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発明の名称 脱穀選別制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−30644
公開日 平成6年(1994)2月8日
出願番号 特願平4−190537
出願日 平成4年(1992)7月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 佐藤 茂夫
要約 目的
選別装置の能力の自動調節における目標値の設定を容易且つ的確に行うことができる脱穀選別制御装置を提供する。

構成
現在値検出手段S3にて検出される選別装置の処理能力の現在値を、目標値に近づけるように増減調節する制御手段Hが設けられている。制御手段Hは、基準目標値設定手段にて設定された基準目標値を、扱室への穀稈供給量を検出する穀稈供給量検出手段S6,S7の検出情報と、選別装置に備えられた揺動選別板上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段S8の検出情報とに基づいて補正することにより目標値を求める。基準目標値設定手段は、作物の湿り気を設定する水分設定手段45と、作物の脱粒し易さを設定する脱粒設定手段46とからなり、制御手段Hが、基準目標値を、水分設定手段45の設定値に基づいて、作物の湿り気が高いほど選別装置の処理能力増大側に設定し、且つ、脱粒設定手段46の設定値に基づいて、作物が脱粒し難いほど選別装置の処理能力増大側に補正する。
特許請求の範囲
【請求項1】 現在値検出手段(S3)にて検出される選別装置(B)の処理能力の現在値を、目標値に近づけるように増減調節する制御手段(H)が設けられ、前記制御手段(H)が、基準目標値設定手段にて設定された基準目標値を、扱室(A)への穀稈供給量を検出する穀稈供給量検出手段(S6,S7)の検出情報と、選別装置(B)に備えられた揺動選別板(14)上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段(S8)の検出情報とに基づいて補正することにより前記目標値を求めるように構成されている脱穀選別制御装置であって、前記基準目標値設定手段が、作物の湿り気を設定する水分設定手段(45)と、作物の脱粒し易さを設定する脱粒設定手段(46)とからなり、前記制御手段(H)が、前記基準目標値を、前記水分設定手段(45)の設定値に基づいて、作物の湿り気が高いほど前記選別装置(B)の処理能力増大側に設定し、且つ、前記脱粒設定手段(46)の設定値に基づいて、作物が脱粒し難いほど前記選別装置(B)の処理能力増大側に補正するように構成されている脱穀選別制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、現在値検出手段にて検出される選別装置の処理能力の現在値を、目標値に近づけるように増減調節する制御手段が設けられ、前記制御手段が、基準目標値設定手段にて設定された基準目標値を、扱室への穀稈供給量を検出する穀稈供給量検出手段の検出情報と、選別装置に備えられた揺動選別板上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段の検出情報とに基づいて補正することにより前記目標値を求めるように構成されている脱穀選別制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】脱穀選別装置(以下、単に選別装置という)の処理能力を扱室への穀稈供給量に応じて増減調節することが従来から行われている。例えば、コンバインの場合、走行速度やエンジン負荷から穀稈供給量を推定し、選別装置の処理能力、即ち、揺動選別板の漏下開度等を調節する。又、揺動選別板上の処理物の層厚を検出する層厚センサの検出情報に基づいて、層厚が適正範囲になるように処理能力を調節するフィードバック制御を付加したものもある。
【0003】この場合、一般に、収穫対象作物の条件に応じて基準目標値設定手段にて手動設定された基準目標値を、穀稈供給量及び処理物の層厚に基づいて補正したものを目標値とし、選別装置の処理能力(例えば、揺動選別板の漏下開度)の現在値と上記目標値との偏差に基づいて処理能力調節のための操作量を求めることになる。尚、基準目標値設定手段はとしては、例えば調節VR(可変抵抗)が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記基準目標値設定手段による基準目標値の設定は、作物(特に稲)の湿り具合や脱粒容易性等の複数の要因を考慮して行わなければならず、ある程度の熟練を要するものであった。このため、慣れない作業者にとって操作性が悪く改善の余地があった。
【0005】本発明はかかる実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、選別装置の能力の自動調節における基準目標値の設定を容易且つ的確に行うことができる脱穀選別制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による脱穀選別制御装置は、現在値検出手段にて検出される選別装置の処理能力の現在値を、目標値に近づけるように増減調節する制御手段が設けられ、前記制御手段が、基準目標値設定手段にて設定された基準目標値を、扱室への穀稈供給量を検出する穀稈供給量検出手段の検出情報と、選別装置に備えられた揺動選別板上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段の検出情報とに基づいて補正することにより前記目標値を求めるように構成されているものであって、その特徴構成は、前記基準目標値設定手段が、作物の湿り気を設定する水分設定手段と、作物の脱粒し易さを設定する脱粒設定手段とからなり、前記制御手段が、前記基準目標値を、前記水分設定手段の設定値に基づいて、作物の湿り気が高いほど前記選別装置の処理能力増大側に設定し、且つ、前記脱粒設定手段の設定値に基づいて、作物が脱粒し難いほど前記選別装置の処理能力増大側に補正するように構成されている点にある。
【0007】
【作用】上記の特徴構成によれば、作業者は、水分設定手段にて作物の湿り気を設定し、脱粒設定手段にて作物の脱粒し易さを設定すればよい。すると、制御手段が、水分設定手段の設定値及び脱粒設定手段の設定値に基づいて、予め定められた関係に従って基準目標値を求める。特に作物が稲の場合は、湿り気と脱粒容易性が選別装置の処理能力を適正範囲に制御するために最も大きな影響を与える要因であり、この2つのパラメータを適切に設定すれば適切な基準目標値が自動設定されることになる。
【0008】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、選別装置の能力の自動調節における基準目標値の設定を、作物の湿り気や脱粒容易性に応じて容易且つ的確に行うことができる脱穀選別制御装置を提供するに至った。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。先ず、図2に、本発明が適用されるコンバインの側面図を示す。このコンバインは、稲、麦、大豆を収穫対象とする普通型コンバインである。左右一対のクローラ走行装置1を備える機体Vに操縦室2、脱穀装置3等が搭載され、機体Vの前方には刈取装置4が昇降自在に設けられている。刈取装置4は、分草具5、掻き込み装置6、刈り刃7、刈り取った作物を機体左右方向の中央部に寄せ集めるオーガー8、寄せ集めた作物を脱穀装置3に搬送するコンベア9を備えている。
【0010】脱穀装置3は、機体Vの前後方向の軸芯周りに回転する扱胴10と受け網11を備える脱穀部(以下、扱室という)A、及び、扱室Aからの漏下処理物から穀粒を選別して回収する選別部(以下、選別装置という)Bからなる。刈取装置4で刈り取られ、オーガー8及びコンベア9により脱穀装置3に搬送される稲、麦、大豆等の作物(穀稈)は、扱室Aに供給されて扱胴10の回転により脱穀される。
【0011】つまり、扱胴10の周囲に螺旋状に設けられた扱歯によって機体後方へ移送されながら脱穀され、穀粒や細かい藁屑等は受網11から漏下し、残りの処理物は、受け網11の後端部から排出される。図3に示すように、扱室Aの天井カバー12の内面には、処理物の後方への移送を促進し、或いは抑制することにより処理物の扱室内での滞留時間を調節し、もって脱穀具合を最適化するための送塵弁13が設けられている。又、穀稈が扱室Aに供給されていればオン信号、供給されていなければオフ信号を出力する穀稈感知スイッチS1も設けられている。
【0012】送塵弁13は、図4に示すように、複数の板状部材が扱胴の回転軸芯方向に所定間隔で配設されてなる。各板状部材は、上下方向の軸芯周りで回動自在に天井カバー12に枢着され、天井カバー12の外側に設けられたリンク機構13a,13bにより全板状部材が平行状態を維持しつつ同時に回動するように構成されている。
【0013】即ち、各板状部材と共に回動するリンク13aが一本のリンク13bで枢支連結され、送塵弁モータM1によって各板状部材の回動角度(送塵弁13の開度)を所定範囲内で同時に変更できるように構成されている。この送塵弁モータM1は、後述する制御手段によって正逆転駆動される。又、送塵弁13の開度(以下、送塵弁開度という)を検出するためのポテンショメータ式の送塵弁開度センサS2が設けられている。
【0014】送塵弁13の開度調節範囲は、図4に破線で示す位置(+20°)から二点鎖線で示す位置(−10°)までに規制されている。破線で示す位置は全開状態であってこの状態では処理物の後方への移送が最も促進される。逆に、二点鎖線で示す全閉状態では処理物の後方への移送が最も抑制される。
【0015】選別装置Bは、図5に示すように、揺動選別板14とトウミ15を備える。扱室Aから漏下して揺動選別板14に堆積した処理物は、揺動により後方へ移送されながら比重選別されると共に細かい藁屑等がトウミ15からの選別風によって吹き飛ばされる。揺動選別板14の前部にはグレンパン16が設けられ、その後方にチャフシーブ17,18が設けられている。さらにチャフシーブ17の下方にはグレンシーブ19が設けられている。チャフシーブ17及びグレンシーブ19を漏下した穀粒は一番口20から回収され、図示しないバッケトコンベヤによって搬送されてグレンタンク21(図2参照)に貯留される。又、チャフシーブ18を漏下して二番口22から回収される枝梗付穀粒や藁屑等の混合物は、図示しない再処理機構により再処理された後、スクリューコンベヤ23にて揺動選別板14に還元される。
【0016】チャフシーブ17の漏下開度(以下、チャフ開度という)は、以下のように変更調節自在に構成されている。図6に示すように、複数の板状部材17aが機体前後方向に所定間隔毎に設けられ、各板状部材17aは左右軸芯周りに回動自在に枢着されると共に下端部がリンク25に枢支連結されている。従って、リンク25を前後方向に移動操作すると各板状部材17aが同時に回動し、チャフ開度に相当する各板状部材17aの隣接間隔tが変化する。
【0017】チャフ開度の調節は、チャフモータM2を正逆転することによって行われる。チャフモータM2の正逆転はギヤ式の連係機構26、揺動アーム27、ワイヤ28によってリンク25の前後移動に変換され、その結果、上記の如くチャフ開度が変更される。尚、揺動アーム27の回動角度からチャフ開度を検出するためのポテンショメータ(以下、チャフ開度センサという)S3が設けられている。
【0018】チャフ開度を大きくすることは選別装置Bの処理能力を大きくすることに相当する。つまり、チャフ開度を大きくすれば、揺動選別板14上の処理物は速く漏下して回収される。チャフ開度を大きくすると選別精度は一般に悪くなるので、これを補うべくトウミ15が発生する選別風の風力(以下、トウミ風力という)を増加させることも必要に応じて行われる。
【0019】トウミ風力は、トウミ15の回転速度(以下、トウミ回転数という)を変更することにより変更される。図7に示すように、トウミ15を回転駆動する入力プーリ15aが割りプーリで構成され、その実効径がトウミモータM3の正逆転駆動により変化される。つまり、電動モータM3を正転駆動すると、ギア式の連係機構29、揺動アーム30、ワイヤ31を介してアーム32が引き操作され、図示しないカム機構により割りプーリ15aの間隔が広がる。その結果、Vベルト23が接触する部分の実効径が小さくなりトウミ回転数が高くなる。即ちトウミ風力が強くなる。トウミモータM3を逆転させた場合は、各部が上記と逆に動き、トウミ回転数は低くなる。尚、トウミ15の回転数を検出するトウミ回転数センサS4が設けられている。
【0020】チャフ開度及び唐箕風力の変更調節、及び、前述の送塵弁開度の変更調節は、図1に示すように、制御手段Hがリレーユニット33を介してチャフモータM2、トウミモータM3、又は送塵弁モータM1の駆動を制御することにより行われる。制御手段Hは、マイクロコンピュータを用いて構成され、その出力O1,O2によりチャフモータM2を、出力O3,O4によりトウミモータM3を、出力O5,O6により送塵弁モータM1を、それぞれ正逆転駆動する。
【0021】例えば、出力O1をオン(Lレベル)、出力O2をオフにすれば、チャフモータM2が正転駆動され、逆に、出力O1をオフ、出力O2をオンにすれば、チャフモータM2が逆転駆動される。出力O1,O2が共にオフ又はオンのときはチャフモータM2は停止している。出力O3,O4によるトウミモータM3の駆動、及び、出力O5,O6による送塵弁モータM1の駆動についても同様である。
【0022】図中、34,35,36は手動でチャフ開度、トウミ回転数、又は送塵弁開度を増減変更するための、中立位置付の切換スイッチである。但し、トウミ回転数の増減変更用の切換スイッチ35は、所定の条件が成立したときに有効となる。つまり、切換スイッチ35の共通端子は制御手段Hの出力O7に接続され、脱穀装置が作動中で、且つエンジン回転数が所定値以上である条件下でのみ出力O7がオン(Lレベル)になる。
【0023】又、37〜42はチャフ開度、トウミ回転数、又は送塵弁開度が調節範囲の限界に達するとオフになるリミットスイッチである。例えば、チャフ開度が全開になるとリミットスイッチ37がオフになり、チャフモータM2の正転駆動は停止される。この状態では逆転駆動、即ち、チャフシーブの閉じ操作のみが可能となる。他のリミットスイッチ39〜42の働きについても同様である。
【0024】図1に示すように、制御手段Hには、前述の穀稈感知スイッチS1、送塵弁開度センサS2、チャフ開度センサS3、トウミ回転数センサS4の他に、種々のセンサ、スイッチ等の情報が入力されている。脱穀クラッチスイッチS5は、脱穀クラッチが接続状態にあるときにオンになるスイッチである。この信号は、後述する選別自動制御の起動条件の一つとして用いられる。
【0025】エンジン回転数センサS6は、エンジンの回転軸に固着されたホイールギアの回転数に比例する周波数の正弦波を発生する電磁ピックアップであり、制御手段Hがエンジン回転数の低下量からエンジン負荷を検出するための負荷検出手段に相当する。車速センサS7はミッション部に設けられ、クローラ走行装置1の駆動輪の回転数に比例するパルス数の信号を発生する。車速センサS7は、選別自動制御においては、扱室Aへの穀稈供給量を検出する手段として用いられる。車速(走行速度)に比例して単位時間当たりの刈取量、即ち穀稈供給量が変化するからである。又、エンジン回転数センサ(負荷検出手段)S6も、脱穀負荷を検出することにより間接的に扱室Aへの穀稈供給量を検出することから、穀稈供給量検出手段として用いられる。
【0026】層厚センサS8は、揺動選別板14上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段に相当し、図5及び図8に示すように、チャフシーブ17の上方に設けられている。層厚センサS8は、横軸芯周りに揺動自在に垂下された板状部材T1,T2と、その板状部材T1,T2の後方(処理物の搬送方向)への回動角度を抵抗値に変換するポテンショメータPMからなる。処理物の層厚が小さいときは板状部材T1が処理物に接当して後方へ回動し、層厚が大きくなると板状部材T2が処理物に接当して後方へ回動する。このような構成により、処理物の層厚が大きいほどセンサバーT1,T2の回動角度が大きくなるので、ポテンショメータPMの抵抗値(に対応する電圧値)から処理物の層厚がわかる。
【0027】選別オートスイッチ43は、選別自動制御を実行するか否かを切り換える照光式の押釦スイッチである。スイッチが押されていれば選別自動制御が選択され、照光ランプが点灯される。作物スイッチ44は刈取対象作物(稲、麦、大豆)を切り換えるためのロータリー式の切換スイッチである。
【0028】水分調節VR45は、作物の湿り気を設定する水分設定手段であり、ロータリー式の可変抵抗が用いられている。可変範囲の中央位置を標準として、作物が乾燥気味の場合はつまみを左に回し、作物が湿っている場合はつまみを右に回す。回す角度に応じて乾燥又は湿り具合の程度も設定される。脱粒調節VR46は、作物の脱粒し易さを設定する脱粒設定手段であり、水分調節VR45と同様にして作物の脱粒容易性を設定する。脱粒し易い場合はつまみを左に、脱粒し難い場合はつまみを右に回す。
【0029】次に、制御手段Hが実行する選別制御、即ち、チャフ開度、トウミ回転数、及び送塵弁開度の制御の具体手順を図9及び図10の流れ図に沿って説明する。先ず、選別自動制御の起動条件をチェックする。即ち、処理(イ)以降に示すように、選別オートスイッチ43がオン、脱穀クラッチスイッチS5がオン、トウミ回転数センサS4の検出値が500rpm以上であるか否かをチェックする。全ての条件を満たせば処理(ロ)以降の選別自動制御に移行するが、いずれかの条件が満たされない場合は、処理(ハ)以降に示すようにチャフ開度、トウミ回転数、及び送塵弁開度の変更出力を全て停止、即ち、チャフモータM2、トウミモータM3、及び送塵弁モータM1を全て停止して終了する。
【0030】処理(ロ)以降の選別自動制御は、作物スイッチ44の切換位置によって3つのモードに分かれる。即ち、処理(ニ)以降の稲モード、処理(ホ)以降の麦モード、処理(ヘ)以降の大豆モードである。先ず処理(ニ)以降の稲モードにおいて、穀稈感知スイッチS1の信号がチェックされる。オンのとき、即ち扱室Aに穀稈が供給されているときは、処理(ト)以降に示すようにチャフ目標値(チャフ開度の目標値)、トウミ目標値(トウミ回転数の目標値)、及び送塵弁目標値(送塵弁開度の目標値)が設定される。後の出力処理にて、チャフ開度、トウミ回転数、送塵弁開度が、上記の各目標値になるように各モータM2,M3,M1を駆動することになる。
【0031】チャフ目標値の設定について説明を加えると、先ず、図11(a)に基づいて水分調節VR45による基準目標値(T)が設定される。図からわかるように、作物の湿り気が高いほどチャフ開度増大側(選別装置(B)の処理能力増大側)に設定される。この基準目標値(T)は、図11(b)に示すように、脱粒調節VR46の設定値に基づいて、作物が脱粒し難いほどチャフ開度増大側に補正される。即ち、基準目標値(T)に図11(b)に基づいて求めた補正値(D)が加算される。
【0032】次に図11(c)に基づいてエンジンの負荷による補正値(L)を求める。負荷は、エンジン回転数検出センサS6の検出値から求められ、ここでは、車速が0.1m/s未満のときのエンジン回転数(基準回転数)に対するエンジン回転数の低下量を負荷としている。尚、この負荷は、扱室Aへの穀稈供給量に応じて変化するので、エンジン回転数検出センサS6が穀稈供給量検出手段として使用されていることになる。さらに、図11(d)に基づいて層厚センサS8の検出値による補正値(C)を求める。結局、基準目標値(T)に各補正値を加えたもの(T+D+L+C)がチャフ目標値となる。
【0033】トウミ目標値の設定についても同様である。図12(a)に基づいて水分調節VR45による基準目標値(T)が設定され、これに図12(b)に基づいて求めた脱粒調節VR46による補正値(D)、図12(c)に基づいて求めた負荷による補正値(L)、及び、図12(d)に基づいて求めた層厚センサS8の検出値による補正値(C)を加えたもの(T+D+L+C)をトウミ目標値とする。送塵弁目標値の場合は、先ず、図13(a)に基づいて脱粒調節VR46による基準目標値(T)が設定される。図からわかるように、作物が脱粒し難いほど送塵弁開度増大側に設定される。この基準目標値(T)は、図13(b)に示すように、水分調節VR45の設定値に基づいて、作物の湿り気が多いほど送塵弁開度増大側に補正される。即ち、基準目標値(T)に図13(b)に基づいて求めた補正値(D)が加算される。さらに、図13(c)に基づいて求めた負荷による補正値(L)を加えたもの(T+D+L)を送塵弁目標値とする。尚、層厚センサS8の検出値による補正はない。
【0034】処理(ニ)で穀稈感知スイッチS1がオフであるとき(正確にはオフ状態が2秒以上継続したとき)は、処理(チ)以降に示すように、オフに変化してから5秒経過したか否かをチェックする。未経過であれば穀稈感知スイッチS1がオフになったときのチャフ開度検出センサS3の検出値をチャフ目標値として維持し、5秒経過すればチャフ目標値を1.0ボルト(チャフ開度の全閉に相当する)に設定する。扱室Aに穀稈が供給されなくなっても、しばらくはチャフ開度をそのまま維持し、5秒経過後に閉じるようにするためである。又、トウミ目標値には、穀稈感知スイッチS1がオフになったときのトウミ回転数センサS4の検出値より100rpm低い回転数を設定する。
【0035】処理(ホ)以降の麦モードにおいても、先ず穀稈感知スイッチS1の信号をチェックし、オフのときは上記の処理(チ)に分岐する。オンのときは、処理(リ)以降に示すように、チャフ目標値、トウミ目標値、及び送塵弁目標値が設定される。
【0036】稲モードと同様に、図14(a)に基づいて求めた水分調節VR45による基準目標値(T)に、図14(b)に基づいて求めた車速による補正値(L)と図14(c)に基づいて求めた層厚センサS8の検出値による補正値(C)を加えたもの(T+L+C)をチャフ目標値とする。但し、脱粒調節VR46による補正が無い点、及び、穀稈供給量による補正を負荷ではなく車速に基づいて行う点で稲モードと異なる。又、トウミ目標値は、図15に示すように水分調節VR45のみによって定まり、送塵弁目標値は、図16に示すように脱粒調節VR46のみによって定まる。
【0037】処理(ヘ)以降の大豆モードにおいては、穀稈感知スイッチS1の信号に関係なく、麦モードにおける処理(リ)以降と同様にしてチャフ目標値、トウミ目標値、及び送塵弁目標値が設定される。つまり、図17(a)に基づいて求めた水分調節VR45による基準目標値(T)に、図17(b)に基づいて求めた車速による補正値(L)と図17(c)に基づいて求めた層厚センサS8の検出値による補正値(C)を加えたもの(T+L+C)をチャフ目標値とする。又、図18に基づいて水分調節VR45によるトウミ目標値が定められ、図19に基づいて脱粒調節VR46による送塵弁目標値が定められる。
【0038】以上のように各モード毎に求めたチャフ目標値、トウミ目標値、送塵弁目標値に基づいて、処理(ヌ)以降において、実際にチャフ開度変更出力(チャフモータM2の正逆転)、トウミ回転数変更出力(トウミモータM3の正逆転)、及び送塵弁開度変更出力(送塵弁モータM1の正逆転)が実行される。
【0039】先ず、処理(ヌ)以降でチャフ目標値と、チャフ開度センサS3によって検出される現在のチャフ開度(チャフ現在値)との差(チャフ偏差)が求められ、このチャフ偏差に基づいてチャフモータM2が操作される。チャフ偏差が−0.12〜+0.12ボルトのときは、不感帯としてチャフモータM1は駆動されない(チャフ開度変更出力停止)。チャフ偏差が+0.12ボルト以上のときは、「チャフ開出力」が実行され、チャフ開度を増加する方向にチャフモータM2が高速駆動される。チャフ偏差が−0.12ボルト以下のときは、「チャフ閉出力」が実行され、120msオン/1880msオフのデューティ駆動により、チャフ開度を減少する方向にチャフモータM2が低速駆動される。
【0040】次に、処理(ル)以降でトウミ目標値と、トウミ回転数センサS4によって検出される現在のトウミ回転数(トウミ現在値)との差(トウミ偏差)が求められ、このトウミ偏差に基づいてトウミモータM3が制御される。図に示すように、トウミ偏差の値によって5通りに分岐する。トウミ偏差が−15〜+15rpmのときは、不感帯としてトウミモータM3は駆動されない(トウミ回転数変更出力停止)。トウミ偏差が+15rpm以上のときはトウミ回転数を増加する方向にトウミモータM3が駆動されるが、+50rpmまでは低速駆動、それ以上は高速駆動される。トウミ偏差が−15rpm以下のときはトウミ回転数を減少する方向にトウミモータM3が駆動されるが、−50rpmまでは低速駆動、それ以下は高速駆動される。
【0041】同様に、処理(ヲ)以降で送塵弁目標値と、送塵弁開度センサS2によって検出される現在の送塵弁開度(送塵弁現在値)との差(送塵弁偏差)が求められ、この送塵弁偏差に基づいて送塵弁モータM1が制御される。送塵弁偏差が−0.02〜+0.02ボルトのときは、不感帯として送塵弁モータM1は駆動されない(送塵弁開度変更出力停止)。送塵弁偏差が+0.02ボルト以上のときは、「送塵弁開出力」が実行され、送塵弁開度を増加する方向に送塵弁モータM1が高速駆動される。チャフ偏差が−0.02ボルト以下のときは、「送塵弁閉出力」が実行され、送塵弁開度を減少する方向に送塵弁モータM1が高速駆動される。
【0042】以下、別実施例を列記する。
■ 選別装置Bの処理能力を変更調節するための構造は、上記実施例のように揺動選別板のチャフ開度を変更するものに限らない。例えば、チャフシーブの代わりに、網状又はスリット状の開口部をスライドグレンパンといわれる遮蔽板で遮蔽し、スライドグレンパンをスライドさせて開口部の遮蔽面積を変えることにより処理物の漏下速度を変える構造の揺動選別板であってもよい。又、揺動選別板の揺動速度を可変とすることにより処理能力を変更できるようにしたものでもよい。
【0043】■ 選別自動制御のための基準目標値を設定するための基準目標値設定手段、即ち、水分設定手段及び脱粒設定手段は、上記実施例のような可変抵抗を用いたものに限らない。例えば、ロータリスイッチを用いて複数段階に設定するものでもよく、或いは、キー(押釦)スイッチ(アップダウンキー)を用いて複数段階に設定するものでもよい。
【0044】■ 扱室への穀稈供給量を検出する穀稈供給量検出手段としては、車速センサS7やエンジン回転数センサ(エンジン負荷)S6の他に、例えば自脱型コンバイインの場合は、フィードチェーンで扱室へ挟持搬送される穀稈の厚さを検出する稈厚センサを用いることも可能である。又、層厚検出手段(層厚センサ)S8の具体構造についても実施例のものに限らず、種々変更可能である。
【0045】■ 本発明は、コンバインに限らずハーベスタ等の脱穀装置にも広く適用することができるものである。尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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