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発明の名称 球形を呈したマグネタイト粒子粉末の製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−92642
公開日 平成6年(1994)4月5日
出願番号 特願平3−311798
出願日 平成3年(1991)10月30日
代理人
発明者 栗田 栄一 / 三澤 浩光 / 藤岡 和夫
要約 目的
Fe2+含有量が多く、且つ、表面が平滑な球形を呈したマグネタイト粒子粉末を工業的に得られる製造法を提供する。

構成
第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に酸素含有ガスを通気する第一段反応と、該第一段反応終了後残存Fe2+に対し1.00当量以上の水酸化アルカリを添加して加熱酸化する第二段反応との二段階反応により球形を呈したマグネタイト粒子を製造する方法において、第一段反応が終了に近づき反応液のpH値が降下し始めてからpH5になるまでの間に第二段反応を開始する。
特許請求の範囲
【請求項1】 第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリとを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に70〜100℃の温度範囲で酸素含有ガスを通気して加熱酸化する第一段反応と、該第一段反応終了後残存Fe2+に対し1.00当量以上の水酸化アルカリを添加して第一段反応と同条件下で加熱酸化する第二段反応との二段階反応により球形を呈したマグネタイト粒子粉末を製造する方法において、前記第一段反応が終了に近づき反応液のpH値が降下し始めてからpH5になるまでの間に前記第二段反応を開始することを特徴とする球形を呈したマグネタイト粒子粉末の製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Fe2+含有量が多く、且つ、表面が平滑な球形を呈したマグネタイト粒子粉末の製造法に関する。その主な用途は、塗料用黒色顔料粉末、樹脂着色用黒色顔料粉末、磁性トナー用・磁性キャリア用材料粒子粉末等である。
【0002】
【従来の技術】マグネタイト粒子粉末は、黒色を呈している為ビヒクル中に配合して塗料用黒色顔料粉末として、また、ゴム又は樹脂中に配合してゴム又は樹脂の着色剤として広く使用されている。また、マグネタイト粒子粉末は、黒色を呈する強磁性粒子であることから樹脂中に混合分散させて複合体粒子とすることにより静電複写に用いる磁性トナー用材料粒子粉末や磁性キャリア用材料粒子粉末として使用されている。
【0003】上記いずれの分野においても高性能化、高品質化の為の要求はとどまるところがなく、材料粒子粉末であるマグネタイト粉末としては、黒色顔料として最も好適な青味を帯びた黒色を有するとともに、ビヒクル中での分散性や樹脂との混合性が優れていることが要求されている。
【0004】マグネタイト粒子粉末の黒色度合は、「粉体および粉末冶金」第26巻第7号第239〜240頁の「試料の黒色度合いはFe(II)含有量および平均粒径によって左右され、平均粒径0.2μmの粉末は青味を帯びた黒色粉末であり黒色顔料としても最も好適である。‥‥Fe(II)含有量が10%以上では黒色度合に若干の差異が認められるが、試料はいずれも黒色である。Fe(II)含有量が10%以下に減少すると各試料は黒色から赤茶色に変化する。」なる記載の通り、前記用途に使用される平均粒子径が0.1〜0.5μm程度のマグネタイト粒子粉末の場合、主にFe2+含有量によって左右されることが知られている。また、マグネタイト粒子粉末のビヒクル中での分散性や樹脂との混合性は、その粒子形状や粒子の表面性に依存しており、マグネタイト粒子粉末は表面が平滑な球状を呈した粒子であることが好ましい。
【0005】従来、球状を呈したマグネタイト粒子粉末を製造する方法としては、■2価の金属の水溶性塩(Fe2+又はFe2+の一部または全部をCo2+等の2価金属で置換したもの)と第一鉄塩との混合水溶液に該水溶液中に含まれる酸根に対し当量以下のアルカリ金属の炭酸塩を加え沸騰温度以下の温度で酸化反応を行い強磁性粒子母体を生成させる第一工程と、溶液中に残存する未反応の金属イオンの全てが上記強磁性微粒子母体上に析出するに充分な量のアルカリ金属の水酸化物を加えることにより強磁性微粒子(MO・Fe23 M:Fe2+又はFe2+の一部または全部をCo2+等の2価金属で置換したもの)を生成させる第二工程とによる方法(特開昭49−35900号公報)や■第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリとを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に、70〜100℃の温度範囲で酸素含有ガスを通気して加熱酸化する第一段反応と、該第一段反応終了後残存Fe2+に対し1.00当量以上の水酸化アルカリを添加して第一段反応と同条件下で加熱酸化する第二段反応との二段階反応による方法(特公昭62−51208号公報、特公平3−9045号公報)等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】Fe2+含有量が多く、且つ、表面が平滑な球形を呈したマグネタイト粒子粉末は、現在最も要求されているところであるが、前出■及び■のいずれの製法によるマグネタイト粒子もFe2+含有量が高々17.0重量%程度と少なく茶褐色を帯びた黒色を呈しており、また粒子表面も凹凸を呈して平滑とは言い難いものである。更に■の製法によるマグネタイト粒子は球形性においても不十分である。
【0007】そこで、本発明は、Fe2+含有量が多く、且つ、表面が平滑な球形を呈したマグネタイト粒子粉末を得ることを技術的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。即ち、本発明は、第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリとを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に70〜100℃の温度範囲で酸素含有ガスを通気して加熱酸化する第一段反応と、該第一段反応終了後残存Fe2+に対し1.00当量以上の水酸化アルカリを添加して第一段反応と同条件下で加熱酸化する第二段反応との二段階反応により球形を呈したマグネタイト粒子粉末を製造する方法において、前記第一段反応が終了に近づき反応液のpH値が降下し始めてからpH5になるまでの間に前記第二段反応を開始することからなる球形を呈したマグネタイト粒子粉末の製造法である。
【0009】次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べる。本発明における水酸化アルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物を使用することができる。
【0010】本発明の第一段反応において使用する水酸化アルカリの量は、第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し0.80〜0.99当量である。0.80当量未満又は0.99当量を越える場合には、球形を呈したマグネタイト粒子を生成させることが困難となる。
【0011】本発明の第一段反応における反応温度は70℃〜100℃である。70℃未満である場合には、針状晶ゲータイト粒子が混在してくる。100℃を越える場合でも球形を呈したマグネタイト粒子が生成するが工業的ではない。
【0012】酸化手段は酸素含有ガス(例えば空気)を液中に通気することにより行う。
【0013】本発明の第二段反応において使用する水酸化アルカリの量は、第一段反応における残存Fe2+に対して1.00当量以上である。1.00当量未満ではFe2+が全量沈澱しない。1.00当量を越える工業性を勘案した量が好ましい量である。
【0014】本発明における第二段反応の反応温度は第一段反応と同一である。また、酸化手段も同一である。
【0015】前出特公平3−9045号公報に記載されている通り、球形を呈したマグネタイト粒子の生成反応において水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液中に酸素含有ガスを通気する前、即ち、水酸化アルカリ又は、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液のいずれかに水可溶性ケイ酸塩を添加した場合には、第一段反応によって生成するマグネタイト核の成長が緻密且つ均一に行なわれてマグネタイト核が等方的に成長し、第二段反応では第一段反応で生成した球形性の向上したマグネタイト粒子表面にマグネタイトがエピタキシャル成長することによって球形性の向上したマグネタイト粒子が生成することが知られているが、この反応系においても第一段反応が終了に近づき反応後のpH値が降下し始めてからpH5になるまでの間に第二段反応を開始すると本発明の目的とする同様の効果が得られる。
【0016】使用される水可溶性ケイ酸塩としては、ナトリウム、カリウムのケイ酸塩がある。
【0017】水可溶性ケイ酸塩の添加量は、Feに対してSi換算で0.1〜5.0原子%である。0.1原子%未満の場合には、球形性を向上させるという効果が十分ではなく、5.0原子%を越える場合には、添加した水可溶性ケイ酸塩が単独で析出する。
【0018】本発明において、第一段反応が終了に近づき反応液のpH値が降下し始めてからpH5になるまでの間に第二段反応を開始することが肝要である。第二段反応開始前にpH値が降下しすぎてpH5未満のpH値になると生成する球形を呈したマグネタイト粒子粉末はFe2+含有量が少なく茶褐色を帯びた黒色を呈し、粒子表面が凹凸を呈した粒子となる。第一段反応が終了に近づき反応液のpH値が降下し始めてからpH5になるまでの間にあっては第一段反応で生成した球形を呈したマグネタイト粒子の酸化が実質的に抑制された状態下にあるから、第一段反応が終了に近づき反応液のpH値が降下し始めるのを確認した後に第二段反応に移行すればよい。
【0019】
【作用】本発明において最も重要な点は、第一段反応が終了に近づき反応液のpH値が降下し始めてからpH5になるまでの間に第二段反応を開始した場合には、Fe2+含有量が多く、且つ、表面平滑である球形を呈したマグネタイト粒子粉末が得られるという事実である。
【0020】本発明における球形を呈したマグネタイト粒子粉末は、Fe2+含有量が18.0重量%以上の粒子を得ることができる。
【0021】生成マグネタイト粒子中のFe2+含有量が多くなる理由について、本発明者は、後出実施例及び比較例に示す通り、第一段反応が終了し反応液のpH値が降下してpH4〜4.5で安定化した後に第二段反応を開始した場合には生成マグネタイト粒子のFe2+含有量が少なく、一方、第一段反応が終了に近づき反応液のpH値が降下し始めてからpH5になるまでの間に第二段反応を開始した場合には、生成マグネタイト粒子のFe2+含有量が多くなることから、第一段反応が終了に近づき反応液のpH値が降下し始めてからpH5になるまでの間は、球形を呈したマグネタイト粒子の酸化が実質的に抑制されているが、pH5から更に低いpH値に低下すると球形を呈したマグネタイト粒子の酸化が急激に促進されることによるものと考えている。
【0022】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により本発明を説明する。尚、以下の実施例並びに比較例における平均粒子径及び表面の平滑性は、電子顕微鏡により観察したものである。
【0023】Fe2+含有量は、下記の化学分析法により求めた値で示した。即ち、不活性ガス雰囲気下において、マグネタイト粒子粉末0.5gに対しリン酸と硫酸とを2:1の割合で含む混合溶液25ccを添加し、上記磁性粒子粉末を溶解する。この溶解水溶液の希釈液に指示薬としてジフェニルアミンスルホン酸を数滴加えた後、重クロム酸カリウム水溶液を用いて酸化還元滴定を行った。上記希釈液が紫色を呈した時を終点とし、該終点に至るまでに使用した重クロム酸カリウム水溶液の量から計算して求めた。
【0024】また、赤味を表わすa* 値及び青味を表わすb* 値は、測定用試料片を多光源分光測色計MSC−IS−2D(スガ試験機(株)製)を用いてHunterのLab空間によりL* 値、a* 値、b* 値をそれぞれ測色し、国際照明委員会(Commission International e de l’Eclairage、CIE)1976(L* 、a* 、b* )均等知覚色空間に従って表示した値で示した。上記赤味を表わすa* 値が0に近づく程、また、青味を表わすb* 値の負の値が大きい程、黒色度は優れ、青味を帯びた黒色となる。
【0025】測定用試料片は、マグネタイト粒子粉末0.5gとヒマシ油1.0ccをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリヤラッカー4.5gを加え混練し塗料化して、キャストコート紙上に6milのアプリケーターを用いて塗布することによって得た。
【0026】実施例1Fe2+1.7mol/l を含む硫酸第一鉄水溶液1.176 lを、あらかじめ、反応器中に準備された1.346−NのNaOH水溶液2.824 lに加え(Fe2+に対し0.95当量に該当する。)、温度90℃においてFe(OH)2 を含む第一鉄塩水溶液の生成を行った。上記Fe(OH)2 を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃において毎分15 lの空気を180分間通気してpH6.8で酸化反応を行った。その後、反応液のpH値が降下し始めpH6.0となった時、上記マグネタイト粒子を含む第一鉄塩水溶液に4−NのNaOH水溶液0.4 lを加え(Fe2+に対し1.05当量に該当する。)、pH11.6、温度90℃において毎分15 lの空気を60分間通気してマグネタイト粒子を生成した。生成粒子は、常法により、水洗、濾別、乾燥、粉砕した。得られたマグネタイト粒子粉末は、図1に示す電子顕微鏡写真(×80000)から明らかな通り、平均粒子径が0.24μmの球形を呈した粒子であり、粒子表面が平滑な粒子であった。そして、Fe2+含有量は19.3重量%であり、また、a* 値は0.02、b* 値は−1.67であって青味を帯びた黒色を有していた。
【0027】実施例2〜3、比較例1Fe2+水溶液の使用量、水酸化アルカリの使用量、NaOH水溶液への水可溶性ケイ酸塩添加の有無、第二段反応開始時のpH並びに反応温度を種々変化させた以外は実施例1と同様にしてマグネタイト粒子粉末を生成した。この時の主要製造条件及び生成マグネタイト粒子粉末の諸特性を表1に示す。実施例2〜3で得られたマグネタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、いずれも球形を呈した粒子であり、粒子表面が平滑な粒子であった。比較例1で得られたマグネタイト粒子粉末は図2に示す電子顕微鏡写真(×80000)に示す通り、粒子表面に凹凸が認められた。
【0028】
【表1】

【0029】
【発明の効果】本発明によれば、前出実施例に示した通り、Fe2+含有量が18.0重量%以上と多く、且つ、表面が平滑な球形を呈したマグネタイト粒子粉末を得ることができるので、塗料黒色顔料粉末、樹脂着色用黒色顔料粉末、磁性トナー用・磁性キャリア用材料粒子粉末として好適である。




 

 


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