(特開平5−49429号公報。以下従来法と記載することがある)。この方法においては、160℃以上の温度で焼成した場合、「ベースの側面部に気泡が多数発生して品質の点で非常に問題がある。又、焼成温度が高温になるほどプラスチックカップの熱変形が生じ易いので、容器としてプラスチックカップが使用できなくなる。」(前記公開公報第3欄、3行〜7行)との理由から、160℃以上の高温での焼成が不可能であった。更にこの方法においては、プラスチックカップが漬かる程度にお湯を張ったバット内で焼成を行うので(前記公開公報第2欄、22行〜24行)、熱伝導率が高くなり、160℃以上の高温で焼成を行った場合、プリンの組織が劣化する等の問題があった。
【0006】しかしながら、焦げ目を付与する目的からは、160℃以上の温度で焼成することが必要なので、160℃以上の高い温度で焼成し、本格的な焼プリンを製造する方法が待望されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記従来の技術において、不可能とされていた160℃以上の高い温度で焼成し、焼プリンを製造する方法の研究を行っていたが、泡状原料の一成分としてゼラチンを使用することにより、高い焼成温度においても泡を安定に保持し、かつ各原料を充填した容器を水又は温湯に浸漬しないことにより、高い焼成温度におけるプリン原料からの気泡の発生を防止し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0008】本発明の目的は、160℃以上の高い温度で衛生的に焼成し、表面に鮮やかな焦げ目を有し、かつ優れた風味と組織を有し、すぐれた品質の本格的な焼プリンを製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発明は、合成樹脂製容器にプリン原料を充填し、容器に充填した該プリン原料の上面にゼラチンを含む微細な気泡を含有する泡状原料を充填し、各原料を充填した容器を水又は温湯に浸漬せずに少なくとも160℃の温度で加熱し、該泡状原料を焼成することを特徴とする焼プリンの製造法、である。
【0010】次に本発明の方法について詳述する。
【0011】本発明の方法に使用する合成樹脂製容器は、食品衛生上問題がなく、かつ少なくとも160℃の温度において熱変形を生じない容器であればよく、特に制限はないが、例えば、高結晶ポリプロピレン樹脂(三井東圧社製)を用いたRevePP71φ−105M(岸本産業社製)、RevePP71φ−100C(岸本産業社製)等が望ましい。
【0012】本発明の方法に使用するプリン原料は、従来公知の組成と同一であってもよく、望ましい組成の一例を示せば、全卵23%、牛乳63%、砂糖14%である。所定の成分の所定量を均一に溶解し、均質化し、常法により加熱し、のち冷却し、調製する。プリン原料は、その上に泡状原料を充填するので、容器に充填する泡状原料とプリン原料との合計量(カラメルソースを使用する場合は、カラメルソース、泡状原料及びプリン原料の合計量)の90〜95部を常法により前記容器に充填する。尚、プリン原料を充填する前に、公知のカラメルソースを前記容器に充填し、その上にプリン原料を充填することもでき、カラメルソースの比重がプリン原料よりも重いことを利用して、プリン原料の後から充填したカラメルソースを容器の底部に沈降させることもできる。
【0013】本発明の方法に使用する微細な気泡を含有する泡状原料は、少なくとも3%、望ましくは3.5〜5.5%、のゼラチンを含有し、その他砂糖、卵黄等からなっている。泡状原料の望ましい組成の一例を示せば、砂糖10.0%、卵黄30.0%、ゼラチン5.0%及び水55.0%である。所定の成分の所定量を水に均一に溶解し、必要に応じて均質化し、常法により加熱し、のち30〜35℃の温度に調整し、ミキサー、ホイップ・マシン等公知の泡立機で泡立て、オーバーランを100〜300%(望ましくは150〜250%)に調整する。泡立てた泡状原料5〜10部を、前記プリン原料の上に充填する。
【0014】泡状原料にゼラチンを含有させることにより、高温度の焼成における気泡の安定度を増加させ、焼成工程において鮮やかな焦げ目を付与することが可能となり、更にプリン表面の離水生成を防止し得るので、すぐれた品質の製品が得られる。
【0015】本発明の方法において加熱による泡状原料の焼成は、公知の器具を用いて次のように実施される。各原料を充填した容器を、容器を懸垂する孔を設けた天板を有し、断面形状が下向きのコ字状枠に懸垂させ、断面形状が上向きのコ字状のバットに該枠を蓋状に嵌合させ、水又は温湯に容器を浸漬せずに少なくとも160℃(望ましくは155〜175℃)の温度で40〜60分間(望ましくは45〜55分間)、市販のオーブンを用いて行われる。前記バットの底部に、枠に懸垂した容器が浸漬しない程度に少量の水又は温湯を張ることもできる。
【0016】使用するオーブンは、加湿空気を送り込む方式のものが望ましく、市販のコンポオーブン(三幸機械社製)等を例示することができる。又、上火と下火の2か所で加熱する方式のオーブンでは、上火を155〜175℃(望ましくは約160℃)、下火を190〜220℃(望ましくは約200℃)に調整するのが、本発明の方法の実施に特に好適である。
【0017】内容物を充填した容器をバット等に置き、水又は温湯に浸漬した場合、水又は温湯により容器への伝熱効率が高くなり、プリン原料の温度が高くなるので、所定の焦げ目を付ける前にプリン原料から気泡が発生し、プリンの組織が劣化する。従って、本発明の方法においては、容器を水又は温湯に浸漬せず、オーブン内を加湿空気等で湿潤させる手段を採用している。
【0018】焼成後、公知の方法により冷却し、容器に蓋をして最終製品とする。
【0019】以上の構成を採用することにより、良好な組織及び風味を有し、鮮やかな焦げ目を有し、日持ちのよい本格的な高級焼プリンを、衛生的に製造することができ、本発明の方法は、プリンの製造法として画期的な方法である。
【0020】次に試験例を示して本発明を詳述する。試験例この試験は、同一組成、同一原料を使用し、本発明の方法及び従来法により製造した焼プリンを比較するために行った。
【0021】1)試料の調製■本発明の方法により製造した試料実施例1と同一の方法により製造した(以下試料1と記載する)。
■従来法により製造した試料焼成を次のように変更したことを除き、実施例1と同一の方法により製造した(以下試料2と記載する)。特開平5−49429号公報第2欄第22行〜第24行の記載、即ち「バットに湯をカップが漬かる程度に張り、その中に充填品を入れて実施し、焼成温度は140℃で時間は50分間とする。」に基づき、実施した。
【0022】2)試験方法■保存試験各試料15個を10℃で、20日間保存し、5日毎に3個ずつ常法により細菌数を測定し、その平均値を表1に示した。
■官能検査男女各15名からなるテストパネルによる2点比較法に基づいて、各試料について、組織及び焦げ目の状態を肉眼的に観察し、風味を官能的に、それぞれいずれをよしとするかを相対的に評価し、各試験項目についてXo2 検定により有意差を検定した。
【0023】3)試験結果表1から明らかなように、試料1は、製造直後の細菌数及び保存中の増菌が試料2よりも少なく、製造後20日まで商品価値を有していた。これに対して試料2は、製造直後の細菌数及び保存中の増菌が試料1よりも多く、製造後15日で商品として不適当な状態となった。この結果から、160℃以上の高温で焼成する本発明の方法は、食品衛生上すぐれていることが認められた。
【0024】官能検査の結果は、表2に示すとおりである。表2から明らかなように、試料1は、組織、焦げ目及び風味の各試験項目において、5%の危険率で試料2よりもすぐれていることが、認められた。この結果から、本発明の方法により製造した焼プリンは、従来法により製造した製品よりも顕著にすぐれた製品である。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

次に実施例を示して本発明を更に詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
実施例1牛乳6.3kgに、全卵(キューピー社製)2.3kg及び砂糖1.4kgを添加し、攪拌混合し、60℃に加熱し、均質化し、のち室温に冷却し、プリン原料を調製した。これとは別に水275gに卵黄(キューピー社製)150g、砂糖50g及びゼラチン(ニッピ社製)25gを添加し、溶解し、35℃に加温し、ミキサー(愛工舎製)でオーバーラン200%に泡立て、泡状原料を調製した。
【0028】高結晶ポリプロピレン樹脂(三井東圧社製)を用いたRevePP71φ−105M(岸本産業社製)105ml容の容器に、前記プリン原料80ml、カラメルソース(池田糖化社製)3mlを充填し、2層に分離させ、次に前記泡状原料8mlをプリン原料の上に充填し、プリン容器を枠に懸垂し、容器の底が接触しない程度(深さ約20mm)の温湯を入れたバットにこの枠を蓋状に嵌合させ、オーブン(三幸機械社製)により上火160℃、下火200℃で60分間焼成し、のち冷却し、合成樹脂製フィルムで容器を密封し、焼プリン107個を得た。
【0029】得られた焼プリンは、カップの変形が認められず、製品の表面中央が狐色であって、製品の表面外周が濃い狐色に均一、かつ鮮やかな焦げ目を有し、高級感のある焼菓子風の外観及び風味を有していた。
【0030】実施例2牛乳6.3kgに、全卵(キューピー社製)2.3kg及び砂糖1.4kgを添加し、攪拌混合し、60℃に加熱し、均質化し、プリン原料を調製した。これとは別に水275gに卵黄(キューピー社製)150g、砂糖50g及びゼラチン(ニッピ社製)25gを添加し、溶解し、35℃に加温し、ミキサー(愛工舎製)でオーバーラン250%に泡立て、泡状原料を調製した。
【0031】高結晶ポリプロピレン樹脂(三井東圧社製)を用いたRevePP71φ−100C(岸本産業社製)115ml容の容器に、前記プリン原料85ml、カラメルソース(池田糖化社製)3mlを充填し、2層に分離させ、次に前記泡状原料8mlをプリン原料の上に充填し、プリン容器を枠に懸垂し、この枠を容器の底が接触しない程度(深さ約25mm)の湯を張ったバットに蓋状に嵌合させ、オーブン(三幸機械社製)により上火170℃、下火190℃で55分間焼成し、のち冷却し、合成樹脂製フィルムで容器を密封し、焼プリン101個を得た。
【0032】得られた焼プリンは、カップの変形が認められず、製品の表面中央が狐色であって、製品の表面外周が濃い狐色に均一、かつ鮮やかな焦げ目を有し、高級感のある焼菓子風の外観及び風味を有していた。
【0033】実施例3牛乳7.0kgに、全卵(キューピー社製)2.0kg及び砂糖1.0kgを添加し、攪拌混合し、60℃に加熱し、均質化し、プリン原料を調製した。これとは別に水275gに卵黄(キューピー社製)150g、砂糖57.5g及びゼラチン(ニッピ社製)17.5gを添加し、溶解し、35℃に加温し、ミキサー(愛工舎製)でオーバーラン180%に泡立て、泡状原料を調製した。
【0034】高結晶ポリプロピレン樹脂(三井東圧社製)を用いたRevePP71φ−105M(岸本産業社製)105ml容の容器に、前記プリン原料80ml、カラメルソース(池田糖化社製)3mlを充填し、2層に分離させ、次に前記泡状原料8mlをプリン原料の上に充填し、プリン容器を枠に懸垂し、この枠を容器の底が接触しない程度(深さ約23mm)の湯を張ったバットに蓋状に嵌合させ、オーブン(三幸機械社製)により上火160℃、下火200℃で60分間焼成し、のち冷却し、合成樹脂製フィルムで容器を密封し、焼プリン107個を得た。
【0035】得られた焼プリンは、カップの変形が認められず、製品の表面中央が狐色であって、製品の表面外周が濃い狐色に均一、かつ鮮やかなな焦げ目を有し、高級感のある焼菓子風の外観及び風味を有していた。
【0036】
【発明の効果】本発明によって奏せられる効果は、次のとおりである。
(1)鮮やかな焦げ目を有する本格的な焼プリンを、衛生的に製造し得る。
(2)ゼラチンの使用により、表面に離水のない製品が得られる。
(3)優れた風味及び組織を有する焼プリンを製造し得る。
(4)高温で焼成するので、日持ちのよい製品が得られる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013